JPS635486B2 - - Google Patents

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JPS635486B2
JPS635486B2 JP60116804A JP11680485A JPS635486B2 JP S635486 B2 JPS635486 B2 JP S635486B2 JP 60116804 A JP60116804 A JP 60116804A JP 11680485 A JP11680485 A JP 11680485A JP S635486 B2 JPS635486 B2 JP S635486B2
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JP
Japan
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yarn
yarns
cellulose
viscose rayon
single yarns
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JP60116804A
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JPS61282414A (ja
Inventor
Hideo Tsutsumiuchi
Shoichi Itani
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP11680485A priority Critical patent/JPS61282414A/ja
Publication of JPS61282414A publication Critical patent/JPS61282414A/ja
Publication of JPS635486B2 publication Critical patent/JPS635486B2/ja
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D02YARNS; MECHANICAL FINISHING OF YARNS OR ROPES; WARPING OR BEAMING
    • D02GCRIMPING OR CURLING FIBRES, FILAMENTS, THREADS, OR YARNS; YARNS OR THREADS
    • D02G3/00Yarns or threads, e.g. fancy yarns; Processes or apparatus for the production thereof, not otherwise provided for
    • D02G3/22Yarns or threads characterised by constructional features, e.g. blending, filament/fibre
    • D02G3/40Yarns in which fibres are united by adhesives; Impregnated yarns or threads

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、多数の単糸からなる実質上無撚のビ
スコースレーヨン糸条に関する。とりわけ、無杼
織機で製織する際の緯糸に用いた場合、工程性能
が良く、かつ織物の欠点が少なく、風合の良好な
織物を得ることができる実質上無撚の織物用ビス
コースレーヨン糸条に適する。 〔従来の技術〕 ビスコースレーヨン糸は強度が低く、切れ易い
ために、これを補う目的で撚が加えられている。
この有撚糸は、ケークやパーンの形態で供給され
ているが、ケークは中空円筒状の不安定な巻形状
であり、パーンは肩部が不均一な巻形状をとるた
め、糸を解舒する際の解舒テンシヨンが不均一と
なり、後加工工程で切糸が発生し易く、糸が部分
的に伸長された場合には最終製品において異常光
沢部或いは、異染部として残る等の欠点があつ
た。この欠点は、特に高速解舒に際し顕著に現わ
れ、サイジング、管巻、製織等の織物製造工程に
