JP4804482B2 - ポリ乳酸樹脂の成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリ乳酸樹脂の成形方法に関するもので、特に透明部分を有する容器やパッケージを製造するためのポリ乳酸樹脂の成形方法に関するものである。
従来、商品の容器やパッケージの材料としては、石油を原料とするポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの樹脂が使用されている。これらの樹脂は化学的に安定であるため、自然環境下においても分解することはなく、物理的にも化学的にもその形状をほぼ保持したまま残り、廃棄物問題となっている。
また、石油を原料とする樹脂を焼却処分した場合、もともと地中に埋まっていた炭素を大気中に放出することになり、大気中の二酸化炭素を増加させ、地球温暖化の問題となっている。
近年、これらの環境問題等の観点から生分解性で植物由来の樹脂としてポリ乳酸樹脂が注目を集めている。ポリ乳酸樹脂は、自然環境下で経時的に分解し、堆肥化などによる再資源化が可能である。また、ポリ乳酸樹脂は、焼却した場合でも発生する二酸化炭素は原料となる植物が、成長する間に光合成により大気中の二酸化炭素を吸収したものであるため、理論上大気中の二酸化炭素を増加させることがなく、地球温暖化対策として有効である。
ポリ乳酸樹脂は、トウモロコシなどの植物原料の澱粉を分解し、グルコースにした後に発酵させて得られる乳酸を重合させて得られる。ポリ乳酸樹脂は透明性に優れており、機械特性も良好であるが、耐熱性に劣るという欠点を有している。
ポリ乳酸樹脂は結晶性樹脂であり、結晶化することにより耐熱性を向上させることができる。しかしながら、ポリ乳酸樹脂は結晶化速度が遅いため、通常の射出成形などによって得られる成形体は結晶化度が低くなりやすく、耐熱性を改善することができない。
ポリ乳酸樹脂の結晶化速度および結晶化度を高め、耐熱性を改善する方法として、結晶核剤を添加する方法が知られている。ポリ乳酸樹脂の結晶核剤としては、タルク(talc)、カオリン(Kaolin)、クレー、シリカ、窒化ホウ素などの無機化合物が開示されている(特許文献1,特許文献2を参照)。
また、ポリ乳酸樹脂に対して、芳香族ポリカーボネート樹脂や添加剤を配合することにより、耐熱性等の特性が改善することが開示されている(特許文献3を参照)。
また、ポリ乳酸樹脂を組成の変更や異物の添加を必要とせずに短時間で結晶化させる成形方法として、溶融したポリ乳酸樹脂を射出充填し、再結晶化温度以下まで冷却した後、再結晶化温度以上に加熱して保持し、その後冷却して成形品を取り出す成形方法が開示されている(特許文献4を参照)。
特開平08−03432号公報 特開2005−200600公報 特開2006−182994公報 特開2005−169925公報
しかしながらポリ乳酸樹脂は耐熱性に劣るため、容器やパッケージに用いた場合、保管時や輸送時に長期間60℃以上の高温にさらされると、熱変形を受けるといった問題点がある。
また、ポリ乳酸樹脂の耐熱性を改善するために、無機充填材を添加する方法では、充填材の添加により透明性が低下する問題点があり、透明性と耐熱性が必要な用途では使用することができない。
また、ポリ乳酸樹脂の耐熱性を改善するために、ポリカーボネート樹脂等を配合する方法では、ポリ乳酸樹脂の生分解性が低下するといった問題がある。
また、溶融したポリ乳酸樹脂を射出充填し、再結晶化温度以下まで冷却した後、再結晶化温度以上に加熱して保持し、その後に冷却して成形品を取り出す成形方法では、透明性が低下する問題がある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、耐熱性に優れ、透明部分を有する容器やパッケージを製造することのできるポリ乳酸樹脂の成形方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載のポリ乳酸樹脂の成形方法は、射出ユニットから、金型で形成されたキャビティ内に溶融したポリ乳酸樹脂を射出して、前記キャビティ内にポリ乳酸樹脂を充填した後に、前記キャビティに充填されたポリ乳酸樹脂の温度が前記ポリ乳酸樹脂のガラス転移点以上であって前記ポリ乳酸樹脂の融点以下である時に、前記キャビティに充填されたポリ乳酸樹脂に振動を付加して、予め設定された時間にわたって振動を付加した後に、前記射出ユニットを保圧制御に切り換えて、前記キャビティに充填されたポリ乳酸樹脂に保圧を与えて、予め設定された時間にわたって保圧を与えた後に、前記キャビティに充填されたポリ乳酸樹脂を冷却することを特徴とする。
