JP2603071B2 - エンベロープ制御装置 - Google Patents

エンベロープ制御装置

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JP2603071B2 JP61272673A JP27267386A JP2603071B2 JP 2603071 B2 JP2603071 B2 JP 2603071B2 JP 61272673 A JP61272673 A JP 61272673A JP 27267386 A JP27267386 A JP 27267386A JP 2603071 B2 JP2603071 B2 JP 2603071B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電子楽器やその他の楽音発生、制御若し
くは処理のための装置で利用される楽音信号用エンベロ
ープ制御装置に関し、特に、楽音制御用のエンベロープ
波形信号の減衰時におけるレベルが小レベルになったと
きに該エンベロープ波形信号によって制御される楽音信
号に生じる雑音を抑制するために該エンベロープ波形信
号を急速減衰させるようにしたエンベロープ制御装置に
関する。
〔従来の技術〕
楽音信号制御用のエンベロープ波形は、一般に、A
(アタック),D(ディケイ),S(サステイン),R(レリ
ース)といわれる特性からなっている。このうちレリー
ス特性は、サステインレベルから0レベルまで比較的緩
やかに減衰してゆくものである。このレリースにおける
減衰の傾きは時間経過に従って次第に緩やかになるのが
一般的である。これは自然音の一般的な減衰特性を模倣
したものであり、これにより自然に発音を消去すること
ができる。
また、レリースの途中から減衰の傾きを急峻にしてエ
ンベロープ波形を急速に減衰することも知られている。
これはダンプまたはフォーシングダンプといわれる制御
であり、ダンパ操作子の人為的な操作に応じて行われた
り、あるいは、新たな音を発音させる必要性からそれま
で発音していた音を速やかに消去しなければならない場
合において行われるものである。このような従来知られ
たダンプ制御は、そのときのエンベロープ波形のレベル
とは無関係に、ダンパ操作子の操作あるいは新たな押鍵
など外的要因により必要性が生じたときに強制的に行わ
れる。従って、そのような必要性が特に生じない場合
は、上述のレリース特性に従ってエンベロープ波形は減
衰する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、ディイタル楽音波形信号は量子化されたも
のであるが故に、その波形を有効に(つまり、その波形
形状が有効に区別できるように)表現できるようにする
にはある程度のビット数が各サンプル値毎に必要であ
る。しかし、エンベロープ波形信号に従ってディジタル
楽音波形信号の振幅を制御した場合、このエンベロープ
波形信号のレベルが小さくなるとディジタル楽音波形信
号の振幅が小さくなり、この楽音波形信号の各サンプル
値を表現するビット数が少なくなってしまう。この点を
略図によって示すと、エンベロープ波形信号のレベルが
比較的大きく、これに応じて設定されたディジタル楽音
波形信号の振幅も比較的大きい場合は、第9図(a)の
ように楽音波形の本来の波形形状が有効に区別できるよ
うに表現することができ、S/N比も良い。しかし、エン
ベロープ波形信号のレベルが小さくなり、これに応じて
設定されたディジタル楽音波形信号の振幅もその本来の
波形形状が有効に区別できるように表現することができ
るビット数以下に小さくなると、第9図(b)のように
楽音波形をの形状が有効に区別できるように表現するこ
とができなくなり、S/N比が悪くなり位、「シュワシュ
ワ」という耳障りな雑音が入る。
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、楽音制
御用のエンベロープ波形信号の減衰時におけるレベルが
小レベルになったときに該エンベロープ波形信号によっ
て制御される楽音信号に生じる上述のような雑音を抑制
することを目的とするもので、このことをエンベロープ
波形信号を制御することにより実現するようにしたエン
ベロープ制御装置を提供しようとするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明に係るエンベロープ制御装置は、ディジタル
楽音信号を制御するためのエンベロープ波形信号であっ
て、少なくとも該エンベロープ波形信号の立ち上がりに
対応する立上り部と減衰に対応する減衰部とを含むエン
ベロープ波形信号を形成するエンベロープ波形形成手段
と、前記エンベロープ波形形成手段で形成されるエンベ
ロープ波形信号のレベルが所定の下限レベル以下になっ
たことを検出する検出手段と、前記エンベロープ波形信
号の前記減衰部において前記検出手段によって該エンベ
ロープ波形信号が前記下限レベル以下になったことが検
出されたとき、前記エンベロープ波形形成手段で形成さ
れるエンベロープ波形信号を前記減衰部に比して急速減
衰させる急速減衰制御手段とを具えたものである。
〔作用〕
エンベロープ波形信号のレベルが所定の下限レベル以
下になると、検出手段によりそのことが検出される。エ
ンベロープ波形信号の減衰部において、この検出手段に
よる検出が為されると、この検出に応じて急速減衰制御
手段は該エンベロープ波形信号を前記減衰部に比して急
速減衰させる。これをエンベロープ波形図によって示す
と第10図のようであり、減衰時のエンベロープ波形信号
のレベルが所定レベルML以下になると減衰レートが切り
換わって急速減衰する。このように、エンベロープ波形
信号のレベルが所定の下限レベル以下になったときは、
該エンベロープ波形信号を急速減衰させるようにしたの
で、該エンベロープ波形信号によって制御される該ディ
ジタル楽音信号の信号対量子化ノイズのS/N比を考慮し
た急速減衰制御つまりミュート制御を行なうことができ
る。すなわち、該エンベロープ波形信号によってディジ
タル楽音信号の振幅を制御する場合、そのエンベロープ
波形信号のレベルが、それによって振幅制御される該デ
ィジタル楽音信号の波形形状が量子化ノイズによる歪み
によってその本来の形状を有効に区別できなくなるほど
