JPS637394B2 - - Google Patents

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JPS637394B2
JPS637394B2 JP56163510A JP16351081A JPS637394B2 JP S637394 B2 JPS637394 B2 JP S637394B2 JP 56163510 A JP56163510 A JP 56163510A JP 16351081 A JP16351081 A JP 16351081A JP S637394 B2 JPS637394 B2 JP S637394B2
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JP
Japan
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signal
key
gate
output
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JP56163510A
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JPS5865489A (ja
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Toshio Tomizawa
Yasuji Uchama
Hideo Suzuki
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Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
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Publication date
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Publication of JPS5865489A publication Critical patent/JPS5865489A/ja
Publication of JPS637394B2 publication Critical patent/JPS637394B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は楽音の発音を所望のエンベロープ波
形によつて制御する電子楽器の改良に関するもの
で、新たな楽音の発音が指定された場合には、そ
れ以前に指定された楽音を所定速度で急速減速さ
せた後新たに指定された楽音がその立上り部分か
ら自然な形で発音できるようにした電子楽器の楽
音発音制御装置に関するものである。
一般に電子楽器においては、押圧鍵に対応する
楽音の発音をエンベロープジエネレータ等から発
生される所望のエンベロープ波形信号によつて制
御するようにしている。
従来において、このような発音制御のためのエ
ンベロープジエネレータとしては、新たな楽音の
発音が指定されるたびにエンベロープ波形信号の
発生モードおよび振幅レベルを初期状態に戻すタ
イプのものと、エンベロープ波形信号の発生モー
ドのみを初期状態に戻すタイプのものとが知られ
ている。
しかし、前者のタイプのエンベロープジエネレ
ータによつて楽音の発音を制御した場合、そのエ
ンベロープ波形信号は新たな楽音の発音が指定さ
れると(新たな押鍵があると)瞬時に初期状態に
戻るために第1図aに示すように新たな楽音の発
生が指定されたタイミングtにおいて立下りが急
峻な波形形状となる。このために、発生楽音の切
替わり時にパルス的な雑音が現われて音質に悪影
響を及ぼすという欠点がある。この欠点を改善す
るために、新たな楽音の発音が指定されると、前
の楽音を急速減衰させてその楽音の発音終了を早
め、この発音終了を待つて新たな楽音の発音を開
始させるようにすることが提案されている(特開
昭55―41482号公報)。しかし、このようなもので
は、前の楽音の発音終了を待つて新たな楽音を発
音するようにしているため、新たな楽音の発音が
指定されたとき前の楽音のレベルが大きいと、急
速減衰させるといえども前の楽音の発音終了まで
にはある時間がかかり、新たな楽音の発音が遅れ
て演奏上支障をきたすおそれがある。
一方、後者のタイプのエンベロープジエネレー
タによつて楽音の発音を制御した場合、前の楽音
に関するエンベロープ波形振幅値を維持したまま
新たな楽音に関するエンベロープ波形信号の形成
動作に移るため、その波形形状は第1図bに示す
ように、新たな楽音に関するエンベロープ波形信
号の立上り部分ATが不明瞭となり、新たな楽音
がその発音開始時において不自然なものとなる欠
点がある。
この発明は上述した従来の電子楽器の欠点に鑑
みなされたもので、その目的は第1の楽音の発音
から第2の楽音の発音へ切換える場合においてパ
ルス的な雑音の発生を防止し得ると共に、第2の
楽音を演奏上支障のない程度の遅れで立上り部分
から自然な形で発音させ得るようにした電子楽器
の楽音発音制御装置を提供することにある。
このためにこの発明は、少なくともアタツク
部,デイケイ部およびダンプ部の各ステートにお
けるエンベロープ波形信号を選択的に出力して楽
音の発音制御を行なうエンベロープ波形発生手段
と、新たな楽音の発音が指定されたことを検出し
て上記エンベロープ波形発生手段に対し上記ダン
プ部のステートを指示して前に指定された楽音に
関するエンベロープ波形信号を所定速度で急速減
速させるとともに、その後所定時間が経過したこ
とを検出して上記エンベロープ波形発生手段に対
し上記アタツク部のステートを指示して新たに指
定された楽音に対応してエンベロープ波形信号を
アタツク部から発生させる制御を行なう制御手段
とを備え、かつ、上記所定時間を楽音の発音開始
の遅れに支障のない約10ミリ秒に設定したもので
ある。
以下、図示する実施例に基づきこの発明を詳細
に説明する。
第2図は、この発明による楽音発音制御装置を
適用した電子楽器の一実施例を示す全体ブロツク
図である。同図において、鍵盤回路1は鍵盤部の
複数の鍵のそれぞれに対応し、各鍵が操作される
ことにより動作するキースイツチを備えている。
この各キースイツチは押鍵検出回路2に接続され
ており、押鍵検出回路2の検出動作によつて動作
中のキースイツチが検出されるようになつてい
る。
押鍵検出回路2は鍵盤回路1における動作中の
キースイツチを各キースイツチの順次走査によつ
て検出するもので、各キースイツチの順次走査の
方向は高音域から低音域に向う方向に設定されて
いる。この場合、押鍵検出回路2は高音優先選択
機能を有しており、順次走査により検出した動作
キースイツチのうち最高音に該当するキースイツ
チについてのみ該キースイツチに対応する鍵を示
すキーコードKCを出力するようになつている。
すなわち、各キースイツチの走査は、上述のよう
に高音側から低音側に向けて行なわれるので、順
次走査が1巡する各走査サイクルにおいて最初に
検出した動作キースイツチが最高音に相当するも
のであり、この最高音の動作キースイツチの検出
により押圧鍵の中の最高音の鍵に対応するキーコ
ードKCを出力する。
なお、キーコードKCは例えばオクターブ音域
を表わすビツトB3,B2,B1と、音名を表わすビ
ツトN4,N3,N2,N1の7ビツトから構成され
ている。
また、押鍵検出回路2はキーコードKCと共に
いずれかの鍵が押圧されていることを示すキーオ
ン信号KONを出力する。
さらにまた、押鍵検出回路2は押鍵操作がレガ
ート演奏操作であるか、またはスタツカート演奏
操作であるかを検出し、検出した鍵操作の状態と
スラー効果を付与するためのスラースイツチS・
SWのオン・オフ状態とに応じて振幅制御用のエ
ンベロープ波形信号EVを制御するための信号
DMP,ASおよびスラー効果制御用の信号SSを
出力する。
ここで、スタツカート演奏操作とは初めに操作
された第1の鍵の離された後次の新たな第2の鍵
が操作されるという鍵操作であり、またレガート
演奏操作とは初めに操作された第1の鍵が離され
ないうちに次の新たな第2の鍵が操作されるとい
う鍵操作である。
また、アタツクスタート信号ASはエンベロー
プ波形信号EVをアタツク部分から発生させる
(楽音の発生を開始する)ための信号であり、減
衰指示信号DMPはエンベロープ波形信号EVを急
速に減衰させる(楽音の発生を急速に終了する)
ための信号である。
スラースタート信号SSは、発生される楽音に
この発明によるスラー効果を付与することを指示
する信号である。この実施例においてスラー効果
が付与されるのは、スラースイツチS・SWがオ
ンされている時にレガート演奏操作が行なわれた
場合であり、この時のみスラースタート信号SS
が出力される。スラースイツチS・SWがオンさ
れていても押鍵操作がスタツカート演奏であれば
スラースタート信号SSは出力されない。すなわ
ち、押鍵検出回路2は、スラースイツチS・SW
がオン状態の時にスタツカート演奏操作が行なわ
れると、第1の鍵に関する楽音のエンベロープ波
形信号EVを急速に減衰するための減衰指示信号
DMPを出力すると共に、一定時間後に新たな第
2の鍵に関する楽音のエンベロープ波形信号EV
をアタツク部分から開始させるためのアタツクス
タート信号ASを出力する。
また、押鍵検出回路2はスラースイツチS・
SWがオン状態の時にレガート演奏操作が行なわ
れると、第2の鍵に対応する楽音の音高を第1の
鍵の音高から第2の鍵の音高に向けて所定変化幅
で順次変化させるとともに、さらに第2の鍵に対
応する楽音に関するエンベロープ波形信号EVの
レベルを第1の鍵の音高に関連したレベルから第
2の鍵の音高に関連したレベルに向けて所定変化
幅で順次変化させるためのスラースタート信号
SSを出力する。
なお、レガート演奏操作において最初に押圧さ
れた第1の鍵については、スタツカート演奏操作
と同様に減衰指示信号DMPおよびアタツクスタ
ート信号ASが出力され、第1の鍵に関するエン
ベロープ波形信号EVをアタツク部分から開始さ
せる。
一方、スラースイツチS・SWがオフ状態の時
には、スタツカート演奏操作およびレガート演奏
操作のいずれにおいてもアタツクスタート信号
ASおよび減衰指示信号DMPが出力され、各鍵に
関する楽音のエンベロープ波形信号EVはアタツ
ク部分から常に開始される。
このようにして押鍵検出回路2から出力される
最高音に相当する押圧鍵のキーコードKCは周波
数情報メモリ3およびエンベロープジエネレータ
4に供給される。また、キーオン信号KON,ア
タツクスタート信号AS,減衰指示信号DMP,ス
ラースタート信号ASはエンベロープジエネレー
タ4に供給される。
周波数情報メモリ3は鍵盤部の各鍵の音高に対
応した周波数情報Fを予め記憶しており、押鍵検
出回路2からキーコードKCがアドレス信号とし
て入力されると、このキーコードKCが表わす鍵
の音高に対応した周波数情報Fを出力する。この
周波数情報Fはスラー制御部5に供給される。
