JPH0439455B2 - - Google Patents
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- JPH0439455B2 JPH0439455B2 JP58192197A JP19219783A JPH0439455B2 JP H0439455 B2 JPH0439455 B2 JP H0439455B2 JP 58192197 A JP58192197 A JP 58192197A JP 19219783 A JP19219783 A JP 19219783A JP H0439455 B2 JPH0439455 B2 JP H0439455B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は工業的生産に適したアミジン塩酸塩の
製造法に関する。 一般にアセトニトリル、アルコールおよび塩化
水素を反応させるとイミドエーテル塩酸塩が生成
することはよく知られている。しかしながら生成
物である塩酸塩は、本来固体であるため、通常の
反応ではトルエンなどの溶媒中で反応を進行させ
る方法が採られている。また、塩化メチルなどの
特殊な溶媒を使用して低温で反応させる方法も提
案(特公昭48−4330号公報)されてはいるが、こ
れら溶媒を使用する方法では、一般に反応を完結
させるのに長時間を要し、また反応収率が低いこ
と、さらには溶媒の後処理に手間がかかるなどの
難点がある。 また、アセトニトリルを過剰に使用して、これ
とアルコールおよび塩化水素とを無溶媒で反応さ
せることにより、搬送に便利なイミドエーテル塩
酸塩の均一溶液を得る方法が提案されてはいる
(特開昭55−73645号公報)ものの、これとてアセ
トニトリルに基づく反応収率は低く、しかも反応
後に残存する未反応ニトリルの処理に手間を要す
ることから工業的製法としては未だ確立されたも
のとは言いがたい。また、この反応の改良法とし
て、脂肪族ニトリル1モルに対し、アルコール
0.3〜0.6モルと塩化水素1.0〜1.5モルとを反応せ
しめ、そのあとで更にアルコール0.4〜0.8モルを
追加してニトリルに基づく収率を向上させる試み
がなされているが、この場合にも反応の後半で四
塩化炭素などの分散媒を使用して、生成するイミ
ドエーテル塩酸塩の固化を防止する方策が採られ
ている。 イミドエーテル塩酸塩の工業的製法として、最
も理想的な反応は、無溶媒での反応であり、しか
もニトリル1モルに対してアルコール1モルおよ
び塩化水素1モルを反応させることにあるが、こ
の場合固化状態でイミドエーテル塩酸塩が生成す
るため搬送などの点で取り扱いが不便という難点
があり、この点の改善が急務であつた。 本発明者は、アセトニトリル、アルコール、塩
化水素を特定の比率で反応させた場合、溶媒を使
用しないでも搬送の容易なイミドエーテル塩酸塩
を含有する液またはスラリーを得ることが出来、
しかもこのような液またはスラリーはそのままア
ルカリとアンモニアとを溶解させた有機溶媒中で
反応させることにより、ほぼ定量的にビタミン
B1などの工業原料として重要なアミジン塩酸塩
が容易に生成することを見い出し、このような知
見に基づいて本発明に到達した。 すなわち、本発明は、アセトニトリル1モルに
対してアルコール0.8〜1モルと塩化水素1.35モ
ル以上とを反応させることによりイミドエーテル
塩酸塩を含有する液またはスラリーを製造し、さ
らにこれをアルカリとアンモニアとを溶解させた
有機溶媒中で処理することを特徴とするアミジン
塩酸塩の製造法である。 まず、原料比率と生成物の状態との関係につい
て説明すると本発明の方法ではアセトニトリル1
モルに対してアルコール0.8〜1モルと塩化水素
1.35モル以上とを反応させることにより液状ある
いはスラリー状の生成物が得られるが、具体的に
は (a) アセトニトリル1モルに対してアルコール
0.8〜1モルと塩化水素2モル以上を反応させ
た場合には生成物は均一液状となり、また (b) アセトニトリル1モルに対してアルコール
0.8〜1モルと塩化水素1.35〜2モル未満とを
反応させた場合には生成物はスラリー状とな
る。 (a)において、塩化水素の使用量が丁度2モルの
ところで、生成物は液状となる。また(b)において
アセトニトリル1モルに対してアルコール1モル
と塩化水素1.35〜1.9モル、特に1.35〜1.45モル作
用させるとき、生成するスラリーは比較的粘稠と
なるため、まずアセトニトリル1モルに対してア
ルコールを0.8〜0.9モル反応させて液状となし、
そのあとで残りの0.1〜0.2モルのアルコールを作
用させることにより、低粘度のスラリーとなすこ
