JPS6351032B2 - - Google Patents

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JPS6351032B2
JPS6351032B2 JP58046854A JP4685483A JPS6351032B2 JP S6351032 B2 JPS6351032 B2 JP S6351032B2 JP 58046854 A JP58046854 A JP 58046854A JP 4685483 A JP4685483 A JP 4685483A JP S6351032 B2 JPS6351032 B2 JP S6351032B2
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JP
Japan
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ethylene
weight
copolymer
resin composition
formula
Prior art date
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Application number
JP58046854A
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English (en)
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JPS59225063A (ja
Inventor
Hiroyoshi Hata
Seiichiro Pponda
Seiya Hosokawa
Kazuhiko Kamyoshi
Toshiharu Matsumya
Kazuo Sakamoto
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP58046854A priority Critical patent/JPS59225063A/ja
Publication of JPS59225063A publication Critical patent/JPS59225063A/ja
Publication of JPS6351032B2 publication Critical patent/JPS6351032B2/ja
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  • Materials For Medical Uses (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は医療器材、特に輸液保存用バツグ、血
液保存容器、人工腎臓の血液回路用チユーブ等を
構成するに適した樹脂組成物に関する。 従来塩化ビニル樹脂に可塑剤としてジオクチル
フタレート(以下DOPと称す)を添加した組成
物から、例えば血液の運搬、保存のための血液バ
ツグ、血液チユーブ等がつくられてきた。この組
成物から得られる血液バツグ、血液チユーブ等は
柔軟性、透明性の点ではすぐれているが、ジオク
チルフタレートが僅かながら溶出し、血液を通じ
て体内へ吸収、蓄積されることが欠点とされた。 そこでこのような欠点のない血液バツグ、血液
回路用チユーブ構成用の樹脂組成物を作る必要が
あつた。 そして可塑剤を実質的に使用することなく、塩
化ビニル系樹脂を軟質化する方法としてエチレ
ン/一酸化炭素/酢酸ビニルの三元共重合体が有
効であることを見出した。 そして塩化ビニル系樹脂にこの三元共重合体を
実際に混合して均一な組成物を作り、この組成物
の性質を調べてみた。その結果、透明性、柔軟性
では満足すべきものを得たが、溶血性試験や細胞
毒性試験において好ましくない結果を与えること
を知つた。 そこで本発明者等はその原因について更に検討
を行つた結果、エチレン/一酸化炭素/酢酸ビニ
ル共重合体中には、この共重合体の分解により生