エンベロープジエネレータ4は、基本的には押
鍵検出回路2からアタツクスタート信号AS,キ
ーオン信号KONおよびキーコードKCが入力さ
れ、かつ音色設定回路6から持続音系のエンベロ
ープ波形信号EVを発生させるための音色パラメ
ータ情報TPが入力されると、第3図aに示すよ
うな波形形状のエンベロープ波形信号EVを形成
して出力する。また、音色設定回路6からパーカ
ツシブ系のエンベロープ波形信号EVを発生させ
るための音色パラメータ情報TPが入力されると、
第4図aに示すような波形形状のエンベロープ波
形信号EVを形成して出力する。
ところで、この発明において用いられるエンベ
ロープジエネレータ4は、人間の聴感が第9図の
特性グラフの破線Aに示すように楽音の音高が高
くなるに従つて音量が大きく聴える特性を有して
いることを考慮し、アタツク部分AT,第1デイ
ケイ部分D1など各セグメントの最終値TL,1
DLが実線Bの如くキーコードKCに応じてそれぞ
れ異なるものに設定される。すなわち、アタツク
部分AT,第1デイケイ部分D1などの各セグメ
ントの最終値であるアタツクレベルTL,第1デ
イケイレベル1DLなどは押圧鍵(最高音押圧鍵)
の音高が高くなるに従つて順次低い値に設定され
る。これにより、押圧鍵の音高が変化しても楽音
の音量が常に一定の音量で聴えるように制御され
る。
また、エンベロープジエネレータ4は音色設定
回路6から持続音系のエンベロープ波形信号を発
生させるための音色パラメータ情報TPが入力さ
れている状態において、スラー効果を付与しない
演奏操作が行なわれ、すなわちスタツカート演奏
操作またはスラースイツチS・SWをオフとして
レガート演奏操作が行なわれ、押鍵検出回路2か
ら減衰指示信号DMP,キーコードKC,キーオン
信号KON,アタツクスタート信号ASが供給され
ると、第5図aの記号DMで示すように、前の鍵
(第1の鍵)に対応するエンベロープ波形信号EV
を減衰指示信号DMPによつて一定時間(この実
施例では10ms)の間に所定速度で急速に減衰さ
せ、この後アタツクスタート信号ASによつてア
タツク部分ATから始まる新たな押圧鍵(第2の
鍵)に対応するエンベロープ波形信号EVを形成
して出力する。また、音色設定回路6からパーカ
ツシブ系のエンベロープ波形信号EVを発生させ
るための音色パラメータ情報TPが入力されてい
る条件では、第6図aに示すような形状のエンベ
ロープ波形信号EVを形成して出力する。
一方、エンベロープジエネレータ4はスラー効
果を付与する場合、すなわちスラースイツチS・
SWがオン状態の時のレガート演奏操作によりキ
ーコードKC,キーオン信号KON,スラースター
ト信号SSが供給されると、既に発生されている
第1の鍵に対応するエンベロープ波形信号EVを、
新たに押圧された第2の鍵に対応するエンベロー
プ波形信号EVを目標値として段階的に変化させ、
持続音系の音色パラメータ情報TPが供給されて
いる場合には第7図aに示すような波形形状のエ
ンベロープ波形信号EVを出力し、またパーカツ
シブ系の音色パラメータ情報TPが供給されてい
る場合には第8図aに示すような波形形状のエン
ベロープ波形信号EVを出力する。この場合、第
2の鍵に対応するエンベロープ波形信号EVの変
化はスラースタート信号SSの発生により開始さ
れる。そして、アタツク部分AT,第1デイケイ
部分D1,第2デイケイ部分D2をそれぞれ形成
するためのステートをST0,ST1,ST2とし、ま
た減衰指示信号DMPにより信号EVを急速に減衰
させるためのステートをST3とすると、スラース
タート信号SSが発生することにより現在のステ
ートは必ずステートST1にセツトされ、発生され
るエンベロープ波形信号EVの値は信号SSが発生
した時の値から第2の鍵に対応する第1デイケイ
レベル1DLを目標値として段階的に順次変化す
る。例えば、第1の鍵に関するエンベロープ波形
信号EVが持続部分STの状態の時にスラースター
ト信号SSが発生した場合、第2の鍵に関するエ
ンベロープ波形信号EVは信号SSが発生した時の
レベル(第1の鍵に対応した第1デイケイレベ
ル)から第2の鍵に対応した第1デイケイレベル
1DL′を目標値として変化する。
なお、エンベロープジエネレータ4はエンベロ
ープ波形信号EVを段階的に変化させている状態
において楽音の音高を順次変化させるための指令
を行なうスラーピツチスタート信号SSを出力し、
スラー制御部5に供給する。
次に、スラー制御部5はエンベロープジエネレ
ータ4からスラーピツチスタート信号SPSが与え
られない通常動作においては、周波数情報メモリ
3から入れられる最高音の押圧鍵に対応した周波
数情報Fをそのまま情報F′としてアキユムレータ
8に供給する。
しかし、スラーピツチスタート信号SSが供給
されると、新たな押鍵操作によつて入力された周
波数情報Fを目標値として今まで出力していた周
波数情報Fを「F=F′」となるまで所定速度で段
階的に変化させて出力する。この動作は周波数情
報F′と目標値としての周波数情報Fとの差信号
「D=F−F′」を求めた後、この差信号Dをシフ
ト動作により1/2n倍し、この演算値1/2n・Dを周波 数情報F′の単位時間当りの変化量として情報F′に
加算または減算し、この演算動作を「F=F′」と
なるまで行なうことによつて実現される。従つ
て、周波数情報F′は2n回の演算で新たな押圧鍵に
対応した周波数情報Fに到達する。この場合、
「F′±1/2n・D」の演算動作はスラークロツク発振 器7から出力されるスラークロツク信号SCLの発
生毎に行なわれる。従つて、周波数情報F′はスラ
ークロツク信号SCLの周期に対応した速度で順次
変化するものとなる。
アキユムレータ8はスラー制御部5から供給さ
れる周波数情報F′を所定周期のクロツクパルスφ
の発生毎に累算し、周波数情報F′の大きさに比例
した繰り返し周期の累算値qF′(q=1,2,…)
を形成して楽音信号発生回路9に供給する。
楽音信号発生回路9は、アキユムレータ8から
供給される累算値qF′と音色設定回路6から供給
される音色パラメータ情報TPとに基づき累算値
qF′の繰り返し周期に対応した音高(周波数)
で、かつ情報TPに対応した音色の楽音信号を形
成する。そして、この楽音信号に対してエンベロ
ープジエネレータ4から供給されるエンベロープ
波形信号EVによつて振幅設定を行なつた後、サ
ウンドシステム10に供給して楽音として発音さ
せる。この場合、スラースイツチS・SWがオン
状態とされ、かつレガート演奏操作が行なわれた
場合の楽音は、スラー制御部5から出力される周
波数情報F′の順次変化に対応して音高が順次変化
するものとなる。すなわち、スラー効果の付与さ
れたものとなる。そして、この時の楽音の音量は
音高の順次変化に連動して変化するエンベロープ
波形信号EVによつて制御される。これによつて、
スラー効果の付与された楽音は常に一定の音量の
楽音として聴えるようになる。
一方、スタツカート演奏操作またはスラースイ
ツチS・SWがオフ状態の時のレガート演奏操作
による楽音は、スラー制御部5から出力される周
波数情報F′が時間的に何等変化しないため、発生
楽音の音高はその都度の押圧鍵の音高に対応した
ものとなる。すなわち、スラー効果の付与されな
い通常の楽音となる。そして、押鍵操作の時間間
隔が短い場合には、前の押圧鍵に対応する楽音の
音量が急速に減衰された後、新たな押圧鍵に対応
する楽音の発音がアタツク部分から開始されるた
め、自然性のある演奏音となる。さらに、楽音の
音量は押圧鍵の音高に応じて制御されるため、常
に一定音量の楽音として聴えるようになる。
次に、押鍵検出回路2の具体的構成を説明す
る。
第10図は押鍵検出回路2の具体例を示すブロ
ツク図である。同図において、鍵盤回路1におけ
る各キースイツチの動作を検出するために走査回
路200が設けられている。走査回路200はM
進カウンタ201の下位7ビツトのカウント出力
信号1〜3をインバータ202によつて反転
した信号N1〜B3によつて鍵盤回路1における
各キースイツチを高音側から低音側に向けて順次
走査する。そして、キースイツチの順次走査中に
動作しているキースイツチがあれば、この動作キ
ースイツチの走査タイミングにおいてその走査期
間に対応したパルス幅の“1”の検出信号TDM
を出力する。すなわち、走査回路200は動作キ
ースイツチの走査タイミングでは“1”となり、
動作していないキースイツチの走査タイミングで
は“0”となる押鍵検出信号TDMを出力する。
この場合、M進カウンタ201はリセツト信号
による初期化の後、カウント出力信号1〜3
が全て“0”の状態からカウント値を増加させて
いくが、走査回路200においてはカウント出力
信号1〜3を反転した信号N1〜B3が入力
されており、一方各キースイツチの走査は前述の
ように高音側から低音側に向けて行なわれるた
め、信号N1〜B3の各ビツトが全て“1”(カ
ウンタ201のカウント値が「0」)のときには
最も高音側のキースイツチが走査され、以後信号
N1〜B3の値が減少する(カウンタ201のカ
ウント値が増加する)に従つて順次低音側のキー
スイツチが走査されることになる。この走査回路
200に入力される信号N1〜B3は各走査タイ
ミングにおいて現在走査中のキースイツチに対応
した鍵を表わすキーコードKCとして利用される。
このキーコードKC(N1〜B3)は高音側の鍵に
なるほど大きな値となり、各鍵の音高に対応して
いる。
ここで、M進カウンタ201は発振器203か
ら出力される16μs周期のクロツク信号CKをカウ
ントするようになつている。従つて、M進カウン
タ201のカウント値は16μs毎に順次変化するも
のとなる。これに伴つて、1つのキースイツチの
走査期間は16μsとなり、また全キースイツチの走
査が1巡する走査サイクルは約2ms(16μs×27
となる。このM進カウンタ201はそのカウント
出力のうち下位7ビツト(1〜3)が上述の
ようにキースイツチの走査のために用いられる
が、減衰指示信号DMPの発生期間(10ms)を制
御するタイマとしても用いられる。すなわち、カ
ウント出力信号3の上位側3ビツトのカウント
出力信号Q2,Q4,Q8はリセツト信号による
初期化の後それぞれ2ms,4ms,8msの時間を経
過した時に“1”となる。そこで、カウント出力
信号Q2およびQ4をインバータ204および2
05によりそれぞれ反転してアンドゲート206
に入力すると共に、カウント出力信号Q8をその
ままアンドゲート206に入力すれば、アンドゲ
ート206の出力信号TMはM進カウンタ201
のリセツト後8ms経過してから“1”となる。一
方、カウント出力信号1〜3をアンドゲート
207に入力すれば、このアンドゲート207の
出力信号SCEはM進カウンタ201のリセツト後
2ms経過してから“1”となる。従つて、アンド
ゲート206の出力信号TMとアンドゲート20
7の出力信号SCEとをアンドゲート208に入力
すれば、M進カウンタ201のリセツト後10ms
経過したタイミングで“1”となるタイマ信号
TM10を得ることができる。
