JPH10662A - 射出成形方法 - Google Patents

射出成形方法

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JPH10662A JP15199796A JP15199796A JPH10662A JP H10662 A JPH10662 A JP H10662A JP 15199796 A JP15199796 A JP 15199796A JP 15199796 A JP15199796 A JP 15199796A JP H10662 A JPH10662 A JP H10662A
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佐藤  淳
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三喜男 山村
Tsuyoshi Yamamoto
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複雑な構造の金型も必要とせず、しかも効率
的にウエルドラインの発生を防止でき、機械強度に優れ
る成形品を得ることのできる射出成形方法を提供する。 【構成】 成形材料を射出成形する方法において、少な
くとも、溶融した成形材料の金型への充填終了時から成
形材料が固化し終わるまでの間における任意の時間、金
型全体に超音波振動を付与することを特徴とする射出成
形方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は射出成形方法に関
し、さらに詳しくは、複雑な形状の成形品について、ウ
エルドラインにおけるウエルド強度を向上させることの
できる射出成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形方法は、様々な形状の成形品を
大量に正確に生産するのに適した成形方法であるが、成
形品の形状が複雑な場合、ウエルドラインと呼ばれる細
い線が成形品に発生することが知られている。このウエ
ルドラインは、成形品の美観上の点から好ましくないば
かりか、成形品の機械的強度を著しく低下させるもので
ある。特に、成形品の形状上、例えば窓や穴となる部分
の周辺では樹脂が合流することが不可避であるため、ウ
エルドラインが発生しやすく、かかる部分が成形品にお
いて大きな問題となっていた。
【0003】このようなウエルドラインを解消する方法
として、種々の方法、とりわけ成形時に超音波振動を利
用する方法が提案されている。例えば、ゲート部や偏肉
部等ウエルドラインやヒケを生じやすいところに入れ駒
を挿入して超音波振動を付与する方法(特開昭52−1
09556号公報)、ウエルドラインが発生しやすい場
所に超音波振動子を組み込んだ金型を用いて、溶融樹脂
を充填する際に超音波振動を付与する方法(特開平04
−090309号公報)、樹脂合流部のようなウエルド
ラインが発生しやすい場所の金型部分に超音波発振装置
を配設することにより、樹脂配向を攪乱するような流れ
を与える方法(特開平06−262628号公報)が開
示されている。
【0004】しかしながら、これらの技術においては、
いずれも金型におけるある部分に集中して超音波振動を
付与することを特徴としており、そのため金型が複雑な
構造をとらざるを得ないという欠点がある。さらに効率
よくウエルドライン発生部分に付与できるとも限らず、
未だ十分な成果が得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
に鑑みなされたものであり、複雑な構造の金型も必要と
せず、しかも効率的にウエルドラインの発生を防止で
き、機械強度に優れる成形品を得ることのできる射出成
形方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記目的を
達成するために、鋭意研究を重ねた結果、射出成形法に
おける超音波振動の効率的な付与方法を見い出し、発明
を完成するに至った。即ち、本発明は、成形材料を射出
成形する方法において、少なくとも、溶融した成形材料
の金型への充填終了時から成形材料が固化し終わるまで
の間における任意の時間、金型全体に超音波振動を付与
することを特徴とする射出成形方法を提供するものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の射出成形方法を具
体的に説明する。 1.射出成形の範囲 本発明における射出成形方法は、多色成形方法、射出圧
縮成形方法等を含み、さらに、成形機からの流動状態ま
たはゴム様状態の成形材料を金型内に圧入し、所定の形
状に賦形した後、成形品を取り出す方法を採用する全て
の成形方法を含むものである。 2.射出成形機 本発明においては、射出成形機としては特に制限はな
く、通常用いられるものが用いられる。
【0008】金型についても特に制限はないが、固定金
型と可動金型とからなるものが一般に用いられる。固定
金型としては、特に制限はなく、たとえばその形態とし
て、中心軸にスプルーを有する汎用のものを挙げること
