JP3402675B2 - コンタクトレンズ用溶剤 - Google Patents

コンタクトレンズ用溶剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンタクトレンズによ
る眼の炎症を防止するのに有用であるコンタクトレンズ
用剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンタクトレンズには、主成分がメチル
メタクリレートから成るハードコンタクトレンズ、シロ
キサニルメタクリレートあるいはフルオロシロキサニル
メタクリレートから成る高酸素透過性ハードコンタクト
レンズ、2−ヒドロキシエチルメタクリレートから成る
ソフトコンタクトレンズが広く利用されており、さらに
生体への適合性の向上、酸素透過性の向上、含水率の向
上を目指し開発が進められている。これらの開発はコン
タクトレンズの眼に対する障害等の低減に大きく貢献す
るが、しかしながらこれらは満足できるレベルには達し
ておらず、レンズデザイン、処方の影響も受けて実際に
はハードコンタクトレンズでは3時9時ステイン、軽度
の角膜剥離等が多く認められる。ソフトコンタクトレン
ズでは汚れの蓄積、異物の付着等により角膜の傷、炎症
の発生が認められる。これらはほとんどの場合軽度の障
害であり、2、3日間コンタクトレンズを外すことで自
然治癒してしまう。
【0003】眼障害を防止するためにコンタクトレンズ
の洗浄あるいは消毒を行なう必要があり、実際のコンタ
クトレンズの洗浄には界面活性剤を主成分とする洗浄剤
で擦り洗い、または浸漬洗浄によってコンタクトレンズ
表面上のタンパク質汚れや脂質汚れを乳化・分散させて
いる。また、固着した汚れには研磨剤入り洗浄剤で擦り
洗浄しており、キズの発生防止、洗浄性の向上、親水性
の付与のためにカルボキシメチルセルロ−ス、メチルセ
ルロース、アルギン酸等の増粘剤を添加している。例え
ば、特開昭55−115497号公報、特開昭57−1
86733号公報、特開昭61−61127号公報、特
開昭56−6215号公報、特開昭62−242916
号公報等に開示されている。さらには、酵素を用いた洗
浄方法も多く用いられその有用性が確認されており、酵
素としてはプロテアーゼ、リパーゼ、ムチン分解酵素、
リゾチーム等が利用されている。例えば、特公昭53−
47810号公報には、有効量の蛋白分解酵素を含有す
る組成物による洗浄方法及びパパイン等の特定の蛋白分
解酵素からなる洗浄剤が開示されている。特開昭62−
913号公報には、アミラーゼやセルラーゼ等の特定酵
素と尿素、アミノ酸等の活性化剤とからなる洗浄剤が開
示されている。特開昭53−125412号公報にはリ
パーゼを用いた洗浄剤が開示されている。その他に酸化
剤の様な化学処理を用いた洗浄剤として特開平1−32
962号公報には次亜塩素酸ソーダを用いた洗浄剤が開
示されている。また、カルシウムや鉄等を取り除くため
にEDTA−2Naやクエン酸の様な金属キレート剤、
微生物汚染防止のためにソルビン酸や塩化ベンザルコニ
ウムの様な殺菌・防腐剤、浸透圧調整のために塩化ナト
リウムの様な無機塩、適正pHの維持のためにクエン酸
とその塩の様なpH緩衝剤を一成分として含有してい
る。これらの洗浄剤・保存洗浄剤はいずれも、コンタク
トレンズの汚れ除去には有用であり、これらを用いるこ
とで適正なレンズ管理を行い、眼障害発生防止が期待で
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、3時9
時ステイン、軽度の角膜剥離、角膜の傷、炎症の発生を
完全に防ぐことは非常に困難であり、汚れ、異物の付着
等による2次的な眼障害が不適切なコンタクトレンズ管
理によって認められる。また、軽度な眼障害であれば、
2、3日間コンタクトレンズを外すことで自然治癒する
が、眼障害があるにも係わらずコンタクトレンズを装用
し続けた場合、重度な角膜障害や細菌感染を誘発し最悪
な場合は失明に至ることもあり、適切な早期防止策や指
導が必要である。また、コンタクトレンズの洗浄後のす
すぎ不足によってコンタクトレンズに残存した洗浄剤中
の界面活性剤、防腐剤等によって眼刺激、アレルギー、
細胞障害等の眼障害が生じることもあり適切な早期防止
策、日常に於ける防止策、指導が必要である。そこで、
