JPS6362864A - 黒銀色を呈する物品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、外装部品、眼鏡の縁２文房具、装身具、各種
装飾品などに応用可能な黒銀色または暗銀色を呈する物
品に関するものである。

（従来の技術） 従来において、高級感のある暗い銀色を得る方法の一つ
として以下の化学処理が知られている。

これは、予め亜鉛、アルミニウム、ニッケル等の金属を
コーティングした素材、または亜鉛、アルミニウム、ニ
ッケル等の金属素材そのものをクロム酸または重クロム
酸ソーダを主体とする溶液に浸漬し、表面に酸化クロム
被膜を形成する化学処理である。また、予め亜鉛、アル
ミニウム、ニッケル等の金属をコーティングした素材、
または亜鉛、アルミニウム、ニッケル等の金属素材その
ものを塩化ニッケル溶液に硫化水素を通した溶液に浸漬
し、表面に硫化ニッケル被膜を形成する化学処理も知ら
れている。

（発明が解決しようとする問題点） これら公知の化学処理は、素材に制約があり、また形成
される被膜の膜厚はせいぜい０．１μ程度が限度で極め
て薄く、またその被膜は緻密性に欠ける。したがって、
耐食性、耐摩耗性に問題があった。

本発明の目的は、装飾性の極めて高い金属光沢を有した
黒銀色という色調をもち、しかも耐食性。

耐摩耗性、密着性に優れた物品を提供することである。

本発明の他の目的は、かかる色調ををする物品を再現性
よく低コストで提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本発明の特徴は、金属クロムとアルミナ、または金属ニ
クロムとアルミナよりなるサーメットが表面にコーティ
ングされているところにある。

（発明の効果） 本発明の黒銀色を呈する物品は、表面に形成される金属
クロムとアルミナ、または金属ニクロムとアルミナより
なるサーメットが、金属光沢のある黒銀色を呈し、優美
で高級感を醸し出す装飾性に富んだものとなる。このサ
ーメット被膜は、緻密性が高く、耐食性、耐摩耗性、密
着性に優れ、均一に再現性よくコーティングができる。

また対象素材の選択範囲が広く、コーティングが容易で
安価に提供できる。

（実施例） このような被膜を得るために、本願発明者達は、金属−
酸化物セラミックス複合サーメットに着目して検討した
。

金属−酸化物セラミックス複合サーメットをコーテイン
グ膜材として形成する場合、金属をＸ。

酸化物セラミックスをＹｘ２０ｙ２とすると、その生成
自由エネルギーにおいて以下の関係を満足することが望
ましい。

ＩＸ　　Ｏｌ＜ＩＹｘ２０．Ｉ　　　　−（１）ｉ　　
ｙｌ これは、スパッタリングにおいてサーメットを構成する
金属が酸化物セラミックを還元しないということを意味
する。もしスパッタリングにおいて還元反応が進行した
場合、サーメットのセラミック化が進行し、その結果コ
ーテイング膜材の光学的透明性が増加し、そのため素材
に形成した成膜に光の干渉が起こり、装飾性コーテイン
グ膜としてその色調を均一にすることが困難となるばか
りでなく、同一の色調を再現することも困難となる。

さらに装飾性のみならず、その耐食性、耐摩耗性などを
考慮して、先ず金属としてはクロムＣｒ。

ニクロム（Ｎ　ｉ　＋Ｃｒ）を選定した。

クロムまたはニクロムに対して、（１）式の関係を満足
する酸化物セラミックスとしては、酸化ジルコン、酸化
バナジウム、アルミナ、酸化ニオブ、酸化タンタル等が
あるが、その生成自由エネルギーの関係は以下となる。

１Ｚｒ０　１＜ｌＶ２Ｏ５１＜ｌＡｌ２０３１＜ｌＮｂ
　　ＯＩ＜ｌＴａ　　Ｏｌ　　　・＝（２）ここで、Ｚ
ｒＯ、Ｖ　　Ｏについては、（１）式は満足するが、ス
パッタリング時において多少反応が進行し、色調の均一
性が若干失われる傾向にある。またＮｂ　Ｏ、Ｔａ２０
５については、スパッタリングにおいても反応が殆ど起
らず、そのコーテイング膜はクロムまたはニクロム単体
のコーテイング膜とその色調において差異が少なく、装
飾性コーテイング膜としての特異性を生じない。