の小レベル(すなわち所定の下限レベル以下)になった
とき、該エンベロープ波形信号が急速に減衰されること
になる。これにより、この部分に対応する楽音は急速に
消音(ミュート)され、上述のような耳障りな雑音を抑
制することができる。
〔実施例〕
以下、添付図面を参照してこの発明の一実施例を詳細
に説明しよう。
第1図はこの発明に係るエンベロープ制御装置60を具
備したエンベロープ波形発生装置10の一実施例を示すも
のであり、第2図はこのエンベロープ波形発生装置10を
楽音の音量振幅エンベロープ波形発生用として使用した
電子楽器の一構成例を示す。
まず、第2図について説明すると、鍵盤11は発生すべ
き楽音の音高を指定するための複数の鍵を具えており、
この鍵盤11で押圧された鍵が押鍵検出回路12で検出され
る。押鍵検出回路12は検出した、押圧鍵のキーコードKC
とキーオン信号KONを出力し、キーコードKCは楽音信号
発生回路13に、キーオン信号KONはエンベロープ波形発
生装置10に、夫々与える。楽音信号発生回路13は、与え
られたキーコードKCに対応する音高の楽音信号を音色選
択回路14で選択された音色で発生する。この例では、楽
音信号発生回路13から発生される楽音信号はデシベル表
現(対数表現)のデータlogMであるとする。
エンベロープパラメータ発生回路15は、エンベロープ
波形発生装置10で発生するエンベロープ波形のアタッ
ク、ディケイ、サステイン、レリース、フォーシングダ
ンプ等の各部分の変化レートやレベルを設定する各種パ
ラメータデータを、音色選択回路14で選択された音色に
応じて発生する。変化レートを設定するパラメータデー
タには、例えば、アタックレートデータAR,ディケイレ
ートデータDR,サステインレートデータSR,レリースレー
トデータRR,フォーシングダンプレートデータFRがあ
る。これらの変化レートデータは、第3図(a)に示す
ようなエンベロープ波形の各部分の傾きを決定する。レ
ベルを設定するパラメータデータには、例えば、アタッ
クレベルデータALとディケイレベルデータDLがある。こ
れらのレベルデータAL,DLは、第3図(a)に示すよう
なエンベロープ波形におけるアタックレベルとディケイ
レベルを決定する。発生された各種パラメータデータは
エンベロープ波形発生装置10に与えられる。
エンベロープ波形発生装置10は、与えられた各種パラ
メータデータとキーオン信号KONに基づきデシベル表現
(対数表現)のエンベロープ波形データlogEを発生す
る。加算器16ではデシベル表現の楽音信号データlogMに
エンベロープ波形データlogEを加算することにより logE+logM=log(E・M) なるEとMの積(E・M)の対数表現を得る。これによ
り、楽音信号に音量振幅エンベロープが付与される。加
算器16の出力は対数/リニア変換回路17に与えられ、リ
ニア表現からなる音量振幅エンベロープ付与済みの楽音
信号データE・Mを得る。この楽音信号データはディジ
タル/アナログ変換回路18でアナログ信号に変換され、
サウンドシステム19に至る。なお、後述する具体例のよ
うにエンベロープ波形データlogEを減衰量で表わした場
合は、加算器16の手前に、データ反転制御回路を設け、
このデータを減衰量表現の値から通常の値に戻すものと
する。
次に第1図に従ってエンベロープ波形発生装置10につ
いて説明する。
このエンベロープ波形発生装置10において、演算回路
20は、アタック(A)、ディケイ(D)、サステイン
(S)、レリース(R)、フォーシングダンプ(FD)等
の各部分に対応してアタックレートデータAR,ディケイ
レートデータDR,サステインレートデータSR,レリースレ
ートデータRR(またはRR′),フォーシングダンプレー
トデータFRをクロックパルスφに従って規則的に繰返し
加算若しくは減算することにより第3図(a)または
(b)に示すようなエンベロープ波形データENVDBを形
成する。このエンベロープ波形データENVDBはデシベル
表現であり、しかも0dBを最大レベルとする減衰量で表
現されているものとする。従って、このデータENVDBの
ビットがオール“0"のとき最大レベル0dBを示し、オー
ル“1"のとき0レベルを示す。
なお、第3図(a)はフォーシングダンプを行わない
ときのエンベロープ波形特性を示し、第3図(b)はフ
ォーシングダンプを行ったときのエンベロープ波形特性
を示す。後述するようにフォーシングダンプは特定のフ
ォーシングダンプ条件が成立したときのみ行われるの
で、それ以外の通常のときは、第3図(a)のような特
性に従ってエンベロープ波形データENVDBが形成され
る。第3図(a)の特性で特筆すべきことは、レリース
部Rにおけるエンベロープ波形のレベルが所定のミュー
トレベルML以下になると、該エンベロープ波形を急速に
減衰位させる制御(これをミュート制御ということに
し、これに対応する部分は同図ではR′で示されてい
る)が行われることである。このミュート制御を行うも
のがエンベロープ制御装置60である。第1図の例では、
レリースレートデータRRがエンベロープ制御装置60に加
わり、ミュート制御を行うときその値が変更される。つ
まり、演算回路20では、レリースモードにおいて、始め
は通常のレリースレートデータRRによって演算を行なう
が、ミュート制御を行うときはエンベロープ制御装置60
によって変更したレリースレートデータRR′に従って演
算を行なうようになっている。
エンベロープ制御装置60は、エンベロープ波形発生装
置10から発生したエンベロープ波形データlogEを入力し
て、そのレベルが所定のミュートレベルML以下になった
ことを検出するミュートレベル検出回路61と、この検出
回路61による検出に応じてエンベロープ波形を急速減衰
させるためにレリースレートデータRRをRR′に変更する
データシフト回路62とを具えている。ミュートレベルML
は、エンベロープ波形信号によって制御されるディジタ
ル楽音信号の信号対量子化ノイズのS/N比を考慮して設
定される所定の下限レベルに相当するものであり、エン
ベロープ波形信号によって振幅制御されたディジタル楽
音信号の波形形状が量子化ノイズによる歪みによってそ
の本来の波形形状を有効に区別できなくなるほどの小レ
ベルに対応して設定するものとし、例えば、−60dBに設