じた酢酸が存在しており、この樹脂組成物を用い
て医療器材を成形した場合に、溶血性、細胞毒性
を示す原因になることがわかつた。 そこで本発明者等はかゝる知見をもとに特願昭
54−116569号(特開昭56−41240号)において、
塩化ビニル系樹脂にエチレン・一酸化炭素・酢酸
ビニル共重合体と、酸化カルシウム又は酸化マグ
ネシウムの微粉末を所定量配合した医療器材用樹
脂組成物を提案した。 しかしながらエチレン/一酸化炭素/酢酸ビニ
ル共重合体中の酢酸の発生量がきわめて少量の場
合には組成物中の酸化カルシウム又は酸化マグネ
シウムの微粉末によつて捕促することができる
が、酢酸の量が多くなると組成物中の酸化カルシ
ウム又は酸化マグネシウムの微粉末によつては捕
促し切れないものとなり、該組成物から加工され
た成形物の溶血性、細胞毒性は避け難い。酢酸を
捕促するために組成物中の酸化カルシウム又は酸
化マグネシウムの微粉末の量を増加させれば、そ
れから加工された成形物は透明性が低下し、強熱
残量が増加し、医療器材用基準値を越えてしまう
おそれが存する。 このため本発明者等は更に検討を進めた結果、
塩化ビニル系樹脂に前記の三元共重合体を混合
し、更に特定の化学式で表わされるグリセリンエ
ステルを含有させることにより、上記の溶血性や
細胞毒性が改善されると共に柔軟性、透明性がす
ぐれた医療器材用樹脂組成物が得られること、し
かもその際、上記塩化ビニル系樹脂として特定の
エチレン含量、重合度、分子量分布をもつ塩化ビ
ニル/エチレン共重合体を使用することにより、
比較的低温での溶融加工が可能となり、オートク
レーブによる加圧蒸気殺菌に際して前述の欠点を
解消できるのみならず、透明性、機械的性質、溶
血性、細胞毒性が更に一層改善された医療器材用
樹脂組成物を提供できることが見出された。 本発明の要旨とするところは、 (a) エチレン含量が3〜12重量%の範囲内にあ
り、平均重合度が700〜2900の範囲内にあり且
つ重量平均分子量対数平均分子量の比が2.5:
1乃至5.5:1の範囲内にある塩化ビニル/エ
チレン共重合体; (b) エチレン/一酸化炭素/酢酸ビニル共重合
体; 及び (c) 下記式 式中、X、Y及びZは同一もしくは相異な
り、それぞれ水素原子又は下記式
【式】
【式】及び
【式】 (ここで、R1、R3、R4、R6、R7及びR8はそれ
ぞれ独立に炭素原子数1〜25個の飽和もしくは
不飽和の直鎖状もしくは分岐鎖状の2価の炭化
水素基を表わし、R2、R5及びR9はそれぞれ独
立に炭素原子数1〜25個の飽和もしくは不飽和
の直鎖状もしくは分岐鎖状の1価の炭化水素基
を表わす。) から選ばれるエポキシ化脂肪族カルボン酸残基
を表わす、ただし、X、Y及びZはすべてが同
時に水素原子を表わすことはない。 のグリセリンエステル; から成る医療器材用樹脂組成物に存する。 次に本発明医療器材用樹脂組成物について更に
詳細に説明する。 本発明の樹脂組成物が1つの特徴とする点は、
塩化ビニル系樹脂成分として、エチレン含量が共
重合体の重量を基準にして3〜12%、好ましくは
5〜10%の塩化ビニル/エチレン共重合体を使用
する点である。塩化ビニル/エチレン共重合体の
エチレン含量が3%より少ないと、エチレン/一
酸化炭素/酢酸ビニル共重合体と均一に相互溶融
せず、逆に、12%を超えると、塩化ビニル系樹脂
としての特性が希釈され、得られる樹脂組成物の
機械的強度が低下すると共に透明性を悪くなる傾
向が見られる。 該塩化ビニル/エチレン共重合体は塩化ビニル
とエチレンの2つのモノマー成分のみから構成さ
れていることができるが、場合により、該共重合
体の物性に実質的に悪い影響を与えない範囲で、
共重合可能な第三のモノマー成分、例えば、プロ
ピレン、酢酸ビニル、メチルビニルエーテル、臭
化ビニル、マレイン酸、フマル酸、スチレン、ア
クリロニトリル、塩化ビニリデン等を含有してい
てもよい。かかる第三のモノマー成分は通常最大
限20%まで、好ましくは10%以下の含量で存在さ