ができる。また、可動金型としても、特に制限はなく、
たとえば、その形態として、前記固定金型とほぼ同心に
当接して配設される汎用のものを挙げることができる。
必要に応じて、可動金型は後述するL−L変換体に配設
される。金型の材質としては、金属、セラミックス、グ
ラファイト等を挙げることができるが、超音波の伝達損
失が少ない材質、例えばチタン合金、ジュラルミン等を
用いることが好ましい。
【0009】本発明においては、超音波により振動する
部分は、固定金型と可動金型とからなる金型全体及び必
要に応じて可動金型に配設されるL−L変換体である。 3.超音波発振装置 (1)超音波発振器 超音波発振器は、共振体の共振周波数を予め超音波振動
子の追尾可能な周波数となるように設計、製作しておく
ことにより、成形機のノズルをスプルーに圧接させ、成
形材料をスプルーを介してキャビティに供給する場合の
刻々の負荷変動に対する共振周波数の変化に対し常に追
尾を行なうことが可能になり、また必要電力の供給も刻
々の変化に応じて必要量(最大出力以下)を供給するよ
うに設定することが可能になる。
【0010】振動周波数 本発明において用いられる超音波振動の振動周波数は、
1[KHz]〜10[MHz]が好ましく、成形時の材
料に超音波をきわめて有効に作用させるためには10
[KHz]〜100[KHz]がさらに好ましい。 振幅 本発明において用いられる超音波振動の振幅は、大きい
方がその効果を十分発揮できるため、金型の材質の疲労
度に合わせて設定するのが望ましい。 (2)L−L変換体 L−L変換体とは、超音波発振器からの振動の伝播方向
を90度変換するものである。これにより、必ずしも、
超音波発振器を金型部とほぼ同心に当接して配設する必
要はなく、心方向に90度曲がった位置に取付けること
が可能となることから、好ましく用いられる。 4.超音波付与方法 (1)超音波付与により共振する部分 固定金型と可動金型とからなる金型全体及び必要に応じ
て可動金型に配設されるL−L変換体からなる共振体
に、前記超音波発振器から発振する所定の振動数の超音
波を付与することにより、該共振体が、n波長(n=1
/2m,mは正の整数)で共振する。 (2)共振のさせ方 超音波振動を最も効率よく金型部に伝播させるために
は、金型部とL−L変換体の接続部が共振の腹部と一致
することが望ましい。さらに、共振の腹部をキャビティ
の形成位置と一致させるのが望ましい。これにより、キ
ャビティ部の振動は大きくなり、注入される樹脂等の成
形材料と金型壁面との接触抵抗を最も効率よく低減させ
ることが可能となる。また、共振の節部を固定金型保持
部、可動金型保持部及び射出ユニットのノズル接触部と
一致させるように振動を与えることが好ましい。これに
より、固定金型保持部、可動金型保持部及び射出ユニッ
トのノズル接触部では振動を小さくすることができ、振
動伝播によるエネルギー損失を最小限に止めることがで
きる。そのためには、なるべく節数の少ないn<3とす
ることが好ましい。 (3)超音波振動の付与 超音波振動は、少なくとも、溶融した成形材料の金型へ
の充填終了時から成形材料が固化し終わるまでの間にお
ける任意の時間、金型全体に付与することが必要であ
る。ウエルドラインは成形材料の固化開始から固化終了
までの間に主として発生するものであるから、成形材料
の固化が始まった直後から固化終了までの間、超音波振
動を付与し続けるのが最も効果的である。即ち、少なく
とも、充填が終了した時点から、保圧時にかけて超音波
振動付与を行うことが望ましい。具体的には、溶融した
成形材料の充填終了後、30秒以内、好ましくは20秒
以内の時間、超音波振動を付与するのがよい。
【0011】もっとも、超音波振動の付与を開始する時
点は、成形材料の充填終了時と限る必要はなく、充填開
始前或いは後の任意の時点から超音波振動を付与を行っ
てもよい。ただし、この場合においても、充填終了後か
らの一定時間付与することは必要である。 5.成形材料 本発明に用いられる成形材料としては、プラスチック等
の有機材料、無機高分子,セラミックス,金属,ガラス
等の無機材料、その他食料品およびそれらの混合材料等
の、成形時に若干の流動性を有する材料を挙げることが
できる。ここで、プラスチックとしては、たとえば、α
−オレフィン系樹脂(ポリエチレン,ポリプロピレン,
ポリスチレン,シンジオタクティクポリスチレン,塩化
ビニル樹脂,ポリブテン,超高分子量ポリエチレン,ポ
リメチルペンテン,アイオノマー,ポリブチレン等)、
ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボ
ネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、メタクリル系樹脂、
フッソ系樹脂、メタクリレート−ブタジエン−スチレン
系樹脂、アクリレート−アクリロニトリル−スチレン系
樹脂、アクリロニトリル−スチレン系樹脂、アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリアセタール
