JPS636394B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、液圧的に互いに分離された２組のス
テアリング油圧回路を有し、一方のステアリング
油圧回路が第１の制御装置およびステアリング機
構と結合された第１のサーボモータを有し、他方
のステアリング油圧回路が同様にステアリング機
構と結合された第２の制御装置を有し、該第２の
制御装置が自動車のステアリング棒に直接作用す
る第２のサーボモータにサーボポンプからの圧油
を供給し、その場合両方の制御装置がステアリン
グ軸の回転運動に関連して共通に駆動されるよう
なパワーステアリング装置に関する。かゝるパワ
ーステアリング装置はたとえば米国特許第
3822759号明細書で知られており、これは液圧的
に互いに分離されてステアリング軸によつて制御
される２組のステアリング油圧回路を有してい
る。一方のステアリング油圧回路はサーボモータ
と第１の制御装置とで結合されたステアリング機
構から構成されている。他方のステアリング油圧
回路は第１の制御回路に対して同心的に配置され
た第２の制御装置から成り、この第２の制御装置
はステアリング機構と結合されている別のサーボ
モータと連結配管を介して接続されている。その
場合各ステアリング油圧回路にはそれぞれ個有の
サーボポンプと個有の油槽が設けられている。パ
ワーステアリング装置の各構造部品の配置はたゞ
その図面を参照してしか理解できず、制御弁の特
別な実施形態およびその作用については上記特許
明細書には記載されていない。

本発明の目的は、僅かな構造経費でかつケーシ
ングの変形なしに二重油圧回路ステアリング装置
として使用できるようなパワーステアリング装置
をうることにある。その場合パワーステアリング
装置を軸方向および半径方向における寸法をでき
るだけコンパクトに作ろうとするものである。

本発明に基づいて２個の回転弁が軸方向に順々
に配置され、互いに連結されている。その場合両
回転弁の間にケーシング分割面が設けられている
ので、第２のステアリング油圧回路に付属してい
る制御弁を単一油圧回路駆動に対して設けられて
いる既存のステアリング機構ケーシングに簡単に
組み込むことができる。このようにしてブロツク
組立式に基づいて広げられたケーシングシステム
が得られる。このケーシングシステムの中におい
て２個の回転弁を用いることによつて、小さな寸
法の二重油圧回路パワーステアリング装置が得ら
れる。パワーステアリング装置を製作する場合、
価格的に有利な単一油圧回路ステアリング装置が
多くの部品点数で作られているという点から出発
しているので、上述した方式で価格的に有利な生
産がなお拡大できる。このことから二重油圧回路
ステアリング装置に対しても大きなコスト的な利
点が生ずる。

以下本発明の実施例を図面を参照して詳細に説
明する。

第１図においてステアリング軸１はねじり棒２
を介してステアリングウオーム３に弾性的に連結
されている。ステアリングウオーム３は軸方向力
を受けるためにスラスト転り軸受９で支持されて
いる。ステアリング軸１には操舵ハンドルを支持
しているステアリング柱（図示せず）が接続され
ている。ステアリング軸１には回転弁４と５が形
成されている。一方の回転弁４はステアリングウ
オーム３と一体に作られた制御ブツシユ６と共同
して作用する。他方の回転弁５は制御ブツシユ６
に連結されている制御ブツシユ７と共同して作用
する。これらの回転弁および制御ブツシユは軸方
向に順々に配置された２つの回転弁、すなわち第
１の回転弁４および第２の回転弁５となつてい
る。本発明に基づいて制御ブツシユ７はステアリ
ング機構ケーシング８にねじ止めされたフランジ
８０の中に収納されている。その場合ステアリン
グ機構ケーシング８とフランジ８０との間に分割
面Ｆが位置している。その場合両方の制御ブツシ
ユの連結はたとえば一方の制御ブツシユ６の凹部
１０に空隙なしに突き出している他方の制御ブツ
シユ７にあるノーズ部１１によつて行なわれてい
る。

ステアリング軸１を回転した場合、ステアリン
グ軸１によつてステアリングウオーム３の直接的
な随伴が行なわれるまで、スプライン歯１２によ
つて規定された制御ストロークがねじり棒の力に
抗して進められねばならない。その制御ストロー
クの中において回転弁４と５およびその制御ブツ
シユ６ないし７の間に相対運動が生ずる。その場
合ステアリング機構ケーシング８の中に設けられ
かつ作動ピストン１３および圧力室１４，１５か
ら成るステアリングモータが第１の回転弁４によ
つて制御される。同時にステアリング棒に接続さ
れ圧力室１７と１８をもつた別のステアリングモ
ータ１６は第２の回転弁５を介して圧油を受け
る。回転弁４は、自動車エンジンによつて駆動さ
れて油槽２２から圧油を汲み上げるオイルポンプ
２１に、ケーシング接続口２０を介して接続され
ている。この種の回転弁の作用は一般に知られて
おり、たとえば西ドイツ特許出願公開第2637458
号公報に記載されている。

第１の回転弁４を介して圧油が供給される作動
ピストン１３はボールチエーン２３を介してステ
アリングウオーム３にかみ合つている。更に作動
ピストン１３は歯２４を介してピツトマンアーム
軸（図示せず）に接続されたセグメント歯車２５
にかみ合つている。ピツトマンアーム軸はステア
リング棒（図示せず）を介して被操舵車輪に連結
されている。