おける高速化の大きな阻害原因となつている。 また、有撚糸の生産には、高速回転のポツトや
リング撚糸機が用いられ、回転のための大きな電
気エネルギーが消費されるばかりか、回転体の故
障に伴なう保全等に余計な労力が強いられるとい
う問題点があつた。 一方、製織技術の面において、フライ織機を代
表とする有杼織機から、いわゆる革新織機と呼ば
れる高速の無杼織機への転換が急速に進行しつつ
あり、ビスコースレーヨン糸においても空気噴射
式織機(エアジエツトルーム)で代表される無杼
織機の使用による生産性の向上、所要織機台数の
低減、電子制御による省力化、無停止化に伴なう
品質向上、発生騒音の低減等の改善が図られつつ
ある。 有撚糸を無杼織機に用いる場合、ケークは解舒
性が悪いため、パーンが使用されているが、パー
ンの肩部から糸条を解舒する際に、ストレート部
及び上肩部に解舒糸条が接触して上肩部の糸を集
団で引つ掛ける、いわゆる連れ出しが発生し易
い。この傾向は高速化によつて益々顕著になる。
また、解舒テンシヨンが高過ぎて飛走糸条が織物
の端にとどかず途中で停滞するシヨートピツクに
よる停台が多発する。 これらの問題点を解決すべく、集束性を高めた
無撚ビスコースレーヨン糸を供給しようとする試
みが知られている。 例えば、特公昭47−26447号公報には、ビスコ
ースを紡糸初期の分解度が低い間に糸道でしご
き、構成単糸の10%〜40%を互いに部分的に密着
させる方法が開示されている。この方法では、単
糸外周に形成されつつあるスキン層が末だ固つて
いない状態でしごくため、単糸同志が凝固密着を
起こし、密着した単糸間の境界領域が消失して一
体化する。このような糸条は製織等の後加工工程
で糸に張力がかかると、密着部分が裂断して毛羽
や単糸切断を引き起こす。また、精練、染色等の
工程を経ても単糸が分離し難く、製品にした場
合、柔軟性がなく、硬くごわごわした風合になる
等の欠点を有する。 フイルム形成能があつて接着力のある異種ポリ
マーで糸条を被覆した、いわゆる糊付糸を供給す
る試みもあるが、硬くて本来の柔軟性がなく、極
く限定された用途にしか使用できない。異種ポリ
マーの被覆量を軽減した糸も試みられたが、被覆
斑が発生するという問題点をもつ。 糊付糸を無杼織機に用いた場合、緯糸打込時の
走行安定性が低く搬送途中で交錯する経糸に絡む
シヨートピツクや、先端もつれ等が発生して織機
の停台回数の増加、節や毛羽の発生による織物品
位の低下を招くのみならず、高速化に際して多大
のエネルギーを消費する。とりわけ、空気噴射式
織機では、緯糸打込み時並びに搬送時に多大の空
気量及び空気圧を必要とし、高速化には極めて不
適である。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明の目的は、原糸製造工程並びに後加工工
程における単糸の切断や毛羽の発生が極めて少な
く、製品にした時に柔軟で、風合の低下や品位の
低下のないビスコースレーヨン糸条を提供するに
ある。 更に、エアージエツトルームをはじめとする無
杼織機による製織工程での高速化に際して高度の
省エネルギー化を図ることができるビスコースレ
ーヨン糸条を提供するにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、実質上無撚の糸条であつて、糸条を
構成する各単糸はスキン・コア構造を維持した状
態で糸長方向において他の単糸と相互に低重合度
セルロースを介して断続的に接合された領域を有
することを特徴とするビスコースレーヨン糸条、
並びに上記のような特徴を有する無杼織機の緯糸
供給用ビスコースレーヨン糸条である。 本発明にいう「実質上無撚」とは、解舒等によ
つて自然にかかる撚以外には、特別な撚が加えら
れていないことを言う。 本発明のビスコースレーヨン糸条の織度は格別
限定されるものではなく、通常、その単糸織度は
約0.5〜20デニール、糸条の合計織度は約30〜
10000デニールである。 「低重合度セルロース」とは、JIS P8101―
1976(溶解パルプ試験法」に記載されるα―セル
ロース以外の低重合度セルロース、すなわち、β
―セルロース、γ―セルロースの如きアルカリ可
溶セルロースを指す。この低重合度セルロース