この場合、アンドゲート207の入力条件が成
立するということは、キースイツチの走査が1巡
したこと、すなわち1走査サイクルが終了したこ
とを意味するため、アンドゲート207の出力信
号はスキヤンエンド信号SCEとして用いられる。
このスキヤンエンド信号SCEおよびアンドゲート
208から出力されるタイマ信号TM10のパル
ス幅はそれぞれ16μsである。
ここで、鍵盤部においてスタツカート演奏操作
が行なわれた場合について説明する。
まず、走査回路200から出力される各鍵の状
態を示す押鍵検出信号TDMは、アンドゲート2
09およびアンドゲート217を介してフリツプ
フロツプ222に入力される。フリツプフロツプ
222は現在のキースイツチ走査サイクルにおい
て動作キースイツチ(すなわち押圧鍵)が存在す
ることを一時記憶しておくものである。すなわち
オアゲート217から動作キースイツチの走査タ
イミングで“1”の押鍵検出信号TDMが入力さ
れると、この“1”の検出信号TDMはフリツプ
フロツプ222にクロツクパルスφ1の発生タイ
ミングで取込まれ、次いでクロツクパルスφ2
発生タイミングで押圧鍵存在検出信号XKQとし
て出力される。この検出信号XKQはアンドゲー
ト210に入力される。アンドゲート210には
スキヤンエンド信号SCEをインバータ206によ
つて反転した信号が入力されている。従つ
て、スキヤンエンド信号SCEが発生していないタ
イミングでは、アンドゲート210の出力信号
XKQRは“1”となる。このアンドゲート21
0の出力信号XKQRはアンドゲート209の出
力信号TDM′とともにオアゲート217に入力さ
れている。従つて、フリツプフロツプ222の入
力信号は16μsのパルス幅の“1”の検出信号
TDMが消滅しても、アンドゲート210の出力
信号XKQRによつて“1”信号の状態が保持さ
れる。
しかし、キースイツチの走査が1巡してスキヤ
ンエンド信号が“0”になると、アンドゲー
ト210の出力信号XKQRも“0”となる。こ
のため、フリツプフロツプ222はスキヤンエン
ド信号SCEの発生タイミングでリセツトされる。
この場合、フリツプフロツプ222は押鍵検出信
号TDMが最初に“1”となる走査タイミングに
おいてセツトされる。すなわち、複数のキースイ
ツチのうち最高音に該当する動作キースイツチの
走査タイミングにおいてフリツプフロツプ222
がセツトされる。従つて、フリツプフロツプ22
2からは、動作キースイツチの存在を示す信号
XKQが最高音の動作キースイツチの走査タイミ
ングからスキヤンエンド信号SCEの発生タイミン
グまで出力される。
第11図にはキースイツチの走査によつてフリ
ツプフロツプ222がセツトされるまでのカウン
タ201のカウント出力信号3〜1(同図
e)、押鍵検出信号TDM(同図f)、スキヤンエ
ンド信号SCE(同図g)、押圧鍵存在検出信号
XKQ(同図h)のタイムチヤートをクロツクパル
スφ1(同図a)、クロツクパルスφ2(同図b)、タ
イミングパルスT1(同図c)、タイミングパルス
T2(同図d)と共に示している。なお、カウンタ
201を駆動するクロツク信号CKはタイミング
パルスT1と同じものなので、第11図では省略
してある。
ところで、押鍵検出信号TDMはアンドゲート
248にも入力される。アンドゲート248は他
の入力にフリツプフロツプ222の出力信号
XKQをインバータ226により反転した信号
XKQが入力されている。従つて、フリツプフロ
ツプ222がリセツト状態の時に“1”の押鍵検
出信号TDMが発生すると、アンドゲート248
から“1”の出力信号XSが発生する。すなわち、
各キースイツチ走査サイクルにおいて最初に押鍵
検出信号TDMが“1”となる走査タイミングに
同期して信号XS(“1”信号)がアンドゲート2
48から出力される。このアンドゲート248の
出力信号XSは第1ラツチ240に対してラツチ
制御信号として供給される。これにより、第1ラ
ツチ240には各キースイツチの走査サイクルに
おいて最初に検出された動作キースイツチ、すな
わち押圧鍵の中の最高音に相当する鍵に対応した
キーコードKCがラツチされる。この場合、ラツ
チ制御信号XSは押鍵検出信号TDMが最初に
“1”となつた後フリツプフロツプ222の出力
信号XKQが“1”となるまでのパルス幅となる。
なお、アンドゲート248はフリツプフロツプ2
22の出力信号XKQが“1”となることにより
不動作となるので、ラツチ制御信号XSは各走査
サイクルにおいて1回だけ発生することになる。
このようにして、第1ラツチ240からは押圧
鍵のうち最高音に相当する鍵に関するキーコード
KCが出力される。
さて、フリツプフロツプ222の出力信号
XKQはアンドゲート211に入力される。アン
ドゲート211の他の入力にはスキヤンエンド信
号SCEが入力されている。従つて、アンドゲート
211はフリツプフロツプ222がセツトされて
いれば(XKQ=“1”)、スキヤンエンド信号SCE
の発生タイミングで“1”の出力信号MK1Sを
出力する。この信号MK1Sはオアゲート218
を介してフリツプフロツプ223の入力に供給さ
れる。
フリツプフロツプ223は前回のキースイツチ
走査サイクルにおいて動作キースイツチが存在し
たことを記憶しておくもので、先に説明したフリ
ツプフロツプ222と同様にクロツクパルスφ1
φ2により駆動され、オアゲート218からの
“1”信号によりセツトされる。このフリツプフ
ロツプ223の出力信号MK1はアンドゲート2
12に入力される。アンドゲート212の他の入
力にはスキヤンエンド信号SCEの反転信号が
さらに入力され、その出力信号MK1Rはオアゲ
ート218を介してフリツプフロツプ223の入
力に供給されている。従つてフリツプフロツプ2
23を1度セツトした後新たなスキヤンエンド信
号SCEが発生すると、アンドゲート212の出力
信号MK1Rはこの時“0”信号となる。このた
め、フリツプフロツプ223はスキヤンエンド信
号SCEの発生タイミングでリセツトされる。この
場合、前回の走査サイクルから現在の走査サイク
ルまで動作キースイツチが継続して存在していれ
ば、フリツプフロツプ222が継続してセツトさ
れているために信号SCEが発生タイミングにおい
てアンドゲート211の出力信号MK1Sが再度
“1”信号となる。このため、フリツプフロツプ
223はリセツトされない。
従つて、フリツプフロツプ223がリセツト状
態にある時にフリツプフロツプ222がセツトさ
れるような鍵操作状態は、第1の鍵が離された
後、次の新たな第2の鍵が操作されたスタツカー
ト演奏状態に相当する。
フリツプフロツプ223の出力信号MK1はイ
ンバータ227により反転されてアンドゲート2
13に入力される。アンドゲート213にはフリ
ツプフロツプ224の出力信号AKQをインバー
タ228により反転した信号およびスキヤ
ンエンド信号SCEが入力されている。従つて、フ
リツプフロツプ224がリセツト状態にあると
き、フリツプフロツプ223がセツトされ、かつ
スキヤンエンド信号SCEが発生すると、アンドゲ
ート213から“1”の信号AKQSが出力され
る。この“1”の信号AKQSはオアゲート21
9を介してフリツプフロツプ224の入力に供給
される。
フリツプフロツプ224は、押鍵操作の無い状
態から新たに押鍵操作が行なわれたことを示すエ
ニイニユーキーオン信号AKQを出力するもので、
先に説明したフリツプフロツプ222,223と
同様にクロツクパルスφ1,φ2によつて駆動され、
アンドゲート213の出力信号AKQSが“1”
信号になることによつてリセツトされる。すなわ
ち、前回の走査サイクルにおいて押鍵操作が無く
フリツプフロツプ223がリセツト状態にある時
(MK1=“0”)新たな押鍵操作によつてフリツ
プフロツプ222がセツトされる(XKQ=“1”)
と、新たな押鍵操作が検出された走査サイクルの
スキヤンエンド信号SCEの発生タイミングでセツ
トされる。
このフリツプフロツプ224から出力されるエ
ニイニユーキーオン信号AKQは信号が入力さ
れたアンドゲート214およびオアゲート219
を介してフリツプフロツプ224の入力側に帰還
され、これにより信号AKQは信号が“0”に
なるまで“1”信号状態を維持する。また、この
エニイニユーキーオン信号AKQはアンドゲート
231に供給され、さらにオアゲート234を介
して前述の減衰指示信号DMPとして出力される。
一方、アンドゲート213の出力信号AKQS
はオアゲート221を介してM進カウンタ201
にリセツト信号として供給される。これによつ
て、M進カウンタ201はリセツトされる。する
と、M進カウンタ201はキースイツチ走査のた
めのカウント動作と同時に、減衰指示信号DMP
の発生時間を制御するためのタイマとしての動作
を行なうようになる。
M進カウンタ201がアンドゲート213の出
力信号AKQSによつてリセツトされた後10ms経
過すると、アンドゲート208から前述のように
してタイマ信号TM10が出力される。
このタイマ信号TM10はアンドゲート235
に入力される。アンドゲート235にはオアゲー
ト230を介してフリツプフロツプ224のエニ
イニユーキーオン信号AKQが入力されるように
なつている。
従つて、カウンタ201がリセツトされてから
10ms経過すると、アンドゲート235の出力信
号QRが“1”となる。このアンドゲート235
の出力信号QRはアンドゲート245,246,
247に供給される。アンドゲート245の他の
入力にはフリツプフロツプ222の出力信号
XKQおよびオアゲート237から出力されるキ
ーオフ信号KOFが入力されている。この場合、
オアゲート237はアンドゲート231,23
2,233の出力信号の論理和信号をキーオフ信
号として出力するものであるが、この時フリツプ
フロツプ224がセツト状態にあり、これに伴つ
てアンドゲート231の出力信号が“1”となつ
ているためにキーオフ信号KOFも“1”となつ
ている。
一方、アンドゲート247の他の入力にはフリ
ツプフロツプ222の出力信号XKQが入力され
ている。
従つて、アンドゲート235の出力信号QRが
“1”になつたときにフリツプフロツプ222が
セツト状態にあれば(すなわち新たに押圧された
鍵が連続して押圧されていれば)、アンドゲート
245および247からそれぞれ信号QRの発生
に同期したアタツクスタート信号ASおよびラツ
チ制御信号KSが出力される。
ラツチ制御信号KSは第2ラツチ241に供給
される。第2ラツチ241には第1ラツチ240
の出力信号(キーコードKC)が入力されており、
これにより第1ラツチ240にラツチされていた
最高音押圧鍵のキーコードKCが第2ラツチ24
1に転送され、この第2ラツチ241を介して周
波数情報メモリ3およびエンベロープジエネレー
タ4に供給される。すなわち、押圧鍵の無い状態
から新たな押鍵操作が行なわれると、この新たな
押圧鍵に対応するキーコードKCは減衰指示信号
DMPの発生後10msの時間を経過してから送出さ
れる。
一方、アンドゲート235の出力信号QRはイ
