JPS6349661B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、車両用シートベルト巻取用のリト
ラクタの取付装置に関する。

シートベルト用リトラクタ１は、例えば第１図
に示すように、シート２側方の車体センタピラー
３の下部のサイドシル４等に取り付けられ、この
リトラクタ１より引き出されたシートベルト５は
センタピラー３の上部に設けられたシヨルダーア
ンカ６等に挿通され、端部のタング７がバツクル
８等に係合されるようになつている。

ところで、上記リトラクタ１は車種の違いによ
つてその取付位置を変えなければならない。しか
し、取付位置が変わると引き出されるシートベル
ト５の角度が変わつてしまうので、シートベルト
５の引出し、巻取りを円滑にさせるため、シート
ベルトの角度に合わせてリトラクタ１の取付角度
θも変える必要がある。ところが、リトラクタ１
内には緊急ロツク用のセンサが内蔵されており、
リトラクタ１の取付角度に応じてセンサの角度も
変えなければならない。

リトラクタ１の取付角度としては、従来車種に
より0゜〜45゜の間で何段階かに分かれている。ま
た、車体組立てラインにおいては車種の異なる車
体が同一のライン上を移送されてくる。

そのため、従来は、予めセンサの角度を変えた
複数種類のリトラクタを用意しておき、これらを
シートベルト５の端部に貼付したラベル９によつ
て識別させたり、あるいは第２図に示すように取
付用ボルトが挿通される取付穴１０，１０のピツ
チｌを変えることにより識別させて、移送されて
くる車種に応じたリトラクタを取り付けるように
していた。

しかしながら、ラベル等視覚による識別方法で
は、作業者のミスにより誤まつたリトラクタが取
り付けられるおそれがある。しかも、最終チエツ
クの段階で誤まりが発見された場合には再度組み
直しの必要があり、その作業は極めて煩雑なもの
となる。

一方、取付穴１０，１０のピツチｌを変えて識
別する場合には、取付ミスは防止できるが、取付
穴ピツチの異なるリトラクタ（ハウジング）を作
つておかなければならないので、部品点数が増加
してしまうという問題点があつた。

この発明は、上記のような問題点に着目してな
されたもので、共通のリトラクタのハウジングに
取付用パネル側に向かつて突出する一つまたは複
数個の突起を形成し、リトラクタの取付角度の違
いに応じて、上記突起の上記取付用パネル側に向
かつて折り曲げられる位置を変えることにより、
上記突起の位置あるいは組合せを変えて識別さ
せ、かつ車体側の取付用パネルにはこの突起に対
応した係合穴を形成しておくことによつて、部品
点数を増加させることなく、リトラクタの取付ミ
スを防止できるようにすることを目的とする。

以下図面に基づいてこの発明を説明する。

第３図は本発明の第１の実施例を示すもので、
１１はリトラクタ１のハウジングで、このハウジ
ング１１内にはシートベルトの巻取軸および緊急
ロツク用のセンサ（図示省略）が設けられてい
る。１２はハウジング１１の上端部に、係止部１
３にて固着されたブラケツトで、このブラケツト
１２には、リトラクタ１をサイドシル等の取付用
パネル４へ固定するための固定片１４が設けられ
ており、この固定片１４にはビス挿通孔１５が形
成されている。そして、このブラケツト１２には
リトラクタ１の取付角度を識別するための突起１
６ａ，１６ｂが形成されており、一方の突起１６
ａは取付用パネル４側へ向かつて突出されてい
る。また、ハウジング１１の下端部にも固定片１
１ａが設けられており、この固定片１１ａにはボ
ルト挿通孔１７が形成されている。また、上記取
付用パネル４に形成された開口部４ａの上縁部中
央には上記ブラケツト１２の固定片１４が係合す
る凹部４ｂが形成され、凹部４ｂ内にはビス２０
が挿入されるねじ穴４ｃが形成されている。この
凹部４ｂの側方には上記ブラケツト１１に設けら
れた突起１６ａ，１６ｂのうちパネル４に向かつ
て突出された突起１６ａが進入可能な係合穴１８
が形成されている。更に開口部４ａの下方にはア
ンカボルト２１が螺合されるウエルトナツト１９
が固着されている。

従つて、上記ハウジング１１を取付用パネル４
の開口部４ａ内に挿入してビス２０およびアンカ
ボルト２１をそれぞれ固定片１４と１１ａに挿通
してから、ねじ穴４ｃおよびウエルトナツト１９
に螺合させてやれば、リトラクタ１を取付用パネ
ル４に固定することができる。