は、通常、市販の溶解パルプ中に少量含有されて
いる。糸条中の低重合度セルロース含有率は、糸
条の集束性及び後工程での除去のし易さから0.1
〜2.0重量%が好ましく、より好ましくは0.3〜1.0
重量%である。 糸条中の低重合度セルロース含有量は次の方法
によつて測定される。アンスロン1.6grを酢酸エ
チルに溶かして100mlとして、アンスロン酢酸エ
チル溶液とする。糸を100重量部の1重量%
NaOH水溶液(20℃)に浸漬し、振盪機(振巾
80mm、ストローク108回/分)に90分かけて、
得られた低重合度セルロースの溶液に、溶解低重
合度セルロース重量1に対して約50倍容量のアン
スロン酢酸エチル溶液を加え、更に低重合度セル
ロース溶液の2.5倍容量の濃硫酸を加え、振り混
ぜて10分後に波長610〜630mμの吸光度を測定し、
予じめブドウ糖液で作成した検量線にて、低重合
度セルロースの濃度を求める。そして、次式より
低重合度セルロースの重量を算出する。 低重合度セルロース重量 =溶液量×低重合度セルロース濃度 本発明の糸条は、特別な異種ポリマーを用い
ず、ビスコース中に少量含有されていた低重合度
セルロースによつて接合しており、低重合度セル
ロースは後工程の精練、染色工程で容易に糸条か
ら脱落するため、従来のビスコースレーヨン糸の
優れた特性であるところの発色性、吸湿性を初
め、均染性、柔軟性等の諸特性が何ら損われるこ
とがない。 本発明において、糸条を構成する各単糸がスキ
ン・コア構造を維持した状態で糸長方向において
他の単糸と相互に断続的に接合された領域を有す
ることは重要な要件である。 従来の無撚糸の技術思想は、前述の如く集束性
を高める方向を目指していたが、本発明者らは、
集束している接合領域と集束していない非接合領
域を適度に混在させて、各々の優れた機能を分化
し且つ相互に補完せしめることが無撚のビスコー
スレーヨン糸条にとつて、とりわけ織物用の糸と
して優れていることを見い出したのである。 ここで「接合」とは、ビスコースレーヨン糸条
を構成する単糸が低重合度セルロースを介して相
互に接したままで維持されている状態をいい、い
ずれの単糸も他の単糸と独立してスキン・コア構
造を有している。そのため、低重合度セルロース
を溶解、除去すると単糸は完全にバラバラに分散
する。 上述のような糸長方向における断続的な接合
は、本発明の糸条の一部を模式的に示す第1図に
明瞭に示されている。同図に示されるように、ビ
スコースレーヨン糸条1を構成する各単糸2は糸
長方向において他の単糸2と相互に低重合度セル
ロースを介して断続的に領域Aにおいて接合して
いる。Bは非接合領域を示す。 良好な集束性、織物品位、製織性を与える上で
糸条を構成する各単糸どうしの糸長方向における
平均の接合領域の割合は10〜80%であることが好
ましい。また、単糸間の非接合領域の平均長さ
は、1〜50mmであることが好ましい。更に、接
合している単糸間の平均接合力は0.4〜4.0mg/デ
ニールであることが好ましい。 従来、糸条の集束性を評価する方法として、一
般にカツト毛羽長が用いられることが多い。しか
しカツト毛羽長は、糸の集束性そのものの目安と
なるが、実用特性との対応がとれないことが判つ
た。本発明者らは、デユポン社が米国特許第
2985995号明細書にて提案したフツク・ドロツ
プ・テスト(Hook―Drop―Test)の原理を応
用した後述する独自の「単糸間の接合性の評価方
法」を用いることによつて糸条の集束性と共にそ
の実用特性が評価できることを見い出した。 すなわち、接合領域の割合、非接合領域の平均
長さ、接合している単糸間の平均接合力は、以下
に説明する方法により評価される。 イ 測定方法 第2図で模式的に示すような島津製作所製オー
トグラフ(DCS5N型)3を用いる。可動性糸条
保持部4に被測定糸条5の一端を把持させる。オ
ートグラフ3とは別個に設置した固定台6に直径
0.7mmφ、表面が鏡面仕上げされた鉄製ピン7を
固定し、被測定糸条5を構成する単糸のうち任意
の2単糸間に差し込む。被測定糸条を保持した可
動性糸条保持部4を50m/分の一定速度にて矢印
で示すように上方へ可動せしめ、その際に生じる
張力を適当なフルスケールにて検出し、記録計8