せることができる。 また、上記の塩化ビニル/エチレン共重合体は
重合度が低過ぎると、そのブレンド量にもよる
が、得られる樹脂組成物の機械的耐久力、例えば
クリープ等の低下や表面のベタツキ等の問題が生
ずるのみならず、耐熱性も低下して溶融加工時に
生体に対して毒作用をもつような熱分解成物を発
生する危険性があり、逆に重合度が高過ぎると、
後述するエチレン/一酸化炭素/酢酸ビニル共重
合体との均一な混合が困難となる傾向がみられ
る。しかして、該塩化ビニル/エチレン共重合体
は一般に700〜2900、好ましくは1000〜2800の範
囲内の平均重合度をもつことが重要である。 さらに、医療器材用として工業的に充分に満足
できる樹脂組成物を提供するためには、該塩化ビ
ニル/エチレン共重合体はさらに、該共重合体の
分子量分布と密接に関係する重量平均分子量W
対数平均分子量Nの比が2.5:1乃至5.5:1の範
囲内にあることが重要であり、好ましくは2.3:
1乃至5.2:1の範囲内にあるべきであることが
判明した。該比が上記範囲を超えて小さくなる
と、エチレン/一酸化炭素/酢酸ビニル共重合体
との相溶性が悪くなり、樹脂組成物の透明性が低
下し、逆に上記範囲を超えて大きくなると、一般
に、樹脂組成物においてフイツシユ・アイが多く
みられるようになる。 以上に述べた特定のエチレン含量、重合度及び
分子量分布をもつ塩化ビニル/エチレン共重合体
は、通常のラジカル重合触媒を用いて、懸濁重合
法又は乳化重合法により製造することができる。
例えば、一つの具体的な重合方法を示すと次の通
りである。撹拌機付きエートクレーブに水、分散
剤を加えた後、オートクレーブ内に存在する酸素
を除くため減圧吸引する。次に撹拌しながら、塩
化ビニル及びエチレンを加えた後、加圧状態に保
持し、重合開始剤を加え撹拌を続けながら、40℃
乃至70℃に昇温する。この温度で5乃至15時間撹
拌する間に重合が進行する。 分散剤としては、部分ケン化ポリビニルアルコ
ール類、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース等のセル
ロース誘導体、ポリビニルピロリドン等の界面活
性剤を使用することができる。 重合開始剤は、懸濁重合を行なうか、乳化重合
を行なうかによつて加えるものを異にする。 懸濁重合を行なうには、ジイソブチリルパーオ
キサイド、ジ−2−メチルペンタノイルパーオキ
サイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベン
ゾイルパーオキサイド等のパーオキサイド化合
物、クミルパーオキシネオデカノエート等のパー
エステル化合物、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート、ジセチルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボ
ネート、ジイソブチルパーオキシジカーボネート
等のパーオキシジカーボネート化合物が用いられ
る。乳化重合を行なうには、過硫酸アンモニユー
ム、過硫酸カリウム等が用いられる。これらの重
合開始剤は、塩化ビニル及びエチレンの合計量に
対し、0.02乃至0.3重量%の割合で用いられる。 また塩化ビニル及びエチレンは、得られる重合
体の重量よりも5乃至50重量%だけ過剰に反応系
に加えられる。重合時に用いる塩化ビニル及びエ
チレンの合計量と重合時使用する水との重量比
は、1対1.2乃至1対3の割合が選ばれる。 重合の終点は、予じめ実験によつて得た重合器
内圧と、重合体の収率との関係式からこれを推定
して定めることができる。 重合終了後は、未反応モノマーを除去し、その
オートクレーブ内の懸濁物又は乳化物を過して
水を除去し、重合体粒子を得る。次いで重合体粒
子を水洗し乾燥する。 上記の塩化ビニル/エチレン共重合体と共に用
いられるエチレン/一酸化炭素/酢酸ビニル共重
合体は、例えば特公昭55−50063号から公知であ
り、それ自体公知の方法で製造することができ、
