JP3003815U - エンジン用エアクリ−ナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルタエレメントの容量を既製品の例えば
50％増しにして該エレメントの高さが増大しても、既設
のエアクリ−ナハウジング又はケ−シングに収めること
ができるようにしたエンジン用のエアクリ−ナを提供す
ること。 【構成】 面状に形成したフィルタ部と、このフィルタ
部をその外周において保形しハウジング内に支持するた
め前記フィルタ部の周囲に形成された被挟持部を分割面
で挟持すると共に、前記フィルタ部に対して吸気口と送
気口を具備した上，下分割タイプの箱状容器によるケ−
シングとからなるエンジン用エアクリ−ナにおいて、フ
ィルタ部を、前記フィルタ部と同一外形のまま吸気が接
触する表面積を大きくするため嵩高に形成すると共に、
該フィルタ部の外周に形成された被挟持部に、その部を
嵩高に形成するための当接部材を当てがい、前記ケ−シ
ングの分割面に挟持させるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は主として自動車用エンジンのエアクリ−ナに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、各メ−カで製造される複数種類の乗用車においては、いくつかの車種 間で統一された形状，構造のエアクリ−ナが使用されることが多い。複数車種間 で部品の共通化を図り、製造コストの低減や部品在庫の合理化等を促進するため である。

【０００３】 しかし、エンジン性能に深く係るエアクリ−ナを複数車種の間で共通化した場 合、エンジン排気量の大小によりクリ−ナの容量が不足気味になる排気量のエン ジンもあるため、当該エンジンの性能を十分に引出せないことがある。

【０００４】 このような点に鑑み、エアクリ−ナの容量が不足、乃至は不足しないまでも十 分とはいえないエンジンに対し、パ−ツ市場においては容量の大きなエアクリ− ナが供給されている。

【０００５】 ところが、エアクリ−ナの容量を大きくする、即ち、フィルタエレメントの表 面積を大きく形成するために、例えば、外形を既製のフィルタエレメントと同一 形状とすると、高さが大きくなるので、既製のフィルタエレメントを収容した既 設のハウジング又はケ−シングに収まり切れなくなるという問題がある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はこのような点に鑑み、フィルタエレメントの容量を既製品の例えば50 ％増しにして該エレメントの高さが増大しても、既設のエアクリ−ナハウジング 又はケ−シングに収めることができるようにしたエンジン用のエアクリ−ナを提 供することを、その課題とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決することを目的としてなされた本考案のエアクリ−ナ構成は、 面状に形成したフィルタ部と、このフィルタ部をその外周において保形しハウジ ング内に支持するため前記フィルタ部の周囲に形成された被挟持部を分割面で挟 持すると共に、前記フィルタ部に対して吸気口と送気口を具備した上，下分割タ イプの箱状容器によるケ−シングとからなるエンジン用エアクリ−ナにおいて、 フィルタ部を、前記フィルタ部と同一外形のまま吸気が接触する表面積を大きく するため嵩高に形成すると共に、該フィルタ部の外周に形成された被挟持部に、 その部を嵩高に形成するための当接部材を当てがい、前記ケ−シングの分割面に 挟持させるようにしたことを特徴とするものである。

【０００８】

【実施例】

次に本考案エアクリ−ナの実施例を図に拠り説明する。図１は本考案エアクリ −ナの一例の要部を模式的に示した縦断面図、図２は別例の要部の断面図、図３ は既設のエアクリ−ナを模式的に示した縦断面図である。

【０００９】 図３は自動車のエンジンル−ム内に設けられる既設のエアクリ−ナの一例を模 式的に示したもので、１はシ−ト状フィルタ材をジグザグの山形状に折曲して形 成したフィルタ−エレメント、２は前記エレメント１の保形とケ−シング３への 収納固定のためにこのエレメント１の外周にそれと一体化するように形成した断 面略Ｌ字状をなす周壁である。

【００１０】 フィルタエレメント１は、不織布等によるシ−ト状フィルタ材を、断面がジグ ザグ状のヒダの連続体1aをなすように折曲げて広い表面積を得るように形成され 、その平面形状は、通常、矩形である。そして、このフィルタエレメント１の外 周には、当該エレメント１の形状の保持と、ケ−シング３への装着のため、断面 略Ｌ字状の周壁２が周設されている。

【００１１】 断面Ｌ字状の周壁２が外周上に形成されたフィルタエレメント１は、上，下で ２つ割り構造の上部ケ−シング材3aと下部ケ−シング材3bの分割面に形成された ケ−シング３のフランジ状の当接面3c，3dに、その周壁２の全周にフランジ状に 形成した被挟持部2aにおいて挟持され、前記分割面3c，3dがクリップ４によって 緊締されている。なお、3eは上部ケ−シング材3aに形成した吸気口、3fは下部ケ −シング材3bに形成した送気口である。