本発明の請求項2記載のポリ乳酸樹脂の成形方法は、請求項1において、前記キャビティに充填されたポリ乳酸樹脂に振動を付加する時の温度が、100℃以上であり、かつ前記ポリ乳酸樹脂の充填が完了した時点の温度以下であることを特徴とする。
本発明の請求項3記載のポリ乳酸樹脂の成形方法は、請求項1または請求項2において、付加する振動の周波数が、10kHz以上かつ100kHz以下であることを特徴とする。
本発明の請求項4記載のポリ乳酸樹脂の成形方法は、請求項1から請求項3のいずれかにおいて、振動を付加する位置は、キャビティに充填されたポリ乳酸樹脂の結晶化を促進させる位置であることを特徴とする。
本発明の請求項5記載のポリ乳酸樹脂の成形方法は、請求項4において、振動を付加する位置は、キャビティに充填されたポリ乳酸樹脂により成形される成形体の外周壁となる位置であることを特徴とする。
本発明の請求項6記載のポリ乳酸樹脂の成形方法は、請求項1〜請求項5の何れかにおいて、金型のキャビティを形成する面に結晶核剤を含んだ塗料が形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項7記載のポリ乳酸樹脂の成形方法は、請求項6において、前記結晶核剤は、タルク、カオリン、シリカ、及び窒化ホウ素の何れかであることを特徴とする
本発明のポリ乳酸樹脂の成形方法によれば、耐熱性に優れ、透明部分を有する容器やパッケージをポリ乳酸樹脂で成形できる。
また、本発明のポリ乳酸樹脂の成形方法によれば、結晶核剤をポリ乳酸樹脂に添加する場合に比べて、高濃度の結晶核剤を含んだ塗料が金型に形成されていることにより、ポリ乳酸樹脂に高濃度の結晶核剤が接触することで結晶化速度が速められ、成形体を短時間で得ることができる。また成形体の表層部の結晶化度が成形体の中心部の結晶化度より高めることができ、強度、耐熱性を改善した成形体を得られる。
以下、本発明のポリ乳酸樹脂の成形方法を、具体的な各実施形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の成形方法の実施に使用する金型を示し、図1Aは型開状態、図1Bは型閉状態である。
この金型は、固定金型固定板1に取り付けた固定金型2と、可動金型固定板3に取り付けた可動金型4とからなり、固定金型2と可動金型4との型閉によりキャビティ5を形成している。固定金型2のスプル6には、キャビティ5内に成形用樹脂を射出するためのノズル7が接続される。固定金型2および可動金型4の内部には、キャビティ5の周囲に加熱冷却水通路8が形成されている。
キャビティ5の形状は、図5に示した成形体20の成形に必要な形状である。具体的には、ここで成形しようとする成形体20の形状は、平面形状が四辺形で、外周壁20aを有した有底形状であり、底部20bは透明性が要求されている成形体である。外周壁20aは底部20bほどの透明性が要求されていないものである。
この金型には、温度センサ9と振動子12が設けられている。温度センサ9はキャビティ5の面に接して固定金型2の内部に配置されている。振動子12は、この振動子12に連結されたホーン11を介してキャビティ5の四つの側面に振動を付加できるように、固定金型2に設置されている。詳しくは、成形体になったときに透明性を必要としない前記外周壁20aに対応して、ここではホーン11と振動子12が周囲の4個所に配置されている。なお、ホーン11と振動子12は、キャビティ5の表面に加わる成形圧力に抗して所定位置に設定するよう固定金型2に固定されている。
温度センサ9をここでは固定金型2に配置して、前記キャビティ5に充填されたポリ乳酸樹脂の温度を、間接的にキャビティ温度として検出したが、可動金型4に配置したり、固定金型2と可動金型4の両方に配置してポリ乳酸樹脂の温度を検出することもできる。温度センサ9が複数個ある場合には、成形条件によって特定の位置の温度センサ9の検出値、もしくは平均値を選択して前記キャビティ5に充填されたポリ乳酸樹脂の温度とする。
