JP2716186B2 - ブロンズ色を呈する物品 - Google Patents

ブロンズ色を呈する物品

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、時計などの外装部品、建材部品、自動車部
品、眼鏡の縁、文房具、アクセサリーなどに、表面の装
飾および保護を目的としてセラミック被膜を被覆したブ
ロンズ色を呈する物品に関するものである。
[従来の技術] 従来より、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフ
ニウムなどの窒化物が金色を呈することが知られてお
り、それらの被膜を素材上に被覆することにより装飾の
他に保護膜の目的として各種装飾品や外装ケースに利用
され始めている。
また、窒化物以外にも炭化物、酸化物あるいは炭窒化
物、酸窒化物、炭酸化物、炭酸窒化物などを金色以外の
色、例えば黒色、銀黒色、銀白色、ピンク色、茶色など
の被膜として被覆することが行われている。
これらの被膜は、チタニウム、ジルコニウム、あるい
はハフニウムなどを窒素雰囲気中にて蒸着またはスパッ
タリングまたはイオンプレーティングし、対象素材上に
チタニウム、ジルコニウムあるいはハフニウムの窒化物
をコーティングするものであった。また金色以外の色を
出すためには、窒素の他に、酸素、あるいは炭素を供給
するメタン、アセチレンなどを単独であるいはそれらの
混合ガスとして窒化物以外の炭化物、酸化物あるいは炭
窒化物、酸窒化物、炭酸化物、炭酸窒化物をコーティン
グするものであった。
しかしながら、これらの公知技術において金色以外の
色を出すため、窒化物、炭化物、酸化物あるいは炭窒化
物、酸窒化物、炭酸化物、炭酸窒化物を形成する際、反
応ガスの圧力やガスの混合比が、これら被膜の色調を大
きく左右させる。このため一定の色調を再現性よく得る
ためには、反応ガスの分圧や混合比を高精度に管理する
ことが要求される。しかしそれは、工業的に大量生産す
る場合、非常に困難なことである。
[発明が解決しようとする課題] そこで本発明の目的は、コーティング時の反応ガスを
供給する際の操業条件を厳格にすることなく、再現性よ
く同一色調を得ることが可能なブロンズ色を呈する物品
を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を解決する手段として本発明は、チタン、ジ
ルコニウム、ハフニウムから選ばれる少なくとも1つの
金属窒化物中にアルミニウムを固溶させてなる被膜が、
表面に形成されている点に特徴がある。
[作用] チタン、ジルコニウム、ハフニウムから選ばれる少な
くとも1つの金属の窒化物、例えば窒化チタン中にアル
ミニウムを固溶させ、TiaAlbNの構造を持ち、かつa+
b=1となる被膜は、アルミニウムの濃度bが増えるに
したがって、窒化チタンの金色に次第に赤みがかかる、
オレンジ色に近くなる。さらにb=0.6になると、それ
に紫色が混じってくることから、赤紫色に近い色合いの
被膜が得られる。
この色合いの変化を、JIS Z8701に規定され、国際照
明委員会(略称CIE)により推奨されたXYZ表色系を用い
て表現すると次のようになる。
窒化チタンの金色は、色度図(CIEクロマトシティダ
イヤグラム)中のオレンジないしはオレンジピンク領域
に相当するが、被膜の持つ光沢のため、金色に見える。
また、該JIS規格で規定されている色度座標x、yでは
xが約0.5及びyが約0.4付近となるが、この色度座標を
厳密に特定することは困難である。なぜならば、同じ組
成の被膜であっても測定対象の表面の光沢(表面の粗
さ)により値が変化するためである。
アルミニウムの濃度bを次第に増やしてゆくと、赤み
がまし(yが減少し)、さらに濃度が増えてb=0.6に
なると紫色に近いものとなる(x、y共に減少する)。
これは、色度座標のx=0.4及びy=0.3付近の領域に相
当する。
MaAlbNの構造を持ち、a+b=1で固溶されるアルミ