又市販品としてエルパロイ741(米国デユポン社
製)等を使用することができる。 かかるエチレン/一酸化炭素/酢酸ビニル共重
合体におけるモノマー比は厳密に制限されるもの
ではなく、該共重合体に要求される物性に応じて
変えることができるが、一般的には、エチレン1
重量部に対して、一酸化炭素は0.03〜0.5重量部、
好ましくは0.09〜0.3重量部、そして酢酸ビニル
は0.1〜0.9重量部、好ましくは0.2〜0.8重量部の
割合で、ラジカル重合触媒の存在下にそれ自体公
知の方法で共重合させたものが適している。該エ
チレン/一酸化炭素/酢酸ビニル共重合体の分子
量は使用する塩化ビニル/エチレン共重合体の種
類等に応じて変えることができるが、一般には約
100000〜約2000000の範囲内、好ましくは約
150000〜約1000000の範囲内の数平均分子量を有
するものを有利に使用することができる。本発明
のもう1つの特徴は、上記の塩化ビニル/エチレ
ン共重合体及びエチレン/一酸化炭素/酢酸ビニ
ル共重合体に対して、下記式 式中、X、Y及びZは前記の意味を有する、で
示される特定のグリセリンエステルを使用するこ
とにある。 かかる特定のグリセリンエステルの使用によ
り、得られる樹脂組成物は、透明性及び柔軟性を
損うことなしに、溶血性及び細胞毒性の著るしく
改善されることが見い出されたのである。 上記式()において、X、Y及び/又はZに
よつて表わされるエポキシ化脂肪族カルボン酸残
基は、下記式 及び ここで、R1、R3、R4、R6、R7及びR8はそれぞ
れ独立に炭素原子数1〜25個の飽和もしくは不飽
和の直鎖状もしくは分岐鎖状の2価の炭化水素基
を表わし、R2、R5及びR9はそれぞれ独立に炭素
原子数1〜25個の飽和もしくは不飽和の直鎖状も
しくは分岐鎖状の1価の炭化水素基を表わす、 から選ばれるものである。 上記の「炭素原子数1〜25個の飽和もしくは不
飽和の直鎖状もしくは分岐鎖状の2基の炭化水素
基」としては、例えば、メチレン、エチレン、プ
ロピレン、イソプロピレン、ブチレン、ペンチレ
ン、ヘキシレン、ヘプチレン等のアルキレン基等
が包含され、中でも炭素原子数が2〜19個のもの
で、且つ飽和の脂肪族炭化水素基が好適である。
また、「炭素原子数1〜25個の飽和もしくは不飽
和の直鎖状もしくは分岐鎖状の1価の炭化水素
基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ヘプチル、ペンチル、ノニル、デシ
ル等のアルキル基;ビニル、アリル、ブチル、ペ
ンテン、ヘキサン、ヘプテン、オクテン、ノネ
ン、デセン等のアルケニル基等が挙げられるが、
特に炭素原子数が1〜18個のもので且つ飽和の脂
肪族炭化水素基が好ましい。 上記式(a)、(b)及び(c)のカルボン酸残基は、それ
ぞれ下記式 式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8
びR9は前記の意味を有する、 で示される不飽和脂肪族カルボン酸中の二重結合
を酸化してエポキシ化することにより製造するこ
とができるエポキシ化脂肪族カルボン酸から誘導
された残基であり、該残基は1般に合計で6〜40
個、好ましくは2〜30個の炭素原子を有すること
ができる。 しかして、上記(a′)の不飽和脂肪酸カルボン
酸としては、例えば3−ヘキセン酸、4−ヘキセ
ン酸、4−デセン酸、9−ウンデセン酸、4−ド
デセン酸、5−ドデセン酸、オレイン酸、エライ
ジン酸、エルカ酸等が挙げられ、上記式(b′)の
不飽和脂肪族カルボン酸としては、例えば9,12
−ヘキサデカジエン酸、9,12−オクタデカジエ
ン酸、アイコサジエン酸、ドコサジエン酸、ヘキ
サコジエン酸等が挙げられ、上記式(c′)の不飽
和脂肪族カルボン酸としては、例えばヘキサデカ
トリエン酸、リノレン酸、6,9,12−オクタデ
カトリエン酸、アイコサトリエン酸、ドコサトリ
エン酸等が挙げられる。前記式()のグリセリ
ンエステルは、グリセリンを上記した式(a′)、