定される。データシフト回路62は、エンベロープ波形レ
ベルがミュートレベルMLより大のときはレリースレート
データRRをシフトせずにそのまま出力し、ミュートレベ
ルML以下になったときはレリースレートデータRRをより
大きな値にシフトし、シフトしたデータRR′を出力す
る。ミュート制御で使用するレートデータRR′の方が通
常のレリースレートデータRRよりも大きいため、ミュー
ト部分R′では通常のレリース部Rよりも急速に減衰す
る。
演算回路20を制御するための制御信号はキーオン信号
KONに基づき作成される。キーオン信号KONはアンド回路
21を介して立上り及び立下り微分回路22に与えられ、該
キーオン信号KONの立上り時(押鍵されたとき)と立下
り時(離鍵されたとき)に夫々1発のキーオンパルスKO
NPとキーオフパルスKOFPが発生される。アンド回路21の
他の入力に与えられるフリップフロップ23の出力は通常
は“1"であり、フォーシングダンプを行うべき条件の1
つが成立したとき“0"となる。
演算回路20から出力されたエンベロープ波形データEN
VDBの全ビットがアンド回路24に与えられ、この全ビッ
トが“1"のときのアンド回路24の出力信号“1"がALL
“1"信号としてフリップフロップ23のセット入力Sに与
えられる。また、このALL“1"信号を反転した信号がア
ンド回路25に与えられる。アンド回路25の他の入力には
キーオフパルスKOFPが与えられ、その出力がフリップフ
ロップ23のリセット入力Rに与えられる。離鍵される前
に(キーオフパルスKOFPが発生する前に)エンベロープ
波形レベルが零になると、ALL“1"信号を反転した信号
“0"によりアンド回路25が不動作となり、その後の離鍵
によってキーオフパルスKOFPが発生してもフリップフロ
ップ23はリセットされない。この場合、フォーシングダ
ンプを行うべき条件は成立しない。
一方、エンベロープ波形レベルが零になる前に離鍵さ
れると、ALL“1"信号がまだ発生していないときにキー
オフパルスKOFPが発生することによりアンド回路25の出
力が“1"となり、フリップフロップ23がリセットされ
る。これによりフリップフロップ23の出力が“0"とな
り、アンド回路21を不動作にすると共に、それを反転し
た信号“1"によってアンド回路26を動作可能にする。ア
ンド回路26の他の入力にはキーオン信号KONが入力され
る。フリップフロップ23の出力“0"に応じてアンド回路
26が可能化されている間に次の新たな鍵が押圧される
と、新たなキーオン信号KONの立上りによってアンド回
路26の条件が成立し、その出力が“1"となる。このアン
ド回路26の出力信号“1"がフォーシングダンプ信号FDで
ある。他方、次の新たな鍵が押圧される前に前音のエン
ベロープ波形レベルが零になった場合はALL“1"信号に
よりフリップフロップ23がセットされるので、フォーシ
ングダンプ信号FDは発生されない。こうして、エンベロ
ープ波形レベルが零になる前に離鍵され、且つ次の新た
な鍵が押圧されたことを条件に、フォーシングダンプ信
号FDが発生され、このフォーシングダンプ信号FDに応じ
て後述するようにフォーシングダンプ動作が行われる。
立上り及び立下り微分回路22から発生されたキーオン
パルスKONPとキーオフパルスKOFPは、演算回路20の演算
モードを制御するためのカウンタ27に与えられる。該カ
ウンタ27は、2ビットのバイナリカウンタであり、キー
オンパルスKONPにより“00"にリセットされ、イネーブ
ル端子ENに加わるアンド回路28の出力信号が“1"のとき
クロック端子CLKに加わるクロックパルスφのタイミン
グで1カウントアップされ、キーオフパルスKOFPにより
“11"をロードする。このカウンタ27の2ビット出力が
モード信号MD0,MD1として利用される。モード信号MD0,M
D1の内容と演算モードとの関係は次表の通りである。
信号MD1を反転した信号がアンド回路28に加わり、ア
タック時またはディケイ時にのみカウンタ27がカウント
アップされることを可能にする。アンド回路28の他の入
力には、エンベロープ波形データENVDBとアタックレベ
ルデータALあるいはディケイレベルデータDLとを比較し
た比較器30の出力が後述のようにオア回路29を介して与
えられる。
セレクタ31には、エンベロープパラメータ発生回路15
(第2図)から与えられるアタックレートデータAR,デ
ィケイレートデータDR,サステインレートデータSRと、
エンベロープ制御装置60のデータシフト回路62を介して
与えられるレリースレートデータRR′(RR)が入力され
る。このセレクタ31ではモード信号MD0,MD1の内容に応
じてアタックレートデータAR,ディケイレートデータDR,
サステインレートデータSR,レリースレートデータRR′
(RR)の何れかを選択し、その出力はセレクタ32の“0"
入力に与えられる。セレクタ32の“1"入力にはフォーシ
ングダンプレートデータFRが与えられ、前述のフォーシ
ングダンプ信号FDに応じてフォーシングダンプ動作モー
ド時は“1"入力のフォーシングダンプレートデータFRを
選択し、それ以外のときは“0"入力のセレクタ31の出力
を選択する。セレクタ32の出力は演算回路20の反転制御
回路33に与えられる。演算回路20で形成するエンベロー
プ波形データENVDBは前述のように減衰量であるから、
アタック部のような立上り特性はレートデータを繰返し
減衰することにより得られ、ディケイ部のような減衰特
性はレートデータを繰返し加算することにより得られ
る。その場合、演算を補数の加算によって行うために反
転制御回路33が設けられている。
演算回路20において、演算結果がレジスタ34に蓄えら
れ、該レジスタ34に蓄えられた前回の演算結果と反転制
御回路33を経由して与えらえるレートデータとが加算器
35で加算(補数の加算の場合は減算)される。この加算
器35の出力がオア回路群36とアンド回路群37及びセレク
タ80を介してレジスタ34に蓄えられる。セレクタ80は、
フォーシングダンプ信号FDが“0"から“1"に立上ったと
きに立上り微分回路81からパルス“1"が出力されたとき
だけ逆変換テーブル82の出力を選択するが、それ以外の
ときは常にアンド回路群37の出力を選択する。