第２の回転弁５は同様に自動車エンジンによつ
て駆動され油槽２７から汲み上げるオイルポンプ
２６に接続されている。

中立位置において、オイルポンプ２１によつて
搬送される圧油は、ケーシング接続口２０、環状
溝２８および制御ブツシユ６にある複数の孔３０
を介して回転弁４の制御溝３１に流れ、そこから
圧油は、横孔３２、中央孔３３、別の横孔３４お
よび空隙が設けられているスプライン歯１２を介
して、ステアリングウオーム２の中空室３５に送
られる。圧油はこの中空室３５から環状室３６お
よび出口孔３７を介して油槽２２に送られる。同
時にオイルポンプ２６によつて搬送される圧油
は、環状流路３８および制御ブツシユ７にある複
数の孔３９を介して、回転弁５の制御溝４０に送
られ、そこから圧油は、制御ブツシユ７にある横
孔４１および環状室４２を介して油槽２７に戻さ
れる。圧油は両方の回転弁４と５を無圧状態で流
れる。すなわち操舵は行なわれない。

ステアリング軸１を回転した場合、油は加圧状
態においてオイルポンプ２１から軸方向溝４３お
よび制御ブツシユ６にある孔４４を介して圧力室
１４に流入するか、あるいは別の軸方向溝４５、
孔４６、環状流路４７およびねじ溝４８を介して
圧力室１５に流入する。同時にオイルポンプ２６
から供給される圧油は、軸方向溝５０および制御
ブツシユ７にある孔５１を介して圧力室１７に送
られるか、あるいは別の軸方向溝５２および孔５
３を介して圧力室１８に送られる。ステアリング
機構ケーシング８内を摺動する作動ピストン１３
およびステアリングモータの作動ピストンは、互
いに連結されている回転弁のために同期運動を行
なう。その場合両方のステアリング圧油回路は互
いに完全に分離されている。両方のオイルポンプ
の一方が故障した場合、自動車は別のステアリン
グ圧油回路によつて操舵できるが、この場合手動
力が幾分増大する。

本発明によると、僅かな経費で、かつ、ケーシ
ングの変形なしに二重油圧回路パワーステアリン
グ装置を得ることが出来るとともに、パワーステ
アリング装置のステアリング軸の軸方向および半
径方向の寸法を極力コンパクト化出来る。また、
ステアリング軸に相前後して形成した制御溝は、
自動工作機械で容易に製作出来るので、その製作
精度が向上する。このため回転弁相互の調整がそ
の製作の際にすでに行われるので、特別な後調整
が省略できる。

第２図は今日において一般的な単一油圧回路形
ステアリング装置として選択的に形成されたパワ
ーステアリング装置の実施例を示している。この
ステアリング装置の製作に対してはたゞ、回転弁
に対して唯一の溝系統をもつた別のステアリング
軸だけが必要である。これに対して一体に形成さ
れた弁ブツシユ６をもつたステアリングウオーム
３はそのまゝ使用できる。単にフランジ８０（第
１図参照）は省略できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に基づく二重ステアリング装置
の長手断面図、第２図は一重ステアリング装置と
して形成された第１図のものに相応した断面図で
ある。 １…ステアリング軸、２…ねじり軸、３…ステ
アリングウオーム、４…第１の回転弁、５…第２
の回転弁、８…ステアリング機構ケーシング、１
３…作動ピストン、１６…ステアリングモータ、
３１，４０…制御溝、８０…フランジ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ａ ステアリング機構ケーシング８の中に、
   ボールチエーン２３を介して作動ピストン１３
   にかみ合つているステアリングウオーム３が配
   置され、 ｂ 作動ピストン１３が歯２４を介してセグメン
   ト歯車２５にかみ合い、 ｃ ステアリングウオーム３がねじり棒２を介し
   てステアリング軸１に接続され、ステアリング
   軸１のステアリングウオーム３に対する相対回
   転によつて、第１制御弁を介して作動ピストン
   １３への圧油の流れが制御され、 ｄ 同時に第１ステアリング回路から液圧的に分
   離された第２ステアリング回路を通る圧油が、
   第２制御弁を介して制御され、 ｅ 第２制御弁が回転弁として形成され、ステア
   リング機構ケーシング８に形成されたフランジ
   ８０の中に収容され、 ｆ ステアリングウオーム３が第２制御弁に対す
   る制御ブツシユ７の延長部と協動する、 ような自動車のパワーステアリング装置におい
   て、 ｇ 第１の制御弁が回転弁４として形成され、制
   御溝３１，４０がステアリング軸１に軸方向に
   相前後して形成され、 ｈ ステアリングウオーム３の延長部が第１の制
   御弁に対する制御ブツシユ６として用いられ、 ｉ 第２制御弁に対する制御ブツシユ７の延長部
   が回転方向に遊びがないようにステアリングウ
   オーム３に連結されている、ことを特徴とする
   自動車のパワーステアリング装置。 ２ 第２制御弁の制御ブツシユ７が、軸方向に突
   出したノーズ部１１によりステアリングウオーム
   ３に遊びがないようにかみ合つていることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の自動車のパワ
   ーステアリング装置。