【００１２】 上記構成によって、エアクリ−ナのケ−シング３は、フィルタエレメント１を 介して上，下で二分され、従って、吸気口3eから上部ケ−シング材3aの内部に吸 引される外気がフィルタエレメント１により濾過されて下部ケ−シング材3bに供 給され、送気口3fからキャブレタ−等へ供給されるのである。

【００１３】 而して、本考案では、上記エアクリ−ナにおけるフィルタエレメント１の外形 の大きさを図３のものと同形のままで、濾過面積のみを図３のものより大きくす るため、ヒダ連続体1aの高さを図３のh₁よりも大きなh₂に形成する。このエレメ ント１のヒダ連続体1aの高さをh₂に大きくすると、周壁２の肩部2bが上部ケ−シ ング材3aの内面に当りそのままでは当該ケ−シング３の内部に収まらない。

【００１４】 そこで本考案では、図１に示すように、ヒダ連続体1aの高さを図３のh₁よりも 大きなh₂に形成したエレメント１の外周に形成する周壁２において、ケ−シング ３の分割面3c，3dに挟持される被挟持部2aに当接部材５を当てがい、その部全体 の厚さが大きくなるようにした。当接部材５は、被挟持部2aと平面からみて略同 形状で所要の厚さに形成した金属系，ゴム系，プラスチック系の適宜材料により 形成する。

【００１５】 当接部材５を当てがい嵩高になった被挟持部2aがケ−シング３の当接面3c，3d に挟まれることにより、上，下ケ−シング材3a，3bによる内部有効高さは、上記 被挟持部2aの厚さを増したと同等に嵩上げされたこととなるので、各ヒダ1aの高 さを在来品のh₁からh₂に大きくして表面積を大きくしたエレメント１が、そのま ま在来ケ−シング３に収装できるのである。なお、分割面3c，3dを外から挟むク リップ4'は、当接面3c，3dの間隔が大きくなったのに対応して、図３のものより 大形のものを用いる。

【００１６】 図１の実施例は、被挟持部2aの上面に当接部材５を当てがったものであるが、 当接部材５は、図に示すように、被挟持部2aの下面に当てがう構造、或は、上， 下両面に当てがう構造であってもよい。これらの場合、被挟持部2aのヒダ1aの高 さ方向に関する位置を変更調整する。

【００１７】

【考案の効果】

上記のように、本考案エアクリ−ナは、クリ−ナエレメントの平面形状を変え ずにヒダの高さを大きくして濾過面積を大きくすると共に、周壁におけるケ−シ ングに挟持される部分に当接部材を当てがって、ケ−シングの当接面の間隔が大 きくなるようにすることにより、それまでのケ−シング本体を取替えることなく そのまま用いて、エアクリ−ナの容量の増大を図ることができるので、エンジン 排気量の多寡に拘らず同一のエアクリ−ナが使用されているエンジンに対し、そ の排気量に対応した容量のエアクリ−ナを低コストに提供することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案エアクリ−ナの一例の要部を模式的に示
した拡大縦断面図。

【図２】別例の要部の断面図。

【図３】既設のエアクリ−ナを模式的に示した縦断面
図。

【符号の説明】

１ フィルタ−エレメント ２ 周壁 2a 被挟持部 ３ ケ−シング 3a 上部ケ−シング材 3b 下部ケ−シング材 3c，3d 当接面 3e 吸気口 3f 送気口 ４，4' クリップ ５ 当接部材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 面状に形成したフィルタ部と、このフィ
   ルタ部をその外周において保形しハウジング内に支持す
   るため前記フィルタ部の周囲に形成された被挟持部を分
   割面で挟持すると共に、前記フィルタ部に対して吸気口
   と送気口を具備した上，下分割タイプの箱状容器による
   ケ−シングとからなるエンジン用エアクリ−ナにおい
   て、フィルタ部を、前記フィルタ部と同一外形のまま吸
   気が接触する表面積を大きくするため嵩高に形成すると
   共に、該フィルタ部の外周に形成された被挟持部に、そ
   の部を嵩高に形成するための当接部材を当てがい、前記
   ケ−シングの分割面に挟持させるようにしたことを特徴
   とするエンジン用エアクリ−ナ。
2. 【請求項２】 当接部材は、金属材，ゴム材，プラスチ
   ック材のいずれかにより形成し、被挟持部の上面又は下
   面若しくは上下両面の全周に当てがうようにした請求項
   １のエンジン用エアクリ−ナ。