最初は、キーオンパルスKONPによってオア回路38から
回路群36内の全オア回路に“1"が与えられ、レジスタ34
にオール“1"がセットされる。このレジスタ34の出力は
エンベロープ波形データENVDBとして演算回路20から出
力される。また、最初は、アタックモードであるためモ
ード信号MD0,MD1を入力したノア回路39の出力は“1"で
あり、これが減算を指示する信号として反転制御回路33
及び加算器35,アンド回路40に与えられる。反転制御回
路33はセレクタ32から与えられるレートデータのビット
数に対応する数の排他オア回路からなり、ノア回路39か
ら与えられる信号が“1"のときセレクタ32から与えられ
るレートデータの各ビットを反転し、該信号が“0"のと
き該レートデータをそのまま通過する。また、ノア回路
39の出力信号“1"は加算器35の最下位桁のキャリイ入力
Ciに入り、反転されたレートデータに1を加算して補数
の加算つまり減算を行う。こうして、アタックモード時
は、演算回路20に初期セットされたオール“1"からセレ
クタ31,32で選択されたアタックレートデータARを繰返
し減算し、これにより、減衰量で表わされたエンベロー
プ波形データENVDBは第3図(a)に示すように一定の
傾きで立上がる。
アタックモード時はセレクタ41でアタックレベルデー
タALを選択し、比較器30のB入力に与える。比較器30の
A入力には演算回路20からのエンベロープ波形データEN
VDBが与えられ、両者が一致したときB=Aの出力から
オア回路29に向けて信号“1"が与えられる。また、レー
トデータの値によっては丁度B=Aが成立するとは限ら
ず、それを超えることもあるので、比較器30のB<Aの
出力を遅延フリップフロップ42と排他オア回路43とから
なる変化検出回路に与え、この変化検出回路の出力をオ
ア回路29に入力するようにもしている。エンベロープ波
形データENVDBの値がアタックレベルデータALの値に到
達すると、オア回路29の出力が“1"となり、アンド回路
28を介してカウンタ27に“1"が与えられ、該カウンタ27
が1カウントアップされる。これにより、ディケイモー
ドに切り替わる。
なお、エンベロープ波形データENVDBがアタックレベ
ルデータALの値に到達する前にオール“0"になってしま
った場合に、アンド回路群37を閉じてエンベロープ波形
データENVDBの値をオール“0"に保持するためにアンド
回路40が設けられている。減算時に減算結果がオール
“0"になる前は加算器35のキャリイ出力Coから毎回“1"
が出ることにより、この“1"を反転した信号が入力され
たアンド回路40は動作せず、このアンド回路40の出力を
反転した信号が入力されたアンド回路群37のゲートは開
いている。しかし、減算結果がオール“0"になると若し
くは超えると、キャリイ出力Coから“1"は出ず、アンド
回路40の出力が“1"となり、アンド回路群37のゲートが
閉じられる。これにより、エンベロープ波形データENVD
Bは最大値であるオール“0"を維持する。
ディケイモードになると、ノア回路39の出力は“0"と
なり、加算を指示する。セレクタ31,32を介してディケ
イレートデータDRが演算回路20に与えられ、エンベロー
プ波形データENVDBの現在値に対してこのディケイレー
トデータDRを繰返し加算する。これにより、該エンベロ
ープ波形データENVDBは第3図(a)に示すように一定
の傾きで減衰する。ディケイモード時はセレクタ41でデ
ィケイレベルデータDLを選択し、比較器30のB入力に与
える。エンベロープ波形データENVDBの値がディケイレ
ベルデータDLの値に到達すると、オア回路29の出力が
“1"となり、アンド回路28を介してカウンタ27に“1"が
与えられ、該カウンタ27が1カウントアップされる。こ
れにより、サステインモードに切り替わる。
サステインモードでは、セレクタ31,32を介してサス
テインレートデータSRが演算回路20に与えられ、エンベ
ロープ波形データENVDBの現在値に対してこのサステイ
ンレートデータSRを繰返し加算する。これにより、該エ
ンベロープ波形データENVDBは第3図(a)に示すよう
に一定の傾きで緩やかに減衰する。
やがて、離鍵によりキーオフパルスKOFPが発生される
と、カウンタ27に“11"がロードされ、これにより、レ
リースモードに切り替わる。レリースモードでは、セレ
クタ31,32を介してレリースレートデータRR′(すなわ
ちRR)が演算回路20に与えられ、エンベロープ波形デー
タENVDBの現在値に対してこのレリースレートデータR
R′(すなわちRR)を繰返し加算する。
前述のように、通常はレリースの始めではエンベロー
プ波形データlogEのレベルは所定のミュートレベルMLよ
りも大きく、従って、エンベロープ制御装置60のデータ
シフト回路62ではレリースレートデータRRをシフトせず
にそのまま出力する。これにより、演算回路20では、通
常のレリースレートデータRRを繰返し加算し、得られる
エンベロープ波形データENVDBは第3図(a)のR部分
に示すようにレリースレートデータRRに対応する一定の
傾きで減衰する。
やがて、このエンベロープ波形データENVDBに対応す
るエンベロープ波形データlogEのレベルがミュートレベ
ルML以下になると、このことが検出回路61で検出され、
これに応じて、データシフト回路62ではレリースレート
データRRを所定ビット数だけ上位にシフトしてその値を
大きくしたレートデータRR′を出力する。これにより、
演算回路20では、値を大きくしたレリースレートデータ
RR′を繰返し加算し、得られるエンベロープ波形データ
ENVDBは第3図(a)のR′部分に示すようにR部分よ
りも急峻な傾きで急速に減衰する。なお、データシフト
回路62におけるシフト量を設定・制御するためにシフト
データSFT1,SFT0がエンベロープパラメータ発生回路15
から与えられる。このシフトデータSFT1,SET0は例えば
音色に応じて定まるものである。ミュート部R′におけ
る急速減衰の傾きがこのシフトデータSFT1,SET0によっ
て可変制御される。つまり、ミュート部R′における急
速減衰特性を音色に応じて設定することができる。
一方、レリースモード中に前述のようにフォーシング
