JPH0331374Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本願は、たとえば内燃機関用エアクリーナに用
いられるフイルタエレメントに関する。

〔従来の技術〕

内燃機関用エアクリーナなどに用いられるフイ
ルタエレメントは、第７図のように、山部１ａと
谷部１ｂとを設けた波板材１と平板材２とを
交互に多数積層し、一方面側の波板材１の谷部
１ｂと他方面側の波板材１の山部１ａとを接着
材などにより充填シールして成るものである。一
方面と他方面との間には、一端が開放し他端が閉
塞する多数の流路室３が形成される。

また、波板材１と平板材２とを交互に巻層
し円筒状としたものもある。

吸気は、一方面の流路室３の開放端すなわち波
板材１の谷部１ａから流入し、他方面の閉塞端
側に流出する。その間に、吸気中のダストは、流
路室３の周囲の材１，２により捕捉される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のような構造、いわゆるハニカム型のフイ
ルタエレメントは、菊花状のひだ折り紙から成
る、いわゆるプリーツ型のフイルタエレメントに
比し、過面積が大となり、寿命が長いという長
所を持つ反面、流入面となる波板材１の谷部１
ｂは充填されるから流入断面積が過面積が大き
い割に小さく、流路抵抗が大きかつたり、流入面
が早期目づまりし内部の過面が十分に利用され
ないという欠点を有している。

〔問題を解決するための手段〕

多数のひだを有し、該ひだの上下端に端壁がた
がいちがいに設けられるとともにひだの上下端の
となりあうひだ片を上下端間で交互に接合して成
る環状のエレメント素子の２つを、前記端壁同志
を対向させて中芯円板の周りに同心状に配設し、
各端壁間を円周方向に接合シールしたフイルタエ
レメントの構成とした。

〔作用〕

吸気は、フイルタエレメントの流入面から導入
されエレメント素子のひだ間の空間から内部に入
り、ひだを形成している紙を通過して流出面の
エレメント素子のひだ間の空間から流出する。

〔実施例〕

第１図〜第３図は、本考案の実施例を示すフイ
ルタエレメント１０であつて、複数のエレメント
素子１１ａ，１１ｂ，１ｃ，１１ｄを中芯円板３
６の周りに同心状に配置した構造のものである。

エレメント素子１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，１１
ｄは、径を異にする環状のものであり、第４図の
ような矩形のシート状濾紙１２を折り目にそつ
て、ひだ折りすることにより各々形成される。す
なわち、矩形のシート状濾紙１２は、所定間隔
で、たてに伸びる、ひだの折り目１３を有する。
１つおきの折り目１３には、山形の折り目１４が
前記濾紙１３の下端１６側に連続的に設けられ
る。シート状濾紙１２の表面の上端１５側および
裏面の下端１６側には、所定巾の接着剤層１７が
形成される。

シート状濾紙１２を折り目１３，１４にそつて
ひだ折り加工すると（第５図）、多数の並行する
ひだ３５が形成される。ひだ３５の上下端には、
たがいちがいに端壁１８ａ，３５ａが形成され
る。ひだ３５の上端のとなり合うひだ片ｂ，ｃを
当接させ、また下端のひだ片ａ，ｂを当接させる
と、接着剤層１７により、これらの各ひだ片は、
接合シールされ、各ひだの上端と下端が交互にシ
ールされる。

このようにひだ折りされた矩形の濾紙１２は、
左右端が接合シールされ環状とされて、上記エレ
メント素子を形成させる。なお、横方向の長さを
変えた矩形のシート状濾紙１２を用いることによ
り、径の異なるエレメント素子１１ａ，１１ｂ，
１１ｃ，１１ｄが得られる。

エレメント素子１１ａ，１１ｂは、ひだ３５の
端壁１８ａ，１１ｂが対面するように、中芯円板
３６の周りに配設される。同様に、エレメント素
子１１ｃ，１１ｄも、エレメント素子１１ｂの外
側に、端壁１８ｃ，１８ｄが対面するように配設
される。

エレメント素子１１ａ，１１ｂの端壁１８ａ，
１８ｂ間およびエレメント素子１１ｃ，１１ｄの
端壁１８ｃ，１８ｄ間には、円周方向にそつてシ
ール剤が充填され、それらの間は接合シールされ
る。同様に、エレメント素子１１ａ，１１ｂの端
壁３５ａ３５ｂおよびエレメント素子１１ｃ，１
１ｄの端壁３５ｃ，３５ｄ間にも、円周方向にそ
つてシール剤が充填され、そられの間が接合シー
ルされる。このようにしてフイルタエレメント１
０が形成される。

第６図は、シート状の濾紙の他の例を示すもの
であり、シート状の濾紙２０は、所定間隔の、ひ
だの折り目２１が設けられており、濾紙２０の下
端２４側に山形の折り目２３が設けられる。山形
の折り目２３は、その頂部がひだの折り目２１に
連結しており、折り目２３は折り目２１の一つお
きに形成されている。折り目２３を伴つた折り目
２１のとなりの、折り目２１には、濾紙２０の上
端２５側に逆山形の折り目２３ａが設けられる。
また、濾紙２０の下端２４側の表面および上端２
５側の裏面には、所定巾の接着剤層２６が設けら
れている。

第１図〜第３図において、吸気は正面側の流入
面（第３図の上からみて左側）から流入し背面側
（流出面）に向け流通する。吸気は、流入面にお
いて、各ひだ３５間の空間に入り、ひだ３５を流
通して過され、流出面の隣接する他のひだ３５
間から流出する。

〔効果〕

本考案のフイルタエレメントは、従来のような
山部、谷部の充填シール部を有しないので流入出
面における流入出口断面積が従来に比し大（約50
％増）となり、流入面における早期目づまりや流
通抵抗増が回避される。また、従来のよう波板
材間の平板材を有しないから、各ひだ間に形成
される過室の空間は大となり、吸気を材の全
面にわたり流通させることができ、寿命を向上さ
せる。さらに、従来と同程度の性能とすれば、コ
ンパクト化が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のフイルタエレメントの正面
図、第２図は、第１図の背面図、第３図は第１図
の断面図、第４図はシート状紙の平面図、第５
図はシート状紙をひだ折りしたものの斜視図、
第６図は他のシート状紙の平面図、そして第７
図は従来のフイルタエレメントの斜視図である。 １１ａ……エレメント素子、１１ｂ……エレメ
ント素子、１１ｃ……エレメント素子、１２……
シート状紙、１３……ひだの折り目、１４……
山形の折り目、１７……接着材層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数のひだを有し該ひだの上下端に端壁がたが
   いちがいに設けられるとともにひだの上下端のと
   なり合うひだ片を上下端間で交互に接合して成る
   環状のエレメント素子の２つを、前記各端壁同志
   を対面させて中芯円板の周りに同心状に配設し、
   各端壁間を円周方向に接合シールしたフイルタエ
   レメント。