この際、リトラクタ１が取付角度の違いにより
２種類あつて、内部のセンサの傾きが異なつてい
る場合には、取付角度に応じて、一方のリトラク
タはブラケツト１２の突起１６ａを、図のように
パネル４側に向かつて突出させ、他方の突起１６
ｂは上方へ向けておく。また、他のリトラクタは
突起１６ｂを折り曲げてパネル４側へ向かつて突
出させ、突起１６ａは上方へ向けておく。そし
て、このリトラクタ１が取り付けられる車体側パ
ネル４には突起１６ａまたは１６ｂに対応する位
置に係合穴１８を形成しておく。このようにすれ
ば作業者が誤まつたリトラクタを選択しても、リ
トラクタ１をパネル４の開口部４ａに挿入したと
き、突起１６ａまたは１６ｂと係合穴１８とが噛
み合わないことにより、取付不能となつて選択ミ
スを容易に発見することができる。

また、突起１６ａ，１６ｂの数をふやしたり、
第４図に示すようにハウジング１１側のブラケツ
ト１２に４個の突起１６ａ〜１６ｄを設けてお
き、取付用パネル４側に向かつて突出する２つの
突起の組合せを変えることによつて、更に多くの
リトラクタの種類を識別させることが可能とな
る。その結果、リトラクタの取付角度を２以上の
複数の段階に分割することができ、車種に応じて
最も適切な傾きをもつたリトラクタを車体パネル
に取付けることが可能となる。

次に、第５図は本発明の他の実施例を示すもの
でこの実施例では、前記ブラケツト１２をハウジ
ング１１の一部を折曲してハウジングと一体に設
けてある。そして、このブラケツト１２にはシー
トベルトが挿通可能なガイド孔２２が形成されて
いる。

また、第６図はリトラクタを識別するための前
記突起１６ａ〜１６ｄを、ハウジング１１の上端
縁に形成したものを示す。この場合、リトラクタ
１はハウジング１１の背面１１ｂが取付用パネル
４との接合面となり、突起１６ｂは後方へ向かつ
て折り曲げられている。そして、このリトラクタ
はアンカボルト２１によつてのみ固定され、上記
突起１６ｂはこの場合取付角度の位置決めの役割
をも有することになる。

なお、上記識別用の突起１６ａ〜１６ｄはハウ
ジング１１の下端部に設けるようにしてもよい。

また、前記実施例では、識別用の突起１６ａ〜
１６ｄをハウジング１１側に設け、これと対応す
る係合穴１８を取付用パネル４側に設けたが、識
別用の突起を取付用パネル４側にまた係合穴１８
をハウジング１１側に設けるように構成すること
も可能である。

以上説明したごとくこの発明は、リトラクタの
ハウジング側には取付用パネル側に向かつて突出
する一つまたは複数個の突起または係合穴が形成
され、また、リトラクタ取付用パネルには上記突
起が進入可能な係合穴またはハウジングの係合穴
に進入可能な突起が形成され、リトラクタの取付
角度の違いに応じて、上記突起の上記取付用パネ
ル側または上記リトラクタのハウジング側に向か
つて折り曲げられる位置を変えることにより、上
記突起および係合穴の位置が異なるように構成さ
れているので、組立ラインでのリトラクタの取付
ミスを容易に防止することができる。しかも、各
リトラクタは取付用パネル側に向かつて折り曲げ
られる突起の位置、または取付用パネルに形成さ
れた突起の係合穴の位置のみを変えればよいの
で、共通の部品を使用することができ、部品点数
の増加に伴なうコストアツプを免れることができ
る等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はシートベルト用リトラクタの取付状態
の一例を示す車室内の側面図、第２図は従来のリ
トラクタの取付方法の一例を示す説明図、第３図
は本発明に係るリトラクタの取付装置の第１の実
施例を示す斜視図、第４図は識別用突起の他の実
施例を示す斜視図、第５図は本発明の第２の実施
例を示す斜視図、第６図は本発明の第３の実施例
を示す斜視図である。 １…リトラクタ、４…取付用パネル（サイドシ
ル）、５…シートベルト、１１…ハウジング、１
６ａ〜１６ｄ…突起、１８…係合穴。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内部に取付角度によつて傾きの異なる緊急ロ
   ツク用のセンサを有しているシートベルト用リト
   ラクタにおいて、上記リトラクタのハウジング側
   には取付用パネル側に向かつて突出する一つまた
   は複数個の突起または係合穴が形成され、また、
   リトラクタ取付用パネルには上記突起が進入可能
   な係合穴またはハウジングの係合穴に進入可能な
   突起が形成され、リトラクタの取付角度の違いに
   応じて、上記突起の上記取付用パネル側または上
   記リトラクタのハウジング側に向かつて折り曲げ
   られる位置を変えることにより、上記突起および
   係合穴の位置が異なることを特徴とするシートベ
   ルト用リトラクタの取付装置。