とができる。このような方法は本発明の方法の最
も好ましい態様の一つである。 本発明の方法におけるアセトニトリル、アルコ
ールおよび塩化水素の反応は、まずアセトニトリ
ルとアルコールの混合溶液を調製し、この中へ塩
化水素をガス状態で吹き込むことによつて行なわ
れる。塩化水素の好ましい使用量は1.35〜2モル
の範囲である。この場合塩化水素ガスは反応系に
素早く一気に吹き込むことによりイミドエーテル
塩酸塩の結晶が生成するのを防止することができ
る。反応系の温度は、塩化水素の吸収をよくする
ために低温が好ましいが、極端な低温は反応速度
を低下させるため、一般に−20〜10℃、好ましく
は−15〜0℃、更に好ましくは−10〜−5℃の範
囲に維持すべきである。なお、上記(b)においてア
ルコール1モルを2回にわけて反応させる態様で
は、最初の反応を−20〜10℃で行ない、次いであ
との反応を10〜20℃で行なうのがよい。 反応は、一般に2〜8時間で終了する。 以上の反応で得られた目的物は、イミドエーテ
ル塩酸塩を含有する液またはスラリーである。イ
ミドエーテル塩酸塩は通常固体であるにも拘わら
ず、本発明の目的物が液状ないしはスラリー状の
形態をとるのは、生成したイミドエーテル塩酸塩
の全部または一部に過剰に使用した塩酸が更に作
用してイミドエーテル塩酸塩の塩酸付加体が生成
し、このもの自体が液状であるか、あるいは、こ
の付加体と塩酸塩とが相互に溶解しあつているこ
とによるものと考えられ、スラリーはこのような
液に塩酸塩の固体が浮遊している状態であると考
えられる。上記反応においてアセトニトリル1モ
ル、アルコール1モル、塩化水素2モルとを反応
させて得られた均一の液は、ほぼ−2℃の凝固点
を示し、常温付近では塩化水素ガスを放出する性
質を有している。 本発明の方法は、従来の溶媒を用いる方法に比
べ著しく反応時間を短縮することができ、また、
本発明の目的物は、流動性に富む液またはスラリ
ーであるがために、このものが反応釜や撹拌機に
付着することがなく、しかも次の工程への搬送が
連続的に行なえるという工業上の利点を有してい
る。 本発明の方法ではアセトニトリルが用いられ
る。また、アルコールとしてはたとえばメタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパ
ノールなどの低級アルコールがあげられる。アル
コールのうち、メタノールあるいはエタノールは
実用上重要な原料である。 上記本発明の方法によつて得られたイミドエー
テル塩酸塩を含有する液またはスラリーは過剰に
用いた塩化水素を中和するのに必要な量のアルカ
リと理論量(アセトニトリル1モルに対して1モ
ル)のアンモニアとを溶解させた有機溶媒中に
徐々に加え反応させることにより、極めて高収率
(対アセトニトリル)でアミジン塩酸塩に導びく
ことができる。この反応におけるアルカリとして
は、たとえば水酸化カリ、水酸化ナトリウムなど
のアルカリ金属の水酸化物、たとえばナトリウム
メチラート、カリウムエチラートなどのアルカリ
金属とアルコールのアルコキシドを挙げることが
できる。また、有機溶媒としては、たとえばメタ
ノール、エタノールなどのアルコール、たとえば
アセトンなどのケトン類を挙げることができる。
反応温度は−5℃〜20℃である。 生成したアミジン塩酸塩は、常用の手段を用い
て採取、精製することができる。 このような本発明の方法により生成するアミジ
ン塩酸塩の対アセトニトリル収率は95%以上の高
収率に達し工業上極めて有利な方法である。 以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。 実施例 1 温度計、塩化水素ガス吹込管、冷却器、撹拌器
を備えた反応器にアセトニトリル41.05g(1モ
ル)、メタノール25.6g(0.8モル)を仕込み−10
〜−5℃に保ちながら塩化水素ガスを2時間で
52.9g(1.45モル)吸収させ反応させた。その後
徐々に反応温度を上昇させ20℃になつたところで
同温度を保ちながらメタノール6.4g(0.2モル)
を1時間で添加した。更に1時間熟成したのちア
セトイミダメチルエーテル塩酸塩を含有するスラ
リーを得た。 次にこのスラリーをあらかじ用意してあつた−
5〜−10℃に冷却された18gの苛性ソーダを含む
メタノール溶液(0.45モル分の塩酸中和用)と17
gのアンモニアを含むメタノール溶液の混合液中
に徐々に添加しながら同温度で反応させた。生成
したアセトアミジン塩酸塩は水酸化テトラn−ブ
チルアンモニウムにて非水滴定を行ないその含量
を測定し全アセトアミジン塩酸塩量を算出した。
得られたアセトアミジン塩酸塩量は92gであつ
た。このアセトアミジン塩酸塩の収率は97.3%