ダンプの条件が成立してフォーシングダンプ信号がFDが
発生された場合は、セレクタ32でフォーシングダンプレ
ートデータFRが選択され、演算回路20に与えられる。演
算回路20では、エンベロープ波形データENVDBの現在値
に対してこのフォーシングダンプレートデータFRを繰返
し加算する。これにより、該エンベロープ波形データEN
VDBは第3図(b)のFD部分に示すように一定の傾きで
急速に減衰する。なお、フォーシングダンプの始まりに
おいて、セレクタ80が逆変換テーブル82の出力を選択
し、フォーシングダンプのエンベロープ波形データENVD
Bの初期値が設定される。この理由は後述する。
なお、加算時に加算器35からキャリイアウト信号が出
たときつまりオール“1"を超えたとき、エンベロープ波
形データENVDBの値をオール“1"に保持するためにアン
ド回路44が設けられている。このアンド回路44には加算
器35のキャリイ出力Coとノア回路39の出力を反転した信
号とが入力されており、加算時に加算器35からキャリイ
アウト信号を出たときのアンド回路44からオア回路38を
介してオア回路群36に“1"を与え、エンベロープ波形デ
ータENVDBの値をオール“1"にする。
演算回路20から出力されたエンベロープ波形データEN
VDBは、カーブ変換テーブル45とセレクタ46の“0"入力
に与えられる。カーブ変換テーブル45の出力はセレクタ
46の“1"入力に与えられる。モード信号MD0,MD1を入力
したノア回路47の出力信号はアタックモードのとき“1"
となり、この出力信号とタイミング合わせ用の遅延フリ
ップフロップ83を経由したフォーシングダンプ信号FDと
がオア回路48を介してセレクタ46の制御入力に加わり、
アタックモード及びフォーシングダンプモードのときカ
ーブ変換テーブル45の出力を選択し、それ以外のとき演
算回路20から出力されたエンベロープ波形データENVDB
をそのまま選択する。
カーブ変換テーブル45は、入力されたエンベロープ波
形データENVDBを第4図(a)に示すような特性でデー
タ変換するものである。つまり、入力されたエンベロー
プ波形データENVDBによって表わされる減衰量が大きい
ほど傾きが急峻になり、小さいほど傾きが緩やかにな
る、いわば対数変換特性である。
アタックモードのときは、エンベロープ波形データEN
VDBは最小レベルに対応するオール“1"からアタックレ
ートデータALに対応する値までアタックレートに対応す
る傾きで直線的に変化する(立ち上がる)。これによ
り、第4図(a)に示すような特性のカーブ変換テーブ
ル45が順方向に読み出され、その結果、アタック部のエ
ンベロープ波形データは第3図(c),(d)のように
立上りの傾きが始めは急峻で次第に比較的緩やかになる
ような特性に変換される。
フォーシングダンプモードのときは、エンベロープ波
形データENVDBはレリース部の終わりのレベルに対応す
る値から最小レベルに対応するオール“1"までフォーシ
ングダンプレートに対応する傾きで直線的に変化する
(立ち下がる)。これにより、第4図(a)に示すよう
な特性のカーブ変換テーブル45が逆方向に読み出され、
その結果、フォーシングダンプ部のエンベロープ波形デ
ータは第3図(d)のように減衰の傾きが始めは比較的
緩く次第に急峻になるような特性に変換される。
なお、逆変換テーブル82は、カーブ変換テーブル45の
入出力関係を逆にした第4図(b)に示すような変換特
性を示すテーブルであり、エンベロープ波形データENVD
Bを入力してそれに対応するデータを読み出し、これを
セレクタ80に入力する。この処理を行わなかった場合
は、フォーシングダンプの始まりにおいてカーブ変換テ
ーブル45から読み出されるデータは、レリース部の終わ
りのデータENVDBとうまくつながらないことがある。し
かし、レリース部の終わりのデータENVDBと同じデータ
をカーブ変換テーブル45から出力させるために必要な該
カーブ変換テーブル45の入力データを、逆変換テーブル
82から読み出し、フォーシングダンプの始まりにおいて
これをセレクタ80で選択し、エンベロープ波形データEN
VDBとしてカーブ変換テーブル45に入力すれば、該カー
ブ変換テーブル45からはレリース部の終わりのデータEN
VDBと同じデータがフォーシングダンプの始まりのエン
ベロープ波形データ(logE)として出力され、こうし
て、レリース部の終わりのデータENVDBとフオーシング
ダンプの始まりのエンベロープ波形データ(logE)を滑
らかにつなげることができる。
こうしてアタック部とフォーシングダンプ部において
変化カーブの特性を変換したエンベロープ波形データ
(第3図(c),(d)参照)がセレクタ46から出力さ
れ、これがデジベル表現のエンベロープ波形データlogE
としてこのエンベロープ波形発生回路10から出力され
る。
前述のように、このデシベル表現のエンベロープ波形
データlogEによって制御した楽音信号が対数/リニア変
換回路17(第2図)に与えられ、最終的にはリニア表現
に変換される。このリニア変換により、第3図(c)ま
たは(d)のような特性のデジベル表現のエンベロープ
波形は、第3図(e)または(f)のような特性に変換
される。従って、アタック部は急峻に立上り、また、フ
ォーシングダンプ部は急速に減衰する。なお、第3図
(a),(c),(e)はミュート制御が行われる場合
の波形例を夫々示し、第3図(b),(d),(f)は
フォーシングダンプが行われる場合の波形例を夫々示し
ている。
第5図は第1図におけるエンベロープ制御装置60の具
体例を示すものである。ミュートレベル検出回路61はデ
シベル表現からなるエンベロープ波形データlogEの各ビ
ットのうち46dBの重みに対応するビットと12dBの重みに
対応するビットとを入力したアンド回路63からなる。こ
れにより、エンべロープ波形データlogEのレベルが−60
dB以下になると、アンド回路62に入力された両ビットに
信号が共に“1"となり、所定のミュートレベルML(この
場合−60dB)以下となったことが検出される。アンド回
路63の出力はミュートレベル検出信号MLDSとしてデータ
シフト回路62のアンド回路64,65に夫々入力される。
データシフト回路62は、アンド回路64,65を介して与