図2はこの金型を使用した成形機の制御装置を示し、温度センサ9の検出したキャビティ温度信号は成形制御装置10へ送信される。成形制御装置10は、加熱冷却ユニット15を制御して、前記加熱冷却水路8に所定温度の加熱水と冷却水とを選択的に流すことによって金型の温度制御を行う。また、成形制御装置10は、射出ユニット16を制御して、ポリ乳酸樹脂のキャビティ5への必要量の射出ならびに保圧力の制御を行う。詳しくは、射出ユニット16はポリ乳酸樹脂を溶融して前記ノズル7からキャビティ5内へポリ乳酸樹脂を射出するシリンダ13と電動式のスクリュ14を具備しており、シリンダ13内のスクリュ14を回転させてポリ乳酸樹脂をスクリュ14の前部へ送り、成形制御装置10によって決められた必要量を射出する。また、ポリ乳酸樹脂をキャビティ5に充填した後、成形制御装置10によって決められた保圧力となるようにスクリュ14の位置が制御される。振動子12は振動制御装置17を介して成形制御装置10によって制御されている。
ポリ乳酸樹脂としては、ポリ(L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、およびこれらの混合物や共重合体を用いることができる。ポリ乳酸樹脂には、生分解性と透明性を低下させない範囲で、一般的に樹脂に使用される酸化防止剤、衝撃改良剤、帯電防止剤、顔料などの各種添加剤を添加してもよい。
ポリ乳酸樹脂の透明性は、非晶状態で厚さ1mmにおけるヘーズが25%以下であればよく、好ましくは20%以下がよい。ヘーズは、JIS K−7136に準じて測定されるものであり、小さい値ほど透明性がよい。ヘーズが25%を超えると、容器の内容物が識別できなくなり好ましくない。
ポリ乳酸樹脂の結晶化は、融点とガラス転移点の間の温度で進み、溶融したポリ乳酸樹脂を冷却した場合には、55℃からポリ乳酸樹脂の融点である168℃で結晶化が進行する。また、100℃〜140℃の間では結晶化速度が相対的に速くなる。
タルク等の結晶核剤を添加して結晶化速度を速めた場合においても、100℃〜140℃での結晶化速度が相対的に速くなる。ポリ乳酸樹脂の結晶化は、一次結晶核が形成され、その一次結晶核が成長することによって進行する。したがって、55℃〜168℃の温度でポリ乳酸樹脂の一次結晶核生成を誘起できれば、結晶化速度を速めることができると考えられ、鋭意検討の結果、ポリ乳酸樹脂に10kHz〜100kHzの振動を加えることにより、結晶化速度が速くなることを見出した。
ポリ乳酸樹脂に10kHz〜100kHzの振動を加えることにより、ポリ乳酸樹脂中にキャビテーションが発生し、このキャビテーションが圧壊する際に一次結晶核の生成が誘起され、結晶化を促進することができると考えられる。
しかしながら、振動を付加することによりポリ乳酸樹脂の一次結晶核の生成を誘起することができるが、その際にポリ乳酸樹脂中に発生したキャビテーションが圧壊せずに気泡として残る場合があり、成形体の外観不良となる。特に168℃を超える温度で振動を付加した場合に気泡の発生が顕著となる。
そこで、ポリ乳酸樹脂のガラス転移点55℃以上から168℃(ポリ乳酸樹脂の融点)以下の温度の区間において振動を付加し、これが完了した後に保圧力を与えることにより発生した気泡を消滅させることができ、外観不良を低減できる。
図3は成形制御装置10による成形工程を示している。
温度センサ9を介して検出した前記キャビティ5に充填されたポリ乳酸樹脂の温度が55℃〜168℃の範囲内の所定の温度TAであることをステップS1で検出すると、ステップS2では射出ユニット16へ射出開始信号を送信してポリ乳酸樹脂を射出する。
ステップS3では、スクリュ14を充填完了位置で停止させて充填を完了する。スクリュ14は振動付加が完了するまで充填完了位置を維持する。
