JPS6395920A - 樹脂板の射出成形方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 この発明は光ディスク基板のように一方の面にきわめて
微細な凹凸が形成された透明な樹脂板の射出成形の方法
に関する。

〔従来技術とその問題点〕

光ディスクのように光を情報の記録、消去、再生の各手
段として用いる情報記録媒体の基板は、一方の面に情報
を記録する領域である情報トラックが渦巻状あるいは同
心円状の溝として形成され、他方の面は平滑に仕上げら
れている。情報トラン０．１ りの溝は幅１μｍ近傍、深さキμｍ以下というきわめて
微細なもので、しかもこの溝が１．６μｍ近傍のきわめ
て細かいピッチで配列される。情報の記録。

消去、再生を行う光は平滑な面から入射し、透明な光デ
ィスク内部を透過して光ディスクの内部の側から情報ト
ラック上に集束するように投射される。これは情報トラ
ック上にほこシが付着しても光束の集束に影響を与えな
いようにするためである。光ディスクには情報の再生専
用のものと、情報の記録と消去が可能なものとがあシ、
再生専用のものでは情報が幅０．６μｍ近傍、深さ０．
１μｍ近傍のくぼみとして情報トラックに刻まれる。ち
なみに情報トラックの設けられた側の外面には、再生専
用の光ディスクでは内部の集束光を反射させる金属薄膜
が形成され、記録と消去の可能な光ディスクでは磁化の
方向で情報の記録状態が定まる磁性薄膜や光の熱作用で
反射率のそれぞれ異なる記録状態としてのアモルファス
金属相と消去状態としての結晶相との間を可逆的に相変
化する材質の薄膜が形成される。

光ディスクは量産品でおって、その基板は情報トラック
や情報のくほみのようなきわめて微細な凹凸を精度良く
形成するために通常は透明樹脂の射出成形によって作ら
れる０この射出成形は金型中に樹脂を射出する射出工程
、金型に射出された樹脂にさらに圧力を加える保圧工程
、樹脂を冷却固化させる冷却工程の三つの工程より成る
０前記のようにきわめて微細な凹凸を精度よく成形する
ために保圧工程においては金型からの転写性を良好にす
るために樹脂に加える圧力を大きく設定する。ところが
このように大きな圧力を樹脂に与えると、成形後の残留
歪みが大きくなシ、比較的薄く成形された基板を変形さ
せた少基板を透過する光を複屈折させたシするようＫな
る。これらの変形や複屈折は情報トラックに集束される
光の経路に乱れを与えて情報の記録、消去、再生に支障
を与える。さらに樹脂は光ディスクの中心から外周に向
うように金型中に充填されるので、その流動方向に沿っ
て樹脂の分子鎖が配向する。との配向は成形された基板
に特性の異方性を与え、特に熱膨張係数の異方性は基板
の変形をもたらす。またとの配向によっても光は複屈折
する。したがって前記の残留歪みによる変形や複屈折効
果にさらに分子鎖の配向によるものが加わって基板に与
える悪影響が増大する。残留歪みを避ける方法として従
来の射出成形方法に加えて金型内のキャビティを真空に
することによシ樹脂に加わる圧力をあまシ大きくするこ
となく金型への充填状態を良好にする方法や圧縮成形過
程を付加したシする方法などがある。しかしながらこれ
らの方法を採用しても樹脂の金型中への射出にともなう
分子鎖の配向を避けることは不可前であって、これにも
とづく影響を除くことはできない。これらの問題は射出
成形法によらず圧縮成形法を用いることＫよって避ける
ことは可能であるが、圧縮成形法では樹脂素材を金型に
入れた後金型を加熱して樹脂を溶融させた後に成形を行
ない、次いで成形品数シ出しのための冷却が行なわれる
。したがって圧縮成形法は射出成形法に比し上記の加熱
と冷却の工程Ｋかなシの時間を要し、成形速度が射出成
形法に対して大幅に劣る。このため量産手段には適しな
いという問題がちる。

〔発明の目的〕

この発明は前述の問題点を解決して微細な凹凸の転写性
が良好でしかも成形後に残留歪みを生ずることがなく、
かつ分子鎖が配向しないように光ディスク基板のよう表
薄い樹脂板を射出成形する方法を提供することを目的と
する。