本発明は、これらの問題点を解決することを課題として
鋭意研究を行い到達したものである。即ち、本発明の目
的は、洗浄及び保存の段階で抗炎症成分と接触させるこ
とでコンタクトレンズに微量の抗炎症成分を担持させ、
未然に眼障害防止が可能なコンタクトレンズ用溶剤を提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、天然生薬甘草
の成分であるグリチルリチン酸及びその塩、又はグリチ
ルリチン酸より誘導されるグリチルレチン酸及びその誘
導体をコンタクトレンズ用洗浄剤、洗浄保存剤、保存剤
等のコンタクトレンズ用溶剤の一成分として用いること
で本目的が達成されることを見いだした。本発明はこの
様な知見に基づいて完成したものであり、 (1)グリチルリチン酸またはその塩及びグリチルレチ
ン酸またはその誘導体からなる群より選択された少なく
とも1種を含有するコンタクトレンズケア用溶剤(但
し、2”−O−グルコシルイソビテキシンを含むものを
除く)、 (2)グリチルリチン酸の塩が、グリチルリチン酸モノ
カリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチ
ン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸ジナトリウ
ム、グリチルリチン酸銀、グリチルリチン酸モノエタノ
ールアミン及びグリチルリチン酸ジエタノールアミンか
らなる群より選択された少なくとも1種である前記
(1)記載のコンタクトレンズケア用溶剤、 (3)グリチルレチン酸の誘導体が、グリチルレチン酸
グリセリル、グリチルレチン酸ソルビタン、グリチルレ
チン酸エタノールアミド及びグリチルレチン酸エステル
からなる群より選択された少なくとも1種である、前記
(1)記載のコンタクトレンズケア用溶剤 (4)グリチルリチン酸またはその塩及びグリチルレチ
ン酸またはその誘導体からなる群より選択された少なく
とも1種を約0.01〜3重量%含有する前記(1)〜
(3)いずれか記載のコンタクトレンズケア用溶剤、 (5)さらに、界面活性剤、金属キレート剤及び無機塩
からなる群より選択された少なくとも1種を含有する前
記(1)〜(4)いずれか記載のコンタクトレンズケア
用溶剤、 (6)コンタクトレンズ用洗浄剤、洗浄保存剤、又は保
存剤として使用される前記(1)〜(5)いずれか記載
のコンタクトレンズケア用溶剤、 (7)眼障害の低減あるいは防止のための、前記(1)
〜(6)いずれか記載のコンタクトレンズケア用溶剤 (8)眼障害が眼の炎症又はアレルギーである前記
(7)記載のコンタクトレンズケア用溶剤、 (9) グリチルリチン酸またはその塩及びグリチルレ
チン酸またはその誘導体からなる群より選択された少な
くとも1種を用いる、コンタクトレンズの洗浄及び/又
は保存の方法、を要旨とするものである。
【0006】以下本発明を具体的に説明すると、本発明
に用いられるグリチルリチン酸及びその塩、グリチルレ
チン酸及びその誘導体は生薬の甘草に含まれる成分であ
り、その薬理作用は優れた抗炎症、抗アレルギー、解
毒、抗コルチコイド、脱コレストロール、抗消化性潰瘍
作用を持ちさらにその副作用がないという特徴を持つ。
【0007】甘草そのものは、古代中国の東洋医学薬学
総論書である「傷寒論」等に記載されており漢方療法上
重要な生薬の一つで、安全性については千年以上の歴史
がある。甘草の主成分であるグリチルリチン酸及びその
塩、及びグリチルリチン酸から誘導されるグリチルレチ
ン酸及びその誘導体は西洋薬学上でも重要であり、各種
炎症、アレルギー等に対してその治療薬として広く用い
られている。例えば医薬品としては、「ノイボルミチ
ン」(参天製薬株式会社製)、「アルガード」(ロート
製薬株式会社製)、「クリーンアイ」(中央薬品株式会
社製)等の点眼剤、「グリチロン」(ミノファーゲン本
舗株式会社製)、「強力ミノファーゲン」(ミノファー
ゲン本舗株式会社製)等の解毒肝機能改善剤、「小青竜
湯」(カネボウ薬品株式会社製)、「桔梗湯」(カネボ
ウ薬品株式会社製)、「黄連湯」(カネボウ薬品株式会
社製)等の漢方薬の主成分として配合されている。
【0008】本発明では、グリチルリチン酸及びその
塩、及びグリチルリチン酸から誘導されるグリチルレチ
ン酸及びその誘導体をコンタクトレンズ洗浄剤、洗浄保