(b′)及び(c′)の不飽和脂肪酸のエポキシドの
少なくとも1種でエステル化することにより容易
に製造することができる。該グリセリンエステル
はモノエステル又はジエステルであることもでき
るが、特にトリエステルが好適である。 しかして、本発明において好適に使用しうるグ
リセリンエステルを例示すれば次のとおりであ
り、これらはそれぞれ単独で使用でき、或いは2
種又はそれ以上併用してもよい。 以上に述べた如きグリセリンエステルは、一般
に、該エステルの重量を基準にして5〜10重量
%、好ましくは6〜15重量%のオキシラン酸素含
量を有していることが望ましく、また、不飽和度
の尺度となるヨウ素価は一般に10以下、好ましく
は5以下である。 ここで、オキシラン酸素含有量は
【式】中の酸素がグリセリンエステル1分 子中に占める重量%であり、5重量%よりも少な
い場合は得られる組成物の溶血性、細胞毒性の改
善が不完全になりやすく、又、10重量%よりも多
量になると該エステルの組成物から血液や輸液へ
の溶出を生じ医療器材用としての適性を失なう可
能性がある。一方、ヨウ素価は前記グリセリンエ
ステル100g中に吸収されるヨウ素のg数であり、
10よりも大になると場合によつてはグリセリンエ
ステルは経時変化をきたしやすいものとなる。 本発明の樹脂組成物は、前記の塩化ビニル/エ
チレン共重合体とエチレン/一酸化炭素/酢酸ビ
ニル共重合体とグリセリンエステルをそれ自体公
知の任意の方法で均一に溶融混練することにより
調製することができる。例えば、塩化ビニルエチ
レン共重合体の粉末又はペレツトとエチレン/一
酸化炭素/酢酸ビニル共重合体の粉末又はペレツ
トと前記のグリセリンエステルをミキシングロー
ル、バンバリミキサー、押出型混練機等に供給
し、その中で均一に溶融混練することができる。
溶融混練温度としては一般に110〜180℃、好まし
くは120〜165℃の範囲内の温度を用いることがで
きる。 塩化ビニル/エチレン共重合体、エチレン/一
酸化炭素/酢酸ビニル共重合体及びグリセリンエ
ステルの3成分の相互の配合割合は、塩化ビニ
ル/エチレン共重合体100重量部に対しエチレ
ン/一酸化炭素/酢酸ビニル共重合体が1〜180
重量部及びグリセリンエステルが1〜50重量部が
好適である。 また、本発明の樹脂組成物に対しては、場合に
より、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜
鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の安定
剤、フエノール系や亜リン酸エステル系等の抗酸
化剤、ジオクチルフタレート、ジエチルヘキシル
アジペート、ジオクチルアジペート等の可塑剤;
ポリエチレン系、酸アミド系、エステル系等の滑
剤などを、本発明の樹脂組成物の前述した如き望
ましい性質に実質的に悪影響を及ぼさない範囲の
量で含ませることもでき、それによつて、樹脂組
成物の熱安定性、耐老化性、成形時の溶融流れ
性、金型付着防止性等を改善することができる。 さらに、本発明の好ましい態様としては、上記
エチレン/一酸化炭素/酢酸ビニル共重合体に、
溶融混練に先立ち、予め、該共重合体が実質的に
不溶性であり且つ酢酸を実質的に溶解する液体で
処理される。 かかる処理により、エチレン/一酸化炭素/酢
酸ビニル共重合体中に存在しうる、溶血性及び細
胞毒性の原因物質となりうる酢酸を、該共重合体
から少なくとも部分的に除去することができる。
これによつて、溶血性及び細胞毒性の極めて少な
い、医療器材として一層適した樹脂組成物を提供
することが可能となる。 上記処理に使用しうる液体としては水が好適で
あるが、その他に例えば次の液体が単独でもしく
は2種以上混合して或いはこれらと水との混合物
として使用されうる アルコール系;メタノール、エタノール、n−プ
ロピルアルコール、イソプロピルアルコール、
ブタノール ケトン系;アセトン、メチルイソブチルケトン、
メチルエチルケトン エステル系;酢酸エチル、酢酸ブチル 炭化水素系;ブタン、ペンタン、ヘキサン、シク