〔発明の要点〕

この発明は射出成形機の金型に加振機をとシつけて射出
工程と保圧工程とにわたる工程もしくは保圧工程のいず
れかに対して金型を加振して金型中に射出された樹脂に
振動を加えることによって、溶融状態の樹脂が金型の微
細な凹凸部に良好に充填されるようにし、かつ樹脂の金
型中への流動状態あるいは流動後の状態に乱れが与えら
れて分子鎖の配向かなくなるようにしたものである。

〔発明の実施例〕

第１図はこの発明の実施例であって、射出成形機の金型
の部分を示したものである。金型は可動型１と固定型２
とで構成されており、さらに本実施例においては可動型
１の上部に加振機３をとシつける。可動型１は可動定盤
４に固定され、この可動定盤は図示されていないピスト
ンによって図の水平方向に駆動されて可動型１を固定型
２に密着させたフ引き離した夛する。可動形には光ディ
スクの情報トラックのよう表徴細な凹凸のパターンを有
する微細凹凸部１２が底面に形成された凹部５が設けら
れておシ、との凹部５の深さは光ディスクの基板の板厚
に等しい。一方面定型２は固定定盤６に固定され、スプ
ール７の基部に樹脂注入用のノズル８の先端が密着して
と）つけられる。

射出工程においては可動型１を右方に動かして固定型２
と密着させて金型を閉じ、これによって凹部５の形成す
る空間１０に加熱溶融した透明な樹脂９をノズル８より
スプール７を介して加圧充填する。保圧工程釦おいては
充填された樹脂９が凹部５の微細凹凸部１２のパターン
を隙間なく埋めるように従来の射出成形法よシ低い一定
の圧力をある時間樹脂９に加える。との保圧工程に入っ
た時点で可動型１の上部にとシつけた可振機３を作動さ
せ、可動型１を矢印で示すように垂直方向に加振し、こ
れを介して所定時間樹脂９に分子鎖を破壊しない程度の
振動を与える。この振動により溶融状態の樹脂９は充分
に凹部５の微細凹凸部１２に隙間なく充填されるので、
樹脂９に加える圧力を従来の射出成形法に比して低くす
ることができる。また樹脂９は保圧工程においては流動
後の状態にあるが、この状態で加振されると充填時の流
動方向に沿っていた分子鎖の配列が乱され、分子鎖の配
向かなくなる。保圧工程の終シ近くでは樹脂が固化しは
じめるので加振機３の作動を停止させる。保圧工程が終
了すると樹脂９の固化を促進させる冷却工程に入シ、固
化が完了した時点で可動型１を左方に後退させて金型を
開く。この時ピン１１を可動型１に対して右方に移動さ
せ、成形された樹脂９すなわち光ディスク基板を可動型
１より押し出す０第２図は樹脂９が金型に充填されはじ
める射出工程から、保圧工程と冷却工程を経て成形され
た光ディスク基板が取り出されるまでの１サイクルにお
ける各工程すなわち経過時間と、これに対して樹脂に加
えられる圧力との関係を示したものであυ、この実施例
における圧力を実線１３で示す。図にはさらに加振の行
われる時間帯も示されている。射出工程においては樹脂
９に加える圧力を漸増させて樹脂９を金型に充填して行
き、樹脂の充填が完了して保圧工程に入ると樹脂９には
一定の圧力が加えられ、これを並行して振動が与えられ
る。保圧工程の終）近くの樹脂が固化しはじめた所で加
振を終了する。保圧工程が終了して冷却工程に入ると圧
力は漸時減少させられて行く。なお点線１４は従来技術
における圧力を示したものである。

第３図は保圧工程における空間１０に＃ユ鳴樹ｔ≦ 脂９の充填され本状態を示す。第３図（＆）は射出工程
から保圧工程に移行した直後の状態であって、樹脂９が
空間１０内特に情報トラックの型のような微細凹部１２
にまだ十分充填されていない。また分子鎖１５が樹脂９
の流動方向に沿って一方向に配向している。第３図Φ）
は（ａ）の状態において加振機３を作動させ、樹脂９に
振動を加えた状態である。矢印の方向に加えられた振動
によって樹脂９は微細凹部１２内に完全に充填され、ま
た分子鎖１５の配向もなくなっている０以上のようにこ
の発明では樹脂に加える圧力をあま夛大きくすることな
く樹脂９を金型中に十分に充填させることができ、かつ
分子鎖１５の配向をもなくすることが可能である。

