JPS641083Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (1) 考案の技術分野 この考案は、情報処理装置のプリンタに関する
もので、特に、連続伝票の１インチカツト処理
（印刷処理された直後の連続伝票を印刷位置から
１インチ以内の距離の所で順次切り取つて行く処
理をいう。）が可能なプリンタにおける連続伝票
給送装置に関するものである。

(2) 従来技術と問題点 プリンタの連続伝票給送装置には一般にトラク
タが用いられており、このトラクタを印字部の下
流側に設けたいわゆる引張り型のものと印字部の
上流側に設けたいわゆる押込み型のものとが実用
化されている。押込み型の給送装置は、１インチ
カツト処理による窓口業務用として実用化されて
いるものであるが、連続伝票を印字部へ押し込ん
で供給する関係上、その改行精度の点で問題があ
る。これに対して引張り型のものは伝票給送時の
改行精度に優れ、印刷品質も良好であるが、１イ
ンチカツト処理は不可能である。従来のプリンタ
における連続伝票給送装置は、押込み型または引
張り型のいずれか専用となつていたので、ユーザ
ーはそのいずれかを選択しなければならず、押込
み型を選択した場合には印刷品質が全般的に悪化
することを甘受しなければならず、引張り型を選
択した場合には１インチカツト処理が不可能であ
るために窓口業務に使用すると印刷用紙に大きな
無駄が生じてしまうという問題があつた。

(3) 考案の目的 この考案は、トラクタの方向を切り換えること
によつて引張り型の用紙給送操作と押込み型の用
紙給送操作とを業務内容に応じて容易に変換でき
る簡単な構造の伝票給送装置を得ることを目的と
してなされたもので、通常の連帳用紙処理時には
引張り型の用紙給送操作によつて高品質の印刷を
行うことができ、トラクタを切り換えることによ
つて１インチカツト処理にも直ちに対応できるプ
リンタを提供することを目的とするものである。

(4) 考案の構成 この考案の連続伝票給送装置は、回転プラテン
とこの回転プラテンの背部側に設けられたトラク
タとを有するプリンタの連続伝票給送装置におい
て、トラクタがその駆動軸回りに回動自在に設け
られてトラクタの用紙通路がプラテン周面の上部
接線方向および下部接線方向の２方向に設定可能
とされており、このトラクタの方向切り換え操作
に関連してプラテン周面に当接離隔するプレツシ
ヤローラおよびこのプレツシヤローラの直上部に
配置した用紙切断用当て刃を有していることを特
徴とするものである。

(5) 考案の実施例 第１図はこの考案の第１実施例を示す側面図、
第２図は第２実施例を示す側面図で、第１図示の
ものは、トラクタ１をその駆動プーリ軸２回りに
略180度回動させることによつてその用紙通路５
の方向を切り換える様にしたものであり、第２図
示のものは、方向切り換え時のトラクタ１の回動
角を小さくしたい場合に採用される実施例を示し
たものである。第３図は第１実施例の場合におけ
るトラクタ１およびプラテン７の駆動系を示した
ものである。

第１図ないし第３図において、１はトラクタ、
２はその駆動軸、３は従動軸、４は用紙押え、５
は用紙通路であり、トラクタ１は、前記駆動軸２
および従動軸３にそれぞれ装着されたプーリ間に
巻装されたピンベルトにより、用紙通路５に挿通
された連続伝票用紙６を給送するものである。７
は回転プラテン、８は印刷ヘツド、９は用紙ガイ
ド、１０はプレツシヤローラ、１１は用紙切断用
の当て刃である。

トラクタ１は、その駆動軸２回りに回動自在に
設けられており、その用紙通路５がプラテン７の
周面の上部接線方向を向く図にＡで示す位置と、
用紙通路５がプラテン７の周面の下部接線方向を
向く図に想像線で示すＢの位置とに、ストツパそ
の他の位置保持機構により、設定可能とされてい
る。また、プレツシヤローラ１０は、図示しない
アームその他の可動部材に適宜弾機を介して装着
されてこの可動部材をトラクタ１に連係させるこ
とにより、トラクタ１を図示Ａの位置に設定した
ときにプレツシヤローラ１０がプラテン７より離
隔し、トラクタ１を図示Ｂの位置に設定したとき
にプレツシヤローラ１０がプラテン７の周面に弾
圧される様になつている。当て刃１１は、プレツ
シヤローラ１０がプラテン７の周面に当接したと
きに当て刃１１の先端とプラテン７の周面との間
に僅かな間隙を残して保持される様に、プレツシ
ヤローラ１０の直上部に装着されている。プレツ
シヤローラ１０および当て刃１１を保持している
アームその他の可動部材とトラクタ１との連係手
段は、例えばリンクによる機械的な連係手段、ト
ラクタ１の位置をリミツトスイツチで検出してこ
の検出信号に基づいてソレノイドを作動させて前
記可動部材を移動させる電気的な連係手段その他
の公知の手段を採用することができ、また、オペ
レータの手動操作によるものとすることもでき
る。なお、トラクタ１の方向の設定は、オペレー
タの手動操作によつて行われる。

