JPS6359123B2

JPS6359123B2 -

Info

Publication number: JPS6359123B2
Application number: JP55124428A
Authority: JP
Priority date: 1980-09-08
Filing date: 1980-09-08
Publication date: 1988-11-17
Also published as: JPS5748712A

Description

【発明の詳細な説明】本発明はコンタクトレンズに付着した汚れの除
去に有用な洗浄剤に関する。

コンタクトレンズには、ハードコンタクトレン
ズ、ソフトコンタクトレンズ、シリコーンコンタ
クトレンズなどがあるが、近年これらの普及に伴
い、その装用者は増大の一途をたどつている。そ
れとともにレンズの汚れの問題がクローズアツプ
されてきている。レンズの汚れは涙液中に含まれ
る蛋白質、脂質あるいは化粧品、手指からの汚れ
などが単独ではなく複雑にからまりあつてコンタ
クトレンズに付着することにより起こる。その結
果、レンズが使用不能となるばかりではなく、眼
の角膜等に損傷を与える結果ともなつている。こ
の汚れを除去するために従来は界面活性剤を主成
分としたクリーナーでレンズ表面の脂質あるいは
化粧品その他による汚れを除去する方法、あるい
は酵素を利用して蛋白質、脂質等の涙液に由来す
る汚れを分解除去する方法等が用いられてきた。
更には上記方法をより有効にするため指でこすり
落すという機械的な方法も併用されているのが現
状である。しかしながら、これらの方法の単独で
は完全に汚れを除去することは困難であり、又、
これらの方法を併用することはコンタクトレンズ
装用者にとつて非常に面倒なことである。更に指
でこすり落すという方法はレンズに損傷を与えて
しまう危険がある。

本発明者らは上記のことに鑑み鋭意研究の結
果、これらの作用を同時に、かつ有効に行ない得
るコンタクトレンズ洗浄剤を見出し本発明に到達
した。従つて、本発明の目的はコンタクトレンズ
装用者にとつて簡便で、より有効なコンタクトレ
ンズ洗浄剤を提供することである。

即ち、本発明は、重炭酸ナトリウム、該重炭酸
ナトリウムを発泡せしめるに足る量の有機あるい
は無機酸、又はその酸性塩、酵素、及び非イオン
界面活性剤を含有してなる、洗浄用精製水中に投
入使用するためのコンタクトレンズ洗浄剤に関す
るものである。

本発明によるコンタクトレンズ洗浄剤を使用す
れば、コンタクトレンズを精製水中に洗浄剤と同
時に浸漬するだけで簡単にレンズに付着した汚れ
を手指でこすることなく除去することができる。
浸漬時間は30分〜６時間で十分である。

本発明で使用する有機あるいは無機酸、又はそ
の酸性塩としては、アスコルビン酸、クエン酸、
ホウ酸、第一リン酸カリウム、第一リン酸ナトリ
ウム等があり、特に第一リン酸カリウム及び／又
はクエン酸を、重炭酸ナトリウム重量の約半分量
で使用するのが好ましい。

本発明で使用する重炭酸ナトリウムの割合は、
約10重量％〜約70重量％、好ましくは約30重量％
〜約50重量％である。

本発明で使用し得る界面活性剤は、粉末又はフ
レーク状の非イオン界面活性剤であり、例えばポ
リオキシエチレンモノステアレート、ソルビタン
モノパルミテート、ソルビタンモノステアレー
ト、オキシエチレンオキシプロピレンブロツクポ
リマー、グリセロールモノステアレート、ポリオ
キシエチレンジステアレート等が挙げられる。こ
れらはいずれも商業的に入手し得るものである。
特にオキシエチレンオキシプロピレンブロツクポ
リマーは平均分子量10000の高分子界面活性剤で
あるためソフトコンタクトレンズへの取り込みが
極めて少ないものである。界面活性剤の量は約１
重量％〜約30重量％であり、好ましくは約５重量
％〜約10重量％である。

本発明で使用する酵素は蛋白分解酵素、脂肪分
解酵素、ムコ多糖類分解酵素、リン脂質分解酵素
である。蛋白分解酵素はプロテアーゼ、パパイン
等であり、脂肪分解酵素はリパーゼ等であり、ム
コ多糖類分解酵素はヒアルロニダーゼ等であり、
リン脂質分解酵素はレシチナーゼ等である。酵素
の量はこれらの合計で約0.1重量％〜約10重量％
であり、好ましくは約0.5重量％〜約２重量％で
ある。

これらを錠剤あるいは顆粒剤のような単位投与
量形態とし、規定量の精製水に投入して使用され
る。なお、本発明洗浄剤にPH調整剤、等張化剤、
キレート剤、殺菌剤、賦形剤及び結合剤を含有し
てもさしつかえない。

以下に実施例を挙げて本発明を説明する。

実施例１重炭酸ナトリウム60重量％、アスコルビン酸30
重量％、プロテアーゼ１重量％、リパーゼ１重量
％、ポリオキシエチレンモノステアレート８重量
％の割合で全量を１ｇの錠剤とし精製水100ml中
に投入した。同時に人工的にアルブミン、リゾチ
ーム、豚脂で汚染したソフトコンタクトレンズ１
枚を入れ約１時間経過後レンズを生理食塩水中に
置きかえたところ、人工的な汚れは除去され清浄
なレンズが得られた。

実施例２重炭酸ナトリウム60重量％、クエン酸30重量
％、プロテアーゼ１重量％、リパーゼ0.6重量％、
ヒアルロニダーゼ0.2重量％、レシチナーゼ0.2重
量％、オキシエチレンオキシプロピレンブロツク
ポリマー８重量％の割合で全量を１ｇの錠剤とし
精製水100ml中に投入した。同時にヒトに装着さ
れて肉眼で判定できる汚れの付着したソフトコン
タクトレンズ１枚を入れ約５時間経過後レンズを
生理食塩水中に置きかえたところ、肉眼で判定で
きる汚れは消失し清浄なレンズが得られた。

実施例３重炭酸ナトリウム50重量％、第一リン酸カリウ
ム10重量％、クエン酸20重量％、プロテアーゼ１
重量％、リパーゼ１重量％、オキシエチレンオキ
シプロピレンブロツクポリマー18重量％の割合で
錠剤とし、人工的にリゾチーム、豚脂で汚染した
ハードコンタクトレンズ１枚を使用して実施例１
と同様に処理したところ、人工的な汚れは除去さ
れ清浄なレンズが得られた。

実施例４重炭酸ナトリウム50重量％、クエン酸30重量
％、プロテアーゼ１重量％、リパーゼ１重量％、
ポリオキシエチレンジステアレート18重量％の割
合で顆粒剤とし、人工的にリゾチーム、豚脂で汚
染したシリコーンコンタクトレンズ１枚を使用し
て実施例１と同様に処理したところ、清浄なレン
ズが得られた。

Claims

【特許請求の範囲】

１重炭酸ナトリウム、該重炭酸ナトリウムを発
泡せしめるに足る量の有機あるいは無機酸、又は
その酸性塩、酵素、及び非イオン界面活性剤を含
有してなる、洗浄用精製水中に投入使用するため
のコンタクトレンズ洗浄剤。