存剤、保存剤の一成分として添加することで、炎症、ア
レルギーの発生を防止しようとするものである。要する
にコンタクトレンズの素材特性を利用して、これらの抗
炎症、抗アレルギー成分が可逆的にコンタクトレンズ表
面に吸着し、このコンタクトレンズを装用することで涙
液によって徐々に抗炎症、抗アレルギー成分が脱離しそ
の効果を示すものである。本発明ではコンタクトレンズ
用溶剤中に約0.01〜3重量%含むことが好ましく、
少なすぎると効果が得られず、多すぎるとコンタクトレ
ンズ形状に対して影響を与えるため好ましくない。
【0009】本発明に用いられるグリチルリチン酸及び
その塩としては、例えばグリチルリチン酸、グリチルリ
チン酸モノカリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、グ
リチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸ジ
ナトリウム、グリチルリチン酸銀、グリチルリチン酸モ
ノエタノールアミン、グリチルリチン酸ジエタノールア
ミン等が挙げられる。グリチルレチン酸及びその誘導体
としては、例えばグリチルレチン酸、グリチルレチン酸
グリセリル、グリチルレチン酸ソルビタン、グリチルレ
チン酸エタノールアミド、グリチルレチン酸エチルエス
テル、グリチルレチン酸プロピルエステル等が挙げられ
る。
【0010】本発明のグリチルリチン酸及びその塩は、
疎水性のトリテルペノイド系化合物と親水性のグルクロ
ン酸(二糖類)がエーテル結合で結合した化合物である
ため、疎水領域と親水領域を有して界面活性剤としての
作用も持ち汚れ類を乳化、分散する。即ち、本発明のグ
リチルリチン酸及びその塩をコンタクトレンズ用溶剤に
加えることで抗炎症、抗アレルギー等の作用の他に、洗
浄作用も合わせ持つという特徴を備えている。これは特
に保存液に加えてある場合有効で、コンタクトレンズを
洗浄後保存液中に保存するが、汚れを洗い残したような
場合に保存中に残りの汚れを乳化、分散洗浄することが
でき、より適切なコンタクトレンズケアができる。
【0011】本発明のコンタクトレンズ用溶剤は、上記
成分以外に従来公知の成分を含むことができる。即ち洗
浄作用を有しタンパク質、脂質、多糖汚れを効率よく乳
化分散除去する界面活性剤例えば、ポリオキシエチレン
(5)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
(10)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
(10)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ン(15)オクチルフェニルエーテル、ラウリル硫酸ナ
トリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエ
タノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、セチル硫
酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、ミリスチル
硫酸ナトリウム、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナト
リウム、ポリオキシエチレン(4)ノニルフェニルエー
テル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン
(4)ノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオ
キシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム、
ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸トリエ
タノールアミン、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエ
ーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレン(3)ラ
ウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