キャビティ5にポリ乳酸樹脂が充填され、キャビティ温度が一旦上昇した後に、温度センサ9を介して検出したポリ乳酸樹脂温度が55℃〜168℃、かつTA以上の所定の温度TB以下になったことをステップS4で検出すると、次いでステップS5において、振動制御装置17へ振動付加開始信号を送信する。振動付加工程は、振動付加タイマーを設定してポリ乳酸樹脂に所定の時間にわたって振動を付加する。このステップS4とステップS5の振動付加の区間のポリ乳酸樹脂の温度は、ポリ乳酸樹脂の充填が完了した時点の温度以下である。
振動付加タイマーが設定時間に到達したことをステップS5で検出すると、ステップS6において振動制御装置17へ振動付加完了信号を送信して、振動付加が完了する。
ステップS7の保圧工程では、射出ユニット16へ保圧切換信号を送信し、保圧を開始する。また、保圧タイマーを設定して所定の時間、ポリ乳酸樹脂成形体に保圧を与える。保圧力はスクリュ14の位置を金型側へ移動させることにより制御する。
保圧タイマーが設定時間に到達したことを検出すると、射出ユニット16へ保圧完了信号を送信して、保圧工程が完了する。
ステップS8の冷却工程では、加熱冷却ユニット15へ加熱冷却切換信号を送信し、金型の加熱冷却通水路へ送っていた加熱水を冷却水に置換して冷却を開始する。
キャビティ温度が低下し、温度センサ9によるキャビティ検出温度が、ポリ乳酸樹脂のガラス転位点以下の所定の温度TC以下になったことをステップS9で検出すると、ステップS10において金型開閉ユニット18へ信号を送信し、金型の型開き、成形体の取り出しを実行する。
成形体の取り出しが完了すると、金型の加熱冷却水路8へ送っていた冷却水をステップS11において加熱水に置換して加熱を開始し、上記の各工程が繰り返される。
次に、本発明のポリ乳酸樹脂の成形方法のより具体的な実施例と、それと対比するための比較例について説明する。
(実施例)
図4は実施例の各工程におけるスクリュ位置、射出圧力、キャビティ温度の例を示す。
ポリ乳酸樹脂で、縦100mm、横60mm、深さ10mmで厚さ1mmの容器を作成した。ポリ乳酸樹脂としてポリ(L−乳酸)を用い、融点は168℃、ガラス転移点は55℃であった。金型の加熱冷却水路8に加熱水を供給して、キャビティ温度TAを120℃にし、190℃で溶融した樹脂をキャビティ5に充填し、スクリュ14を充填完了位置に維持した。キャビティ温度がTB=140℃まで下がったときに、振動の付加を開始した。キャビティ温度を140℃〜120℃に保持した状態で、振動子12を30kHzで振動させ、前記成形体20となったときの外周壁20aに対応する位置に3分間振動を加えた。振動子12を停止し、保圧工程に切り換えてポリ乳酸樹脂に保圧力を与え、金型の加熱冷却水路8への加熱水の供給を停止して、冷却水を供給した。キャビティ温度が40℃になったところで、成形体20を取り出した。
得られた成形体20の耐熱性試験を行った。65℃の恒温槽に24時間保持した後、成形体20の変形量を測定した。成形体20の縦、横、深さ方向の変形量は5%未満であり、良好な耐熱性を示した。
また、成形体20の透明性は、底部20bのヘーズが14%、外周壁20aのヘーズは35%であり、底部20bの透明性は良好であった。
前述した本発明の実施例と対比させるために行った実験結果を比較例として示す。
(比較例)
この比較例では、実施例と同様にポリ乳酸樹脂で、縦100mm、横60mm、深さ10mmで厚さ1mmの容器を作成した。ポリ乳酸樹脂としてポリ(L−乳酸)を用いた。
金型の加熱冷却水路8に冷却水を供給して、キャビティ温度を40℃にし、190℃で溶融した樹脂を、キャビティ5に充填後、保圧工程に切り換え、キャビティ温度が40℃になったところで、成形体20を取り出した。
得られた成形体20の耐熱性試験を行った。65℃の恒温槽に24時間保持した後、成形体20の変形量を測定した。成形体20の縦、横、深さ方向の変形量は5%以上であり、耐熱性に劣っていた。また、成形体20の透明性は、底部20bのヘーズが10%、外周壁20aのヘーズは10%であり、底部20b、外周壁20aともに透明性は良好であった。
なお、振動子12がホーン11を介してポリ乳酸樹脂に振動を付加する位置は、外周壁20aであったが、成形体20となったときに透明性を要求されていない位置であって、キャビティに充填されたポリ乳酸樹脂の結晶化を促進させる位置は外周壁20aには限定されない。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2におけるポリ乳酸樹脂の成形方法を実施するための成形装置の概略断面図である。