ンバータ236によつて反転されてアンドゲート
214に供給される。アンドゲート214の他の
入力にはフリツプフロツプ224の出力信号
AKQが入力され、その出力信号AKQRはオアゲ
ート219を介してフリツプフロツプ224の入
力に供給されている。従つて、フリツプフロツプ
224がセツトされてから10ms経過すると、ア
ンドゲート214の出力信号AKQRが“0”信
号となるため、フリツプフロツプ224はリセツ
トされる。これにより、アンドゲート231の出
力信号も“0”信号となり、オアゲート234か
ら出力されていた減衰指示信号DMPも“0”信
号となる。さらに、フリツプフロツプ224がリ
セツトされてオアゲート231の出力信号が
“0”信号となると、オアゲート237から出力
されるキーオフ信号KOFも“0”信号となる。
このキーオフ信号KOFはインバータ244によ
つて反転されてキーオン信号KONとして出力さ
れるようになつている。
ここで、スタツカート演奏操作時の動作を要約
すると次のようになる。
押圧鍵の無い状態で新たな押鍵操作が行なわれ
ると、まず第1ラツチ240に新たな押圧鍵(押
圧鍵が複数あれば最高音押圧鍵)のキーコード
KCがラツチされる。続いて、フリツプフロツプ
224がセツトされてエニイニユーキーオン信号
AKQが“1”となつて減衰指示信号DMP(“1”
信号)が出力されると共に、カウンタ201がリ
セツトされて該信号DMPの発生時間の計測が開
始される。そして、10msの時間が経過すると、
まずラツチ制御信号KSが発生して第1ラツチ2
40にラツチされている新たな押圧鍵(最高音押
圧鍵)のキーコードKCが第2ラツチ241に転
送されると共に、アタツクスタート信号ASが発
生される。
この後、フリツプフロツプ224がリセツトさ
れて減衰指示信号DMPの送出が停止されると共
に、キーオン信号KONが出力される。
以上の動作により、エンベロープジエネレータ
4においては既に離れている鍵に関するエンベロ
ープ波形信号EVを減衰状態とした後、10ms後に
新たな押圧鍵に関してアタツク部ATから始まる
エンベロープ波形信号EVの発生が行なわれる。
この場合、新たな押圧鍵に対応する楽音の形成
は減衰指示信号DMPの終了を待つて開始される
ことになるため、楽音の形成動作が10ms間だけ
遅れることになるが、これは何等支障ない。
次に、スラースイツチS・SWがオン状態とさ
れている時にレガート演奏操作が行なわれた場合
について説明する。
レガート演奏操作において、押圧鍵の無い状態
から初めに押圧された第1の鍵についてはスタツ
カート演奏操作の場合と同様に減衰指示信号
DMP,アタツクスタート信号AS,キーオン信号
KONおよびキーコードKCが送出される。しか
し、第1の鍵を離さないうちにこの第1の鍵より
音高の高い第2の鍵を押圧すると、走査回路20
0からは第1の鍵と第2の鍵のそれぞれに対応す
る走査タイジングで“1”の押鍵検出信号TDM
が出力される。なお、第2の鍵は第1の鍵より高
音側であるため、第2の鍵に関する検出信号
TDMの方が第1の鍵に関する検出信号TDMよ
り先に出力される。
すると、第2の鍵が押圧される前までは第1の
鍵に関する押鍵検出信号TDM(“1”信号)によ
りセツトされていたフリツプフロツプ222は第
2の鍵の押圧操作が加わつたことにより、今度は
第2の鍵に関する押鍵検出信号TDM(“1”信
号)によつてリセツトされるようになる。同時
に、アンドゲート248からラツチ制御信号XS
が送出され、第1ラツチ240には高音側である
第2の鍵に対応するキーコードKCがラツチされ
る。
この時、第2ラツチ241には第1の鍵に対応
するキーコードKCが既にラツチされている。従
つて、第2ラツチ241の記憶内容と第1ラツチ
240の記憶内容とを比較する比較器242は、
第1ラツチ240に第2の鍵に対応するキーコー
ドKCがラツチされた時点で“0”の一致検出信
号EQを出力してインバータ243に供給する。
これによつて、インバータ243は第2ラツチ2
41の記憶内容と第1ラツチ240の記憶内容と
が異なることを示す“1”の不一致検出信号
NEQを出力する。
この不一致検出信号NEQはアンドゲート21
5に供給されてフリツプフロツプ225のセツト
条件信号の1つとなる。アンドゲート215の他
の入力にはフリツプフロツプ222の出力信号
XKQ,フリツプフロツプ225の出力信号NKQ
をインバータ229によつて反転した信号
およびアンドゲート207から出力されるスキヤ
ンエンド信号SCEが供給されている。
フリツプフロツプ222は前述のように第2の
鍵に関する押鍵検出信号TDMによつてセツトさ
れているため、その出力信号XKQは“1”とな
つている。また、フリツプフロツプ225はこの
時リセツト状態にあり、信号NKQは“1”とな
つている。従つて、アンドゲート215は不一致
検出信号NEQが“1”となると、走査サイクル
の終了時に発生されるスキヤンエンド信号SCEに
同期して“1”の信号NKQSを出力する。この
信号NKQSはオアゲート220を介してフリツ
プフロツプ225に入力され、フリツプフロツプ
225をセツトする。
すなわち、第1の鍵の押圧に加えて第2の鍵
(但し、第1の鍵より高音側の鍵)が新たに押圧
されるとフリツプフロツプ225がセツトされ
る。このフリツプフロツプ225の出力信号
NKQは新たな鍵が押圧されたことを示すニユー
キーコード検出信号として利用される。この場
合、フリツプフロツプ225の出力信号NKQは、
信号が入力されるアンドゲート216および
オアゲート220を介してフリツプフロツプ22
5の入力側に帰還されて該フリツプフロツプ22
5のセツト状態が保持される。このフリツプフロ
ツプ225から出力されるニユーキーコード検出
信号NKQはオアゲート230およびアンドゲー
ト232に入力される。
アンドゲート232はその出力信号をオアゲー
ト234を介して減衰指示信号DMPとして、ま
たオアゲート237を介してキーオフ信号KOF
として送出するものであるが、この時アンドゲー
ト232の他の入力にはスラースイツチS・SW
のオン信号(“1”信号)をインバータ239に
より反転した信号が供給されていて、該アンドゲ
ート232は不動作となつている。このため、
“1”のニユーキーコード検出信号NKQがアンド
ゲート232に与えられても“1”の減衰指示信
号DMPは出力されない。また、“1”のキーオフ
信号KOFも出力されず、インバータ244から
出力されるキーオン信号KONは第1の鍵の押圧
時から引き続き“1”信号を保持する。
一方、アンドゲート215の出力信号NKQS
はオアゲート221を介してカウンタ201にリ
セツト信号として供給される。これにより、カウ
ンタ201はリセツトされる。
カウンタ201がリセツトされた後、10msの
時間が経過すると、前述のようにアンドゲート2
08からタイマ信号TM10が出力されてアンド
ゲート235に入力される。アンドゲート235
の他の入力にはオアゲート230を介してニユー
キーコード検出信号NKQ(“1”信号)が入力さ
れている。このため、アンドゲート235はアン
ドゲート215の出力信号NKQSが発生してか
ら10ms経過した後に“1”の信号QRを出力す
る。この信号QRはアンドゲート245,246
および247に入力されると共に、インバータ2
36により反転されてアンドゲート216に入力
される。
アンドゲート245はアタツクスタート信号
ASを出力するものであるが、このアンドゲート
245の入力のうちキーオフ信号KOFは上述の
ように“0”信号となつている。このため、信号
QR(“1”信号)がアンドゲート245に入力さ
れてもアタツクスタート信号ASは出力されない。
一方、アンドゲート246においては、インバ
ータ238から出力されるキーオン信号KON,
インバータ243から出力される不一致検出信号
NEQ,フリツプフロツプ222の出力信号XKQ
がそれぞれ“1”となつている。このため、アン
ドゲート246は信号QRが“1”となつた時に
アンド条件が成立し、その出力からスラースター
ト信号SSを出力する。すなわち、レガート演奏
操作において新たに追加された押圧鍵については
アタツク信号ASに代えてスラースタート信号SS
が出力される。
また、アンドゲート247においては、フリツ
プフロツプ222の出力信号XKQが“1”であ
るため、信号QRの発生時点でアンド条件が成立
し、その出力からラツチ制御信号KSが出力され
る。これにより、第1ラツチ240に記憶されて
いた第2の鍵に対応するキーコードKCが第2ラ
ツチ241に記憶され、この第2ラツチ241か
ら周波数情報メモリ3およびエンベロープジエネ
レータ4に供給される。この時、第1ラツチ24
0の記憶内容と第2ラツチ241の記憶内容とが
一致するため、比較器242の一致検出信号EQ
は“1”となり、これに伴つてインバータ243
から出力される不一致検出信号NEQは“0”と
なる。
一方、アンドゲート216においては他の入力
にフリツプフロツプ225から出力されるニユー
キーコード検出信号NKQが入力されている。こ
のため、信号が“0”になることによりアン
ドゲート216の出力信号NKQRも“0”とな
る。このアンドゲート216の出力信号NKQR
はオアゲート220に入力されるが、このオアゲ
ート220の他の入力に加えられているアンドゲ
ート215の出力信号NKQSはフリツプフロツ
プ225がセツトされてインバータ229の出力
信号が“0”となつているためにオアゲー
ト220は“0”信号を出力してフリツプフロツ
プ225をリセツトする。
ところでこの場合、フリツプフロツプ223は
前回の走査サイクルにおいて押圧鍵(第1の鍵)
が存在していたためにセツト状態にあり、その出
力信号MK1は“1”となつている。従つて、信
号MK1をインバータ227により反転した信号
MK1が入力されるアンドゲート213は不動作
となつていてフリツプフロツプ224がセツトさ
れることはない。すなわち、第1の鍵の押鍵操作
に加えて第2の鍵が新たに押鍵操作されてもフリ
ツプフロツプ224はセツトされず、エニイニユ
ーキーオン信号KONは出力されない。
ここで、スラースイツチS・SWがオン状態の
時にレガート演奏操作が行なわれた場合の動作を
要約すると次のようになる。
第1の鍵に加えて新たに第2の鍵が押圧される
ことにより、フリツプフロツプ222および22
5がセツトされるとともに、M進カウンタ201
がリセツトされて10msの時間の計測が開始され
る。そして、10msの時間が経過すると、スラー
スタート信号SSが出力されるとともに、新たに
押圧された第2の鍵に対応するキーコードKCが
送出される。この時、キーオン信号KONは第1
の鍵が押圧されてから第2の鍵が離れるまで連続
して“1”信号となつている。
なお、フリツプフロツプ225はスタツカート
演奏操作においてもフリツプフロツプ224と同
時にセツトおよびリセツトされるが、この場合に
は有効な作用を及ぼさない。
次に、スラースイツチS・SWがオフ状態の時
にレガート演奏操作が行なわれた場合について説
