JP3247903B2 - キシリレングリコール類の製造方法 - Google Patents

キシリレングリコール類の製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α,α’−ジクロロキ
シレンの加水分解によるキシリレングリコール類の製造
方法に関する。本発明の方法で得られるキシレングリコ
ール類は、樹脂原料や樹脂添加剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、α,α’−ジクロロキシレンを加
水分解する方法としては、アルカリ金属塩水溶液による
方法が知られている。しかしながら、最も安価な強アル
カリの使用による方法は、二、三の副反応が起こるため
実施することは困難であった。このため、特開昭50-116
432 号公報には、出発原料のα,α’−ジクロロキシレ
ンをエステル化してジアセトキシメチルベンゼンを合成
し、これを加水分解させる煩雑な方法が提案されてい
る。また、特開昭60-32737号公報や特開昭64-26528号公
報には、比較的高価なアルカリ金属の炭酸塩またはギ酸
塩を使用して加水分解する方法が開示されている。しか
しながら、これらの方法では使用する副原料が高価であ
ったり、反応を希薄溶液で行なうことなどから経済的で
なく、工業的に実施するには種々の難点があった。
【0003】一方、本発明者らは特願平3−32552
1号公報において、安価なアルカリ金属の水酸化物を使
用して得た加水分解物の利用を提案した。これは、副反
応物のひとつであるジメチレンエーテル型のオリゴマー
を積極的に利用するものである。しかしながら、この加
水分解物は、鮮明な螢光黄色に着色するという問題点が
ある。本発明者らはこの原因を究明した結果、苛性ソー
ダー等の強塩基による加水分解条件では下記式(1)
(化1)
【0004】
【化1】 で表されるようなスチルベン型の構造を有するオリゴマ
ーの生成が確認された。このような、副反応生成物は着
色とともに不溶化するためによけいにやっかいである。
即ち、その用途、例えば、樹脂原料に使用した場合、ゲ
ル化物の原因となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、樹脂
原料や樹脂添加剤として有用なキシリレングリコール類
を、α,α’−ジクロロキシレンの加水分解反応により
製造する方法で、安価なアルカリ金属水酸化物を用い着
色物等の副生物を生じない方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した。その結果、本発明を完
成したものである。即ち、本発明は、α,α’−ジクロ
ロキシレンを加水分解し、キシリレングリコール類を製
造する方法において、アルカリ金属水酸化物により、反
応系内のpHを9.5以下に保ちつつ、水と反応させる
ことを特徴とするキシリレングリコール類の製造方法に
関するものである。本発明でいうキシリレングリコール
類とは、キシリレングリコールおよび/またはそのオリ
ゴマーのことである。
【0007】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
の方法は、α,α’−ジクロロキシレンを水の存在下で
加熱加水分解反応させるにあたり、アルカリ金属水酸化
物を加えながら行なう。この時、前述したような副反応
を抑制するために、反応系内を常時一定のpH値以下に
保ちながら行なうことが重要である。これは、過剰の強
塩基の存在が、副反応を促進するためであるが、このよ
うな現象は、アルカリ金属の炭酸塩や炭酸水素塩では起
らず、水酸化物によって起ることが認められている。し
かしながら、本発明者らは種々検討の結果、安価なアル
カリ金属の水酸化物を使用する場合でも、pH値を一定
値以下にコントロールすることで、このような副反応は
抑制できるということを見出したのである。
【0008】本発明の方法で使用する強塩基としては、
カリウム、ナトリウムおよびリチウムの水酸化物であ
り、工業的に好ましくは、安価な水酸化ナトリウムであ
る。本発明の方法では、反応系内のpH値が強アルカリ
性とならないように、これらを適宜調節しながら加える
方法が採られる。
【0009】本発明の方法における上限のpH値として
は、おおよそ9.5である。これ以上のpHでは、副反
応によって螢光黄色に着色する傾向にある。しかしなが
ら、着色の程度がそれ程問題視されない場合は、この上
限値を上廻っても良い。また、pHのコントロールの
際、分単位の短時間、この上限を超える場合も、特に問
題とはならない。更に加水分解反応の終了時に、過剰の
塩基を存在させて強アルカリ性となすこともまた何ら問
題ない。本発明の方法では、pH値の下限については特
に制限はない。これは、例えば、塩基が存在しない場合
でも反応は進行し、塩酸が遊離することで説明される。
即ち、反応系が塩酸酸性条件となる場合もあり、その場
合には、これを中和しながら反応を進行せしめることも
できる。しかしながら、反応の速さを求めるならば、弱
酸性程度以上が好ましく、そのpH値としては4以上で
ある。
【0010】本発明の方法で使用するα,α’−ジクロ
ロキシレンとしては、α,α’−ジクロロ−p−キシレ
ン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジ
クロロ−o−キシレンおよびこれらの混合物が使用でき
る。このα,α’−ジクロロキシレンに対して、前記ア
ルカリ金属水酸化物の使用量は2〜5倍モルであり、好
ましくは2〜3倍モルである。これらアルカリ金属の水
酸化物は、直接または水溶液として使用することができ
る。本発明の方法で使用する水の使用量は、α,α’−
ジクロロキシレンに対し、0.5〜30重量倍が好まし
く、更に好ましくは、1〜15重量倍である。反応温度
は70〜150℃の範囲、好ましくは、80℃〜120
℃の範囲である。反応時間は5〜30時間の範囲であ