(対アセトニトリル)であつた。 実施例 2 アセトニトリル41.05g(1モル)、メタノール
32.04g(1モル)を仕込み−10〜−5℃に保ち
ながら塩化水素ガスを1.5時間吹込んで73g(2
モル)吸収させたのち、徐々に反応温度を上昇さ
せ室温で更に温度上昇がおきない所を反応終点と
した。このようにしてアセトイミドメチルエーテ
ル塩酸塩を含有する均一液を得た。次にこの均一
液をあらかじめ用意してあつた−5〜−10℃に冷
却された40gの苛性ソーダを含むメタノール溶液
(1モル分の塩酸中和用)と17gのアンモニアを
含むメタノール溶液の混合液中に徐々に添加しな
がら同温度で反応させた。生成したアセトアミジ
ン塩酸塩は水酸化テトラn−ブチルアンモニウム
にて非水滴定を行いその含量を測定し全アセトア
ミジン塩酸塩量を算出した。得られたアセトアミ
ジン塩酸塩量は92.5gであつた。このアセトアミ
ジン塩酸塩の収率は97.8%(対アセトニトリル)
であつた。 実施例 3〜5 下表に示すアセトニトリルとアルコールとを用
いて実施例2と同じ条件下で反応させ、それぞれ
対応するアミジン塩酸塩を下記の収率で得た。 【表】
製造法に関する。 一般にアセトニトリル、アルコールおよび塩化
水素を反応させるとイミドエーテル塩酸塩が生成
することはよく知られている。しかしながら生成
物である塩酸塩は、本来固体であるため、通常の
反応ではトルエンなどの溶媒中で反応を進行させ
る方法が採られている。また、塩化メチルなどの
特殊な溶媒を使用して低温で反応させる方法も提
案(特公昭48−4330号公報)されてはいるが、こ
れら溶媒を使用する方法では、一般に反応を完結
させるのに長時間を要し、また反応収率が低いこ
と、さらには溶媒の後処理に手間がかかるなどの
難点がある。 また、アセトニトリルを過剰に使用して、これ
とアルコールおよび塩化水素とを無溶媒で反応さ
せることにより、搬送に便利なイミドエーテル塩
酸塩の均一溶液を得る方法が提案されてはいる
(特開昭55−73645号公報)ものの、これとてアセ
トニトリルに基づく反応収率は低く、しかも反応
後に残存する未反応ニトリルの処理に手間を要す
ることから工業的製法としては未だ確立されたも
のとは言いがたい。また、この反応の改良法とし
て、脂肪族ニトリル1モルに対し、アルコール
0.3〜0.6モルと塩化水素1.0〜1.5モルとを反応せ
しめ、そのあとで更にアルコール0.4〜0.8モルを
追加してニトリルに基づく収率を向上させる試み
がなされているが、この場合にも反応の後半で四
塩化炭素などの分散媒を使用して、生成するイミ
ドエーテル塩酸塩の固化を防止する方策が採られ
ている。 イミドエーテル塩酸塩の工業的製法として、最
も理想的な反応は、無溶媒での反応であり、しか
もニトリル1モルに対してアルコール1モルおよ
び塩化水素1モルを反応させることにあるが、こ
の場合固化状態でイミドエーテル塩酸塩が生成す
るため搬送などの点で取り扱いが不便という難点
があり、この点の改善が急務であつた。 本発明者は、アセトニトリル、アルコール、塩
化水素を特定の比率で反応させた場合、溶媒を使
用しないでも搬送の容易なイミドエーテル塩酸塩
を含有する液またはスラリーを得ることが出来、
しかもこのような液またはスラリーはそのままア
ルカリとアンモニアとを溶解させた有機溶媒中で
反応させることにより、ほぼ定量的にビタミン
B1などの工業原料として重要なアミジン塩酸塩
が容易に生成することを見い出し、このような知
見に基づいて本発明に到達した。 すなわち、本発明は、アセトニトリル1モルに
対してアルコール0.8〜1モルと塩化水素1.35モ
ル以上とを反応させることによりイミドエーテル
塩酸塩を含有する液またはスラリーを製造し、さ
らにこれをアルカリとアンモニアとを溶解させた
有機溶媒中で処理することを特徴とするアミジン
塩酸塩の製造法である。 まず、原料比率と生成物の状態との関係につい
て説明すると本発明の方法ではアセトニトリル1
モルに対してアルコール0.8〜1モルと塩化水素
1.35モル以上とを反応させることにより液状ある
いはスラリー状の生成物が得られるが、具体的に
は (a) アセトニトリル1モルに対してアルコール
0.8〜1モルと塩化水素2モル以上を反応させ
た場合には生成物は均一液状となり、また (b) アセトニトリル1モルに対してアルコール
0.8〜1モルと塩化水素1.35〜2モル未満とを
反応させた場合には生成物はスラリー状とな
る。 (a)において、塩化水素の使用量が丁度2モルの
ところで、生成物は液状となる。また(b)において
アセトニトリル1モルに対してアルコール1モル
と塩化水素1.35〜1.9モル、特に1.35〜1.45モル作