えられる2ビットのシフトデータSFT1,SFT0によってシ
フト量が設定されるシフト回路66を含んでいる。このシ
フト回路66は、レリースレートデータRRを入力し、上記
設定されたシフト量に応じて該データRRをシフトする。
上記ミュートレベル検出信号MLDSが“1"のときアンド回
路64,65が可能化されてシフトデータSFT1,SFT0がシフト
回路66に与えられる。シフトデータSFT1,SFT0の値とシ
フト量及びそれに対応する倍率との関係は次表のようで
ある。
前述のようにシフトデータSFT1,SFT0は音色等に応じ
て与えられるものである。例えば、楽音波形の形状が矩
形波に比較的近い音色ではレベルが小さくなってもノイ
ズの問題があまり深刻でなく、その場合はシフト量は0
または少なくて良い。他方、複雑な波形形状の音色では
レベルが小さくなったときのノイズの問題が大きいので
シフト量を多くして減衰を速くする。
シフト回路66に入力されるレリースレートデータRRは
例えば7ビットであり、その出力は10ビットである。こ
の出力10ビットのうち下位7ビットがオア回路群67を介
してレートデータRR′として出力される。出力10ビット
のうち上位3ビットはオア回路68に入力され、その出力
が“1"のときオア回路群67の出力データRR′を全ビット
“1"(つまり最大値)にする。
第6図はエンベロープ波形発生装置10の別の実施例を
示すもので、レートデータをデシベル表現で与え、か
つ、アタック部とフォーシングダンプ部のカーブを所望
の特性に設定するにあたって演算回路20に与えるレート
データをエンベロープ波形のレベルに応じて変化させる
ことによりこれを実現するようにしたものである。第6
図において第1図と同一符号が付されたものは同一機能
のものであるので説明を省略する。
第6図において、セレクタ310,320は第1図のセレク
タ31,32に対応するものであるが、夫々に入力されるレ
ートデータDBAR,DBDR,DBSR,DBRR,DBFRがデシベル表現の
データである点が第1図とは異なる。また、ミュート制
御を行うためのエンベロープ制御装置600の構成も第1
図とは幾分異なっている。
デシベル表現によりレートデータを設定すると、限ら
れたビット数により設定できるレートデータのダイナミ
ックレンジを下記表に例示するように拡大することがで
きる。下記表では、デシベル表現により重みづけられた
6ビットのバイナリデータの各ビットの重みと、これを
リニア表現に変換した場合の各ビットの重みの一例を示
している。なお、エンベロープ波形のような時間関数波
形の設定情報をデシベル表現により設定する先行技術と
しては特公昭59−24433号に開示されたものがあるの
で、ここでは詳しくは述べない。
つまり、リニア表現の6ビットバイナリデータでは0
〜32の範囲のデータしか表現できないが、デシベル表現
の6ビットバイナリデータではこれをリニア変換した場
合1〜232の範囲のデータを表現することができるので
ある。
セレクタ320から出力されたデシベル表現のレートデ
ータDBR(セレク310,320で選択されたDBAR〜DBFRの何れ
か)は加算器50、オア回路群51を介して対数/リニア変
換回路52に与えられ、リニア表現のレートデータ(これ
をRATEで示す)に変換されて演算回路20の反転制御回路
33に入力される。
加算器50、オア回路群51及びゲート53は、第1図のカ
ーブ変換テーブル45と同様の機能(つまり、アタック部
のエンベロープ波形データを第3図(c),(d)のよ
うに立上りの傾きが始めは急峻で次第に比較的緩やかに
なるような特性にし、フォーシングダンプ部のエンベロ
ープ波形データを第3図(d)のように減衰の傾きが始
めは比較的緩く次第に急峻になるように特性にする機
能)を実現するためのものである。ゲート53には演算回
路20で形成されたエンベロープ波形データENVDBの上位
4ビットが入力され、このゲート53の制御入力には第1
図のノア回路47、オア回路48と同じ条件で動作するノア
回路470、オア回路480からなるロジックの出力が与えら
れる。
また、エンベロープ制御装置600は、ミュートレベル
検出回路610と、シフトデータ供給回路620と、上述の加
算器50を含み、前述のエンベロープ制御装置60と同様の
機能を果すものである。つまり、加算器50は、ミュート
制御のためのレートデータ変換とフォーシングダンプの
ためのレートデータ変換の両方に共用される。ミュート
レベル検出回路610は前述のミュートレベル検出回路61
と同様のものであり、エンベロープ波形データlogEのレ
ベルがミュートレベルML以下となったときミュートレベ
ル検出信号MLDSを出力する。シフトデータ供給回路620
は該検出回路610によりエンベロープ波形データlogEの
レベルがミュートレベル以下となったことが検出された
とき前述のシフトデータSFT1,SFT0をセレクタ69の“1"
入力に与える。セレクタ69の“0"入力にはゲート53の出
力が与えられる。モード信号MD1,MD0がアンド回路70に
与えられ、この出力とフォーシングダンプ信号FDの反転
信号がアンド回路71に与えられ、このアンド回路71の出
力はセレクタ69の制御入力に与えられる。レリースモー
ド時にフォーシングダンプでないことを条件に、アンド
回路71の出力が“1"となり、これによりシフトデータ供
給回路620からのシフトデータSFT1,SFT0をセレクタ69で
選択して加算器50に入力する。他方、アタックモードや
フォーシングダンプモードの時はゲート53の出力をセレ
クタ69で選択して加算器50に入力する。
加算器50はセレクタ320から出力されたデシベル表現
のレートデータDBRとセレクタ69で選択されたデータを
加算する。つまり、アタックモードやフォーシングダン
プモードの時はゲート53から出力されたエンベロープ波
形データENVDBの上位4ビットデートとレートデータDBR
とを加算するが、ミュート制御を行うときはセレクタ69
で選択されたシフトデータSFT1,SFT0をレリースレート
データDBRRに加算する。加算器50の出力はオア回路群51
を通過して対数/リニア変換回路52に与えらえる。オア
回路群51は加算器50のキャリイ出力Coからキャリイアウ
ト信号が出されたとき全ビット“1"の信号を対数/リニ