り、反応圧力は常圧〜5atm程度である。
【0011】本発明の方法では、反応の進行を速めるた
めに、相間移動触媒を用いることができる。この触媒と
しては、例えば、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウ
ム塩、クリプタントまたはポリエチレングリコール類が
挙げられる。また、必要に応じて、反応に不活性なトル
エン等の溶剤を少量使用してもよい。本発明の反応生成
物は、反応後、冷却して析出したものを濾過することに
より単離することができる。この粗生成物は、再結晶等
の通常の方法で精製することもできる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に詳細に説
明する。本発明は、これらにより何ら制限されるもので
はない。 実施例1 pH計を装備した反応器に、α,α’−ジクロロ−p−
キシレン35g(0.2モル)、水520gおよびトル
エン5mlを装入し、攪拌下で還流状態に保った。この
中に45%苛性ソーダー40g(0.45モル)を、p
Hが4〜9の範囲におさまるように滴下させながら反応
を行なった。反応温度は93〜97℃、滴下時間は13
時間であった。反応終了後、攪拌状態で冷却すると、溶
融状態の目的物が固化し、これを濾過水洗することによ
って、白色粒状物が25.6g得られた(収率92.8
%)。これはp−キシリレングリコールの粗結晶であ
り、高速液体クロマトグラフィー(GPC)による分析
結果は下記の通りであった。 p−キシリレングリコール 71.8 Area% 2量体 18.8 Area% 3量体 7.3 Area% 4量体以上 2.1 Area% この粗結晶をイソプロパノールを用いて再結晶を繰り返
すことにより、純度99%の白色針状のp−キシリレン
グリコールを得た。 融点 113〜115℃ 元素分析の結果は次のとおりであった。
【0013】
【0014】実施例2 実施例1と同様の反応器に、α,α’−ジクロロ−m−
キシレン35g(0.2モル)、水100g、トルエン
5mlおよび相関移動触媒としてテトラエチルベンジル
アンモニウムクロリド1gを装入し、攪拌下で還流状態
を保った。この中に45%苛性ソーダー40g(0.4
5モル)を、pHが7〜9.5の範囲におさまるように
9時間で滴下した。反応終了後の後処理は実施例1と同
様に行なって白色の粒状固体24.7g(収率91.5
%)を得た。高速液体クロマトグラフィー(GPC)に
よる分析結果は下記の通りであった。 m−キシリレングリコール 38.9 Area% 2量体 26.1 Area% 3量体 14.7 Area% 4量体以上 20.3 Area%
【0015】比較例1 実施例1において、苛性ソーダーの滴下をpH10〜1
2.5の範囲で行なった以外は、実施例1と同様に加水
分解反応を行なった。得られたp−キシリレングリコー
ルの粗結晶は、螢光を帯びた黄色に着色したものであっ
た。 比較例2 実施例2において、苛性ソーダーをあらかじめ全量装入
して反応を行なったところ、反応液が鮮明な螢光黄色を
帯び、反応時間3.5時間で固化した。この粉末はテト
ラヒドロフランに不溶であることが確認された。
【0016】
【発明の効果】本発明は、安価なアルカリ金属の水酸化
物を用い、しかも、副反応のない、α,α’−ジクロロ
キシレンの加水分解によるキシリレングリコール類の製
造方法を提供するものである。本発明の方法は、有用な
キシリレングリコールおよびそのオリゴマーを安価に得
ることを可能にする方法であり、産業上極めて有利な方
法である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−26528(JP,A) 特開 昭60−32737(JP,A) 特開 昭64−38036(JP,A) 特公 昭46−2972(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 33/26 C07C 29/124 C07B 61/00 300

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α,α’−ジクロロキシレンを加水分解
    して、キシリレングリコール類を製造する方法におい
    て、 アルカリ金属水酸化物により、 反応系内のpHを7〜9.5に保ちつつ、 水と反応させることを特徴とする キシリレングリコール類の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属水酸化物の使用量が、 α,α’−ジクロロキシレンに対して2〜5倍モルであ
    ることを特徴とする 請求項1に記載したキシリレングリコール類の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属水酸化物を装入する時間
    が、 9〜13時間であることを特徴とする、 請求項1又は2に記載したキシリレングリコール類の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 水の使用量が、 α,α’−ジクロロキシレンに対して0.5〜30倍重
    量であることを特徴 とする、 請求項1乃至3の何れかに記載したキシリレングリコー
    ル類の製造方法。
  5. 【請求項5】 得られるキシリレングリコール類が、 テトラヒドロフランに不溶な蛍光黄色副生成物を含まな
    いものであることを 特徴とする、 請求項1乃至4の何れかに記載したキシリレングリコー
    ル類の製造方法。
  6. 【請求項6】 pH計を装備した反応器を使用すること
    を特徴とする、 請求項1乃至5の何れかに記載したキシリレングリコー
    ル類の製造方法。 (下線部は、今回の補正箇所を示
    す。)
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