明する。
この場合は前述のスタツカート演奏操作の場合
と同様な動作となる。すなわち、スラースイツチ
S・SWがオフの場合には、インバータ239か
らアンドゲート232に入力された信号は“1”
信号となる。このため、フリツプフロツプ225
がセツトされてニユーキーコード検出信号NKQ
(“1”信号)が発生することにより、アンドゲー
ト232の出力信号は“1”となる。これによ
り、オアゲート234から“1”の減衰指示信号
DMPが発生する。また、オアゲート237から
出力されるキーオフ信号KOFも“1”信号とな
り、逆にインバータ238および244から出力
されるキーオン信号KONは“0”信号となる。
従つて、ニユーキーコード検出信号NKQの発生
によつて10ms経過し、アンドゲート235から
出力される信号QRが“1”となつてもアンドゲ
ート246のアンド条件は成立せず、スラースタ
ート信号SSは出力されない。逆に、アンドゲー
ト245のアンド条件が成立してアタツクスター
ト信号ASが出力される。この結果、スタツカー
ト演奏操作と同様の楽音が形成される。
なお、キーオフ信号KOFを出力するオアゲー
ト237には、フリツプフロツプ223の出力信
号MK1をインバータ227で反転した信号
1を入力とするアンドゲート233の出力信号が
供給されているが、これは1走査サイクル前から
押鍵操作が無い場合にはキーオフ信号KOFを
“1”とするためのものである。
次に、エンベロープジエネレータ4の具体的構
成について説明する。
第12図はエンベロープジエネレータ4の具体
例を示すブロツク図である。同図において、ステ
ート制御回路400には、キーオン信号KON、
アタツクスタート信号AS、スラースタート信号
SS、減衰指示信号DMP、音色パラメータ情報
TPが入力されている。さらに、エンベロープ波
形信号EVの現在値とその目標値との比較結果情
報COMPが入力されている。
ステート制御回路400はこれらの入力信号お
よび情報に基づきエンベロープ波形信号EVにお
けるアタツク部分AT、第1デイケイ部分D1、
持続部分ST、第2デイケイ部分D2などの各セ
グメントを形成するためのステート信号STo(n
=0,1,2,3)を出力する。また、スラース
タート信号SSが入力された場合には、発生する
エンベロープ波形信号EVを順次変化させて該信
号EVが第2の鍵に関するエンベロープ波形信号
EVに一致するまでの間、該信号EVの順次変化と
同期的に発生される楽音の音高を第1の鍵の音高
から第2の鍵の音高に向けて順次変化させるため
のスラーピツチスタート信号SPSを出力する。
ここで、説明の便宜上、エンベロープ波形信号
EVを形成するためのステート(STo)の変化す
る様子を第13図に示すフローチヤートにより第
3図〜第8図の波形図を参照しながら説明してお
くことにする。
第13図において、まず電源投入後のイニシヤ
ルクリア信号(図示せず)によつてステートSTo
はST3の状態にある。この状態でスタツカート演
奏操作またはレガート演奏操作における最初の鍵
(第1の鍵)が押圧されて10msの急速減衰期間が
経過すると、この最初の鍵に関するエンベロープ
波形信号EVのアタツク部分ATのセグメントを
形成するためのアタツクスタート信号ASが発生
する。すると、ステツプ110の「AS」の判断
によりステートはST0へ変化する。
ステートST0においては、キーオン信号KON
が“1”であり、かつスラースタート信号SSが
発生していないことを条件に、ステツプ100の
「KON」および101の「SS」の判断によりス
テツプ102へ進み、このステツプ102におい
て信号EVの現在値Aと目標値B(アタツクレベ
ル)との比較結果情報COMPが「A≧B」また
は「A<B」のいずれに該当するかが判断され
る。もし、比較結果情報COMPが「A<B」、す
なわち「EV<TL」ならば、ステツプ100〜1
02の動作が繰り返され、この繰り返し動作の中
で信号EVの現在値Aに対してアタツク部分AT
の変化データΔATが順次加算される。この結果、
信号EVの現在値Aは順次増加する。そして、信
号EVの現在値Aと目標値Bとが一致すると(A
≧Bになると)、ステツプ102の判断によりス
テートSToはST1に変化する。すなわち、アタツ
ク部分ATの形成動作が終了すると、ステート
SToは第1デイケイ部分D1のステートST1へ変
化する。
ステートST1においては、キーオン信号KON
およびスラースタート信号SSが発生していない
ことを条件に、ステツプ103および104の判
断によりステツプ105へ進み、このステツプ1
05においてエンベロープのモードMが持続音系
(CON)またはパーカツシブ系(PER)のいずれ
に設定されているかが判断される。もし、モード
Mがパーカツシブ系(PER)に設定されている
場合には、次のステツプ106へ進み、信号EV
の現在値Aと目標値B(第1デイケイレベル1
DL)との比較結果情報COMPが「A≦B」また
は「A>B」のいずれに該当するかが判断され
る。この判断の結果、「A>B」ならば、すなわ
ち信号EVの現在値Aが第1デイケイレベル1DL
に達していなければ、ステツプ104〜106の
動作が繰り返され、この繰り返し動作の中で信号
EVの現在値Aに対して第1デイケイ部分D1の
変化データΔD1(負の値)が順次加算される。
この加算の結果、信号EVの現在値Aと目標値B
(=1DL)とが一致すると(A≦B)、ステツプ
106の判断によりステートSToは第2デイケイ
部分D2のステートST2へ変化する。すなわち、
パーカツシブ系のエンベロープ波形信号EVにお
ける第1デイケイ部分D1形成動作が終了する
と、ステートSToはST1からST2へ変化する。
一方、ステツプ105における判断において、
モードMが持続音系(CON)に設定されている
場合にはステツプ121へ進む。すると、ステツ
プ121においては、第14図のステツプ121
0に示すように、まずエンベロープ波形信号EV
の現在値Aと第1デイケイ部分D1の目標値B
(=第1デイケイレベル1DL)との比較結果情報
COMPが「A>B」または「A≦B」のいずれ
かに該当するかが判断される。この判断の結果
「A>B」で信号EVの現在値Aが第1デイケイレ
ベル1DLに達していなければ、次のステツプ1
211において第1デイケイ部分D1の変化デー
タΔD1が現在値Aに加算される。この加算の結
果、信号EVの現在値Aが第1デイケイレベル1
DLに一致して「A≦B」となると、ステツプ1
210からステツプ1212へ進み、このステツ
プ1212においてステートST1での現在値A
(すなわち第1デイケイレベル1DL)を押圧鍵が
離されるまで維持する。
この待機状態において押圧鍵が離されると、キ
ーオン信号KONが“0”になるためにステツプ
103から115へ進む。
ステツプ115においては、減衰指示信号
DMPが発生しているか否かが判断されるが、こ
の信号DMPが発生していない条件では次のステ
ツプ116へ進み、モードMが持続音系(CON)
またはパーカツシブ系(PER)のいずれに設定
されているかが判断される。すると、ここではモ
ードMが持続音系(CON)に設定されているの
で、このステツプ116の判断によりステート
SToは第2デイケイ部分D2のステートST2へ変
化する。すなわち、持続音系のモードでは、エン
ベロープ波形信号EVの現在値Aが第1デイケイ
レベル1DLに達した後キーオン信号KONが
“0”になつてからステートST2に変化する。
ステートST2においては、まずステツプ107
においてキーオン信号KONが“0”か“1”か
が判断されるが、キーオン信号KONが“0”と
なつていると、ステツプ107からステツプ11
8へ進み、さらに減衰指示信号DMPが発生して
いないことを条件にステツプ119へ進む。する
と、ステツプ119では、信号EVの現在値Aが
第2デイケイ部分D2の目標値Bであるイニシヤ
ルレベルILに達しているか、すなわち信号EVの
減衰が完了しているかが判断される。もし、減衰
が完了していなければ、ステツプ107→118
→119→107の動作が繰り返され、この繰り
返しの中で第2デイケイ部分D2の変化データ
ΔD2が信号EVの現在値Aに順次加算される。
この加算の結果、信号EVがイニシヤルレベルIL
に達して減衰が終了すると、ステートSToは急速
減衰部分のステートST3へ変化する。そして、こ
のステートST3におけるステツプ110において
アタツクスタート信号ASが発生しているかどう
かが判断される。アタツクスタート信号ASは次
の新たな鍵が押圧されるまでは発生しないため、
ステツプ110の判断により次のステツプ111
へ進み、ここにおいて信号EVの減衰が既に終了
していることを条件にステツプ122へ進む。そ
して、このステツプ122において信号EVの形
成のための演算を停止して待機状態となる。
押鍵操作の時間間隔が充分長い場合のステート
の変化は以上の通りであるが、最初に押圧した第
1の鍵に関するエンベロープ波形信号EVが完全
に減衰していない状態で新たな第2の鍵が押圧さ
れた場合には次のようになる。
すなわち、ステツプ100→101→102→
100の繰り返しにより第1の鍵に関する信号
EVのアタツク部分ATのセグメントを形成して
いる時に、例えば第1の鍵が離されて新たな第2
の鍵が押圧されると、第2の鍵の押圧により減衰
指示信号DMPが発生する。この時、キーオン信
号KONは信号DMPの発生の間強制的に“0”と
される。このため、ステツプ100→101→1
02→100の繰り返し動作はその途中において
ステツプ100→112の方向へ進み、このステ
ツプ112からステートST3へ変化する。そし
て、このステートST3においてはアタツクスター
ト信号ASが発生していないかどうかが判断され
る。
アタツクスタート信号ASは減衰指示信号DMP
の発生が終了してから発生するため、動作はステ
ツプ110から111へ進む。そして、このステ
ツプ111において信号EVの現在値Aが急速減
衰部分DMの目標値であるイニシヤルレベルILに
達したかどうかが判断される。
最初のうちは「A>IL」であるため、ステツ
プ111および110の循還ループの動作が繰り
返され、この繰り返し動作の中で信号EVの急速
減衰のための変化データΔDM(負の値)が加算
される。この加算の結果、「A≦IL」となると、
ステツプ111からステツプ112へ進み、信号
EVの形成動作は待機状態となる。
次に、ステツプ103→104→105→12
1→103の繰り返し動作またはステツプ103
→104→105→106→103→104→1
05→106の繰り返し動作、あるいはステツプ
103→115→116→117→103の繰り
返し動作により、エンベロープ波形信号EVの第
1デイケイ部分D1のセグメントを形成している
時に、減衰指示信号DMPが“1”となり、また
キーオン信号KONが“0”になると上記の繰り
返し動作はその途中でステツプ103→115→
ST3となり、前述の場合と同様にステートST3
おいて信号EVの現在値Aが急速に減衰される。
