JPS639510B2 - - Google Patents
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- JPS639510B2 JPS639510B2 JP16010780A JP16010780A JPS639510B2 JP S639510 B2 JPS639510 B2 JP S639510B2 JP 16010780 A JP16010780 A JP 16010780A JP 16010780 A JP16010780 A JP 16010780A JP S639510 B2 JPS639510 B2 JP S639510B2
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Landscapes
- Thiazole And Isothizaole Compounds (AREA)
Description
本発明は、アミノアルキル硫酸エステルを出発
原料とし、2−メルカプトチアゾリン系含硫黄化
合物を高収率で製造する方法に関する。 これまで、アミノアルキル硫酸エステルと二硫
化炭素とから2−メルカプトチアゾリンを製造す
る方法が知られているが、従来の方法ではいずれ
も高収率で2−メルカプトチアゾリンを得ること
は困難であつた。 その理由としては、二硫化炭素が水あるいは水
酸化アルカリ水溶液に難溶でアミノアルキル硫酸
エステルとは異相反応となるため、反応に長時間
を要し二硫化炭素、アミノアルキル硫酸エステル
の分解のみならず、生成した2−メルカプトチア
ゾリンとの副反応などが起こり、その結果収率の
低下を招いていることが考えられる。 特に中間体であるジチオカルバミン酸のアルキ
ル硫酸エステルの生成に必要な化学量論量の水酸
化アルカリが系内に最初から存在すると、原料の
アミノアルキル硫酸エステルが加水分解してアミ
ノアルキルアルコールとなる。そして、このアミ
ノアルキルアルコールが2−メルカプトチアゾリ
ンとなるためには、二硫化炭素がアミノアルキル
硫酸エステルと反応させる場合の2倍当量必要な
ため、必然的に収率が低下することになる。 さらにアミノアルキル硫酸エステルと二硫化炭
素はジチオカルバミン酸のアルキル硫酸エステル
を経由して2−メルカプトチアゾリンに至ると考
えられるが、上記のように水酸化アルカリが最初
から系内に全量存在する場合には生成したジチオ
カルバミン酸のアルキル硫酸エステルがただちに
2−メルカプトチアゾリンとなるため、2−メル
カプトチアゾリンの水酸化アルカリとの接触時間
が長くなり、加水分解による損失が多くなるばか
りでなく、前記分解生成物であるアミノアルキル
アルコールとの2次反応をも起し、著しく収率の
低下を来たすのである。また、水酸化アルカリが
最初から全量系内に存在すると、反応の進行につ
れて、急激に反応し、温度制御が不可能となる。
この傾向は大容量の反応になるほど装置の放熱率
が小さくなるので顕著となり、工業的に実施する
には危険が大きすぎる。さらに、激しい温度上昇
により、上述の副反応が増大し、一層収率の低下
を招くことになるのである。 これを避けるために、アミノアルキル硫酸エス
テルと二硫化炭素を水に溶解又は懸濁し、これに
水酸化アルカリを徐々に加えたのち、還流下に30
〜40分間反応を行う方法も知られているが、還流
下の反応を行う前に水酸化アルカリを加えてしま
うことは、還流時に前述のような激しい発熱反応
が起こり二硫化炭素の突沸などの恐れがあり、さ
らに温度制御が困難になるという欠点があつた。 本発明者らは、上記従来法の欠点を克服した、
アミノアルキル硫酸エステルと二硫化炭素を水酸
化アルカリ存在下で反応させ、高収率に2−メル
カプトチアゾリン系含硫黄化合物を得る方法を開
発するため鋭意研究を重ねた結果、二硫化炭素還
流下に、水酸化アルカリ水溶液に溶解したアミノ
アルキル硫酸エステルを分割添加あるいは連続添
加することにより、アミノアルキル硫酸エステル
及び2−メルカプトチアゾリンの上記加水分解を
最小限に抑えることができ、上記の目的を達し得
ることを見出し、この知見に基づき本発明をなす
に至つた。 すなわち本発明は一般式 (式中、R1、R2、R3及びR4は水素原子又は低級
アルキル基を示す) で表わされるアミノアルキルアルコールの硫酸エ
ステルを水酸化アルカリ存在下に二硫化炭素と反
応させ、一般式 (式中、R1、R2、R3及びR4は前記と同じ意味を
もつ) で表わされる2−メルカプトチアゾリン系含硫黄