(4)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエ
チレン(3)ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミ
ン、ポリオキシエチレン(3)セチルエーテル硫酸ナト
リウム、グリセリルモノステアレート、デカグリセリル
モノミリステート、ポリオキシエチレン(20)ソルビ
タンモノステアレート、ポリオキシエチレン(60)硬
化ヒマシ油、ラウロイルサルコシンナトリウム、N−コ
コイルメチルタウリンナトリウム、ポリオキシエチレン
(6)アルキルエーテル酢酸ナトリウム等が挙げられ
る。通常これら界面活性剤は0.1〜20%を含有す
る。
【0012】その他にカルシウムイオンや鉄イオン等の
金属イオンをキレートして取り除くことができるEDT
A−2Naやクエン酸等の金属キレート剤、涙液と同じ
液性を保つためのリン酸とその塩やホウ酸とその塩等の
pH緩衝剤、涙液と同じ浸透圧を保つための塩化ナトリ
ウムや塩化カリウム等の無機塩、洗浄性を向上させるた
めのヒドロキシエチルセルロースやアルギン酸等の増粘
剤、酸素や紫外線による酸化劣化を防ぐための酢酸トコ
フェロールやアスコルビン酸リン酸エステルマグネシウ
ム塩等の抗酸化剤、微生物汚染を防ぐための塩化ベンザ
ルコニウムやソルビン酸等の防腐・殺菌剤等を含むこと
ができる。また、より洗浄力を得るために蛋白分解酵
素、脂質分解酵素、多糖類分解酵素を含ませる、あるい
は使用時に別途添加することができる。
【0013】本発明のコンタクトレンズ用溶剤は、以上
のようにして得られた抗炎症、抗アレルギー等の作用を
持つ成分を含むため、コンタクトレンズによる炎症、ア
レルギー等の障害を低減あるいは未然に防止することが
できる。
【0014】
【作用】本発明のコンタクトレンズ用溶剤による抗炎
症、抗アレルギー等の効果は、本発明の成分が可逆的に
コンタクトレンズ表面に吸着し、このコンタクトレンズ
を装用することで涙液によって徐々に本発明の成分が脱
離しその効果を示すものである。
【0015】
【実施例】以下実施例により具体的に説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0016】(実施例1) リン酸一水素ナトリウム 100 mg リン酸二水素ナトリウム 150 mg 塩化ナトリウム 500 mg EDTA−2Na 50 mg ヒドロキシエチルセルロ−ス 100 mg グリチルリチン酸ジカリウム 100 mg 上記成分に蒸留水を加えて乳化溶解後、全量を100m
lとしコンタクトレンズ用保存剤を得た。この液につい
てコンタクトレンズのベースカーブ変化、グリチルリチ
ン酸ジカリウムの吸着量、家兎装用試験について評価し
た。
【0017】<評価基準> (a)コンタクトレンズのべースカーブ変化試験 セイコーハードEX1(セイコーコンタクトレンズ株式
会社)を本実施例の保存液中に室温で30日間保存した
後に水道水で軽くすすぎ、ベースカーブ変化を市販のラ
ジアスコープ計にて測定した。その結果、浸漬前では
7.81mmであったのに対し浸漬後では7.80mm
であり、変化は非常に少なく良好な安定性を示した。ま
た、変色変形も認められなかった。
【0018】(b)グリチルリチン酸ジカリウムの吸着
量 セイコーハードEX1(セイコーコンタクトレンズ株式
会社)100枚を本実施例の保存液中に25℃で12時
間保存した後に精製水で軽くすすぎ、50重量%エタノ
ール溶液5mlで抽出した。抽出液の溶媒をエバポレー
トして残存グリチルリチン酸ジカリウムを得た。これに
50重量%エタノール溶液2.0mlを加え溶解後、化
粧品原料基準第二版注解グリチルリチン酸ジカリウムの
定量法を用いて定量した。その結果、セイコーハードE
X1の1枚当りの吸着残存量は約0.5μg/枚であっ
た。
【0019】(c)家兎装用試験 瞬膜切除20日後の異常の認められない9週齢の日本白
色種雄ウサギを用いて、本実施例の保存液で16時間保
存したセイコーハードEX1(セイコーコンタクトレン
ズ株式会社)をウサギ右眼に装用した。同様に対照とし
て左眼にはセイコーハード用保存液(セイコーコンタク
トレンズ株式会社)で処理したセイコーハードEX1を