この成形装置は、固定金型2と、可動金型4、スプル6、キャビティ5、振動子12を有している。振動子12は、10Hz〜60KHzの振動を可動金型4に付与することができる。固定金型2のスプル6には、キャビティ5内に成形用樹脂を射出するための射出機構が接続される(図示なし)。固定金型2と可動金型4には、キャビティ5内に射出された樹脂の温度を結晶化温度に保持し、固定金型2、可動金型4から取り出すために冷却するための温度可変手段(図示なし)を設けることができる。温度可変手段として、固定金型2と可動金型4に加熱用のヒーターや冷却媒体を流す流路などを設けることができる。
次に、図6に示した成形装置を用いて本発明の実施の形態2におけるポリ乳酸樹脂の成形方法について、図7,図8を参照して説明する。
本発明の実施の形態2におけるポリ乳酸樹脂は、環境問題の観点から見れば好ましいものと思われる結晶性樹脂のひとつである植物由来樹脂である。成形体に用いるポリ乳酸樹脂には、結晶核剤、無機充填剤、難燃剤、その他に一般的に樹脂に使用される酸化防止剤、衝撃改良剤、帯電防止剤、顔料などの各種添加剤を添加してもよい。結晶核剤としては、タルク、カオリン、シリカ、窒化ホウ素などの無機化合物、ケイ酸塩鉱物からなるクレーなどの無機化鉱物、特定のアミド化合物、ソルビトール誘導体、リン酸エステル金属塩、メラミン化合物塩などを用いることができる。
図7は、結晶核剤を含んだ塗料を塗布する状態を表した図であり、固定金型2、可動金型4の溶融した結晶性樹脂と接触する面に、結晶核剤を含んだ塗料21をスプレーノズル22で吹き付けて塗布する。
この塗料21は、少なくとも結晶核剤とバインダ樹脂と溶剤を含むものである。前述と同じく結晶核剤としては、タルク、カオリン、シリカ、窒化ホウ素などの無機化合物、ケイ酸塩鉱物からなるクレーなどの無機化鉱物、特定のアミド化合物、ソルビトール誘導体、リン酸エステル金属塩、メラミン化合物塩などを用いることができる。バインダ樹脂にも前述のポリ乳酸樹脂を用いることができる。この塗料21は、結晶核剤にバインダ樹脂を混合し、溶剤に溶解もしくは分散して用いることができる。バインダ樹脂は、結晶核剤を固定金型2および可動金型4の各々の溶融したポリ乳酸樹脂と接触する各面に付着させる役割を果たす。スプレーノズル22で吹き付けた結晶核剤を含んだ塗料21の塗布厚みは、結晶核剤とバインダ樹脂と溶剤の混合割合により異なるが、例えばタルク10wt%、ポリ乳酸樹脂10wt%、メチルエチルケトン45wt%、トルエン35wt%で混合した場合に0.015〜1.0mmが望ましい。この塗布厚みは、溶剤等の揮発成分が蒸発した状態で0.005〜0.2mmとなる。0.005mmより薄い場合は、結晶核剤が塗布できない部分が生じる。また、0.2mmを超えるとそれ以上の塗膜の付着が困難となり厚みが不均一となる。
次に固定金型2、可動金型4を加熱し、結晶化温度に保たれるように、温度可変手段により制御する。結晶化温度は、ポリ乳酸樹脂の融点以下かつガラス転移点以上の温度の間で設定することができる。ポリ乳酸樹脂では、60℃から160℃の間で設定され、保持時間を短時間で行うためには、結晶化が速く進行する80℃から140℃の間で設定するのが好ましい。
次に、固定金型2、可動金型4を型閉めして、キャビティ5に溶融したポリ乳酸樹脂を射出する。ポリ乳酸樹脂では170〜260℃で溶融され、射出することができる。キャビティ5に充填された溶融したポリ乳酸樹脂は、結晶化温度まで温度が低下する。そして、所定の時間で、ポリ乳酸樹脂を結晶化温度に保持する。ポリ乳酸樹脂は固定金型2、可動金型4に塗布された塗料21と接触することにより、表層部23の結晶化が、中心部24よりも速く進行する。このとき、塗料21は成形体20の表層部23に取り込まれる。図8は、成形装置内における成形体20を図示した概略図である。
以上より、ポリ乳酸樹脂に高濃度の結晶核剤が接触することで結晶化速度が速められ、成形体を短時間で得ることができる。