のチヤート上に連続記録させる。 測定は、1つの試料の任意の5ケ所から各々長
さ30cmの糸条を採り、各々について鉄製ピン6を
任意の2単糸間に差し込み、可動性糸条保持部と
鉄製ピン間に糸条のゆるみが無くなつた時点から
20cmの糸長に亘つて、張力の変化を連続記録す
る。チヤートスピードは100mm/分、フルスケー
ルは例えば75デニールの場合6grで行なう。 ロ 評価方法 第3図に基づいて、単糸間の接合性評価の方法
を説明する。 第3図は、本発明に係る75デニール/26フイラ
メントのビスコースレーヨン糸条について、イ)
の測定方法にて得られた単糸間の接合力を示すチ
ヤートの一例である。 〔A〕 単子間の接合領域と非接合領域 本発明にいう「接合領域」とは、実質的な単糸
間の接合力を有する領域であり、本発明において
は、0.2mg/デニール以上の接合力を以つて単糸
が接合されている領域と定義する。一方、非接合
領域とは、全く接合していないか接合力が0.2
mg/デニール未満の領域である。第3図では←→で
示した領域が非接合領域である。 第4図は、非接合領域が実質的に存在しない比
較対照糸条の例である。単糸が他の単糸と断続的
に接合した第3図に例示する本発明の糸条は、第
4図に示す糸条と比較して優れた集束状態を有す
ることが理解されよう。 〔B〕 接合領域の割合 糸長方向、すなわち、第3図のチヤートの横軸
方向において、〔A〕で定義した接合領域と非接
合領域の合計を100%として、0.2mg/デニール以
上の接合領域が占める割合をいう。 前述した任意の5点について各々得られた5つ
のチヤートのそれぞれ毎に接合領域の占める割合
を算出した後、合計5つの平均値を求めて接合領
域の割合とする。 〔C〕 単糸間の非接合領域の平均長さ ある接合領域と他の接合領域に狭まれたひとつ
の非接合領域の長さを、前述した任意の5点につ
いて、それぞれ得られた5つのチヤートを、1チ
ヤート毎に非接合領域の長さの平均値を算出した
後、合計5つの平均値を更に平均してサンプルの
非接合領域の平均長さとする。 〔D〕 単糸間の平均接合力 チヤートにおいて、単糸間の接合力を、測定範
囲に亘り平均したものであり、mg/デニールで表
わす。これも合計5つのチヤートの各々の平均値
を更に平均してサンプルの平均接合力とする。 本発明のビスコースレーヨン糸条は、無杼織機
により製織する際の緯糸として好適である。 無杼織機としては、例えば、レピア式織機、グ
リツパー式織機、空気噴射式織機(エアージエツ
トルーム)等があるが中でも、空気噴射式織機に
よる織物の緯糸として用いるのに特に好適であ
る。 本発明者らは、空気噴射式織機における緯糸
は、飛走する糸条に適度な断面積の拡がりを持た
せることに依り、極めて高い飛走安定性を確保し
得る、ということを見い出した。すなわち、糸条
の飛走安定性には断面積に比例する慣性抵抗力が
重要な推進力として働いており、この断面積の拡
がりをコントロールすることによつて飛走安定性
の向上並びに搬送空気圧、空気量の減少を実現す
ることが可能となつたのである。 本発明のビスコースレーヨン糸条は、部分部分
は適度に単糸がばらけて非集束状態にあり、しか
もそれら非接合領域は各々両端を隣接する接合領
域にて固定され、全体として糸条は適度の集束性
を示す。この随所に適度に存在する非接合領域が
打込み並びに搬送時に糸条の飛走方向に向けて噴
射される圧縮空気流を、ばらけた単糸間に抱え込
んで膨らむことにより、慣性抵抗をつける断面積
を確保することになる。従つて、従来の集束糸に
比較して、圧縮空気流と糸条の接触が増し、空気
の使用効率、すなわち搬送力が増すと共に、同一
搬送力であれば打込み並びに搬送用の空気圧、空
気量を減少せしめることが可能となる。 また、非接合領域に隣接する接合領域は、空気
流を抱え込んで膨んだ非接合領域の、進行に対し
て、ラジアル方向の拡がりを制御する機能を有す
る。上記のような作用に基づいて、本発明の糸条
は、特に空気噴射式織機においてすぐれた効果を
発揮するものと考えられる。 次に、本発明のビスコースレーヨン糸条の製造
方法について説明する。 ビスコースの紡糸自体は公知の方法によつて行
なえばよく、ビスコース組成、凝固浴組成および
紡糸条件などは常用される条件を採ることができ