装用した(比較例1)。尚、角膜に対する軽度の損傷を
人工的に誘発させるためにコンタクトレンズのベースカ
ーブを0.1mmスティープに設定した。1日8時間装
用及び16時間保存した。7日間の装用後スリットラン
プを用いて観察したところ、本実施例の保存液で処理し
たコンタクトレンズを装用した右眼では異常は認められ
なかったのに対し、左眼では角膜周辺部に明かな充血及
び軽微の角膜上皮障害が認められた。
【0020】(実施例2) ホウ酸 100 mg ホウ砂 50 mg 塩化ナトリウム 650 mg EDTA−2Na 50 mg ヒドロキシエチルセルロ−ス 200 mg グリチルリチン酸 20 mg 上記成分に蒸留水を加えて乳化溶解後、全量を100m
lとしコンタクトレンズ用保存剤を得た。この液につい
て実施例1と同様にコンタクトレンズのベースカーブ変
化試験を行ったが、浸漬前が8.12mmに対して浸漬
後は8.10mmであり良好な安定性を示した。またグ
リチルリチン酸の吸着量は約0.21μg/枚であっ
た。
【0021】(実施例3) ホウ酸 180 mg ホウ砂 40 mg 塩化ナトリウム 570 mg EDTA−2Na 100 mg アルギン酸ナトリウム 30 mg グリチルレチン酸グリセリル 60 mg ポリオキシエチレン(5)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド300 mg 上記成分に蒸留水を加えて乳化溶解後、全量を100m
lとしコンタクトレンズ用洗浄保存剤を得た。この液に
ついて実施例1と同様にコンタクトレンズのベースカー
ブ変化試験を行ったが、浸漬前が7.85mmに対して
浸漬後は7.84mmであり良好な安定性を示した。ま
たグリチルレチン酸グリセリルの吸着量は約0.82μ
g/枚であった。
【0022】(実施例4) ホウ酸 180 mg ホウ砂 40 mg 塩化ナトリウム 590 mg EDTA−2Na 50 mg グリチルレチン酸グリセリル 200 mg ポリオキシエチレン(5)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド200 mg 上記成分に蒸留水を加えて溶解後、全量を100mlと
しコンタクトレンズ用洗浄保存剤を得た。この液につい
て実施例1と同様にコンタクトレンズのベースカーブ変
化試験を行ったが、浸漬前が7.75mmに対して浸漬
後は7.76mmであり良好な安定性を示した。またグ
リチルレチン酸グリセリルの吸着量は約0.88μg/
枚であった。
【0023】(実施例5) ホウ酸 180 mg ホウ砂 40 mg 塩化ナトリウム 500 mg EDTA−2Na 50 mg アルギン酸ナトリウム 30 mg グリチルリチン酸モノアンモニウム 1000 mg ポリオキシエチレン(10)セチル硫酸ナトリウム 300 mg 上記成分に蒸留水を加えて乳化溶解後、全量を100m
lとしコンタクトレンズ用洗浄剤を得た。この液につい
て実施例1と同様にコンタクトレンズのベースカーブ変
化試験を行ったが、浸漬前が7.77mmに対して浸漬
後は7.76mmであり良好な安定性を示した。またグ
リチルリチン酸モノアンモニウムの吸着量は約1.41
μg/枚であった。
【0024】(実施例6) ホウ酸 180 mg ホウ砂 40 mg 塩化ナトリウム 500 mg EDTA−2Na 50 mg グリチルリチン酸ジカリウム 400 mg 上記成分に蒸留水を加えて溶解後、全量を100mlと
しコンタクトレンズ用保存剤を得た。この液に人工的に
牛血清グロブリンを薄膜状に付着させたセイコーハード
EX1を12時間浸漬、すすぎ洗浄後1重量%のエリス
ロシン染色液で染色した。その結果、コンタクトレンズ
表面の約80%は染色されずに良好な洗浄性を示した。
【0025】(比較例1)実施例1の(C)家兎装用試
験の対照。
【0026】(比較例2) ホウ酸 100 mg ホウ砂 50 mg 塩化ナトリウム 650 mg EDTA−2Na 50 mg ヒドロキシエチルセルロ−ス 200 mg グリチルレチン酸グリセリル 3500 mg 上記成分に蒸留水を加えて乳化溶解処理したが、完全に
溶解せずに白色懸濁液であった。この液について実施例
1と同様にコンタクトレンズのベースカーブ変化試験を
行ったが、浸漬前が7.75mmに対して浸漬後は7.