ア変換回路52に与え、それ以外のときは加算器50の出力
をそのまま対数/リニア変換回路52に与える。加算器50
の加算結果が最大値=全ビット“1"を超えてオーバフロ
ーしたときキャリイアウト信号が出され、対数/リニア
変換回路52の与えるデータを強制的に最大値=全ビット
“1"にする。
アタックモードとフォーシングダンプモード以外のと
き、つまりディケイ、サステイン、レリースの各モード
のとき、オア回路480の出力は“0"であり、ゲート53が
閉じて、加算器50の一方入力にゲート53から与えられる
データはオール“0"であり、セレクタ320から出力され
たデシベル表現のレートデータDBRがそのまま対数/リ
ニア変換回路52に与えられる。ただし、前述のように、
ミュート制御を行うときはシフトデータSFT1,SFT0がセ
レクタ69で選択されて加算器50に入力され、セレクタ32
0から出力されたデシベル表現のリレースレートデータD
BRRに加算される。
一方、アタックモードあるいはフォーシングダンプモ
ードのときは、オア回路480の出力は“1"であり、ゲー
ト53が開かれ、該エート53及びセレクタ69を介して加算
器50の一方入力にエンベロープ波形データENVDBの上位
4ビットデータが与えられる。そして、セレクタ320か
ら出力されるデシベル表現のレートデータDBR(アタッ
クレートデータDBARまたはフォーシングダンプレートデ
ータDBFR)とエンベロープ波形データENVDBの上位4ビ
ットデータとが加算器50で加算される。エンベロープ波
形データENVDBもまたデジベル表現のデータであり、加
算器50ではデシベル表現のデータ同士の加算により実質
的には乗算を行なう。
例えば、レートデータDBRが前出の第3表のように重
み付けされた6ビットのデータであるとし、エンベロー
プ波形データENVDBの上位4ビットは下記のように重み
付けされているとすると、加算器50で4ビットからなる
ENVDBの下位に2ビットの“00"を追加して両者のビット
の重みを下記のように合わせて6ビットのデータ同士の
加算を行なう。
この加算器50における演算において、ENVDBの上位4
ビットは、レートデータDBRに対応するリニア表現のレ
ートデータRATEの値をエンベロープ波形データENVDBの
レベルに応じて、下記表のように2n倍に倍増する働きを
する。すなわち、デシベル表現のENVDBの上位4ビット
の値n(この場合nは10進数であり、n=1が6dBに対
応する)をデシベル表限のレートデータDBRに加算する
ことにより、この加算結果を対数/リニア変換回路52で
変換して得られるリニア表現のレートデータRATEは、元
のレートデータDBRに対応するリニア表現の値を2n倍し
たものとなる。
つまり、エンベロープ波形データENVDBの減衰量が6dB
増加する(6dBレベルが下がる)毎に、つまり、エンベ
ロープ波形データENVDBの減衰量がn×6dBとなると、リ
ニア表現のレートデータRATEの値が0〜6dB未満のとき
比べて2n倍に倍増される。このことは、エンベロープ波
形データENVDBの6dB毎の範囲に対応して、レートデータ
RATEの値が、エンベロープ波形レベルが低いほどエンベ
ロープ波形変化の傾きが急になるように、2n倍に切り換
えられる、ということを意味する。
こうして、アタック部とフォーシングダンプ部に関し
ては、演算回路20で形成するエンベロープ波形データEN
VDBの現在レベルに対応してこのレベルが6dB変化する毎
に、該演算回路20で繰返し加算若しくは減算すべきレー
トデータRATEの値が2n倍に(エンベロープ波形のレベル
が小さいほどnが大きい)切り換えられ、最終的に演算
回路20から出力されるエンベロープ波形データENVDBは
第3図(c)または(d)に示すようなものとなる。つ
まり、アタック部のエンベロープ波形データは立上りの
傾きが始めは急峻で次第に比較的緩やかになるような特
性で発生され、フォーシングダンプ部のエンベロープ波
形データは減衰の傾きが始めは比較的緩く次第に急峻に
なるような特性で発生される。
このようにアタック部とフォーシングダンプ部におい
て予め第3図(c)または(d)に示すような所望の特
性を持つデシベル表現のエンベロープ波形データENVDB
が演算回路20から出力され、これがエンベロープ波形デ
ータlogEとしてこのエンベロープ波形発生回路10から出
力される。
第7図はシフトデータ供給回路620の具体例を示すも
ので、シフトデータSFT1,SFT0をアンド回路72,73に夫々
入力し、ミュートレベル検出回路610からのミュートレ
ベル検出信号MLDSが“1"のときこのシフトデータSFT1,S
FT0を出力する。このときシフトデータSFT1,SFT0の上下
に夫々2ビットづつ“0"を追加して合計6ビットのデー
タとして出力する。前述のように、レリースレートデー
タDBRRは6ビットのデータであり、加算器50における両
者の加算にあたっての各ビットの重みづけは次表のよう
になる。
この加算器50における演算において、シフトデータSF
T1,SFT0はレリースレートデータDBRRに対応するリニア
表現のレートデータRATEの値を前記第2表のように2n
に倍増する働きをする。すなわち、シフトデータSFT1,S
FT0がデシベル表現データであるとすると、その値n
(この場合nは10進数であり、n=1が6dBに対応す
る)をデシベル表現のレリースレートデータDBRRに加算
することにより、この加算結果を対数/リニア変換回路
52で変換して得られるリニア表現のレートデータRATE
は、元のレートデータDBRRに対応するリニア表現の値を
2n倍したものとなる。従って、前述の実施例と同様に、
ミユート制御時にレートデータの値を大きくして、第3
図(c)のR′部分のようにエンベロープ波形データを
急速減衰させることができる。
第6図の実施例では、レートデータDBAR〜DBFRをデシ
ベル表現により設定しているので、前述のように、限ら
れたビット数により設定できるレートデータのダイナミ
ックレンジを拡大することができるという利点がある
が、更に、第1図の実施例のようなカーブ変換テーブル
45を用いずに、加算器50、オア回路群51及びゲート53か
らなる簡単な演算回路によって同様の機能を実現してい
