JPS6366249B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は液体、気体のいわゆる流体を過し清
浄にする過体に関するものである。

従来公知のこの種の過体としては、第１図に
示すごとく、一枚の帯状材１の中心を境にして
一方に波形部１ａを、他方に平形部１ｂを形成
し、この材１を巻芯２を介して巻回した構造で
あり、この材１に袋状部１ｃを形成するために
材間を接着剤Ａで接着してある。汚染流体は第
２図の矢印に示すごとく袋状部１ｃを経て材１
を通過し、過されるようになつている。

上記構造になる従来の過体は次に示す欠点を
有している。

(1) 材１の波形部１ａと平形部１ｂとを接着剤
Ａで接着するため、過面積が減少し、かつそ
れに伴ない流体の圧力損失が増加する。

(2) 材１の中心を境として一方に波形部１ａ
を、他方に平形部１ｂを設けるため、加工が面
倒である。

(3) 全体形状が円筒状に限られ、形状に融通性が
ない。

本発明は上記の欠点を解消した過体を提供し
ようとするものであり、以下本発明を具体的実施
例により詳細に説明する。

第３図乃至第５図において、本発明における
材３は、第３図に示すごとく、全体平面形状とし
て一端の辺a₁〜a₄の寸法が短く他端の辺k₁〜k₄の
寸法が一端の辺より長い扇形形状を有している。
この材３には、材３を上記一端と他端との間
で断面波形形状に屈曲するための複数の筋が形成
してある。この複数の筋の個々は円弧線と直線と
を組合せた構成としてある。具体的に述べると、
第３図のように、材３にはその一端の辺a₁〜a₄
と他端の辺k₁〜k₄との間に点Ｏを同心として異な
る半径でb₂−b₃…j₂−j₃の円弧線が筋付けしてあ
り、また、この円弧線の両側はb₁−b₂，b₃−b₄…
j₁−j₂，j₃−j₄の直線が筋付けしてある。

また、材３の一端の辺a₁〜a₄及び他端の辺k₁
〜k₄も、点Ｏを同心として異なる半径のa₂−a₃，
k₂−k₃の円弧線及びその両側に位置するa₁−a₂，
a₃−a₄，k₁−k₂，k₃−k₄の直線を組合せた形状と
されている。

上記の円弧線と直線とを組合せた構成の複数の
筋は筋付ローラ、熱加圧等の方法で材３に設け
てあり、また材３は紙、不織布、フエルト等
のいずれの材質で構成してもよい。

上記筋を施された材３は、第４図のごとく、
その筋で横断面波形形状に屈曲され、その端部
a₁，b₁，c₁…k₁と各々端部a₄，b₄，c₄…k₄とを第
５図のごとく樹脂接着剤４で閉塞し、過体６を
形成する。なお、第５図中、５は樹脂等の不透過
材質より成る芯体であり、接着剤４により過体
６の内側に固定してある。なお、第３図の材３
は第６図のごとき構造にもできる。

上記構成において、汚染流体は第７図の矢印の
ごとく流れて過され、清浄になる。

第８図は本発明の他の実施例を示すものであ
る。この実施例においては、第４図における材
３を２個用いてその端部どうしを接着剤４で接合
して長円形としたものである。

上記の第８図に示した過体の支持構造を内燃
機関用空気清浄器に適用した場合について説明す
る。第９図において、第８図の過体６の内周部
に嵌合し得る長円形状の円筒部７ａ、およびこの
円筒部７ａに一体成形されて過体６の底部を支
持する長円形状の多孔支持部７ｂを有する樹脂製
受け枠７を用い、この受け枠７の円筒部７に過
体６の内周部を接着剤Ａで接着してある。一方、
過体６外周部は受け枠７の支持部７ｂに接着剤
Ｂで接着してある。この受け枠７は、ケース９に
固定した樹脂製の支持枠８に支持されている。ま
た、受け枠７の外周にはガスケツト１０が接着し
てあり、このガスケツト１０はケース９とキヤツ
プ１１との間に挾持し気密を保つようになつてい
る。なお、ケース９とキヤツプ１１とはボルト１
２およびナツト１３で結合してあり、ガスケツト
１５で気密を保つている。作動を説明すると、吸
気管１４より入つた汚染空気は過体６を通つて
清浄になり、支持枠８の複数の脚部８ａ間を経て
気化器に至る。

本発明は上述の実施例に限らず、以下のごとく
種々の変形が可能である。

(1) 第３図に示す材３の筋の隣り合う間の間隔
は同一になつているが、その間隔を連続的に異
なるようにしても勿論よい。

(2) 第１０図のごとく、筋の間隔を大きいグルー
プと小さいグループとに分け、これらを一つお
きに組合せるようにしてもよい。なお、図中、
p₁−p₂，p₃−p₄，q₁−q₂，q₃−q₄…y₁−y₂，y₃
−y₄，z₁−z₂，z₃−z₄が直線で、p₂−p₃…z₂−
z₃が円弧線である。

(3) 第１１図のごとく、材３の中心部領域を直
線A₂−A₃…K₂−K₃としても勿論よい。

(4) 上述の第３図、第１０図、および第１１図の
ものでは、いずれも円弧線の基点が同一である
が、その基点を各円弧線によつて異なるように
してもよい。

(5) 本発明の過体は内燃機関用空気清浄器、空
調用空気清浄器、潤滑油過器、燃料油過
器、一般液体用過器等、種々の用途がある。

以上要するに、本発明においては、次に列挙す
る効果がある。

(1) 従来の渦巻型過体のように材の入口側を
接着剤で接着する必要がなく、このため過面
積を大きくでき、かつ流体の圧力損失を小さく
できる。

(2) 材の中心を境として一方に波形部を、他方
に平形部を形成する従来例に比べて材の加工
が容易である。

(3) 過体の形状を種々のものに製作でき、従つ
て過体の設置場所により過体の形状を変更
したい場合に有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す斜視図、第２図は第１図
の要部を示す斜視図、第３図乃至第５図は本発明
過体の製作過程を示す図で、第３図は材を示
す平面図、第４図は第３図の材を屈曲した状態
を示す斜視図、第５図は過体を示す平面図、第
６図は第５図の変形例を示す平面図、第７図は第
５図の過体の作用説明に供する斜視図、第８図
は本発明の他の実施例を示す斜視図、第９図は第
８図の過体を用いた内燃機関用空気清浄器を示
す断面図、第１０図乃至第１１図は本発明におけ
る材の他の例を示す平面図である。 ３……材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一端の辺寸法が短く他端の辺寸法が前記一端
   のそれに比べて長い扇形形状の材が、前記一端
   と前記他端との間で断面波形形状に屈曲され、か
   つ前記材が、前記一端が内側、前記他端が外側
   となるよう湾曲構造とされた過体であつて、 前記材に、該材を前記断面波形形状に屈曲
   せしめる複数の筋が形成されており、該複数の筋
   の個々が円弧線と直線とを組合せた構成とされて
   いることを特徴とする過体。