また、ポリ乳酸樹脂を結晶化温度に保持する際に、振動子12を用いて10kHz〜60kHzの振動を可動金型4に付与し、その振動が可動金型4を通してポリ乳酸樹脂に伝わることが考えられるため、多数の結晶が発生し、結晶化がより促進される。振動の付与は、少なくともポリ乳酸樹脂を結晶化温度で保持する間に行うのが好ましいが、ポリ乳酸樹脂をキャビティ5に射出する工程や、結晶化温度で保持した後の冷却工程においても振動を付与しておいても良い。可動金型4に振動を付与することにより、その振動がキャビティ5内のポリ乳酸樹脂に伝わることが考えられるため、より結晶化が促進され、結晶化速度が速められ、成形体を短時間で得ることができる。
その後、固定金型2、可動金型4を室温付近まで冷却して成形体20を取り出す。このようにして取り出された成形体20は、表層部23の結晶化度が中心部24の結晶化度より高くなり、強度、耐熱性を改善したポリ乳酸樹脂の成形体20が得られる。
図9は、本発明のポリ乳酸樹脂の成形方法により成形されたポリ乳酸樹脂の成形体20の断面図である。成形体20は、製品毎に種々の形状のものがあるが、主要な部分の肉厚は1〜5mmの範囲にあり、図9はその一例として板状の成形体20を示している。図9において、23は表層部、24は中心部である。表層部23は、成形体20の表面から0.3mm程度の深さであり、中心部24は表層部23の内側の部分である。
表層部23の結晶化度は中心部24の結晶化度よりも相対的に高く、表層部23から中心部24へ段階的もしくは傾斜的に結晶化度が変化していてもよい。表層部23と中心部24の結晶化度は、それぞれのサンプルを採取し、示差熱分析計(DSC)を用いて、サンプルを窒素雰囲気下で10℃/分の昇温条件で20℃から200℃まで昇温し、昇温結晶化熱量と結晶融解熱量を測定する。結晶化度は、昇温結晶化熱量の絶対値Aと結晶融解熱量の絶対値B、およびポリ乳酸樹脂の理論結晶融解熱量の93.1J/gから、次式で算出できる。
結晶化度(%)=(B−A)/93.1×100
ポリ乳酸樹脂は結晶化することにより、強度や耐熱性が向上するとともに収縮が生じる。表層部23の結晶化度が中心部24の結晶化度より高いことにより、表層部23は中心部24より収縮が大きくなり、圧縮応力が働くため、成形体20の強度、耐熱性が向上する。表層部23の結晶化度は15%以上が好ましく、中心部24の結晶化度は表層部23よりも5%以上低いことが好ましい。
以下、実施の形態2の好ましい実施例を説明する。
まず、タルク10wt%、ポリ乳酸樹脂10wt%、メチルエチルケトン45wt%、トルエン35wt%を十分に混合し、固定金型2、可動金型4に塗布するための結晶核剤であるタルクを含んだ塗料を作成した。固定金型2、可動金型4のキャビティ5を構成する面に結晶核剤を含んだ塗料をスプレーノズル22から噴霧しながら、このスプレーノズル22を一定の速度で移動させながら、0.05〜0.15mmの厚みになるまで塗布した。このとき、キャビティ5でない部分には、マスクとなる板を配置し、結晶核剤を含んだ塗料が付着しないようにした。固定金型2、可動金型4を115℃に加熱して、塗液にした結晶核剤に含まれるメチルエチルケトンとトルエンを蒸発させた。別途、塗布した塗膜の厚みを測定したところ厚みの分布は0.01〜0.03mmとなっていた。115℃に温度を保持した固定金型2、可動金型4を型閉めして、ポリ乳酸樹脂に結晶核剤としてタルク2wt%を混合した樹脂を200℃で溶融させ、キャビティ5に射出した。30秒間115℃に保持した後、固定金型2、可動金型4を50℃まで冷却し、固定金型2、可動金型4を型開きして長さ80mm、幅10mm、厚み4mmの形状の成形品を取り出した。ここで取り出した成形品を成形品Aと呼ぶ。
成形品Aは、ASTM(米国材料試験協会;American Society for Testing and Materials)で規定される曲げ強度は90MPaであった。低荷重下(0.45MPa)の荷重たわみ温度は65℃であった。成形体20の表面から0.2〜0.3mmの深さの表層部での結晶化度は43%であり、表面から1〜2mmの深さの中心部は30%であった。
