JPS6240666Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は内燃機関用のエアクリーナ、特に扇
形濾過体を用いたエアクリーナにおける濾過体の
支持構造に関する。

従来より用いられている一般的な内燃機関用エ
アクリーナは、濾紙、不織布等の濾材を交互に折
曲し、その折曲縁が内、外周となるよう環状に丸
めて濾過体となした、いわゆる菊形濾過体を用い
たもので、その上下面にパツキンを介してケース
内に収め、濾過体の外周部より含塵空気を導入
し、これを中心方向に通過させることで浄化を行
なうようにしていた。

しかしながら、このような方式のエアクリーナ
にあつては、エレメントの外周部に空気通路を形
成しなければならないため、その実効濾過面積の
割にはケースが大形化する欠点があつた。

そこで、前記濾材をその上下端が交互に山と谷
とになるよう折曲し、かつ同心状に捲回した、い
わゆる扇形濾過体を用いることが提案されてい
る。この扇形濾過体は従来の菊形濾過体よりも小
さな外径寸法で大きな濾過面積を得る利点を有す
る。しかしながら、その反面、濾過体の内周部の
開口半径を小さくとると、折り畳まれた部分同士
が密集状態となり、内周部が密着して効率が低下
する。この場合は折畳みのピツチを少くすればよ
いが、濾過面積が減少するなどの問題があり、そ
の実用化を図る上で種々の難点があつた。

本考案は以上の問題に鑑みてなされたもので、
前記扇形濾紙の内周部の密着を防止することを目
的とする。

前記目的を達成するために、本考案では、前記
濾過体を支持する濾過体ホルダを三重同心状と
し、その外筒部と内筒部間に大径の扇形濾紙を収
装し、内筒部と中心筒との間に小径の扇形濾紙を
収装するよう構成したもので、以下この考案の一
実施例を図面を用いて詳細に説明する。

第１図はこの考案に係るエアクリーナの全体構
成を示す。図において１は有底円筒形のボデイ、
２はこのボデイ１の開口周縁に結合されるカバー
であり、前記ボデイ１の底面にはキヤブレター
（図示せず）に連通する流通口１ａが開口されて
いるとともに、上面周縁には接合フランジ部１ｂ
が設けられている。また前記カバー２の外周には
外気取入口２ａが設けられているとともに、底部
開口周縁には前記接合フランジ部１ｂに結合する
結合フランジ部２ｂが設けられている。

前記ボデイ１とカバー２によつて構成されるケ
ースの内部にはフイルタ組立体３が収納される。

このフイルタ組立体３は偏平状に形成された大
径の第１の扇形濾過体４と、この濾過体４よりも
縦に長く、かつその内周開口部の径より小さい外
径を有する第２の扇形濾過体５、およびこれら各
濾過体４，５を収装するとともに、前記ケース２
内に位置決めされる濾過体ホルダ６とから構成さ
れている。

濾過体ホルダ６はポリプロピレン等の樹脂射出
成形体からなる三重同心円筒状のもので、その外
周に前記接合フランジ部１ａおよび結合フランジ
部２ｂ間に挾着されるガスケツト７を設けた中空
円筒状の外筒部８と、この外筒部８の内周底部に
配設された複数の支持ステー９を介して一体に立
設された中空円筒状の内筒部１０と、この内筒部
８の内周底部に配設された複数の支持ステー１１
を介して一体に立設された中芯筒部１２とからな
り、この中芯筒部１２の上面は閉鎖されている。

前記外筒部８の高さは第１の扇形濾過体４の厚
みにほぼ等しく、その内周径は外径に一致した形
状であり、内筒部１０の高さは第２の扇形濾過体
５の厚みにほぼ等しく、その外径は第１の扇形濾
過体４の内径に一致し、またその内径は第２の扇
形濾過体５の外径に一致しており、さらに、中芯
筒部１２の外径は濾過体５の内径に一致してい
る。

第２図は前記各濾過体４，５を濾過体ホルダ６
ら固定し、フイルタ組立体３を完成した状態を示
し、第１の扇形濾過体４の内、外周開口部は外筒
部８および内筒部１０の内、外周壁に突き当てら
れることによつて閉鎖され、第２の扇形濾過体５
の内、外周開口部は内筒部１０及び中芯筒部の
内、外周壁に突き当てられることによつて閉鎖さ
れる。

また、第１の扇形濾過体４の折畳みピツチは多
く、第２の扇形の濾過体５の折畳みピツチは少
く、これらによつてもそれぞれの内周部の折畳み
部分同士の密集を防止しているとともに、第２の
扇形濾過体５を縦方向に長くすることによつてピ
ツチの少い分濾過面積の向上を図るようにしてい
る。

以上のように構成されたフイルタ組立体は、そ
のガスケツト７をボデイ１及びカバー２に形成さ
れた接合フランジ部１ｂ，２ｂ間に挾着され、図
示しないバツクル等の締結部材によりボデイ１及
びカバー２間を締結することでケース内に固定さ
れ、前記各濾過体４，５を介してのみ外気取入口
２ａから導入された空気をキヤブレター流通口１
ａに流通させるようになつている。

以上実施例により詳細に説明したように、この
考案に係るエアクリーナにあつては、上述の如き
構造濾過体ホルダに二重同心状に扇形濾過体を保
持するようにしているために、扇形濾過体の欠点
である内周部の密集及びこれに伴う効率低下がな
く、しかも実効濾過面積も大幅に向上できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るエアクリーナの全体構
成を示す分解斜視図、第２図は同エアクリーナに
おけるフイルタ組立体の完成斜視図である。 １……ボデイ、１ａ……流通口、１ｂ……接合
フランジ部、２……カバー、２ａ……外気取入
口、２ｂ……接合フランジ部、３……フイルタ組
立体、４……第１の扇形濾過体、５……第２の扇
形濾過体、６……濾過体ホルダ、７……ガスケツ
ト、８……外筒部、９，１１……支持ステー、１
０……内筒部、１２……中芯筒部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 有底円筒状のボデイとカバーとからなるケース
   内に、上下端が交互に山と谷とになるように折曲
   され、かつ同心状に捲回されてなる扇形濾過体を
   濾過体ホルダを介して収納し、空気が該濾過体の
   端面間を上下方向に流通することによりこれを濾
   過してなるエアクリーナにおいて、前記濾過体ホ
   ルダは、前記ボデイとカバーの接合フランジ部に
   挾着されるガスケツトを有する中空円筒状の外筒
   部と、この外筒部の内周に支持ステーを介して一
   体化された中空円筒状の内筒部およびこの内筒部
   の内周に支持ステーを介して一体化された一端閉
   鎖形の中芯筒部とからなり、前記外筒部と内筒部
   間に大径の第１の濾過体の内、外周を気密に嵌合
   固定するとともに、内筒部と中芯筒部間に小径の
   第２の濾過体の内、外周を気密に嵌合固定するよ
   うにし且つ、前記第１の濾過体よりも第２の濾過
   体の折畳みピツチを少なくする一方縦方向の長さ
   を大きくし、全体として凸形に形成し、該カバー
   の側面に外気取入口を設けてなることを特徴とす
   るエアクリーナ。