次に、ステツプ107→108→109→10
7の繰り返し動作によりエンベロープ波形信号
EVの第2デイケイ部分D2のセグメントを形成
している時に、減衰指示信号DMPが“1”とな
り、またキーオン信号KONが“0”になると、
上記ステツプの繰り返し動作がその途中でステツ
プ107→118→ST3となり、前述の場合と同
様にステートST3において信号EVの現在値Aが
急速に減衰される。
従つて、第1の鍵に関する信号EVのセグメン
トがいずれの場合であつても、減衰指示信号
DMPが“1”となり、かつキーオン信号KONが
“0”となると常にステートST3に移り、このス
テートST3においてその現在値Aが急速に減衰さ
れる。そして、10ms経過して信号DMPの発生が
停止され、アタツクスタート信号ASが発生する
と、これ以後においては第2の鍵に関するエンベ
ロープ波形信号EVの形成がアタツク部分ATの
セグメントから開始される。
次に、第1の鍵に関するエンベロープ波形信号
EVのアタツク部分ATのセグメントを形成して
いる途中で第2の鍵がさらに押圧されて第2の鍵
の押圧後10ms経過してからスラースタート信号
SSが発生した場合には、アタツク部分ATのセグ
メントの形成動作はステツプ101の判断により
その動作途中からステートST1へ飛ぶ。そして、
このステートST1においてキーオン信号KONが
持続し、かつスラースタート信号SSが発生した
ことを条件に、ステツプ103→104→102
へ進む。そして、このステツプ120において信
号EVの現在値Aと第2の鍵に関する第1デイケ
イ部分D1の目標値である第1デイケイレベル1
DL′との差信号S(=1DL′―A)を求め、さらに
この差信号Sに1/256を乗じた値1/256・Sであるス ラー変化データΔSLを第1デイケイ部分D1の
変化データΔD1に代えて信号EVの現在値4に
加算するように変化データを切換える。そしてこ
の切換の後、ステツプ103→104→120の
繰り返し動作により信号EVの現在値Aにスラー
変化データΔSLを順次加算する。この繰り返し
動作の結果、信号EVの現在値Aが第2の鍵に関
する第1デイケイレベルIDL′に達すると、ステ
ートSToはST1からST2へ変化する。
すなわち、信号EVのアタツク部分ATのセグ
メントの現在値Aは、第2の鍵に関する第1デイ
ケイレベル1DL′に向つて順次変化する。この動
作は第1の鍵に関する信号EVの第1デイケイ部
分D1のセグメントおよび第2デイケイ部分D2
のセグメントを形成している途中でスラースター
ト信号SSが発生した場合でも同様である。なお、
後者の場合はステツプ108からステートST1
飛び、このステートST1において信号EVを変化
させるための動作が行なわれる。
以上のようにしてステート制御回路400から
出力されるステート信号SToは、ステートST0
ST3においてキーコードKCおよび音色パラメー
タ情報TPに応じた各セグメントの目標値TL,1
DL,IL(第3図参照)を発生させるために目標値
発生器401に供給される。これにより、目標値
発生器401は音色パラメータ情報TPが例えば
持続音系のエンベロープ波形信号EVを形成する
ための内容を示している時、n=0のステート信
号ST0およびキーコードKCが入力されると、持
続音系のエンベロープ波形信号EVにおけるアタ
ツク部分ATのセグメントの目標値であるアタツ
クレベルTLを出力する。
また、n=1のステート信号ST1が入力される
と、第1デイケイ部分1Dのセグメントの目標値
である第1デイケイレベル1DLを出力する。
さらに、n=2またはn=3のステート信号
ST2,ST3が入力されると、第2デイケイ部分D
2または急速減衰部分DMのセグメントの目標値
であるイニシヤルレベルILを出力する。
この場合、各セグメントにおける目標値のうち
アタツクレベルTL、第1デイケイレベル1DLは
第9図の特性グラフに対応して押圧鍵の音高に対
応して変化し音高が高くなるに従つて減少する傾
向に設定されている。
ステート制御回路400から出力されるステー
ト信号SToおよびスラーピツチスタート信号SPS
は、エンベロープ波形信号EVの各セグメントに
おける単位時間当りの変化データを選択するセレ
クタ402に供給される。これにより、セレクタ
402はステート信号ST0が入力されると、アタ
ツク変化データ発生器403から出力されるアタ
ツク部材ATのセグメントにおける変化データ
ΔATを選択して後述する演算部408に供給す
る。また、ステート信号ST1が入力されると、第
1デイケイ変化データ発生器404から出力され
る第1デイケイ部分D1のセグメントにおける変
化データΔD1を選択して演算部408に供給す
る。また、ステート信号ST2が入力されると、第
2デイケイ変化データ発生器405から出力され
る第2デイケイ部分D2のセグメントにおける変
化データΔD2を選択して演算部408に供給す
る。さらに、ステート信号ST3が入力されると、
急速減衰データ発生器406から出力される急速
減衰部分DMのセグメントにおける変化データ
ΔDMを選択して演算部408に供給する。さら
にまた、スタート信号ST1が入力されると共に、
スラースピツチスタート信号SPSが入力される
と、スラー変化データ発生器407から出力され
るスラー変化データΔSLを選択して演算部40
8に供給する。
なお、各変化データ発生器403〜406には
音色パラメータ情報TPが入力され設定音色に値
でかつ周期の変化データΔAT、ΔD1,ΔD2,
ΔDMが発生されるようになつている。また、こ
れらの変化データΔAT〜ΔDMは2′Sコンプリメ
ント(2の補数)で表わされている。
演算部408は、ステート制御回路400の制
御によつて目標値発生器401から出力される各
セグメントの目標値TL,1DL,ILと、セレクタ
402から選択出力される変化データΔAT,ΔD
1,ΔD2,ΔDM,ΔSLとに基づきキーコード
KCおよび音色パラメータ情報TPに対応したエン
ベロープ波形信号を形成する。
初めに、スタツカート演奏操作が行なわれた場
合の動作を説明する。
スタツカート演奏操作において、鍵が押圧され
ると、ステート制御回路400は押鍵検出回路2
から減衰指示信号DMPが発生した後10ms経過
し、この後アタツクスタート信号ASが発生する
までの間n=3のステート信号ST3を出力する。
すると、目標値発生器401はエンベロープ波形
信号EVの現在値を急速減衰させるためのイニシ
ヤルレベルILを出力する。また、セレクタ40
2は急速減衰データ発生器406から出力される
急速減衰用の変化データΔDMを選択して演算部
408に供給する。
目標値発生器401から出力されるイニシヤル
レベルILは比較器4080の比較入力(B)および
アンドゲート4083に供給される。
また、セレクタ402から選択出力される変化
データΔDMはアンドゲート4081に供給され
る。アンドゲート4083の他方の入力には、ア
ンドゲート4093から出力されるスラースター
ト信号SSとタイミングパルスT2(第11図参照)
との論理積信号SST2が入力されており、またア
ンドゲート4081の他方の入力にはタイミング
パルスT1(第11図参照)が入力されている。ス
ラースタート信号SSは、スラースイツチS・SW
がオン状態の時にレガート演奏操作が行なわれた
場合のみ押鍵検出回路2から発生されるものであ
るため、スタツカート演奏操作においては“0”
であり、これに伴いアンドゲート4093の出力
信号SST2は常に“0”となつている。
従つて、アンドゲート4083はスタツカート
演奏操作においては常にアンド条件が成立せず、
非導通状態となる。しかし、アンドゲート409
3の出力信号SST2はインバータ4094におい
て反転されてアンドゲート4082および408
5に供給される。従つて、アンドゲート4082
および4085はスタツカート演奏操作時におい
ては常に導通状態となる。
これにより、スタツカート演奏操作時のステー
トST3において、アンドゲート4081入力され
た急速減衰用の変化データΔDMはタイミングパ
ルスT1の発生によりアンドゲート4081およ
び4085を通過し、さらにオアゲート4087
を通過して加算器4088の加算入力(B)に供給さ
れる。
一方、アンドゲート4082にはBレジスタ4
090の出力データDBが入力されている。
Bレジスタ4090は、Aレジスタ4089の
出力データDAをクロツクパルスφ1の発生タイミ
ングで取込み、次いでクロツクパルスφ2の発生
タイミングで出力するもので、このBレジスタ4
090の出力データDBはアンドゲート4082
に供給されるとともに、ラツチ4091に供給さ
れてアンドゲート4092から出力されるタイミ
ングパルスT1とクロツクパルスφ1との論理積信
号によりラツチされる。
Aレジスタ4089は加算器4088における
演算出力データSDをクロツクパルスφ1の発生タ
イミングで取込み、次いでクロツクパルスφ2
発生タイミングで出力するもので、その出力デー
タDAはBレジスタ4090に供給されると共
に、インバータ4095によつて反転されて補数
値となつてアンドゲート4084に供給される。
従つて、加算器4088の演算出力データSD
はAレジスタ4089においてクロツクパルス
φ1(またはφ2)の発生周期(8μs)だけ遅延され
て出力され、Bレジスタ4090においてさらに
8μsだけ遅延されて出力されることとなる。すな
わち、演算出力データSDは16μs遅延されてBレ
ジスタ4090からデータDBとして出力され
る。そして、Bレジスタ4090の出力データ
DBはラツチ4091にラツチされた後エンベロ
ープ波形信号EVとして出力される一方、比較器
4080の比較入力(A)に信号EVの現在値として
供給されるようになつている。
スタツカート演奏操作時においては上述のよう
にアンドゲート4082〜4085のうち、アン
ドゲート4082と4085のみが導通状態とな
るため、加算器4088の加算入力(A)にはアンド
ゲート4082およびオアゲート4086を介し
てBレジスタの出力データDBが供給され、また
加算入力(B)にはアンドゲート4085およびオア
ゲート4087を介して急速減衰用の変化データ
ΔDMが供給される。
この場合、急速減衰用の変化データΔDMは負
の値に設定されている。一方、加算器4088は
演算値が負の値になつた時には「0」の演算出力
データSDを出力する。
そして、スタツカート演奏操作において押鍵操
作の時間間隔が充分長い場合には、前の押圧鍵に
関するエンベロープ波形信号EVは第2デイケイ
部材D2を完了した状態で待機しているため、A
レジスタ4089、Bレジスタ4090、ラツチ
4091の出力データDA,DB,EVはそれぞれ
イニシヤルレベルILとなつている。
従つて、このような演奏操作が行なわれた場合
のステートST3においては、変化データΔDMが
タイミングパルスT1の発生毎に入力されても加
算器4088の出力データSDは何等変化せずイ
ニシヤルレベルILを維持する。
ところが、押鍵操作間隔が短く、既に離した鍵