化合物を製造するに当り、水酸化アルカリ水溶液
に溶解したアミノアルキル硫酸エステルを、二硫
化炭素還流下に分割添加あるいは連続添加しつつ
ジチオカルバミン酸のアルキル硫酸エステルを生
成させ、次いで90℃以下に加熱して閉環反応を行
うことを特徴とする上記一般式〔〕で表わされ
る2−メルカプトチアゾリン系含硫黄化合物の製
造方法を提供するものである。 本発明方法においては、アミノアルキル硫酸エ
ステルをその2倍当量の水酸化アルカリを含む水
溶液に溶解し、このものを、その硫酸エステルに
対し当量の、還流状態の二硫化炭素中に滴下させ
る。滴下時間は反応容量によつて異なるが、二硫
化炭素の還流が穏和にかつ一定に行われるように
滴下速度を調整する必要がある。通常、滴下は1
〜4時間かけて行うのが好ましい。滴下時間が1
時間未満の場合には、ジチオカルバミンの酸のア
ルキル硫酸エステルが大部分生成しないうちに2
−メルカプトチアゾリンへの閉環反応が起こる急
激な反応を生起することとなるため本発明の実施
に不適当である。一方、4時間を越えても差支え
ないが、格別効果は増大しない。 この中間体であるジチオカルバミン酸のアルキ
ル硫酸エステルを生じる反応は次式で表わされる
(アミノアルキル硫酸エステルとしてアミノエチ
ル硫酸エステルを用いた場合)。 次にジチオカルバミン酸のアルキル硫酸エステ
ルの2次加熱による閉環反応は、上記のジチオカ
ルバミン酸のアルキル硫酸エステルの生成反応が
十分に終了してから行われ、通常90℃以下の温度
で加熱下で行うのが好ましく特に45〜70℃がより
好ましい。この時90℃を越えて加熱すると、生成
2−メルカプトチアゾリン化合物の加水分解及び
副生したアミノアルキルアルコールとの副反応を
助長し、収率の低下を来たすので、適当でない。
この2次加熱時間は0.5〜5時間の範囲であるが、
温度と時間の関係は、所望する反応速度及び分解
反応の許容限度などから自動的に決められる。 本発明方法に用いられる水酸化アルカリ水溶液
としては、NaOH、KOH、LiOH、RbOH、
CsOHなどの水溶液が好適であるが、これらは、
水酸化アルカリの対応の酸化物から調製したもの
でもよい。 本発明方法によれば、原料のアミノアルキル硫
酸エステル及び二硫化炭素の分解並びに生成した
2−メルカプトチアゾリンの分解及び副反応によ
る損失を防止して高収率で2−メルカプトチアゾ
リン化合物を得ることができ工業的に実施する方
法として極めて有利である。 次に本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説
明する。 実施例 1 撹拌機、温度制御手段、還流器及び滴下漏斗を
備えた反応器に、二硫化炭素0.2モルを仕込み、
二硫化炭素が穏やかに還流する程度に加熱したの
ち、2−アミノ−1−プロパノール硫酸エステル
0.2モルをあらかじめ室温で20%水酸化ナトリウ
ム水溶液(水酸化ナトリウム0.4モル含有)に溶
解して調製した水溶液を滴下漏斗より徐々に滴下
した。滴下後間もなく加熱を弱め、以後二硫化炭
素の穏やかな還流を保つ速度で滴下を続け、全量
加え終るのに1時間を要した。次いで加熱を強め
徐々に温度を上げ60℃で3時間2次反応(閉環反
応)を行つた。昇温過程で結晶の析出がみられ
た。反応終了後40℃以上で熱時ろ過を行い、得ら
れた粗結晶を冷水で洗浄し、白色の4−メチル−
2−メルカプトチアゾリンの結晶を得た。仕込み
の原料硫酸エステル基準の収率は97.0%であつ
た。 実施例 2 実施例1と同様の装置を用い、2−アミノエチ
ル硫酸エステル0.2モルを、あらかじめ25%水酸
化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム0.4モル
含有)に室温で溶解させた水溶液を調製し、これ
を実施例1と同様に還流下の二硫化炭素0.2モル
中に滴下させたところ、全量加え終るのに1時間
10分要した。次いで加熱により徐々に温度を高め
50℃で4時間2次反応を行つた。生成物を実施例
1と同様に後処理して、原料硫酸エステル基準で
97.6%収率で2−メルカプトチアゾリンを得た。 比較例 1 実施例1と同様の装置を用い、2−アミノエチ
ル硫酸エステル0.2モルと、0.4モルの水酸化ナト
リウムを含む25%水酸化ナトリウム水溶液を仕込
み、室温で溶解させたのち、加熱昇温しながら二
硫化炭素の滴下を開始した。二硫化炭素の還流が
始まつた時点で加熱を弱め、急激な還流を抑えな