以上の構成において、トラクタ１を図示Ａの位
置に設定してこれを駆動してやれば、プラテン７
の下方より巻回された伝票用紙６はこのトラクタ
１によつて引き出されながら給送され、いわゆる
引張り型の用紙給送操作によつて用紙６に高品質
の印刷を行うことができ、また、トラクタ１を図
示Ｂの位置に設定してこれを駆動してやれば、用
紙６はプラテン７の下方より送り込まれていわゆ
る押込み型の用紙給送操作となり、印刷処理され
た用紙６を当て刃１１の位置で切り取ることによ
り、１インチカツト処理を容易に行うことができ
る。

一般にトラクタ１およびプラテン７の駆動は、
第３図に示す様に、１個の電動機１２によつて一
括して駆動されるのであるが、第１実施例のもの
はトラクタ１を切り換えたときにもその回転方向
が変化しないので、この様な駆動系をそのまま用
いることができる。これに対して第２実施例のも
のは、トラクタ１を切り換えたときにトラクタ１
の回転方向を反対にしてやる必要があり、１個の
電動機１２でプラテン７とトラクタ１とを駆動し
ようとする場合にはクラツチや歯車の切り換えに
よつてトラクタの回転を反転させてやらねばなら
ないので、一般的には第１実施例のものがより有
効である。また、トラクタ１を押込み型とした場
合には、トラクタ１とプラテン７との間隔をでき
るだけ短くする必要があるから、トラクタ１を図
示Ｂの位置に設定したときにトラクタ１をプラテ
ン７に向けて更に移動させる構成を採用すること
も有効である。なお、第３図中、１３はプラテン
７に固定されたプーリ、１４はトラクタの駆動軸
２に固定されたプーリ、１５は電動機１２の出力
軸に固定されたプーリ、１６はこれらのプーリ間
に巻回された同期ベルトである。

(6) 考案の効果 以上説明した様に、この考案の構成によれば、
トラクタ１の方向の切り換えによつて用紙６の給
送をいわゆる押込み型と引張り型とに簡易に変換
することができ、通常の連帳用紙には引張り型の
処理によつて高品質の印刷を行うことができ、１
インチカツト処理にも容易に対応することができ
るプリンタを得ることができる。また、トラクタ
１をその駆動軸回りに回動させて用紙給送操作の
切り換えを行う様にしたので、トラクタ駆動系が
複雑化するのを避けることができ、更にその用紙
通路が常にプラテン７の接線方向を向くので、用
紙に無理な力が作用したり弛みが生じたりするこ
とがなく、給送操作が円滑かつ正確に行われると
いう特徴を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第１実施例を示す側面図、
第２図は第２実施例を示す側面図、第３図は第１
実施例におけるトラクタおよびプラテンの駆動系
を示す側面図である。 図中、１はトラクタ、２は駆動軸、３は従動
軸、４は用紙押え、５は用紙通路、６は連続伝票
用紙、７はプラテン、８は印刷ヘツド、９は用紙
ガイド、１０はプレツシヤローラ、１１は当て
刃、１２は電動機、１３，１４，１５はプーリ、
１６は同期ベルトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転プラテンとこの回転プラテンの背部側に設
   けられたトラクタとを有するプリンタの連続伝票
   給送装置において、トラクタがその駆動軸回りに
   回動自在に設けられてトラクタの用紙通路がプラ
   テン周面の上部接線方向および下部接線方向の２
   方向に設定可能とされており、このトラクタの方
   向切り換え操作に関連してプラテン周面に当接離
   隔するプレツシヤローラおよびこのプレツシヤロ
   ーラの直上部に配置した用紙切断用当て刃を有し
   ていることを特徴とする、連続伝票給送装置。