JPS638190Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来脱穀機の揺動選別装置として断面Ｌ字状を
なす左右一対の側板ａ，ａ上に波板ｂをスポツト
熔接し、ラツクｃ…の基部を横方向に折り曲げる
と共に波板の山部と対応する部分を切欠して上記
横方向に折り曲げた部分を波板の谷部上にスポツ
ト熔接し、前記側板ａ，ａの下面に前後一対の横
棧ｄ，ｄをスポツト熔接したものはすでに知られ
ている。

しかしながら前記既知の揺動選別装置は部品点
数及びスポツト熔接個所が多いので寸法精度が悪
るく、特に麦を脱穀した時、その芒がラツクの始
端部及び波板への接合部に刺り易く、一旦刺ると
それに芒が次から次へと刺つて塊となり、移送選
別性能が著しく低下した。

また、揺動選別装置の強度も低く、かつ組み上
げた波板を揺動枠に取付ける時波板がねじれる等
の欠点があつた。

本考案は脱穀物中の芒が刺ることがなく、かつ
部品点数が少なくきわめて容易にしかも安価に得
ることができると共に強固で且つ精度の高い脱穀
機の揺動選別装置を提供せんとするものであつ
て、揺動枠に移送板を取付け、該移送板の送出側
に多数のラツクを延設して脱穀物を移送選別する
ようにした脱穀機において、前記移送板を前後及
び左右の周縁を上方へ向けて折曲したメインプレ
ートとその上面に固定した波板とで構成し、上記
メインプレートの両側の折曲部を前記揺動枠の側
板に取付け、前記ラツクの基部をメインプレート
の下面に固定したことを特徴とするものである。

以下図面に示す実施例について説明すると、１
は扱室２内に扱胴軸３によつて軸支した扱胴であ
つて、受網４の前端下方に設けた圧風フアン５は
一番樋６及び二番樋７上を経て排塵口８及び排塵
選別室９の上部に設けた吸引フアン１０へ吹き抜
ける選別風路１１，１２を形成しており、該選別
風路１１，１２には一番螺旋軸１３に取付けたク
ランクアームにより前後揺動する揺動選別体１４
が架設してある。

前記揺動選別体１４は上下２段の移送選別経路
を備えており、下段の移送選別経路は受網４の下
面に臨む流板１５及び階段部１６と、その後端に
延設されていて一番樋６上に臨む選別網１７と、
一番流板１８の上部から二番樋７上に延出させた
階段部１９及びストローラツク２０とからなり、
受網４から漏下した小さな藁屑及び穀粒並びに短
かい切藁等は選別網１７上を移送される間に篩選
別と風選を受け、網上物は階段部１９へ移行す
る。

また、上段の移送選別経路は扱室２の後部の送
塵口２１の下部に臨む移送板２２とその後端から
延設されていて終端が前記吸引フアン１０へ指向
するラツク２３とで構成されている。

そして、前記移送板２２のメインプレート２４
はプレス加工により両側部を略直角に上方へ折曲
すと同時に前部と後部を斜め上方に折曲してお盆
のように一連の縁起しをなし、その板面上に平坦
な谷部と山形部とからなる波板２５をスポツト熔
接し、前記ラツク２３は第１工程で一枚の鉄板の
基部より先端側中央を二列の階段状に打ち抜くと
共にリブ２６，２６を板面の長さ方向に形成し、
第２行程で基部を下向のコ字状に折り曲げ、この
基部の上面をメインプレート２４の下面にスポツ
ト熔接すると２枚のラツク２３，２３を同時に固
定することができ、このラツク２３…はメインプ
レート２４の前後方向の剛性を、また波板２５は
横方向の剛性を向上させる。

次いで前記メインプレート２４を揺動選別体１
４の側板１４ａ，１４ａ間に挿入して第４図に示
す如く螺着する。

なお、前記二番樋７上に臨む階段部１９は前記
移送板２２とラツク２３のそれと同様に構成され
ている。

而して前記扱室２の後端部の送塵口２１から排
出される長藁や穂切れ等は移送板２２上に落入し
波板２５により比重選別されながら後方へ移送さ
れ、それらがラツク２３…に受け継がれて移送さ
れる間に穂切れ等の二番物は前記階段部１９上で
前述の網上物に合流して移送選別され、またラツ
ク２３…で移送された長藁中の軽いもの及び選別
網１７上から浮上した藁屑等は吸引フアン１０に
より機外へ排出され 重い長藁はストローラツク
２０上に落下して排塵口８から機外に排出され
る。

そして、麦のような長い芒を有する穀稈を脱穀
すると送塵口２１から多量の長い芒が排出される
が移送板２２の上面は波板２５があるだけである
から芒が刺ることがなく被選別物をスムーズに移
送することができ、移送板２２の後端部ではメイ
ンプレート２４の後縁が斜上方へ起き上がつてい
るので被選別物が揺動作用によりラツク２３の最
初の突起乃至はその前方へ投擲されることとな
り、メインプレート２４の前部下面とラツク２３
との接合部ｘにも芒が突き刺さることがない。

しかもメインプレート２４の四周はすべて縁起
しされているので移送板２２はどの方向に対して
もきわめて強固になる。

本考案は前述のように揺動枠に移送板を取付
け、該移送板の送出側に多数のラツクを延設して
脱穀物を移送選別するようにした脱穀機におい
て、前記移送板を前後及び左右の周縁を上方へ向
けて折曲したメインプレートとその上面に固定し
た波板とで構成し、上記メインプレートの両側の
折曲部を前記揺動枠の側板に取付け、前記ラツク
の基部をメインプレートの下面に固定したので、
メインプレートがお盆のように四周に縁起部が形
成されることとなり、移送板がねじれたり撓んだ
りすることがなく、かつメインプレートを基準と
したきわめて精度の高い移送板を得ることができ
る。

しかも、波板の上面に従来のもののようにラツ
クの取付部との重合部がなく、かつそれらの間に
熔接歪みによる間隙もなく麦類のような長くかつ
強靭な芒を有する穀稈を脱穀しても芒が突き刺つ
て塊状になることがなく円滑な移送選別を行うこ
とができる。

更に部品点数及び熔接個所が少なくてすむので
安価に製作することができる。

また、前記のように構造上強固になるのでメイ
ンプレート及び波板を薄く形成し得て揺動選別体
を軽量化することができ、小動力で軽快に揺動選
別することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は脱穀機の縦断面図、第２図は要部の平面
図、第３図は同上縦断面図、第４図は同上横断面
図、第５図は従来の揺動選別体の平面図、第６図
は同上縦断面図、第７図は同上横断面図である。 ２……扱室、４……受網、１４……揺動選別
体、１７……選別網、２２……移送板、２３……
ラツク、２４……メインプレート、２５……波
板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 揺動枠に移送板を取付け、該移送板の送出側
   に多数のラツクを延設して脱穀物を移送選別す
   るようにした脱穀機において、前記移送板を前
   後及び左右の周縁を上方へ向けて折曲したメイ
   ンプレートとその上面に固定した波板とで構成
   し、上記メインプレートの両側の折曲部を前記
   揺動枠の側板に取付け、前記ラツクの基部をメ
   インプレートの下面に固定したことを特徴とす
   る脱穀機の揺動選別装置。 (2) 前記ラツクを２枚一組としその基部を下向の
   コ字状に構成した実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の脱穀機の揺動選別装置。