る。 ビスコース組成に関しては、ビスコース中に少
量の低重合度セルロース成分が含有されることが
重要である。また、紡糸方法および条件の選択に
当たつては、各単糸のいずれもがスキン・コア構
造を維持するように選ばれる必要がある。従つ
て、例えば前述の特公昭47−26447号公報に開示
された如き紡糸初期の分解度が低い間に強制的に
しごき密着させて後、再度凝固再生させ、複数単
糸のスキン層を一体化形成せしめるような紡糸方
法若しくはそのような条件は、本発明のビスコー
ス糸条を得るには不適切であり、避けるべきであ
る。 紡出された糸条は、乾燥前の糸条の1重量%
NaOH抽出低重合度セルロース分が0.1〜2.0重量
%(対糸)となるような温和な条件で精練される
ことが望ましい。このような温和な精練方法とし
ては、例えば、水と次亜塩素酸ソーダ水溶液を用
いて40秒以内で洗滌する方法、温水と微量の過酸
化水素水溶液を用いて50秒以内洗滌する方法、水
とNa2CO3水溶液を用いて50秒以内洗滌する方法
等が挙げられる。 温和な条件である程、低重合度セルロースを残
留含有せしめ易い。条件の設定に当たつては、糸
条中の低重合度セルロースの含有率を前述の方法
で評価したうえで決めれば良い。 製造工程上の制約、例えば、糸条の滞留時間の
短縮や精練に用いる薬液の濃度の変更等が実施し
難いような場合には、例えば、ビスコース製造工
程にまで逆上り、もとよりビスコース中に少量に
含まれていたものの他に、若干量の低重合度セル
ロースを添加することができる。添加する量およ
び工程は、精練工程と組み合わせた時の含有率か
ら決定すれば良い。 乾燥工程においては、糸条を緊張しながら乾燥
することが望ましい。例えば、両端に糸条の送り
ロールと引取りロールを設けたトンネル乾燥機を
用いることができる。また、特開昭58−81608号
公報に記載されるように、対ロール式連続紡糸装
置を用いて乾燥処理を施こしても良い。緊張乾燥
を施こすにあたつては、糸条を構成するフイラメ
ント間に、繊維軸と直角方向に相互に押しつけら
れる力を加えながら乾燥することが特に望まし
い。とりわけ、減率乾燥速度期間中の糸条に緊張
をかけると、この押しつける力が増加するのでよ
り好ましい。 乾燥工程において、単糸内部に含有されている
低重合度セルロースが表面に移動し、単糸間の接
合剤として位置固定され、断続的に接合された領
域を形成してゆく。上記の押しつけ力は該領域の
形成に際し有利に作用するが、無緊張乾燥工程を
採用しても、該領域の形成は可能である。この場
合は、乾燥温度を通常より高めに設定することが
望ましい。 乾燥後は無撚のままチーズまたはコーンに巻取
られる。巻取時の糸条にかかる張力は平均0.1〜
0.4g/デニールの場合が最も良好な集束性が得
られるので好ましい。これを上回る場合は、単糸
間の接合の破壊が増加するので適度な集束性を損
い易い。これを下回る場合は単糸間の接合力が大
きくなる。従つて、乾燥工程終了後の断続的な接
合の状態に応じて条件を設定すると良い。 なお、滑り特性等の向上のために糸条に油剤を
付与したり、特定の用途のため更に別種の糊剤を
付与すること等は、必要に応じて行うことができ
る。 上記のように本発明の糸条を得るための製造方
法を選ぶに当たつて、各工程毎の主な着眼点を要
約すると、紡糸工程では各単糸がスキン・コア構
造を維持した状態を達成することであり、精練工
程では糸条中の低重合度セルロースの含有率をコ
ントロールすることにあり、乾燥工程では各単糸
間の接合剤としての低重合度セルロースを分散配
置せしめて断続的に接合された領域を形成するこ
とにあり、巻取工程では、接合領域を一部破壊し
つつ接合力並びに接合領域の大きさをコントロー
ルすることにある。 従つて、実施に当たつては、各工程毎に本例並
びに上記諸点を勘案して、種々のヴアリエーシヨ
ンを選択すれば良い。 〔発明の効果〕 本発明のビスコースレーヨン糸条は、原糸製造
工程並びに後加工工程での単糸の切断や毛羽の発
生が極めて少ない。織物、編物とした場合も柔軟
な風合を有する。本発明の糸条を織物の経糸とし
て用いる場合、予め加撚や糊付を施こさなくとも
無撚のままで、ビーミング、ワーピング、サイジ
ング等の整経工程にかけることができ、実用上何