また次に、タルク10wt%、ポリ乳酸樹脂10wt%、メチルエチルケトン45wt%、トルエン35wt%を十分に混合し、固定金型2、可動金型4に塗布するための結晶核剤であるタルクを含んだ塗料を作成した。固定金型2、可動金型4のキャビティ5となる面に結晶核剤を含んだ塗料21をスプレーノズル22から噴霧しながら、このスプレーノズル22を一定の速度で移動させながら、0.05〜0.15mmの厚みになるまで塗布した。このとき、キャビティ5でない部分には、マスクとなる板を配置し、結晶核剤を含んだ塗料が付着しないようにした。固定金型2、可動金型4を115℃に加熱して、結晶核剤を含んだ塗料に含まれるメチルエチルケトンとトルエンを蒸発させた。別途、塗布した塗膜の厚みを測定したところ厚みの分布は0.01〜0.03mmとなっていた。115℃に温度を保持した固定金型2、可動金型4を型閉めして、ポリ乳酸樹脂に結晶核剤としてタルク2wt%を混合した樹脂を200℃で溶融させ、キャビティ5に射出した。振動子12を用いて、30kHzの振動を可動金型4に付与しながら30秒間115℃に保持した後、固定金型2、可動金型4を50℃まで冷却し、固定金型2、可動金型4を型開きして長さ80mm、幅10mm、厚み4mmの形状の成形品を取り出した。ここで取り出した成形品を成形品Bと呼ぶ。
成形品Bは、ASTMで規定される曲げ強度は95MPaであった。高荷重下(1.8MPa)の荷重たわみ温度は70℃であった。成形体20の表面から0.2〜0.3mmの深さの表層部での結晶化度は51%であり、表面から1〜2mmの深さの中心部は42%であった。
また次に、115℃に温度を保持した固定金型2、可動金型4を型閉めして、ポリ乳酸樹脂に結晶核剤としてタルク2wt%を混合した樹脂を200℃で溶融させ、キャビティ5に射出した。30秒間115℃に保持した後、固定金型2、可動金型4を50℃まで冷却し、固定金型2、可動金型4を型開きして長さ80mm、幅10mm、厚み4mmの形状の成形品を取り出した。ここで取り出した成形品を成形品Cと呼ぶ。
成形品Cは、ASTMで規定される曲げ強度は75MPaであった。高荷重下(1.8MPa)の荷重たわみ温度は55℃であった。成形体20の表面から0.2〜0.3mmの深さの表層部23での結晶化度は5%であり、表面から1〜2mmの深さの中心部は5%であった。
また次に、115℃に温度を保持した固定金型2、可動金型4を型閉めして、ポリ乳酸樹脂に結晶核剤としてタルク2wt%を混合した樹脂を200℃で溶融させ、キャビティ5に射出した。60秒間115℃に保持した後、固定金型2、可動金型4を50℃まで冷却し、固定金型2、可動金型4を型開きして長さ80mm、幅10mm、厚み4mmの形状の成形品20を取り出した。ここで取り出した成形品を成形品Dと呼ぶ。
成形品Dは、ASTMで規定される曲げ強度は80MPaであった。高荷重下(1.8MPa)の荷重たわみ温度は60℃であった。成形体20の表面から0.2〜0.3mmの深さの表層部23での結晶化度は30%であり、表面から1〜2mmの深さの中心部24は30%であった。
最後に、115℃に温度を保持した固定金型2、可動金型4を型閉めして、ポリ乳酸樹脂に結晶核剤としてタルク2wt%を混合した樹脂を200℃で溶融させ、キャビティ5に射出した。振動子12を用いて、30kHzの振動を可動金型4に付与しながら30秒間115℃に保持した後、固定金型2、可動金型4を50℃まで冷却し、固定金型2、可動金型4を型開きして長さ80mm、幅10mm、厚み4mmの形状の成形品20を取り出した。ここで取り出した成形品を成形品Eと呼ぶ。
成形品Eは、ASTMで規定される曲げ強度は85MPaであった。高荷重下(1.8MPa)の荷重たわみ温度は63℃であった。成形体20の表面から0.2〜0.3mmの深さの表層部23での結晶化度は41%であり、表面から1〜2mmの深さの中心部24は41%であった。
下記の表1に成形品A〜Eの成形条件と得られた成形体20の表層部23および中心部24の結晶化度を示す。
また、成形体20の強度、耐熱性が高い成形体であるかを判定するため、成形品A〜Eにおいて、表層部23と中心部24の結晶化度が15%以上のもの、もしくは、表層部23の結晶化度が15%以上、中心部24の結晶化度が表層部23よりも5%以上低いものを好ましい成形品として判定した。