がら約30分間で滴下を終了した。以後還流を1時
間続けたが、還流が弱まらないので加熱強度を増
して強制的に温度を70℃まで上げ、その温度で1
時間保つたのち反応を終了した。途中二硫化炭素
による発泡現象及び結晶の析出がみられた。実施
例1と同様に後処理して得られた2−メルカプト
チアゾリンの収率は74.2%であつた。 比較例 2 実施例1と同じ装置を用い、0.2モルの二硫化
炭素を仕込み、次いで2−アミノエチル硫酸エス
テル0.2モルを20%水酸化ナトリウム水溶液(水
酸化ナトリウム0.4モル含有)にあらかじめ室温
で溶解したものを1時間掛けて滴下した。次に加
熱昇温し、二硫化炭素の還流を開始した。途中二
硫化炭素による発泡現象及び結晶の析出が見られ
た。2時間還流後2次加熱温度を60℃とし、さら
に2時間保つて反応を終了した。実施例1と同様
に後処理して得られた2−メルカプトチアゾリン
の収率は78.3%であつた。 実施例 3 2次加熱温度(閉環反応の温度)の影響をみる
ため、2次加熱温度と時間を変えた以外は実施例
1と同様にして4−メチル−2−メルカプトチア
ゾリンを製造した。その結果を次表に示した。
原料とし、2−メルカプトチアゾリン系含硫黄化
合物を高収率で製造する方法に関する。 これまで、アミノアルキル硫酸エステルと二硫
化炭素とから2−メルカプトチアゾリンを製造す
る方法が知られているが、従来の方法ではいずれ
も高収率で2−メルカプトチアゾリンを得ること
は困難であつた。 その理由としては、二硫化炭素が水あるいは水
酸化アルカリ水溶液に難溶でアミノアルキル硫酸
エステルとは異相反応となるため、反応に長時間
を要し二硫化炭素、アミノアルキル硫酸エステル
の分解のみならず、生成した2−メルカプトチア
ゾリンとの副反応などが起こり、その結果収率の
低下を招いていることが考えられる。 特に中間体であるジチオカルバミン酸のアルキ
ル硫酸エステルの生成に必要な化学量論量の水酸
化アルカリが系内に最初から存在すると、原料の
アミノアルキル硫酸エステルが加水分解してアミ
ノアルキルアルコールとなる。そして、このアミ
ノアルキルアルコールが2−メルカプトチアゾリ
ンとなるためには、二硫化炭素がアミノアルキル
硫酸エステルと反応させる場合の2倍当量必要な
ため、必然的に収率が低下することになる。 さらにアミノアルキル硫酸エステルと二硫化炭
素はジチオカルバミン酸のアルキル硫酸エステル
を経由して2−メルカプトチアゾリンに至ると考
えられるが、上記のように水酸化アルカリが最初
から系内に全量存在する場合には生成したジチオ
カルバミン酸のアルキル硫酸エステルがただちに
2−メルカプトチアゾリンとなるため、2−メル
カプトチアゾリンの水酸化アルカリとの接触時間
が長くなり、加水分解による損失が多くなるばか
りでなく、前記分解生成物であるアミノアルキル
アルコールとの2次反応をも起し、著しく収率の
低下を来たすのである。また、水酸化アルカリが
最初から全量系内に存在すると、反応の進行につ
れて、急激に反応し、温度制御が不可能となる。
この傾向は大容量の反応になるほど装置の放熱率
が小さくなるので顕著となり、工業的に実施する
には危険が大きすぎる。さらに、激しい温度上昇
により、上述の副反応が増大し、一層収率の低下
を招くことになるのである。 これを避けるために、アミノアルキル硫酸エス
テルと二硫化炭素を水に溶解又は懸濁し、これに
水酸化アルカリを徐々に加えたのち、還流下に30
〜40分間反応を行う方法も知られているが、還流
下の反応を行う前に水酸化アルカリを加えてしま
うことは、還流時に前述のような激しい発熱反応
が起こり二硫化炭素の突沸などの恐れがあり、さ
らに温度制御が困難になるという欠点があつた。 本発明者らは、上記従来法の欠点を克服した、
アミノアルキル硫酸エステルと二硫化炭素を水酸
化アルカリ存在下で反応させ、高収率に2−メル
カプトチアゾリン系含硫黄化合物を得る方法を開
発するため鋭意研究を重ねた結果、二硫化炭素還
流下に、水酸化アルカリ水溶液に溶解したアミノ
アルキル硫酸エステルを分割添加あるいは連続添
加することにより、アミノアルキル硫酸エステル
及び2−メルカプトチアゾリンの上記加水分解を
最小限に抑えることができ、上記の目的を達し得
ることを見出し、この知見に基づき本発明をなす
に至つた。 すなわち本発明は一般式 (式中、R1、R2、R3及びR4は水素原子又は低級
アルキル基を示す) で表わされるアミノアルキルアルコールの硫酸エ