に関するエンベロープ波形信号EVが完全に減衰
していない時、例えば信号EVの現在値が第2デ
イケイ部分D2のセグメントの途中のレベルD2
Lxにある時に新たな鍵が押圧されると、加算器
4088の加算入力(A)には信号EVの現在値とし
て「D2Lx」が入力される。また、加算器40
88の加算入力(B)には急速減衰用の変化データ
ΔDMがタイミングパルスT1の発生タイミングに
同期して入力される。このため、加算器4088
は SD=(A)+(B)=DL2x−ΔDM の演算を行なう。
この演算出力データSDはレジスタ4089お
よび4090により16μs遅延されて次のタイミン
グパルスT1の発生タイミスグにおいて信号EVの
新たな現在値として加算器4088の加算入力(A)
に帰還される。このタイミングにおいては、アン
ドゲート4081が動作可能となつているので、
加算器4088の加算入力(B)には変化データ
ΔDMが入力されることになり、加算器4088
は再び両入力データの加算を実行して新たな演算
出力データSDを送出する。以後、このような動
作がタイミスグパルスT1の発生タイミングにお
いて繰り返し行なわれる。
ところでこの場合、データ発生器406は変化
データΔDMを常時発生しているものではなく、
音色パラメータ情報TPが示す音色に対応した周
期で変化データΔDMを発生する。このことは、
データ発生器403,404および405につい
ても同様である。
従つて、加算器4088の加算入力(B)に対して
タイミングパルスT1の発生タイミングで変化デ
ータΔDMが常に入力される訳ではなく、タイミ
ングパルスT1の発生タイミングであつても変化
データΔDMが入力されない場合もある。この場
合には、加算出力データSDは加算入力(A)に加え
られたデータDBとなり、エンベロープ波形信号
EVの現在値は更新されない。結局、エンベロー
プ波形信号EVは変化データΔDMの発生周期毎
に該データΔDMの値だけ順次変化(減少)して
いく。
以上のような動作が行なわれることにより、ラ
ツチ4092から出力されるエンベロープ波形信
号EVの現在値AがステートST3の目標値として
のイニシヤルレベルILに到達すると、比較器4
080からこれらの値の一致を示す比較結果情報
COMPが出力される。これにより、ステート制
御部400は待機状態となる(第13図のステツ
プ111,122参照)。
そして、減衰指示信号DMPの発生後、10ms経
過して新たな押圧鍵に関するアタツクスタート信
号ASが押鍵検出回路2から発生すると、ステー
ト制御回路400はn=0のステート信号ST0
出力する(第13図のステツプ110参照)。こ
れにより、目標値発生器401はアタツク部分
ATのセグメントにおける目標値としてのアタツ
クレベルTLを出力する。また、セレクタ402
はアタツク変化データ発生器403から出力され
る変化データΔATを選択してアンドゲート40
81に供給する。
すると、タイミングパルスT1の発生タイミン
グにおいて、加算器4088の加算入力(A)にはア
ンドゲート4082およびオアゲート4086を
介してエンベロープ波形信号EVの現在値として
イニシヤルレベルILが供給され、一方加算入力
(B)にはアンドゲート4081,4885およびオ
アゲート4085を介して変化データΔAT(正の
値)が供給される。これにより加算器4088は
タイミングパルスT1の発生タイミングにおいて、 SD=(A)+(B)=IL+ΔAT の演算を行なう。
この演算出力データSDはAレジスタ4089
およびBレジスタ4090を介して16μs遅延され
た後次のタイミングパルスT1の発生タイミング
に同期して加算器4088の加算入力(A)に帰還さ
れる。
この時、加算器4088の加算入力(B)には、変
化データΔATが入力されているので再び両入力
データの加算を行なう。以後、タイミングパルス
T1の発生毎にこのような動作が繰り返される。
従つて、ラツチ4091から出力されるエンベ
ロープ波形信号EVは変化データΔATが発生する
毎に該データΔATの値だけ順次増加するものと
なる。
このような演算動作が繰り返し行なわれること
によりエンベロープ波形信号EVのアタツク部分
ATのセグメントが形成される。そして、信号
EVの値が目標値としてのアタツクレベルTLに到
達すると、比較器4080から一致を示す比較結
果情報COMPが出力されてステート制御回路4
00から出力されるステート信号SToはST1とな
る(第13図のステツプ102参照)。
次に、ステートST1ではエンベロープ波形信号
EVの第1デイケイ部分D1(および持続部ST:
但しこれは持続系のエンベロープモードが指定さ
れている場合のみ)が形成される。このステート
ST1においては、目標値発生器401から第1デ
イケイレベル1DLが出力され、またセレクタ4
02からは変化データΔD1(負の値)が出力さ
れる。演算部408ではこれらのデータ1DLお
よびΔD1に基づき上述のステートST0の場合と
同様の演算を行ない、信号EVの第1デイケイ部
D1を形成する。
そして、エンベロープ波形信号EVの現在値が
第1デイケイレベル1DLに到達すると、持続音
系のエンベロープモードであれば第1デイケイレ
ベル1DLを保持して持続部分STのセグメントに
移り(第13図のステツプ121参照)、一方パ
ーカツシブ系のエンベロープモードであれば、第
2デイケイ部分D2のセグメントであるステート
ST2に移る(第13図のステツプ106参照)。
なお、持続系のエンベロープモードではキーオン
信号KONが“0”になるまで持続部分STのセグ
メントが継続し、キーオン信号KONが“0”に
なると第2デイケイ部分D2のセグメントである
ステートST2に移る(第13図のステツプ10
3,115,116参照)。
ステートST2ではエンベロープ波形信号EVの
第2デイケイ部分2Dが形成されるもので、目標
値発生器401からはイニシヤルレベルILが出
力され、一方セレクタ402からは変化データ
ΔD2(負の値)が出力されるようになる。この
ステートST2においても上述のステートST0と同
様の演算処理が実行されて信号EVの第2デイケ
イ部分D2が形成される。
なお、ステートST0またはST1またはST2にお
けるエンベロープ波形信号EVの形成処理を行な
つているときに減衰指示信号DMPが発生すると、
無条件でステートST3に移り、(第13図のステ
ツプ112,115,118参照)、前述したス
テートST3における急速減衰部分DMの形成処理
が行なわれるものである。
また、スラースイツチS・SWがオフ状態の時
にレガート演奏操作が行なわれた場合も、以上述
べたスタツカート演奏操作の場合と全く同じよう
にしてエンベロープ波形信号EVの形成が行なわ
れるものである。
次に、スラースイツチS・SWがオン状態の時
にレガート演奏操作が行なわれた場合の動作につ
いて説明する。
例えば、第1の鍵に関するエンベロープ波形信
号EVの第1デイケイ部分D1のセグメントの形
成動作中に新たな第2の鍵が押圧されると、この
第2の鍵が押圧された後10ms経過することによ
り押鍵検出回路2からスラースタート信号SSが
出力される。このスラースタート信号SSは第1
5図gに示すようにタイミングパルスT1の立上
りから16μsの間出力される。このため、スラース
タート信号SSとタイミングパルスT2とを入力す
るアンドゲート4093のアンド条件がタイミン
グパルスT2の発生タイミングで成立し、このア
ンドゲート4093から“1”の出力信号SST2
が出力される。この出力信号SST2はアンドゲー
ト4083および4084に供給されると共に、
インバータ4094により反転されてアンドゲー
ト4082および4085に供給される。これに
より、信号SST2の発生タイミングにおいて、ア
ンドゲート4082および4085は不動作とな
り、一方アンドゲート4083および4084は
動作可能となる。この時、アンドゲート4083
の他方の入力には新たな第2の鍵に対応する第1
デイケイレベル1DL′が目標値発生器401から
入力されている。また、アンドゲート4084の
他方の入力にはインバータ4095からエンベロ
ープ波形信号EVの第1デイケイ部分D1におけ
る現在値D1Lxを反転したデータ(補数値)
1Lxが入力されている。
従つて、アンドゲート4083は、信号SST2
の発生タイミングにおいて第2の鍵に対応する第
1デイケイレベル1DL′をオアゲート4086を
介して加算器4088の加算入力(A)に供給する。
また、アンドゲート4084は、信号SST2の発
生タイミングにおいて信号EVの現在値D1Lx
補数値1xをオアゲート4087を介して加
算器4088の加算入力(B)に供給する。一方この
時、アンドゲート4093の出力信号SST2は加
算器4088のキヤリイ入力(Ci)に入力され
る。
これにより、加算器4088はタイミングパル
スT2の発生タイミングにおいて、 SD=(A)+(B)=1DL′−D1Lx の演算を行なう。すなわち、エンベロープ波形信
号EVの現在値が変化すべき目標値との差をタイ
ミングパルスT2の発生タイミングにおいて演算
する。
この演算値SD、すなわち差データはAレジス
タ4089を介してタイミングパルスT1の発生
タイミングで出力される。そして、このAレジス
タ4089の出力データDAはスラー変化データ
発生器407に供給される。
すると、スラー変化データ発生器407はタイ
ミングパルスT1の発生タイミングにおいて供給
されるAレジスタの出力データDA(=1DL′−
D1Lx)を符号変換機能を内蔵したシフト回路4
070に入力し、ここにおいてまず入力データ
DAを下位ビツト方向に例えば8ビツトシフト
し、入力データDAを1/256倍する。この後、ス
ラーデータ符号レジスタ4096から出力される
符号制御信号SGに応じて1/256倍した入力データ
DAの符号変換を行なう。
符号制御信号SGが“1”の場合には、演算値
「1/256・DA」の補数をとり、負の値として出力
し、一方信号SGが“0”の場合は演算値「1/25
6・DA」をそのまま出力する。符号制御された
演算値1/256・DAはアンドゲート4073に供
給される。アンドゲート4073の他の入力に
は、発振器4071から出力されるスラークロツ
ク信号SCL′が入力されている。スラークロツク
信号SCL′は信号EVを順次変化させて第2の鍵に
対応する目標値へ到達させるための速度を定める
もので、第2図のスラークロツク発振器7から出
力されるスラークロツク信号SCLと同期し、かつ
可変抵抗4072によつてその周期を可変できる
ようになつている。
これにより、シフト回路4070において得ら
れた演算値1/256・DAはアンドゲート4073
を介してスラークロツク信号SCL′の発生毎にス
ラー変化データΔSLとしてセレクタ402に供
給される。この時、セレクタ402にはn=1の
ステート信号ST1と共にスラーピツチスタート信
号SPSがステート制御回路400から供給されて
いる(第13図のステツプ120参照)。このた
め、セレクタ402はスラー変化データΔSLを
