JPS634873Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は接続を容易に行なえるようにした流体
接続具に関するものである。

ガスの配管などの接続部に用いられる流体接続
具においては、第５図に示すように、ソケツト本
体１に嵌挿されたボール支持リング２のボール収
納部３にボール４を配設し、プラグ本体５の外周
壁面に形成された係合溝６にボール４を係合させ
ることにより、接続時の抜け止めを行なつてい
る。すなわち、ボール支持リング２の外周には摺
動環７′が嵌挿されており、摺動環７′の内周壁面
８′でボール４を押すことによりボール４を内方
に突出させ、また、ソケツトとプラグの着脱時に
は、破線で示すように摺動環７′をボール支持リ
ング２との間に内装されているセツトばね９の力
に抗して図の右方向へ後退させることにより、摺
動環７′のボール逃げ段部１０をボール収納部３
上に位置させ、ボール４の外方への移動を可能と
して内方に突出しない状態とし、着脱を行なう。
また、ソケツト本体１に一定以上の外力が加わる
と、ソケツト本体１と摺動環７′はセツトばね９
に抗して共に後退してソケツトがプラグから自動
的に離脱し、流体接続具の破損が防止されるよう
に構成されている。

ところで、従来のこの種の流体接続具において
は、セツトばねの設定荷重が大きいため摺動環を
後退させるのに専用の工具を必要としており、工
具がないと着脱作業が行なえないという不便さが
あつた。

本考案はこのような問題点に着目してなされた
ものであり、ボール収納部を覆う摺動環をソケツ
ト本体に対して回動可能に支持するとともに摺動
環に回動力を付勢するキツクばねを設け、キツク
ばねに抗して摺動環を回動させた場合にボール収
納部と一致する位置に来る摺動環の内周壁面にボ
ール逃し穴を形成し、摺動環を回動させてボール
をボール逃し穴に入れることによつて、容易に着
脱を行なうことのできる流体接続具を得ることを
目的としている。

次に第１図乃至第４図に示した実施例について
説明する。ソケツト本体１にはボール支持リング
２が嵌挿され、ボール支持リング２の先端部に放
射状の方向に複数個のボール収納部３が形成さ
れ、ボール収納部３にボール４が収納されてい
る。ボール収納部３の内方開口側には小径部が形
成されてボール４が内方へ脱落しないようにして
あり、図ではボール４を２個収納しているが、ボ
ール４は１個でもよく、またボールの代りに適切
な形状の棒状体を用いることもできる。ボール支
持リング２の外周にはカバー１１が嵌挿され、ボ
ール支持リング２のつば部２ａとカバー１１の段
部１１ａとの間にセツトばね９が圧縮状態で内装
され、止め輪１２によつて抜け止めがなされてい
る。カバー１１の外周には摺動環７が嵌挿され、
先端部の内周壁面８はボール支持リング２の外周
面に摺接しており、内周壁面８の先端にはボール
逃げ段部１０が形成されている。摺動環７には円
周方向にスリツト１３が設けられ、このスリツト
１３にカバー１１に植設されたスプリングピン１
４が係合し、第３図に示すように摺動環７はスリ
ツト１３の長さに応じた範囲θ内で回動できるよ
うになつている。摺動環７とカバー１１との間に
はキツクばね１５が設けられて摺動環７に一定の
回動力が付勢され、常時スリツト１３の一端にス
プリングピン１４が当接するようにされている。
キツクばね１５は第４図に示すような形状のねじ
りばねであり、端部１５ａ，１５ｂが摺動環７と
カバー１１に適宜の手段で固定される。摺動環７
の外周には弾性体からなるシールカバー１６が被
着されており、ソケツトＡは以上のような構成と
なつている。

一方、プラグＢのプラグ本体５の外周壁面に
は、ボール４に対応する係合溝６が設けられ、先
端にはソケツト本体１の当接面１ａに対応するパ
ツキン１７が設けられており、接続時に押圧ばね
１８によつて当接面１ａにパツキン１７が押圧さ
れて流路が形成される。またプラグ本体５にはフ
ランジ１９が設けられており、シールカバー１６
の先端の環状ひだ部２０が当接するテーパ面２１
が形成されている。