ロヘキサン、ベンゼン、キシレン、トルエン ハロゲン化炭化水素系:塩化ビニル、フレオン、
クロロホルム、四塩化炭素、トリクレン その他;ジオキサン、ジメチルホルムアミド、セ
ロソルブ等 前記液体との接触は、前記共重合体を粒状のま
ま又は必要に応じて粉砕したものを用いて前記液
体中に浸漬するとか、前記液体を水で希釈するか
水に分散させたものに浸漬する等が好適である。 前記共重合体と前記液体との接触温度は前記共
重合体の二次転移温度よりも低い温度域に調整さ
れるのが好適であり、又接触時間は数分乃至数時
間程度とされるのが好適である。 前記共重合体と前記液体を接触させることによ
り、成形物中に存在している酢酸が溶出される。
そして前記共重合体中に存在する酢酸が溶出され
ることにより溶血性、細胞毒性を示さないものと
なる。 溶出が十分に行なわれたか否かは最終的には組
成物を用いて実際に成形を行ない、その成形物に
ついて溶血性試験、細胞毒性試験を行つて決めら
れるが、大体の目安としては、洗滌液のPH値を測
定し、これと溶血性試験、細胞毒性試験との相関
を得てPH値から判断することができる。 溶出が終つた共重合体は洗滌を繰返し行なつた
後、乾燥を行ない、有機溶剤等が残存しないよう
に熱的処理、真空乾燥処理等が施される。 本発明医療器材用樹脂組成物は柔軟性、透明
性、耐ブロツキング性等に優れ、かつ、溶血性、
細胞毒性を実質的に示さないものとなる。 本発明医療器材用樹脂組成物は医療用カテーテ
ル、輸血や輸液用のチユーブ、血液バツグ、輸液
バツグ、人工透析における血液回路用チユーブ等
の医療器材の成形加工に好適に用いることができ
る。例えば本発明の樹脂組成物は、フイルム状、
シート状、板状、容器状、管状、筒状、棒状、袋
状等目的とする医療器材の種類により任意の形状
に成形される。成形には押出成形、射出成形、流
延成形、プレス成形、吹込成形等の通常の成形手
段を採用できる。 成形時の温度としては110℃〜180℃程度とされ
るのが好ましく、塩化ビニル/エチレン共重合
体、エチレン/一酸化炭素/酢酸ビニル共重合体
の熱分解を抑制するために110℃〜140℃の温度範
囲で成形することが最も好ましい。 かくして得られた医療器材用成形物は、そのま
まで又は二次加工を施すことにより、カテーテ
ル、輸血や輸液用のチユーブ、血液バツグ、輸液
バツグ等の医療器材に好適に用いることができる
ものである。 以下に本発明の実施例を挙げる。なお、溶血性
試験及び細胞毒性試験は次の通り行なつた。 溶血性試験:日本薬局方「一般試験法」のなかの
輸液用のプラスチツク容器試験法に準拠。 細胞毒性試験:試験すべきプラスチツクを細断し
て、この1gを採り、MEM培地中に加え121
℃で20分間オートクレーブ中で抽出し、押出培
地を対照培地で稀釈し、これを細胞に投与し、
37℃で5日間、CO2濃度5%で培養し、顕微鏡
を用いて5日後の細胞数及び死細胞数を数え、
対照液と比較して毒性の判定を行う。 実施例 1〜4 重合触媒としてジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート、重合分散剤として部分ケン化ポリビ
ニルアルコールを使用し、重合温度40℃で塩化ビ
ニルとエチレン共重合を実施した。エチレンモノ
マーの量を種々変えることにより、第1表の実施
例1〜4の欄におけるようにエチレン含有量及び
分子量分布の異なる塩化ビニル・エチレン共重合
体を得た。これらはいずれもほゞ平均重合度が
1000であつた。 次に粉末状のエチレン/酢酸ビニル/一酸化炭
素共重合体(エチレンの共重合成分量65重量%、
酢酸ビニルの共重合成分量25重量%、一酸化炭素
の共重合成分量10重量%:分子量250000)100重
量部に対し、水300重量部を用い、撹拌器付容器
の中で室温で60分間撹拌した。 次いでこれを脱水乾燥したものについて、輸液
用プラスチツク容器試験法に基づいて測定したPH
値は5.5であつた。 一方上記の洗滌における水中への溶出物の量は