57mmであり変化量が大きく好ましくなかった。
【0027】(比較例3) ホウ酸 180 mg ホウ砂 40 mg 塩化ナトリウム 500 mg EDTA−2Na 50 mg 上記成分に蒸留水を加えて溶解後、全量を100mlと
しコンタクトレンズ用保存剤を得た。この液に人工的に
牛血清グロブリンを薄膜状に付着させたセイコーハード
EX1を12時間浸漬、すすぎ洗浄後1重量%のエリス
ロシン染色液で染色した。その結果、コンタクトレンズ
表面の約95%以上が赤色に染色され、洗浄性は認めら
れなかった。
【0028】
【発明の効果】本発明のコンタクトレンズ用溶剤は、抗
炎症、抗アレルギー等の作用を持つ成分を含むため、コ
ンタクトレンズによる炎症、アレルギー等の障害を低減
あるいは未然防止することができる。また、界面活性作
用を有しているため洗浄効果も期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−306250(JP,A) 特開 平6−227988(JP,A) 特開 平5−139955(JP,A) 日本化粧品技術者会誌,1983年,第17 巻,第1号,p.14−18 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11D 3/22 C11D 17/00 G02C 13/00 特許ファイル(PATOLIS) JICSTファイル(JOIS)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリチルリチン酸またはその塩及びグリ
    チルレチン酸またはその誘導体からなる群より選択され
    た少なくとも1種を含有するコンタクトレンズケア用溶
    (但し、2”−O−グルコシルイソビテキシンを含む
    ものを除く)
  2. 【請求項2】 グリチルリチン酸の塩が、グリチルリチ
    ン酸モノカリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、グリ
    チルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸ジナ
    トリウム、グリチルリチン酸銀、グリチルリチン酸モノ
    エタノールアミン及びグリチルリチン酸ジエタノールア
    ミンからなる群より選択された少なくとも1種である請
    求項記載のコンタクトレンズケア用溶剤。
  3. 【請求項3】 グリチルレチン酸の誘導体が、グリチル
    レチン酸グリセリル、グリチルレチン酸ソルビタン、グ
    リチルレチン酸エタノールアミド及びグリチルレチン酸
    エステルからなる群より選択された少なくとも1種であ
    る請求項記載のコンタクトレンズケア用溶剤。
  4. 【請求項4】 グリチルリチン酸またはその塩及びグリ
    チルレチン酸またはその誘導体からなる群より選択され
    た少なくとも1種を約0.01〜3重量%含有する請求
    項1〜いずれか記載のコンタクトレンズケア用溶剤。
  5. 【請求項5】 さらに、界面活性剤、金属キレート剤及
    び無機塩からなる群より選択された少なくとも1種を含
    有する請求項1〜いずれか記載のコンタクトレンズ
    用溶剤。
  6. 【請求項6】 コンタクトレンズ用洗浄剤、洗浄保存
    剤、又は保存剤として使用される請求項1〜いずれか
    記載のコンタクトレンズケア用溶剤。
  7. 【請求項7】 眼障害の低減あるいは防止のための、
    求項1〜6いずれか記載のコンタクトレンズケア用溶
  8. 【請求項8】 眼障害が眼の炎症又はアレルギーである
    請求項7記載のコンタクトレンズケア用溶剤。
  9. 【請求項9】 グリチルリチン酸またはその塩及びグリ
    チルレチン酸またはその誘導体からなる群より選択され
    た少なくとも1種を用いる、コンタクトレンズの洗浄
    び/又は保存の方法。
JP19369593A 1993-08-04 1993-08-04 コンタクトレンズ用溶剤 Expired - Fee Related JP3402675B2 (ja)

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