第４図はこの発明の別の実施例で、第２図と同じく樹脂
に加える圧力と射出成形の各工程との関係を示したもの
である。この実施例においては射出工程において樹脂９
を空間１０に充填を開始す鉢 ると同時に加振をはじめ、保圧工程まで加振を輯続する
ようにしている。この方法では充填中の樹脂９に振動が
加えられるので充填の過程において既に微細凹部１２１
Ｃ樹脂９が充填されやすくなっており、同時に流動中の
樹脂９の流動方向が乱されるので、樹脂９の充填中にお
いてすでに分子鎖１５が一方向に配列しにくくなってい
るため、この発明の目的がさらに効率よく達成されると
いう利点がある。この第２の実施例では射出工程の開始
時から加振を行っているが、樹脂９の充填がある程度進
んだ時点から加振を開始してもよい。

なお以上の実施例において加振機３は可動型１の上部に
とシつけられているが、同一の加振方向を与える上では
加振機３を可動型１の下部にとシつけてもよい。また光
ディスクのように中心対象な成形品に対しては加振機３
は可動型１の側面にとシつけ、第１図の紙面に垂直方向
に加振を行っても全く同様の効果が得られる◇一方射出
成形されるものもこの発明の実施例のような光ディスク
基板に限られることなく、樹脂レンズのような光学部品
であってもよく、この中にはロッドレンズのような棒状
の成形体も含ませることができる。

また微細な凹凸パターンを有する不透明な樹脂板の成形
もこの発明の対象とすることができるのはもちろんであ
る。

〔発明の効果〕

この発明によれば射出成形機の金型に加振機をとシつけ
て射出工程と保圧工程とにわたる工程もしくは保圧工程
のいずれかに対して金型を加振して金型中に射出された
樹脂に振動を加えるようにしたので、樹脂が金型の微細
な凹凸部に良好に充填され、樹脂に加える圧力を従来の
射出成形法にくらべて大幅に低くして残留歪みをなくす
ことができ、成形後の変形や光の複屈折効果の発生を除
くことができる。さらに前記の加振によって樹脂の金型
中への流動状態あるいは流動後の状態に乱れが与えられ
る結果分子鎖の配向かなくなり、配向にもとづく特性の
異方性特に熱膨張の異方性がなくなって、これＫもとづ
く変形を除くことができる。また配向による複屈折効果
も除かれる。したがって情報トラックや情報ビットのよ
うな微細な凹凸部が精度良く形成された光ディスクを成
形後に変形や複屈折効果を生ずることのないように射出
成形法によって量産することが可能となる。

さらにこの発明の方法を樹脂レンズや微細な凹凸パター
ンを有する薄板の射出成形に適用することＫよっても同
様の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例の構成図、第２図はこの発明
の実施例における樹脂に加わる圧力と経過時間との関係
図、第３図（ａ）　（ｂ）は金型中の樹脂の状態を示す
模式図、第４図はこの発明の別の実施例における樹脂に
加わる圧力と経過時間との関係図である◇ １：可動型、２：固定型、３：加振機、５：凹部、９：
樹脂、１２：微細凹凸部。 屹理人弁理士山　ｖｊ！ｌ：ｄ （ｂ） 第３図 時閉 第４図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）射出成型装置の金型中に溶融状態の樹脂を射出する
   射出工程と、前記金型中の前記溶融状態の樹脂に成形の
   ため加圧する保圧工程とを含んで樹脂を板状に射出成形
   する方法において、前記保圧工程あるいは前記射出工程
   と前記保圧工程とにわたる工程のいずれかに対して樹脂
   が溶融状態にある間に加振手段により金型を加振して前
   記溶融状態の樹脂に振動を加えることを特徴とする樹脂
   板の射出成形方法。 ２）特許請求の範囲第１項記載の方法において、樹脂が
   透明樹脂であることを特徴とする樹脂板の射出成形方法
   。 ３）特許請求の範囲第２項記載の方法において、樹脂板
   が光ディスク基板であることを特徴とする樹脂板の射出
   成形方法。 ４）特許請求の範囲第２項記載の方法において、樹脂板
   がレンズであることを特徴とする樹脂板の射出成形方法
   。