JPS638368Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は蓋のヒンジ部の下方につゆ受け部材を
備えた炊飯器に関する。

〔考案の技術的背景〕

従来、この種の炊飯器においては、炊飯器本体
を開閉する蓋のヒンジ部の下方につゆ受け部材を
炊飯器本体の外ケースに添わせるように取着し、
炊飯後蓋を開放した場合、蓋に付着した水分が該
蓋を伝つて流れ落ちたとき、この水をつゆ受け部
材に受けて貯留するようにしていた。

〔背景技術の問題点〕

ところで、一般につゆ受け部材内には、炊飯の
度に次第に水が貯留されてゆくものであるから、
使用者は適当な時期を見計らつてそれを捨てるよ
うにしなければならない。然しながら従来のつゆ
受け部材は不透明材料により形成されているた
め、内部の水位が外部から確認できず、このた
め、つゆ受け部材内の水を捨てることを忘れ勝ち
であつた。このようになると、内部の水がつゆ受
け部材から外ケースの外表面を伝つて流れ落ちて
しまうため、外ケースを汚したりその発錆の原因
となつたりするという問題があつた。これに対処
すべく、つゆ受け部材を透光性材料により形成
し、つゆ受け部材内の水位が外部から確認し得る
ようにすることが考えられるが、すると今度はつ
ゆにより汚れ勝ちなヒンジ部の下方がつゆ受け部
材を通して見えてしまい、外観を損ねるという問
題が生ずる。

〔考案の目的〕

本考案は、上記の点に鑑みなされたもので、そ
の目的はつゆ受部材内に貯留される水の水位を容
易に確認し得、しかも外観を損ねることを防止し
得る炊飯器を提供するにある。

〔考案の概要〕

本考案は、つゆ受け部材を透光性材料により形
成すると共に、該つゆ受部材のうち炊飯器本体側
の壁部を透視度低下処理面とすることにより、外
部からつゆ受け部材内の水位を容易に確認でき、
しかも透視度低下処理面によりヒンジ部下方は見
えない様にすることを特徴とする。

〔考案の実施例〕

以下本考案の一実施例を図面を参照して説明す
る。１は炊飯器本体、２は例えば模様を印刷した
化粧鋼板を円筒状に曲成してなる外ケース、３は
図示しない加熱装置を内設した内ケース、４は内
ケース３に収納された鍋、５は外ケース２の上端
部に嵌着した環状の化粧枠で、上面部には全周に
わたり溝部５ａを形成している。６は化粧枠５の
一部を側方に膨出して形成したヒンジ部で、この
ヒンジ部６は外蓋７を支承する軸受孔８を有する
一対の支持片９，９を備え、その軸受孔８に外蓋
７の枢支ピン７ａを回動可能に嵌合して外蓋７を
支持するものであり、またこの外蓋７には、内蓋
１０が着脱可能に取着されている。１１はヒンジ
部６の下面部に一体に形成された通水室で、これ
はヒンジ部６に支持片９，９間に位置して形成し
た通水孔６ａにより化粧枠５の溝部５ａに連続し
ており、底部には出水口（図示せず）をを形成し
ている。１２は透光性材料により略矩形容器状に
形成したつゆ受け部材で、これは一側壁を外ケー
ス２に沿わせるようにして通水室１１ひいては炊
飯器本体１に着脱可能に取着され、装着時にはそ
の上面開口部内に通水室１１の底部が臨む状態と
なるようにしている。そして外ケース２側の壁部
１２ａの表面には例えば表面に微細な凹凸を形成
するいわゆるしぼ加工を施して透視度低下処理面
としている。

つぎに上記構成の作用を説明する。炊飯中に蒸
発した水分は内蓋１０の下面に結露する。炊飯
後、外蓋７を開放すると、内蓋１０もこれに伴つ
てヒンジ部６側が下方となるように傾くため、結
露水はヒンジ部６側に流下して化粧枠５の溝部５
ａ内に落ちる。溝部５ａ内に落ちた水はヒンジ部
６の通水孔６ａから通水室１１を通つてつゆ受け
部材１２内に流下して貯留される。炊飯を何度か
繰返すことによりつゆ受け部材１２内の水位は次
第に上昇する。ところがつゆ受け部材１２は透光
性材料で形成されているので、外部より内部の水
位を容易に確認することができる。これにて使用
者は適切な時期に水を捨てることができるので、
つゆ受け部材１２から水を溢れさせて、外ケース
２を汚したり、又錆を生じさせたりすることを防
止し得る。また、外ケース２の外周部のうち通水
室１１の下方部位は、例えば不注意によつてつゆ
受け部材１２から水を溢れさせてしまうこともあ
る等の事情により、その表面が汚れたりまた発錆
したりしやすいものであるが、本実施例ではたと
え該表面に汚れや錆があつたとしても、つゆ受け
部材１２の外ケース２側の壁部１２ａの透視度を
低くしたので外部からは見えず、外観を損なつて
しまうことを防止し得る。また、外ケース２の表
面に種々の模様を施したときでも、その模様がつ
ゆ受け部材１２の外ケース２側の壁部１２ａを通
して見えてしまつて水位が見にくくなるという不
都合も防止することができる。

尚、本考案は、透視度低下処理面はしぼ加工を
施して形成することに限らず塗装を施して形成し
てもよい等要旨を逸脱しない範囲内で種々変更が
可能である。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように本考案は、つゆ
受け部材を透光性材料により形成すると共に、該
つゆ受け部材のうち炊飯器本体側の壁部を透視度
低下処理面としたので、つゆ受け部材内の水位を
外部から容易に確認し得て、つゆ受け部材内の水
を溢れさせることなく適宜捨てることができ、し
かもこの様につゆ受け部材を透光性材料により形
成しながらも、透視度低下処理面によつてヒンジ
部下方が見えてしまうことを防止できるので、外
観を損なうことを防止し得るという効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は全体の分解斜視図、第２図はつゆ受け部材の斜
視図である。 図中、１は炊飯器本体、６はヒンジ部、１２は
つゆ受け部材、１２ａは外ケース側の壁部（透視
度低下処理面）である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炊飯器本体を開閉する蓋のヒンジ部の下方につ
   ゆ受部材を設けたものにおいて、前記つゆ受部材
   を透光性材料により形成すると共に、該つゆ受部
   材のうち前記炊飯器本体側の壁部を透視度低下処
   理面としたことを特徴とする炊飯器。