ら問題のない程度の集束性を有している。 また、エアージエツトルームをはじめとする無
杼織機の緯糸として用いた場合、高速のもとでも
優れた工程性能及び製品の品位を有する。すなわ
ち、緯糸に原因する停台回数、織物の緯欠点が抑
制され、製品の風合に優れている。エアージエツ
トルームの緯糸として用いた場合、空気圧力、使
用空気量共に現在の実用水準を大きく改善でき省
エネルギー化に大きく寄与できる。 〔実施例〕 以下、本発明を実施例について具体的に説明す
る。 実施例 1 通常のビスコース(NaOH6.0重量%、セルロ
ース8.5重量%、γ価40、粘度50秒)を用いて、
0.08mmφの孔径の26孔のノズルより紡浴酸
(H2SO4 120g/、Na2SO4 260g/、
ZnSO4 15g/、50℃)中に吐出し、75デニー
ルの糸を紡糸した。糸を凝固再生せしめた後に、
先ず、10秒間水洗し、次にNa2CO3 0.05g/水
溶液にて20秒間洗滌し、更に、10秒間水洗した。
その後、互いに軸線を平行方向から傾斜せしめた
ドラム式連続紡糸処理装置を用いて、91℃の乾燥
温度にて糸を乾燥した後、0.5重量%の油剤を付
与して、撚をかけずにチーズの型態に、平均0.33
gr/デニールの張力にて巻き取り実質上無撚の
ビスコースレーヨン糸条を得た。 この糸条を前述の方法を用いて単糸間の接合性
に関する評価を行ない、目視にて巻取糸表面上の
単糸ゆるみ個数を調べた。津田駒製作所製エアジ
エツトルーム(SDPタイプ、ZA―100型)にて
520rpm、及び高速化して750rpmの回転数にて運
転し製織性評価を行なつた。 製織条件を下記に示す。 (1) 経糸:レーヨン有撚糸(撚数65回/m)75デ
ニール/26フイラメント (2) 経密度:41.3本/cm (3) 緯糸:本実施例のレーヨン糸条 (4) 緯密度:33.9本/cm (5) 製品規格:122cm幅、タフタ (6) 製織織物長:5000m 製織性評価の方法を下記に示す。 (1) 緯糸因停台率:織機3台を用いて生機長(3
台計)5000m製織し、この時の緯糸
因にる停台回数を1台1日(24時
間)当りに換算した。 (2) 空気圧力:メインノズル、サブノズル各々に
ついて噴射空気の圧力を市販の圧力
計にて測定した。 (3) 使用空気量:JIS規格に基づいた浮子式空気
量測定機(測定範囲8〜50Nm3
Hr)を用いて測定した。 (4) 織物緯欠点:製織した生機を精練加工した製
品で4500m検反を行ない、緯糸切
れ、緯糸ヒケ等を含み、微小な緯欠
点の発生個数を数え、これを50m当
りに換算した。 (5) 織物加工後風合:同一の精練仕上を施こした
織物を官能検査し、1級=柔かい、
2級=やや柔かい、3級=普通、4
級=やや硬い、5級=硬い、の5段
階の評価基準に基づき5人でランク
付けし、その平均値で表わした。 評価の結果を第1表に示す。 実施例 2 巻取時の張力を平均0.2gr/デニールにした他
は実施例1と全く同様にして糸条を製造し、その
評価を行なつた。 評価の結果を第1表に示す。 実施例 3 巻取時の張力を平均0.13gr/デニールにした他
は実施例1と全く同様にして糸条を製造し、評価
を行なつた。 評価の結果を第1表に示す。 実施例 4 次亜塩素酸ソーダ20ppmを添加した40℃の温水
にて40秒間洗滌することによつて精練した他は実
施例1と全く同様にして糸条を製造し、評価を行
なつた。 評価の結果を第1表に示す。 実施例 5 0.08mmφの孔径の50孔のノズルを用いて120デ
ニールの糸を紡糸した他は実施例4と全く同様に
して糸条を製造し、評価を行なつた。 評価の結果を第1表に示す。 実施例 6 互いに軸線を平行方向から傾けた対ロール式連
続紡糸装置を用い、乾燥温度95℃にて糸を乾燥し
た他は、実施例5と全く同様にして糸条を製造し
た。 製織は下記条件にて実施した。 (1) 経 糸:レーヨン有撚糸(撚数72回/m)
120デニール/40フイラメント (2) 経密度:53.9本/cm (3) 緯 糸:本実施例のレーヨン糸条 (4) 緯密度:28.0本/cm (5) 製品規格:137cm幅、ツイル (6) 製織織物長:5000m 他の条件等は全て実施例5と同一である。 評価の結果を第1表に示す。 比較例 1 リング撚糸機にて65回/mの撚りをかけてパー