用させるとき、生成するスラリーは比較的粘稠と
なるため、まずアセトニトリル1モルに対してア
ルコールを0.8〜0.9モル反応させて液状となし、
そのあとで残りの0.1〜0.2モルのアルコールを作
用させることにより、低粘度のスラリーとなすこ
とができる。このような方法は本発明の方法の最
も好ましい態様の一つである。 本発明の方法におけるアセトニトリル、アルコ
ールおよび塩化水素の反応は、まずアセトニトリ
ルとアルコールの混合溶液を調製し、この中へ塩
化水素をガス状態で吹き込むことによつて行なわ
れる。塩化水素の好ましい使用量は1.35〜2モル
の範囲である。この場合塩化水素ガスは反応系に
素早く一気に吹き込むことによりイミドエーテル
塩酸塩の結晶が生成するのを防止することができ
る。反応系の温度は、塩化水素の吸収をよくする
ために低温が好ましいが、極端な低温は反応速度
を低下させるため、一般に−20〜10℃、好ましく
は−15〜0℃、更に好ましくは−10〜−5℃の範
囲に維持すべきである。なお、上記(b)においてア
ルコール1モルを2回にわけて反応させる態様で
は、最初の反応を−20〜10℃で行ない、次いであ
との反応を10〜20℃で行なうのがよい。 反応は、一般に2〜8時間で終了する。 以上の反応で得られた目的物は、イミドエーテ
ル塩酸塩を含有する液またはスラリーである。イ
ミドエーテル塩酸塩は通常固体であるにも拘わら
ず、本発明の目的物が液状ないしはスラリー状の
形態をとるのは、生成したイミドエーテル塩酸塩
の全部または一部に過剰に使用した塩酸が更に作
用してイミドエーテル塩酸塩の塩酸付加体が生成
し、このもの自体が液状であるか、あるいは、こ
の付加体と塩酸塩とが相互に溶解しあつているこ
とによるものと考えられ、スラリーはこのような
液に塩酸塩の固体が浮遊している状態であると考
えられる。上記反応においてアセトニトリル1モ
ル、アルコール1モル、塩化水素2モルとを反応
させて得られた均一の液は、ほぼ−2℃の凝固点
を示し、常温付近では塩化水素ガスを放出する性
質を有している。 本発明の方法は、従来の溶媒を用いる方法に比
べ著しく反応時間を短縮することができ、また、
本発明の目的物は、流動性に富む液またはスラリ
ーであるがために、このものが反応釜や撹拌機に
付着することがなく、しかも次の工程への搬送が
連続的に行なえるという工業上の利点を有してい
る。 本発明の方法ではアセトニトリルが用いられ
る。また、アルコールとしてはたとえばメタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパ
ノールなどの低級アルコールがあげられる。アル
コールのうち、メタノールあるいはエタノールは
実用上重要な原料である。 上記本発明の方法によつて得られたイミドエー
テル塩酸塩を含有する液またはスラリーは過剰に
用いた塩化水素を中和するのに必要な量のアルカ
リと理論量(アセトニトリル1モルに対して1モ
ル)のアンモニアとを溶解させた有機溶媒中に
徐々に加え反応させることにより、極めて高収率
(対アセトニトリル)でアミジン塩酸塩に導びく
ことができる。この反応におけるアルカリとして
は、たとえば水酸化カリ、水酸化ナトリウムなど
のアルカリ金属の水酸化物、たとえばナトリウム
メチラート、カリウムエチラートなどのアルカリ
金属とアルコールのアルコキシドを挙げることが
できる。また、有機溶媒としては、たとえばメタ
ノール、エタノールなどのアルコール、たとえば
アセトンなどのケトン類を挙げることができる。
反応温度は−5℃〜20℃である。 生成したアミジン塩酸塩は、常用の手段を用い
て採取、精製することができる。 このような本発明の方法により生成するアミジ
ン塩酸塩の対アセトニトリル収率は95%以上の高
収率に達し工業上極めて有利な方法である。 以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。 実施例 1 温度計、塩化水素ガス吹込管、冷却器、撹拌器
を備えた反応器にアセトニトリル41.05g(1モ
ル)、メタノール25.6g(0.8モル)を仕込み−10
〜−5℃に保ちながら塩化水素ガスを2時間で
52.9g(1.45モル)吸収させ反応させた。その後
徐々に反応温度を上昇させ20℃になつたところで
同温度を保ちながらメタノール6.4g(0.2モル)
を1時間で添加した。更に1時間熟成したのちア
セトイミダメチルエーテル塩酸塩を含有するスラ
リーを得た。 次にこのスラリーをあらかじ用意してあつた−
5〜−10℃に冷却された18gの苛性ソーダを含む
メタノール溶液(0.45モル分の塩酸中和用)と17
gのアンモニアを含むメタノール溶液の混合液中