るので回路構成が簡単であるという利点もある。
更に、第6図の場合は、演算回路20で形成したエンベ
ロープ波形データENVDBがそのままエンベロープ波形発
生回路10から出力するエンベロープ波形データlogEであ
るため、アタックレベルデータALの設定が容易であると
いう利点もある。つまり、本来、エンベロープ波形デー
タlogEが設定しようとする所望のエンベロープ波形に対
応しているものであり、所望とアタックレベルはこのエ
ンベロープ波形データlogEのスケールで設定するのが普
通である。この点、第6図の場合は、比較器30において
アタックレベルデータALと比較するエンベロープ波形デ
ータENVDBはそのままエンベロープ波形データlogEであ
るため、このエンベロープ波形データlogEのスケールで
設定したアタックレベルに従って即座アタックレベルデ
ータALを求めることができる。これに対して、第1図の
場合は、演算回路20で形成したエンベロープ波形データ
ENVDBをカーブ変換テーブル45で変換したものがエンベ
ロープ波形データlogEとなるため、エンベロープ波形デ
ータlogEのスケールで設定した所望のアタックレベルを
カーブ変換テーブル45の変換特性の逆変換特性で変換す
ることによりエンベロープ波形データENVDBのスケール
に換算してアタックレベルデータALを決定しなければな
らず、多少面倒である。
なお、第2図における加算器16と対数/リニア変換回
路17の部分を第8図のように変更してもよい。この例で
は、対数/リニア変換回路54,55においてデシベル表現
の楽音信号データlogMとエンベロープ波形データlogEを
夫々別々にリニア表現に変換し、その後乗算器56で両者
を乗算することにより楽音信号に振幅エンベロープを付
与している。この場合、楽音信号発生回路13がリニア表
現の楽音信号データMを発生するものとすれば、勿論、
対数/リニア変換回路55は不要となる。
また、ミュートレベル検出回路61,610はエンベロープ
波形発生装置10の出力エンベロープ波形データlogEのレ
ベルを検出しているが、その他の同等の信号のレベル
(例えば演算回路20の出力エンベロープ波形データENVD
B)に基づきエンベロープ波形のレベルを検出するよう
にしてもよい。
なお、上記各実施例ではエンベロープ波形発生値10が
デシベル表現のエンベロープ波形データlogEを発生して
いるが、これはリニア表現のエンベロープ波形データを
発生するものであってもよい。また、エンベロープ波形
発生装置におけるエンベロープ波形形成方式は上記各実
施例のような演算方式に限らず、メモリ方式など、その
他適宜の方式であってもよい。
なお、この発明は、上述の実施例のような音量振幅設
定用のエンベロープ波形発生装置に必ずしも限定される
わけでなく、エンベロープ波形によって制御されたディ
ジタルデータのビット数が少なくなることによってノイ
ズが生じるという同様の問題が起こるおそれがある場合
において広く適用することができる。
〔発明の効果〕
以上の通り、この発明によれば、エンベロープ波形信
号の減衰時において、該エンベロープ波形信号のレベル
が所定の下限レベル以下になったとき、該エンベロープ
波形信号を急速減衰させるようにしたので、楽音波形を
有効に(つまり、その波形形状が有効に区別できるよう
に)表現できないほど小レベルのエンベロープ波形信号
の部分は急速に減衰し、この部分に対応する楽音は急速
に消音(ミュート)され、これにより耳障りな雑音を抑
制することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係るエンベロープ制御装置を具えた
エンベロープの波形発生装置の一実施例を示すブロック
図、 第2図は同実施例に係るエンベロープ波形発生装置を適
用した電子楽器の一構成例を示すブロック図、 第3図は同実施例におけるエンベロープ波形の形成例を
示す図、 第4図は第1図に示すカーブ変換テーブルによる変換特
性と逆変換テーブルによる逆変換特性を夫々例示する
図、 第5図は第1図のエンベロープ制御装置の具体例を示す
ブロック図、 第6図はこの発明に係るエンベロープ制御装置を具えた
エンベロープ波形発生装置の別の実施例を示すブロック
図、 第7図は第6図におけるシフトデータ供給回路の具体例
を示すブロック図、 第8図は第2図の変更例を示すブロック図、 第9図は従来技術の問題点を示す波形図、 第10図はこの発明に従って制御されたエンベロープ波形
の一例を示す図、である。 10……エンベロープ波形発生装置、20……演算回路、6
0,600……エンベロープ制御装置、61,610……ミュート
レベル検出回路、62……データシフト回路、620……シ
フトデータ供給回路。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディジタル楽音信号を制御するためのエン
    ベロープ波形信号であって、少なくとも該エンベロープ
    波形信号の立ち上がりに対応する立上り部と減衰に対応
    する減衰部とを含むエンベロープ波形信号を形成するエ
    ンベロープ波形形成手段と、 前記エンベロープ波形形成手段で形成されるエンベロー
    プ波形信号のレベルが所定の下限レベル以下になったこ
    とを検出する検出手段と、 前記エンベロープ波形信号の前記減衰部において前記検
    出手段によって該エンベロープ波形信号が前記下限レベ
    ル以下になったことが検出されたとき、前記エンベロー
    プ波形形成手段で形成されるエンベロープ波形信号を前
    記減衰部に比して急速減衰させる急速減衰制御手段と を具えたエンベロープ制御装置。
  2. 【請求項2】前記急速減衰制御手段は、前記急速減衰の
    傾きをパラメータに応じて可変制御する手段を有する、
    特許請求の範囲第1項に記載のエンベロープ制御装置。
  3. 【請求項3】前記エンベロープ波形信号によって制御さ
    れる楽音信号の音色に応じて前記パラメータを変更制御
    して、前記急速減衰の傾きを前記音色に応じて可変制御
    するようにした特許請求の範囲第2項に記載のエンベロ
    ープ制御装置。
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