系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニリデン、塩素
化ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテート系樹脂、
ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アリル樹脂、フラ
ン樹脂、液晶性ポリマー、エポキシ樹脂、ポリブタジエ
ン樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ア
ミノ樹脂、スチレン−ブタジエン系エラストマー、ポリ
エステル系エラストマー、ポリエチレン系エラストマ
ー、ウレタン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマ
ー等を挙げることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。 [実施例1]図1に示すように、本実施例においては、
その中心軸部分にスプルー5を有する、ジュラルミン2
024からなる固定金型3に、ジュラルミン2024か
らなる可動金型4をほぼ同心に当接して配設した。この
場合、固定金型3は、固定金型固定板2によって、ま
た、可動金型4は可動金型保持部材11によってそれぞ
れ固定されている。
【0013】また、固定金型3の一端部と可動金型4の
一端部とによって、その形状が矩形で、厚さが2mmの
キャビティ6を形成している。また、可動金型4の別の
一端部にはL−L変換体8が接続され、当L−L変換体
8には超音波振動子7(精電舎電子工業社製 SONO
PET1200B;基本周波数19.15KHz)を接
合した。
【0014】また、可動金型固定板9に固定した突出し
ピン12は、キャビティ6内で成形された成形品を突き
出して取り出すため、油圧シリンダー11によって可動
に配設されている。また、成形機のノズル1が、固定金
型3のスプルー5の入口に当接して配設されている。こ
のような、射出成形装置に、成形材料としてポリスチレ
ン(出光石油化学株式会社製HF10)を用いて、以下
の条件で射出成形を行い、成形品の引張強度を測定し
た。結果を表1に示す。
【0015】 型締力 25[ton] 射出圧力 940[Kgf/cm2 ] 樹脂温度 200[℃] 金型温度 40[℃] 振幅 10[μm] 共振 図2に示す1.5波長共振 超音波振動の付与 溶融樹脂の充填終了後、10秒間 [比較例1]実施例1において、超音波を付与しなかっ
たこと以外は実施例1と同様にした。実施例1と同様に
成形を行い、成形品の引張強度を測定した。結果を第1
表に示す。
【0016】
【表1】 [実施例2]実施例1と同じ射出成形機を用いて、成形
材料としてポリカーボネート及びABS樹脂のブレンド
品(ブレンド比率60:40)(出光石油化学株式会社
製SC253)を用いて、以下の条件で射出成形を行
い、成形品の曲げ強度を測定した。結果を表2に示す。
【0017】 型締力 25[ton] 射出圧力 940[Kgf/cm2 ] 樹脂温度 230[℃] 金型温度 50[℃] 振幅 10[μm] 共振 図2に示す1.5波長共振 超音波振動の付与 溶融樹脂の充填終了後、20秒間 [比較例2]実施例2において、超音波を付与しなかっ
たこと以外は実施例1と同様にした。実施例2と同様に
成形を行い、成形品の曲げ強度を測定した。結果を第2
表に示す。
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】本発明によって、特別な構造を必要とせ
ず、汎用の射出成形機及び金型を用いて、効率的にウエ
ルドラインの発生を防止でき、機械強度に優れる成形品
を得ることのできる射出成形方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例または比較例において用いた射出成形装
置を模式的に示す概略断面図である。
【図2】実施例または比較例ににおける金型部及びL−
L変換体からなる共振体の共振状態(1.5 波長共振)
を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 ノズル 2 固定金型固定板 3 固定金型 4 可動金型 5 スプルー 6 キャビティ 7 超音波振動子 8 L−L変換体 9 可動金型固定板 10 可動金型保持部材 11 油圧シリンダー 12 突出しピン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形材料を射出成形する方法において、
    少なくとも、溶融した成形材料の金型への充填終了時か
    ら成形材料が固化し終わるまでの間における任意の時
    間、金型全体に超音波振動を付与することを特徴とする
    射出成形方法。
JP15199796A 1996-06-13 1996-06-13 射出成形方法および射出成形装置 Expired - Lifetime JP3453476B2 (ja)

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