選択して演算部408のアンドゲート4081に
供給する。これにより、アンドゲート4081は
スラークロツク信号SCL′の発生とタイミングパ
ルスT1の発生とが一致したタイミングにおいて
スラー変化データΔSLをアンドゲート4085
に供給する。
この時、アンドゲート4093の出力信号
SST2はスラースタート信号SSが消滅しているた
めに“0”信号となつている。このため、スラー
スタート信号SSの消滅後においてアンドゲート
4082および4085が導通状態となる。これ
により、スラー変化データΔSLがアンドゲート
4085およびオアゲート4087を介して加算
器4088の加算入力(B)に供給される。一方、ア
ンドゲート4082にはタイミングパルスT1
発生タイミングにおいてBレジスタ4090の出
力データDA(=D1Lx)が入力される。そして、
このBレジスタ4090の出力データDBはオア
ゲート4086を介して加算器4088の加算入
力(A)に供給される。この時、加算器4088のキ
ヤリイ入力信号として供給されるアンドゲート4
093の出力信号SST2は既に“0”信号となつ
ている。
この結果、加算器4088においてはタイミン
グパルスT1の発生タイミングにおいて、 SD=(A)+(B)=D1Lx+ΔSL の演算が行なわれる。そして、この演算出力デー
タSDはAレジスタ4089およびBレジスタ4
090を介して次のタイミングパルスT1の発生
タイミングにおいて加算器4088の加算入力(A)
に帰還される。そして、この新たなタイミングパ
ルスT1の発生タイミングにおいて加算器408
8は SD=(A)+(B) の演算を行なう。
このような演算動作がタイミングパルスT1
発生毎に繰り返し行なわれることにより、Bレジ
スタ4090の出力データDBはスラークロツク
信号SCL′の発生周期で「ΔSL」づつ順次変化す
るものとなる。このBレジスタ4090の出力デ
ータDBはラツチ4091にラツチされ、該ラツ
チ4091から振幅値が順次変化するエンベロー
プ波形信号EVとして出力される。
そして、スラー変化データΔSLの演算動作が
256(=28)回行なわれると、ラツチ4091から
出力されるエンベロープ波形信号EVは新たな第
2の鍵に対応す第1デイケイレベル1DL′に到達
する。
すると、比較器4080からこのことを示す比
較結果情報COMPが出力される。この時、エン
ベロープモードが持続音系に設定されている場合
には、ステート制御回路400はキーオン信号
KONが“0”になるまでステートST1を維持す
る。そして、キーオン信号KONが“0”になる
と、ステート信号SToをST2として第2デイケイ
部分D2のセグメントの形成動作に移行する。一
方、エンベロープモードがパーカツシブ系に設定
されている場合、ステート制御回路400は信号
EVが第2の鍵に対応する第1デイケイレベル1
DL′に達した後、ただちにステート信号STo
ST2として第2デイケイ部分D2のセグメントの
形成動作に移行する。
このようにスラースタート信号SSが発生した
タイミングで、第1の鍵に関するエンベロープ波
形信号EVの現在値と新たな第2の鍵に関する信
号EVの目標値(第1デイケイレベル1DL′)と
の差をまず演算し、さらにこの差信号を1/256倍
して単位時間当りの変化データΔSLを形成し、
この変化データΔSLを第1の鍵に関する信号EV
の現在値に順次加算(ΔSLが負の場合には減算)
するようにしているため、現在値と目標値と差の
大小にかかわらず、信号EVは256回の演算動作に
より目標値に到達する。
ところで、比較器4080は第2の鍵に関する
第1デイケイレベル1DL′が与えられた時、ラツ
チ4091から出力されている第1の鍵に関する
エンベロープ波形信号EVの現在値D1Lxとを比
較する。そしてA>Bならば、すなわちD1Lx
>1DL′ならばこのことを示す比較結果信号
AGBを出力する。この比較結果信号AGBはスラ
ーデータ符号レジスタ4096のアンドゲート4
099に供給される。
スラーデータ符号レジスタ4096のアンドゲ
ート4099の他の入力にはアンドゲート409
3の出力信号SST2が入力され、その出力はオア
ゲート4100を介してフリツプフロツプ410
1に供給されている。フリツプフロツプ4101
はオアゲート4100の出力信号をクロツクパル
スφ1の発生タイミングで取込み、次いでクロツ
クパルスφ2の発生タイミングで出力するもので
ある。このフリツプフロツプ4101の出力信号
は符号制御信号SGとしてスラー変化データ発生
器407に供給されると共に、アンドゲート40
98に供給されている。アンドゲート4098の
他の入力にはアンドゲート4093の出力信号
SST2をインバータ4097により反転した信号
が入力され、その出力はオアゲート4100を介
してフリツプフロツプ4101の入力に供給され
ている。
従つて、アンドゲート4093の出力信号
SST2の発生タイミング、すなわち信号EVの目標
値と現在値との差を演算するタイミングにおいて
「現在値>目標値」であることを示す“1”の比
較結果信号AGBが比較器4080から出力され
ると、この比較結果信号AGBはアンドゲート4
099およびオアゲート4100を介してフリツ
プフロツプ4101に取込まれ、タイミングパル
スT1の発生タイミングで“1”の符号制御信号
SGとして出力されてスラー変化データ発生器4
07に供給されると共に、アンドゲート4098
およびオアゲート4100を介してフリツプフロ
ツプ4101の入力に帰還され、これにより、該
信号SG(AGB)は次にスラースタート信号SSが
発生するまで記憶保持される。なお、この場合、
比較結果信号AGBが“0”であればスラーデー
タ符号レジスタ4096には“0”の符号制御信
号SGが記憶保持される。
なお、第1の鍵に関するエンベロープ波形信号
EVのアタツク部分ATあるいは持続部分ST(但
し、エンベロープモードが持続系の場合のみ)あ
るいは第2デイケイ部分(但し、エンベロープモ
ードがパーカシツブ系の場合のみ)のセグメント
の形成動作中にスラースタート信号SSが発生し
た場合(第13図のステツプ101,108参
照)も上述の場合と全く同様の動作が行なわれる
ので、その説明は省略する。
以上のような動作により、鍵操作の態様および
音色パラメータ情報に応じて波形形状が異なり、
かつ押圧鍵の音高に応じて振幅値が制御されたエ
ンベロープ波形信号EVを形成することができる。
なお、第12図においては、レガート演奏操作
時の第1の鍵に関する信号EVの現在値と変化す
べき目標値との差の演算を、スラースタート信号
SSが発生した時のみ加算器4088を減算器と
して使用することにより行なつているが、この差
の演算は専用の減算器により行なうようにしても
良い。
なお、第2図に示したスラー制御部5は、例え
ば特開昭54−107722号公報に記載されているもの
を用いることができる。
また、楽音信号発生回路5としては、周波数変
調方式、波形メモリ読出し方式、シンセサイザ方
式等任意の楽音形成方式を用いて構成できるもの
である。
また、発生される楽音の音高を変化させてスラ
ー効果を付与する手段としては、周波数情報Fを
変化させるもの以外に、例えばキーコードを変化
させるようにしたもの(特開昭53−1014号)、あ
るいは音高電圧を変化させるようにしたもの等
種々のものが使用できるものであり、要は発生さ
れる楽音の音高を決定するパラメータを変化する
ようにすればよい。
なお、上記実施例においては、高音優先の単音
演奏機能を有する電子楽器にこの発明を適用した
場合につき説明したが、低音優先あるいは後着優
先等の単音演奏機能を有する電子楽器、さらには
複音演奏が可能な電子楽器に対してもこの発明を
適用できるものである。
また、実施例においてはスラー効果を付与する
電子楽器について説明したが本発明はこれに限定
されるものではない。
以上説明したようにこの発明による電子楽器の
楽音発音制御装置は、第1の楽音の発音から第2
の楽音の発音へ切換える場合において、パルス的
な雑音の発生が防止でき、しかも第2の楽音を演
奏上支障のない程度の時間遅れで立上り部分から
自然な形で発音できるという優れた効果を奏する
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の発音制御の問題点を示すエンベ
ロープ波形図、第2図はこの発明による楽音発音
制御装置を適用した電子楽器の一実施例を示すブ
ロツク図、第3図〜第8図は上記実施例の電子楽
器において形成されるエンベロープ波形信号の波
形形状および該波形信号の発生に使用する各種信
号のタイミングを示す図、第9図はエンベロープ
波形信号の振幅と押圧鍵の関係を示す図、第10
図は押鍵検出回路の具体例を示すブロツク図、第
11図はその動作を説明するためのタイムチヤー
ト、第12図はエンベロープジエネレータの具体
例を示すブロツク図、第13図および第14図は
その動作を説明するためのフローチヤート、第1
5図はエンベロープジエネレータの動作を説明す
るためのタイムチヤートである。 1……鍵盤回路、2……押鍵検出回路、3……
周波数情報メモリ、4……エンベロープジエネレ
ータ、5……スラー制御部、6……音色設定回
路、7……スラークロツク発振器、8……アキユ
ムレータ、9……楽音信号発生回路、200……
走査回路、201……M進カウンタ、222〜2
25……フリツプフロツプ、S・SW……スラー
スイツチ、400……ステート制御回路、401
……目標値発生器、402……セレクタ、403
……アタツク変化データ発生器、404……第1
デイケイ変化データ発生器、405……第2デイ
ケイ変化データ発生器、406……急速減衰デー
タ発生器、407……スラー変化データ発生器、
408……演算部。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 少なくともアタツク部,デイケイ部およびダ
    ンプ部の各ステートにおけるエンベロープ波形信
    号を選択的に出力して楽音の発音制御を行なうエ
    ンベロープ波形発生手段と、 新たな楽音の発音が指定されたことを検出して
    上記エンベロープ波形発生手段に対し上記ダンプ
    部のステートを指示して前に指定された楽音に関
    するエンベロープ波形信号を所定速度で急速減速
    させるとともに、その後所定時間が経過したこと
    を検出して上記エンベロープ波形発生手段に対し
    上記アタツク部のステートを指示して新たに指定
    された楽音に対応してエンベロープ波形信号をア
    タツク部から発生させる制御を行なう制御手段と を備え、かつ、上記所定時間を楽音の発音開始
    の遅れに支障のない約10ミリ秒に設定したことを
    特徴とする電子楽器の楽音発音制御装置。
JP56163510A 1981-10-15 1981-10-15 電子楽器の楽音発音制御装置 Granted JPS5865489A (ja)

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