以上のことを総合的に検討した結果、金属としてクロム
またはニクロムを採用し、酸化物セラミックスとしてア
ルミナＡｌ２Ｏ３を採用した。

以下、その詳細を具体的に説明する。

実施例　Ｉ ＡＢＳ樹脂製の装飾用ケースを、高周波マグネトロンス
パッタリング装置内に入れ、ターゲットとして、クロム
７０重量％、アルミナ３０重回％の複合ターゲットを用
いた。装置内を（１，０〜２、　０）　Ｘ　１０−３Ｐ
　ａ程度の真空に減圧した後、アルゴンガスを加えその
圧力を（６，０〜７．０）Ｘ１０’Ｐａとした。モして
印加出力は高周波出力８νａｔｔ／ｃｄにてスパッタリ
ングを行なった。成膜速度は０．７８μ／　ｈ　ｒであ
り、形成されたコーティング膜厚は０．２μであった。

成膜中の素材温度は室温から５０℃までの加熱にとどま
り、素材の熱変形もなく、密着性よく、金属光沢を有し
た黒銀色の装飾性の高いコーテイング膜を形成すること
ができた。

実施例　２ ターゲットとして、金属クロムとアルミナとを別々に設
け、両ターゲット上にシャッターを設置し、両シャッタ
ーの開閉度によって、アルミナの成分比が３０重量％に
なるように制御してスパッタリングした。その他の条件
は実施例１と同様であり、形成されたコーテイング膜も
上記した通りであった。

実施例　３ ターゲットとしてニクロム７０重量％、アルミナ３０重
量％の複合ターゲットを用い、その他の条件は実施例１
と同様にしてスパッタリングした。

形成されたコーテイング膜は、黒銀色の装飾性の高い膜
で、密着性もよく、優れたものであった。

なお本例においては、ニクロムの組成をニッケル８０％
、クロム２０％としたが、この組成に限られるものでは
ない。

ニクロムとアルミナを別々のターゲットにいれて、実施
例２と同様にしてスパッタリングした場合にも、上剥と
同様によいコーテイング膜が得られた。

いずれの実施例の場合にも、アルミナの成分比が５〜５
０重量％の範囲内では、コーテイング膜は金属性を強く
有し、素材との密着性に優れたものとなる。

上記実施例においては、コーティングにはスパッタリン
グ法を用いた例を示したが、真空蒸着法。

イオンプレーティング法によっても可能である。

真空蒸着、イオンプレーティング共に蒸発源としてＥＢ
（電子ビーム）法を採用する場合は、一つの装置内に二
つの電子銃およびるつぼを設け、クロム（またはニクロ
ム）とアルミナとを独立に適当な蒸発速度条件のもとに
蒸着およびイオンプレーティングを行ない、成膜する。

このとき膜のアルミナの成分比が５〜５０ｍｍ％までの
範囲であるような蒸発速度条件に設定することが必要で
ある。なお１つの電子銃およびるつぼの場合には、あら
かじめ適切に設定した成分比のターゲットを入れて同時
に蒸発させてもよい。

本発明が適用される素材は、合成樹脂、金属またはセラ
ミックス等、特に制限はないが、もちろんこれら素材上
にニッケルメッキ、クロムメッキなどのメッキを施し、
その後本コーティングを実施してもよい。またこれら素
材上にあらかじめスパッタリング、真空蒸着、イオンプ
レーティングにてクロム、ニクロム、ニッケル等の金属
をコーティングし、その後連続して本コーティングを実
施してもよい。すなわち密着性向上の目的で、また特に
素材が耐食性に劣る金属である場合には、その耐食性向
上の目的も兼ねて素材と本コーテイング膜との間に、金
属またはセラミック層などの下地被膜が設けられること
もある。

コーティングに際しては、形成される膜の光学的透明性
が装飾性を損わない程度で、かつクロム。

ニクロム単体の場合とは明らかに色調の異なるように、
アルミナの成分比が決定される。最も望ましい色調は、
アルミナの成分比が５〜５０重量％の範囲である。

以　　　上

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、金属クロムとアルミナ、または金属ニクロムとアル
   ミナよりなるサーメットが表面にコーティングされてい
   ることを特徴とする黒銀色を呈する物品。 ２、上記サーメットは、アルミナの成分比が５〜５０重
   量％であることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記
   載の黒銀色を呈する物品。 ３、上記コーティングは、蒸着またはスパッタリングま
   たはイオンプレーティングのいずれかによって形成され
   たものであることを特徴とする特許請求の範囲第１項ま
   たは第２項に記載の黒銀色を呈する物品。 ４、上記部材の素材は、合成樹脂、金属またはセラミッ
   ク等からなり、この素材表面にはメッキまたはコーティ
   ング処理によってニッケル、クロム等の下地被膜が形成
   されていることを特徴とする特許請求の範囲第１項また
   は第２項に記載の黒銀色を呈する物品。