ステルを水酸化アルカリ存在下に二硫化炭素と反
応させ、一般式 (式中、R1、R2、R3及びR4は前記と同じ意味を
もつ) で表わされる2−メルカプトチアゾリン系含硫黄
化合物を製造するに当り、水酸化アルカリ水溶液
に溶解したアミノアルキル硫酸エステルを、二硫
化炭素還流下に分割添加あるいは連続添加しつつ
ジチオカルバミン酸のアルキル硫酸エステルを生
成させ、次いで90℃以下に加熱して閉環反応を行
うことを特徴とする上記一般式〔〕で表わされ
る2−メルカプトチアゾリン系含硫黄化合物の製
造方法を提供するものである。 本発明方法においては、アミノアルキル硫酸エ
ステルをその2倍当量の水酸化アルカリを含む水
溶液に溶解し、このものを、その硫酸エステルに
対し当量の、還流状態の二硫化炭素中に滴下させ
る。滴下時間は反応容量によつて異なるが、二硫
化炭素の還流が穏和にかつ一定に行われるように
滴下速度を調整する必要がある。通常、滴下は1
〜4時間かけて行うのが好ましい。滴下時間が1
時間未満の場合には、ジチオカルバミンの酸のア
ルキル硫酸エステルが大部分生成しないうちに2
−メルカプトチアゾリンへの閉環反応が起こる急
激な反応を生起することとなるため本発明の実施
に不適当である。一方、4時間を越えても差支え
ないが、格別効果は増大しない。 この中間体であるジチオカルバミン酸のアルキ
ル硫酸エステルを生じる反応は次式で表わされる
(アミノアルキル硫酸エステルとしてアミノエチ
ル硫酸エステルを用いた場合)。 次にジチオカルバミン酸のアルキル硫酸エステ
ルの2次加熱による閉環反応は、上記のジチオカ
ルバミン酸のアルキル硫酸エステルの生成反応が
十分に終了してから行われ、通常90℃以下の温度
で加熱下で行うのが好ましく特に45〜70℃がより
好ましい。この時90℃を越えて加熱すると、生成
2−メルカプトチアゾリン化合物の加水分解及び
副生したアミノアルキルアルコールとの副反応を
助長し、収率の低下を来たすので、適当でない。
この2次加熱時間は0.5〜5時間の範囲であるが、
温度と時間の関係は、所望する反応速度及び分解
反応の許容限度などから自動的に決められる。 本発明方法に用いられる水酸化アルカリ水溶液
としては、NaOH、KOH、LiOH、RbOH、
CsOHなどの水溶液が好適であるが、これらは、
水酸化アルカリの対応の酸化物から調製したもの
でもよい。 本発明方法によれば、原料のアミノアルキル硫
酸エステル及び二硫化炭素の分解並びに生成した
2−メルカプトチアゾリンの分解及び副反応によ
る損失を防止して高収率で2−メルカプトチアゾ
リン化合物を得ることができ工業的に実施する方
法として極めて有利である。 次に本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説
明する。 実施例 1 撹拌機、温度制御手段、還流器及び滴下漏斗を
備えた反応器に、二硫化炭素0.2モルを仕込み、
二硫化炭素が穏やかに還流する程度に加熱したの
ち、2−アミノ−1−プロパノール硫酸エステル
0.2モルをあらかじめ室温で20%水酸化ナトリウ
ム水溶液(水酸化ナトリウム0.4モル含有)に溶
解して調製した水溶液を滴下漏斗より徐々に滴下
した。滴下後間もなく加熱を弱め、以後二硫化炭
素の穏やかな還流を保つ速度で滴下を続け、全量
加え終るのに1時間を要した。次いで加熱を強め
徐々に温度を上げ60℃で3時間2次反応(閉環反
応)を行つた。昇温過程で結晶の析出がみられ
た。反応終了後40℃以上で熱時ろ過を行い、得ら
れた粗結晶を冷水で洗浄し、白色の4−メチル−
2−メルカプトチアゾリンの結晶を得た。仕込み
の原料硫酸エステル基準の収率は97.0%であつ
た。 実施例 2 実施例1と同様の装置を用い、2−アミノエチ
ル硫酸エステル0.2モルを、あらかじめ25%水酸
化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム0.4モル
含有)に室温で溶解させた水溶液を調製し、これ
を実施例1と同様に還流下の二硫化炭素0.2モル
中に滴下させたところ、全量加え終るのに1時間
10分要した。次いで加熱により徐々に温度を高め
50℃で4時間2次反応を行つた。生成物を実施例
1と同様に後処理して、原料硫酸エステル基準で
97.6%収率で2−メルカプトチアゾリンを得た。 比較例 1 実施例1と同様の装置を用い、2−アミノエチ
ル硫酸エステル0.2モルと、0.4モルの水酸化ナト
リウムを含む25%水酸化ナトリウム水溶液を仕込