前記共重合体に対し0.1重量%であつた。上記の
処理を施こした前記共重合体90重量部と、上記塩
化ビニル/エチレン共重合体100重量部、及び9,
12−オクタデカジエン酸50重量%、9−オクタデ
セン酸45重量%、9,12,15−オクタデカトリエ
ン酸5重量%の比率でエステル化されているトリ
グリセライドを酸化反応によりエポキシ化したも
のでオキシラン酸素含有量7重量%、ヨウ素価2
である液状物7重量部、Ca−Zn系安定剤0.4重量
部及び酸化ポリエチレン系滑剤0.5重量部からな
る組成物を2本ロールに掛けて140℃で3分間混
練してロールシートを得た。このロールシートを
ペレタイザーにより、ペレツト化し角状ペレツト
を得た。この角状ペレツトを用いて、30m/mシ
ングル押出機(L/D=20、圧縮比=3.0)を用
いてシート状押出成型物を得た。押出時の金型部
分の樹脂温度は160℃であつた。 得られた押出シートの性状は第表の実施例1
〜4の組成物の物性、及び医療器材としての適性
の欄に示される通りであつた。 実施例 5〜8 重合触媒として、クミルパーオキシネオデカノ
エート及び亜硫酸ソーダ、重合分散剤として部分
ケン化ビニルアルコールを使用し、重合温度30℃
で塩化ビニルとエチレンの共重合を実施し、エチ
レンモノマーの量を種々変えることにより第表
の実施例5〜8の欄に示される共重合体を得た。
これらはいずれも平均分子量が2200であつた。 次に粉末状のエチレン/酢酸ビニル/一酸化炭
素共重合体(エチレンの共重合成分量60重量%、
酢酸ビニルの共重合成分量30重量%、一酸化炭素
の共重合成分量10重量%:分子量280000)100重
量部に対しメタノール200重量部を用い、撹拌器
付容器の中で室温で60分間撹拌し乾燥したものに
ついて輸液用プラスチツク容器試験法に基づいて
測定したPHは6.0で溶出物の量は前記共重合体に
対し1.0重量%であつた。 上記の処理を施した前記共重合体90重量部と、
上記塩化ビニル/エチレン共重合体100重量部と、
9−オクチルデセン酸47重量%、9,12−オクタ
デカジエン酸25重量%、9,12,15−オクタデカ
トリエン酸28重量%の比率でエステル化されてい
るトリグリセライドを酸化反応によりエポキシ化
したものでオキシラン酸素含有量9重量%、ヨウ
素価4である液状物10重量部からなる組成物を2
本ロールにより150℃でよく混練し、次いで逆L
型カレンダーロールにより厚さ0.4mmのシートを
成形した。 得られた押出シートの性状は第表の実施例5
〜8の欄に示す通りであつた。 このシートは透明で、柔軟である上に、溶血作
用を示さず、また溶出物も殆んどなく、細胞毒性
をも示さず血液セツト基準に定める各項目を満足
するものであつた。 従つて、血液バツグ用シートとして好適なもの
であつた。 実施例 9〜12 重合触媒として、ジイソブチリルパーオキサイ
ド、重合分散剤として部分ケン化ポリビニルアル
コールを使用し、重合温度25℃で塩化ビニルとエ
チレンの共重合を実施し第表に示される共重合
体を得た。これらはいずれもほゞ平均重合度が
2800であつた。 次に粉末状のエチレン/酢酸ビニル/一酸化炭
素共重合体(エチレンの共重合成分量65重量%、
酢酸ビニルの共重合成分量25重量%、一酸化炭素
の共重合成分量10重量%:分子量300000)100重
量部に対し、水200重量部、アセトン10重量部の
混合液を用い撹拌器付容器の中で25℃で60分間撹
拌し、乾燥したものについて輸液用プラスチツク
容器試験法に基づいて測定したPHは6.1で溶出物
の量は前記共重合体に対し0.8重量%であつた。 上記の処理を施こした前記共重合体90重量部
と、上記塩化ビニル/エチレン共重合体100重量
部と、9−オクタデセン酸60重量%、エルカ酸20
重量%、9,12−オクタデセン20重量%の比率で
エステル化されているトリグリセライドを酸化反
応によりエポキシ化したものでオキシラン酸素含
有量6重量%、ヨウ素価1.5である液状物15重量