ニウムの原子濃度bが0<b≦0.6の範囲である被膜の
色は、色度図中のオレンジ、ピンク及び紫がかったピン
クの領域に相当するが、該被膜は光沢を持っているた
め、見た目にはいわゆるブロンズ色を呈するものとな
る。
該被膜は、反応ガスの混合比等をコントロールして作
製するのではなく、固溶させるアルミニウムの濃度を変
えることによって色合いをコントロールしているため、
複数の蒸発源を使用したり、あるいは蒸発源の金属中の
アルミニウムの濃度を予め定めておけば、再現性よく同
一色調のブロンズ色を得ることが可能である。特に後者
のアルミニウムの濃度を予め定めた合金蒸発源を用いれ
ば、大量生産時の工程管理を大幅に簡略化することがで
きる。
また、アルミニウムの濃度bが0.6以上の被膜ではさ
らに紫色の濃さが増し、黒色に近いものが得られる。し
かしながら、もしbが0.6を越えると、アルミニウムが
窒化チタン中に完全に固溶せず、窒化チタンとは異なる
結晶構造となる。そのため被膜の機械的特性が劣化し、
硬質膜としての性質が損なわれることが考えられるので
不都合である。
本発明の被膜は、イオンプレーティング法、蒸着法、
スパッタリング法などの公知の方法を用いて製膜しても
良いが、特に強固な付着力を要求される被膜に対して
は、イオンプレーティング法が望ましい。
該被膜をイオンプレーティング法で製膜する際、蒸発
源としてチタン、ジルコニウム、ハフニウムから選ばれ
る少なくとも1種、例えばチタンおよび金属アルミニウ
ムの2つを用いるが、該金属アルミニウムのかわりにア
ルミニウムの原子濃度が50%以下のチタン、ジルコニウ
ム、ハフニウムから選ばれる少なくとも1種の元素金属
とアルミニウムの合金を用いても良い。金属の蒸発およ
びイオン化の方法は特に制限されず、金属を蒸発させる
方法は、イオンプレーティング装置に備わった公知の抵
抗加熱や電子銃加熱などのどれでも良く、蒸発した金属
のイオン化も公知のアーク放電、グロー放電、高周波放
電などのいずれでも良い。
異なる色調のブロンズ色を出すためにチタン、ジルコ
ニウム、ハフニウムから選ばれる少くとも1種の元素の
金属とアルミニウムの組成比を任意に制御する方法は、
2つの蒸発源の蒸発量を変化させても良いし、シャッタ
ーなどの遮蔽物の開閉による方法を用いても良い。
反応性ガスとしては、窒化物を生成させるための反応
性ガスで、窒素あるいはアンモニアまたはこれらの混合
ガスを用いればよく、該反応性ガスを反応容器中に導入
する。
被覆させる素材は、合成樹脂、金属またはセラミック
等何でも良く、この素材上にめっきまたはコーティング
処理によって、ニッケル、クロム等の金属被膜や、金属
の窒化物、酸化物、炭化物またはそれらの複合物の被膜
が下地として形成されていてもさしつかえない。
被覆する対象物が金属のように導電性を持つものであ
れば、基材に負のバイアス電圧を印加し、チタン、ジル
コニウム、ハフニウムから選ばれる少くとも1種の元素
の金属アルミニウムの組成比を上記方法により制御して
本発明の被膜を製膜する。また基材が導電性の無い合成
樹脂あるいはセラミックなどのようなものの場合は、基
材に高周波(RF)を印加して製膜を行うか、予め基材表
面にめっきあるいは蒸着あるいはスパッタリングによっ
てニッケル、クロム等の金属被膜や、導電性を持つセラ
ミック等を被覆してから製膜する。
これら金属被膜や、金属の窒化物、酸化物、炭化物ま
たはそらの複合物が下地として被覆されていると、耐食
性や、耐衝撃性を向上させる意味においても非常に有効
である。
以下に実施例を示し、本発明を更に説明する。
[実施例1] 17mm角、厚み2mmのステンレス鋼(SUS304)基板を鏡
面にまで研磨し、有機溶剤で洗浄した後、真空アーク放
電型イオンプレーティング装置に取付けた。
蒸発源としてはチタンターゲットと、チタンとアルミ
ニウムの原子組成比が50%ずつの合金ターゲットを用い
た。
まず真空度を1×10-5Torr以下にした後、チタンイオ
ン衝撃により、基材の洗浄、加熱を行った。次に反応ガ