み、室温で溶解させたのち、加熱昇温しながら二
硫化炭素の滴下を開始した。二硫化炭素の還流が
始まつた時点で加熱を弱め、急激な還流を抑えな
がら約30分間で滴下を終了した。以後還流を1時
間続けたが、還流が弱まらないので加熱強度を増
して強制的に温度を70℃まで上げ、その温度で1
時間保つたのち反応を終了した。途中二硫化炭素
による発泡現象及び結晶の析出がみられた。実施
例1と同様に後処理して得られた2−メルカプト
チアゾリンの収率は74.2%であつた。 比較例 2 実施例1と同じ装置を用い、0.2モルの二硫化
炭素を仕込み、次いで2−アミノエチル硫酸エス
テル0.2モルを20%水酸化ナトリウム水溶液(水
酸化ナトリウム0.4モル含有)にあらかじめ室温
で溶解したものを1時間掛けて滴下した。次に加
熱昇温し、二硫化炭素の還流を開始した。途中二
硫化炭素による発泡現象及び結晶の析出が見られ
た。2時間還流後2次加熱温度を60℃とし、さら
に2時間保つて反応を終了した。実施例1と同様
に後処理して得られた2−メルカプトチアゾリン
の収率は78.3%であつた。 実施例 3 2次加熱温度(閉環反応の温度)の影響をみる
ため、2次加熱温度と時間を変えた以外は実施例
1と同様にして4−メチル−2−メルカプトチア
ゾリンを製造した。その結果を次表に示した。
【表】
【表】
* 比較例
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式 (式中、R1、R2、R3及びR4は水素原子又は低級
アルキル基を示す) で表わされるアミノアルキルアルコールの硫酸エ
ステルを水酸化アルカリ存在下に二硫化炭素と反
応させ、一般式 (式中、R1、R2、R3及びR4は前記と同じ意味を
もつ) で表わされる2−メルカプトチアゾリンを製造す
るに当り、水酸化アルカリ水溶液に溶解したアミ
ノアルキル硫酸エステルを、二硫化炭素還流下に
分割添加あるいは連続添加しつつジチオカルバミ
ン酸のアルキル硫酸エステルを生成させ、次いで
90℃以下に加熱して閉環反応を行うことを特徴と
する上記一般式〔〕で表わされる2−メルカプ
トチアゾリン系含硫黄化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16010780A JPS5785381A (en) | 1980-11-15 | 1980-11-15 | Preparation of sulfur-containing compound |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16010780A JPS5785381A (en) | 1980-11-15 | 1980-11-15 | Preparation of sulfur-containing compound |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5785381A JPS5785381A (en) | 1982-05-28 |
JPS639510B2 true JPS639510B2 (ja) | 1988-02-29 |
Family
ID=15707996
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16010780A Granted JPS5785381A (en) | 1980-11-15 | 1980-11-15 | Preparation of sulfur-containing compound |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5785381A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102017007567B4 (de) | 2017-08-10 | 2023-06-29 | Carl Heinze | Lenkstangen - Transportvorrichtung |
-
1980
- 1980-11-15 JP JP16010780A patent/JPS5785381A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5785381A (en) | 1982-05-28 |
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