ンの型態に巻き取つた他は、実施例1と全く同様
にして糸条を製造し評価を行なつた。 評価の結果を第1表に示す。 比較例 2 ポリビニルアルコール(日本合成化学社製GL
―05)を糊剤として乾燥工程に入る前にバーマー
グ社製給液ノズルにて付与させた後乾燥した他
は、実施例1と全く同様の方法にて糸条を製造
し、評価を行なつた。糊剤の付与率は糸当り乾燥
糊剤として、1.7重量%であつた。 評価の結果を第1表に示す。 比較例 3 特公昭47−26447号公報に記載の方法を用いて
ビスコースの分解度が低い間に単糸を相互に密着
させて凝固再生を行なわせた後、実施例4の方法
と全く同様にして糸条を得た。しかしながら、得
られた糸条は毛羽が多く且つ単糸同志が凝固密着
を起こし密着した単糸間の境界領域が消失して一
体化していた。この糸条は製織工程で糸に張力が
かかると密着部分が裂断して毛羽が発生したり単
糸切断を惹き起こし、製織不能であつた。 結果を第1表に示す。 比較例 4 1重量%NaOH水溶液に5重量%の低重合度
セルロースを溶解した液を、乾燥工程に入る前に
バーマーグ社製給液ノズルにて付与させた後乾燥
した他は、実施例3と全く同様にして糸条を製造
し、評価を行なつた。 評価の結果を第1表に示す。 実施例7及び8 各々実施例1及び4と全く同一条件にて作つた
糸を経糸として、ワーピングサイザー(津田駒製
作所製、G―3型)にて70m/分、1015本立、総
糸長2.4×108mサイジングし、工程性能を調べ
た。 評価条件を下記に示す。 (1) 切断回数:発生回数を106m当りに換算した。 (2) クリール部切断回数:クリール台から糸が引
き出され最初の筬に走行する迄に引
つかかり、連出し、ガイドからみ等
にて切断した回数。換算は(1)と同
じ。 (3) 毛羽個数:検知回数を106m当りに換算した。 (4) ビーム表面状態:巻取中及び巻上りのビーム
表面を観察中に発生した欠点を記
載。 評価の結果を第2表に示す。 比較例5及び6 各々比較例1及び3と全く同一条件にて製造し
た糸条を用い、実施例7と全く同様にしてサイジ
ングし、評価した。 評価の結果を第2表に示す。
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のビスコースレーヨン糸条の模
式図、第2図はビスコースレーヨン糸条の単糸間
の接合性の測定方法を示す模式図、第3図は本発
明のビスコースレーヨン糸条の単糸間の接合力を
示すチヤート、第4図は比較対照レーヨン糸条の
単糸間の接合力を示すチヤートである。 1…ビスコースレーヨン糸条、2…単糸、3…
インストロン、4…可動性糸条保持部、5…被測
定糸条、6…固定台、7…ピン、8…記録計。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 実質上無撚の糸条であつて、糸条を構成する
    各単糸はスキン・コア構造を維持した状態で糸長
    方向において他の単糸と相互に低重合度セルロー
    スを介して断続的に接合された領域を有すること
    を特徴とするビスコースレーヨン糸条。 2 糸条を構成する各単糸どうしの糸長方向にお
    ける平均の接合領域の割合が10〜80%である特許
    請求の範囲第1項記載のビスコースレーヨン糸
    条。 3 単糸間の非接合領域の平均長さが1〜50mmで
    ある特許請求の範囲第1項記載のビスコースレー
    ヨン糸条。
JP11680485A 1985-05-31 1985-05-31 ビスコ−スレ−ヨン糸条 Granted JPS61282414A (ja)

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JPS6141315A (ja) * 1984-07-31 1986-02-27 Asahi Chem Ind Co Ltd ビスコ−スレ−ヨン糸
JPS6141316A (ja) * 1984-08-03 1986-02-27 Asahi Chem Ind Co Ltd ビスコ−スレ−ヨン集束糸の製造方法

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