に徐々に添加しながら同温度で反応させた。生成
したアセトアミジン塩酸塩は水酸化テトラn−ブ
チルアンモニウムにて非水滴定を行ないその含量
を測定し全アセトアミジン塩酸塩量を算出した。
得られたアセトアミジン塩酸塩量は92gであつ
た。このアセトアミジン塩酸塩の収率は97.3%
(対アセトニトリル)であつた。 実施例 2 アセトニトリル41.05g(1モル)、メタノール
32.04g(1モル)を仕込み−10〜−5℃に保ち
ながら塩化水素ガスを1.5時間吹込んで73g(2
モル)吸収させたのち、徐々に反応温度を上昇さ
せ室温で更に温度上昇がおきない所を反応終点と
した。このようにしてアセトイミドメチルエーテ
ル塩酸塩を含有する均一液を得た。次にこの均一
液をあらかじめ用意してあつた−5〜−10℃に冷
却された40gの苛性ソーダを含むメタノール溶液
(1モル分の塩酸中和用)と17gのアンモニアを
含むメタノール溶液の混合液中に徐々に添加しな
がら同温度で反応させた。生成したアセトアミジ
ン塩酸塩は水酸化テトラn−ブチルアンモニウム
にて非水滴定を行いその含量を測定し全アセトア
ミジン塩酸塩量を算出した。得られたアセトアミ
ジン塩酸塩量は92.5gであつた。このアセトアミ
ジン塩酸塩の収率は97.8%(対アセトニトリル)
であつた。 実施例 3〜5 下表に示すアセトニトリルとアルコールとを用
いて実施例2と同じ条件下で反応させ、それぞれ
対応するアミジン塩酸塩を下記の収率で得た。 【表】
Claims (1)
- 1 アセトニトリル1モルに対してアルコール
0.8〜1モルと塩化水素1.35モル以上とを反応さ
せることによりイミドエーテル塩酸塩を含有する
液またはスラリーを製造し、さらにこれをアルカ
リとアンモニアとを溶解させた有機溶媒中で処理
することを特徴とするアミジン塩酸塩の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19219783A JPS6084254A (ja) | 1983-10-13 | 1983-10-13 | アミジン塩酸塩の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19219783A JPS6084254A (ja) | 1983-10-13 | 1983-10-13 | アミジン塩酸塩の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6084254A JPS6084254A (ja) | 1985-05-13 |
JPH0439455B2 true JPH0439455B2 (ja) | 1992-06-29 |
Family
ID=16287289
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19219783A Granted JPS6084254A (ja) | 1983-10-13 | 1983-10-13 | アミジン塩酸塩の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6084254A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10142335A1 (de) | 2001-08-30 | 2003-03-20 | Bayer Ag | N-unsubstituierte Amidinium-Salze |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5498712A (en) * | 1977-12-27 | 1979-08-03 | Ciba Geigy Ag | Manufacture of methylimino isobutylate hydrochloride |
-
1983
- 1983-10-13 JP JP19219783A patent/JPS6084254A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5498712A (en) * | 1977-12-27 | 1979-08-03 | Ciba Geigy Ag | Manufacture of methylimino isobutylate hydrochloride |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6084254A (ja) | 1985-05-13 |
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