スとして窒素ガスを導入して、装置内圧力を30mTorrと
した。
最も紫色に近い色調のブロンズ色の被膜を作るため
に、まずチタン・アルミニウム比が50原子%ずつのチタ
ン・アルミニウム合金ターゲットの電流値を90Aとし
て、真空アーク放電でチタンイオンとアルミニウムイオ
ンを放出させて、−300Vのバイアス電圧が印加された基
材上にTiaAlbNを15分間製膜した。
製膜した被膜のチタンとアルミニウムの組成比は、電
子線マイクロ分析装置(EPMA)により測定したところ、
a:b=0.6:0.4であった。
[実施例2] チタン・ターゲットとチタン・アルミニウム合金ター
ゲットの2つの蒸発源を使い、チタン・ターゲットの電
流値を40A、チタン・アルミニウム合金ターゲットの電
流値を80Aとした以外は、実施例1と同様に製膜した。
製膜した被膜のチタンとアルミニウムの組成比は、a:
b=0.7:0.3であった。
[実施例3] チタン・ターゲットの電流値を60A、チタン・アルミ
ニウム合金ターゲットの電流値を60Aとした以外は、実
施例2と同様に製膜した。
製膜した被膜のチタンとアルミニウムの組成比は、a:
b=0.8:0.2であった。
[実施例4] チタン・ターゲットの電流値を80A、チタン・アルミ
ニウム合金ターゲットの電流値を40Aとした以外は、実
施例2と同様に製膜した。
製膜した被膜のチタンとアルミニウムの組成比は、a:
b=0.85:0.15であった。
[比較例] 比較例として、実施例と同じ装置を使い窒素チタンを
作製した。方法は、チタン・ターゲットを用いた他は、
実施例1と同様に製膜した。
実施例1〜4で得られた被膜は、アルミニウムの原子
濃度bが増えるに従って赤みを帯びたブロンズ色から赤
紫色に近いブロンズ色を呈している。
実施例1〜4および比較例の色を表示するために、JI
S Z8701に規定されるXYZ表色系における色度座標x、y
を用いた。
該JIS規格によるカラーテスターにより各試料の色度
座標x、yを測定したところ、第1表の数値が得られ
た。
求められた色度座標x、yを該JIS規格に付図されて
いる色度図にプロットしたものが、第1図である。図中
の黒丸1〜4が実施例1〜4に対応し、黒丸5が比較例
のTiNを表す。
[発明の効果] 以上のように本発明のブロンズ色を呈する物品は、コ
ーティング時の混合ガスを供給する際の操業条件を厳格
にする必要はなく、再現性よく同一色調を得ることがで
き、工業的に低コストで大量生産するのに極めて好適で
ある。
しかも、その色調は被膜中に固溶させるアルミニウム
の濃度により決定することができ、その濃度をコントロ
ールすることは、蒸発源であるターゲット組成を変えれ
ば良いため、極めて容易である。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明の実施例に関するものであって、第1図
は、本発明の被膜のチタンとアルミニウムの濃度比を変
えた実施例1〜4と、比較例としての窒化チタンの色度
図である。これは、JIS Z8701に規定されている色の表
示方法である。 横軸及び縦軸は、色度座標x、yである。波長目盛りの
付いている曲線は、スペクトル軌跡であって、スペクト
ル軌跡の両端を結ぶ直線は、純紫軌跡である。測定され
た光の波長により色が定められ、図中の表示は、赤、
黄、緑、青、紫等の主な色の領域の位置を示している。 なお、点A、B、C及びD65は、標準の光A、B、C及
びD65(JIS Z8720)の色度座標を表し、D65は白色の色
度座標である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタン窒化物中にアルミニウムを固溶させ
    た被膜が表面に形成され、被膜の組成TiaAlbNにおい
    て、a+b=1であり、aおよびbの組成比を0<b≦
    0.6の範囲内で変化させることを特徴とするブロンズ色
    を呈する物品。
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