Figure 0004804482
この表1から、好ましい成形品を得られたのは、成形品Aと成形品Bと成形品Dと成形品Eであることがわかる。しかしながら、成形品Dでは、保持時間が他の好ましい成形品よりも長くなるため成形品の生産性が低下してしまう。また、成形品Aと成形品Bとを比較すると、出来上がった成形体20の結晶化度が高い成形品Bには、その成形条件において金型に振動を付与していることが異なり、このことより、金型に振動を加えることがポリ乳酸樹脂の結晶化をより促進していることがわかる。
以上より好ましい成形品を短時間に得る成形方法としては、成形品Aと成形品Bと成形品Eを得る成形方法が好ましいことがわかる。
以上より本発明を採用することによって、強度や耐熱性が高いポリ乳酸樹脂の成形体を、短時間で成形加工することが可能となった。
本発明は、ポリ乳酸樹脂による各種の成形体の成形を可能とすることができ、社会的問題となっている廃棄物問題、地球温暖化の解決に寄与できる。
本発明の実施の形態1のポリ乳酸樹脂の成形方法の実施に使用する金型の型開状態の断面図 本発明の実施の形態1のポリ乳酸樹脂の成形方法の実施に使用する金型の型閉状態の断面図 実施の形態1の成形機のブロック図 実施の形態1の成形機のフローチャート 実施の形態1の各工程におけるスクリュ位置、射出圧力、キャビティ温度の具体例を示す説明図 実施の形態1の成形体と振動子による加振位置を示す斜視図 本発明の実施の形態2におけるポリ乳酸樹脂の成形方法を実施するための成形装置の概略断面図 結晶核剤を含んだ塗料を塗布する状態を表した図 成形装置内における成形体を図示した概略図 実施の形態2のポリ乳酸樹脂の成形体の断面図
符号の説明
1 固定金型固定板
2 固定金型
3 可動金型固定板
4 可動金型
5 キャビティ
6 スプル
7 ノズル
8 加熱冷却水通路
9 温度センサ
10 成形制御装置
11 ホーン
12 振動子
13 シリンダ
14 スクリュ
15 加熱冷却ユニット
16 射出ユニット
17 振動制御装置
18 金型開閉ユニット
20 成形体
20a 外周壁
20b 底部
21 塗料
22 スプレーノズル
23 表層部
24 中心部

Claims (7)

  1. 射出ユニットから、金型で形成されたキャビティ内に溶融したポリ乳酸樹脂を射出して、
    前記キャビティ内にポリ乳酸樹脂を充填した後に、前記キャビティに充填されたポリ乳酸樹脂の温度が前記ポリ乳酸樹脂のガラス転移点以上であって前記ポリ乳酸樹脂の融点以下である時に、前記キャビティに充填されたポリ乳酸樹脂に振動を付加して、
    予め設定された時間にわたって振動を付加した後に、前記射出ユニットを保圧制御に切り換えて、前記キャビティに充填されたポリ乳酸樹脂に保圧を与えて、
    予め設定された時間にわたって保圧を与えた後に、前記キャビティに充填されたポリ乳酸樹脂を冷却する
    ポリ乳酸樹脂の成形方法。
  2. 前記キャビティに充填されたポリ乳酸樹脂に振動を付加する時の温度が、100℃以上であり、かつ前記ポリ乳酸樹脂の充填が完了した時点の温度以下である
    請求項1記載のポリ乳酸樹脂の成形方法。
  3. 付加する振動の周波数が、10kHz以上かつ100kHz以下である
    請求項1または請求項2に記載のポリ乳酸樹脂の成形方法。
  4. 振動を付加する位置は、キャビティに充填されたポリ乳酸樹脂の結晶化を促進させる位置である
    請求項1から請求項3のいずれかに記載のポリ乳酸樹脂の成形方法。
  5. 振動を付加する位置は、キャビティに充填されたポリ乳酸樹脂により成形される成形体の外周壁となる位置である
    請求項4記載のポリ乳酸樹脂の成形方法。
  6. 金型のキャビティを形成する面に結晶核剤を含んだ塗料が形成されている
    請求項1から請求項5のいずれかに記載のポリ乳酸樹脂の成形方法。
  7. 前記結晶核剤は、タルク、カオリン、シリカ、及び窒化ホウ素の何れかである
    請求項6記載のポリ乳酸樹脂の成形方法。
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