部からなる組成物を実施例1と同条件下に押出成
型した。得られた押出シートの性状は第1表の実
施例9〜12の欄に示す通りであつた。 比較例 1〜4 実施例1〜4との比較の為に、塩化ビニル/エ
チレン共重合樹脂として第表の比較例1〜4の
欄におけるエチレン含有量、平均重合度、MW
MNの値を有するものを使用した以外は実施例1
〜4と同条件で押出シートを得た。次いでこの実
施例1〜4と同様にして組成物の物性及び医療器
材としての適性を評価した。その結果を第表の
比較例1〜4の欄に示す。 比較例 5〜9 実施例5〜8との比較の為に、塩化ビニル/エ
チレン共重合樹脂として第表の比較例5〜9の
欄におけるエチレン含有量、平均重合度WN
の値を有するものを使用した以外は実施例5〜8
と同条件で押出シートを得た。次いでこの実施例
5〜8と同様にして組成物の物性及び医療器材と
しての適性を評価した。その結果を第表の比較
例5〜9の欄に示す。 比較例 10〜14 実施例9〜13との比較の為に塩化ビニル/エチ
レン共重合樹脂として第表の比較例10〜14の欄
におけるエチレン含有量、平均重合度、WN
の値を有するものを使用した以外は実施例9〜13
と同様にして組成物の物性及び医療器材としての
適性を評価した。その結果を第表の比較例10〜
14の欄に示す。 比較例 15〜16 第表に示される塩化ビニル/エチレン共重合
体を試作した。 これらを用いて同表に示される加工条件下に押
出シートを得た。 医療器材としての適性を評価した結果、同表に
示される結果を示した。 比較例 17 実施例1〜4との比較の為に、エチレン/酢酸
ビニル/一酸化炭素共重合体として水による洗滌
処理を施こさないものを使用した以外は実施例1
と同様にしてシート状成形物を得た。 このシート状成形物は透明性、柔軟性、そすぐ
れていたが、溶血性を強く示し、又細胞毒性を示
した。又耐ブロツキング性も劣つていた。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) エチレン含量が3〜12重量%の範囲内に
    あり、平均重合度が700〜2900の範囲内にあり
    且つ重量平均分子量対数平均分子量の比が
    2.5:1乃至5.5:1の範囲内にある塩化ビニ
    ル/エチレン共重合体; (b) エチレン/一酸化炭素/酢酸ビニル共重合
    体; 及び (c) 下記式 式中、X、Y及びZは同一もしくは相異な
    り、それぞれ水素原子又は下記式 【式】 【式】及び 【式】 (ここで、R1、R3、R4、R6、R7及びR8はそれ
    ぞれ独立に炭素原子数1〜25個の飽和もしくは
    不飽和の直鎖状もしくは分岐鎖状の2価の炭化
    水素基を表わし、R2、R5及びR9はそれぞれ独
    立に炭素原子数1〜25個の飽和もしくは不飽和
    の直鎖状もしくは分岐鎖状の1価の炭化水素基
    を表わす。) から選ばれるエポキシ化脂肪族カルボン酸残基を
    表わす。ただし、X、Y及びZはすべてが同時に
    水素原子を表わすことはない。 のグリセリンエステル; から成る医療器材用樹脂組成物。 2 該エチレン/一酸化炭素/酢酸ビニル共重合
    体が、約100000〜約2000000の範囲内の数平均分
    子量を有する特許請求の範囲第1項記載の樹脂組
    成物。 3 該グリセリンエステルが5〜10重量%のオキ
    シラン酸素含量を有する特許請求の範囲第1項又
    は第2項記載の樹脂組成物。 4 該グリセリンエステルが10以下のヨウ素価を
    有する特許請求の範囲第1項から第3項のいずれ
    か記載の樹脂組成物。 5 エチレン/一酸化炭素/酢酸ビニル共重合体
    が予め、該共重合体が実質的に不溶性であり且つ
    酢酸を実質的に溶解する液体で処理されたもので
    ある特許請求の範囲第1項から第4項のいずれか
    記載の樹脂組成物。
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