第２図は摺動環７の詳細をボール４との関係と
ともに示すものであり、摺動環７の内周壁面８を
構成している環状リブの一部を、一定の間隔（図
の場合にはボール４の配置に応じて120度の間隔）
で切欠いてボール逃し穴２２を形成してある。そ
こで、第２図ａの状態から摺動環７を第２図ｂの
実線矢印のように回動させると、ボール逃し穴２
２がボール４の部分に来てボール４がボール逃し
穴２２の方へ移動可能となるから、この状態でソ
ケツトＡの着脱を行なうのであり、ボール４はプ
ラグ本体５の先端に形成されているテーパ面ある
いは係合溝６のテーパ面によつて外方へ押し上げ
られ、抵抗なく容易に着脱操作を行なうことがで
きる。また、摺動環７にはキツクばね１５によつ
て一定の回動力が付勢されているので、着脱終了
後摺動環７から手を離せば摺動環７は破線矢印の
方向に回動して第２図ａの状態に戻り、ボール４
は内周壁面８によつて押されて内方に突出した状
態に保持されるのである。

上述の実施例によつて明らかなように、本考案
は、設定荷重の大きなセツトばねによりボール支
持リングを後退方向に、ボール押さえ用の摺動環
を先端方向にそれぞれ付勢しておき、摺動環を後
退させることにより着脱できるとともに、セツト
ばねの設定荷重以上の外力が加わるとボール支持
リングが先端方向に摺動して自動的に結合が解除
されるような構造の流体接続具を改良し、ボール
収納部を覆う摺動環を回動可能に支持し、摺動環
の内周壁面にボール逃し穴を形成したのである。
従つて、摺動環を回動させてボール逃し穴をボー
ル収納部に一致させることによつてソケツトの着
脱を行なうことができ、摺動環にはキツクばねに
よつて回動力を付勢しているので、摺動環にキツ
クばねに抗した回動力を与える着脱時以外には、
自動的にボールは内方へ押されて突出状態に保た
れるのであり、セツトばね９の設定荷重に関係な
く工具を使用せずに着脱作業を行なうことがで
き、着脱が容易でしかも接続時の抜け止めが確実
な流体接続具を得ることができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の一部破断側面図、
第２図ａ及び第２図ｂは同上の摺動環の正面図、
第３図は同上の要部の一部破断正面図、第４図は
同上のキツクばねの斜視図、第５図は従来例の要
部の破断側面図である。 １はソケツト本体、２はボール支持リング、３
はボール収納部、４はボール、５はプラグ本体、
６は係合溝、７は摺動環、８は内周壁面、９はセ
ツトばね、１０はボール逃げ段部、１５はキツク
ばね、２２はボール逃し穴、Ａはソケツト、Ｂは
プラグである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端方向に移動可能なボール支持リングと、後
   退方向に移動可能な摺動環とをソケツト本体の先
   端外周に設け、ボール支持リングで支持されたボ
   ールをプラグの係合溝に係合させ、摺動環の内周
   壁面でボール支持リングのボール収納部を覆つて
   ボールの外方への突出を阻止することにより抜け
   止めを行なうとともに、ボール支持リングと摺動
   環の間に圧縮状態で内装されたセツトばねにより
   ボール支持リングを後退方向に、摺動環を先端方
   向にそれぞれ付勢し、このセツトばねの付勢力に
   抗してボール支持リングが先端方向に、あるいは
   摺動環が後退方向に摺動することにより、摺動環
   の先端内周に形成されたボール逃げ段部がボール
   の位置まで移動してボールの突出を可能とするよ
   うに構成された流体接続具において、摺動環をソ
   ケツト本体に対して回動可能に支持するとともに
   摺動環に回動力を付勢するキツクばねを設け、キ
   ツクばねに抗して摺動環を回動させた場合にボー
   ル収納部と一致する位置に来る摺動環の内周壁面
   にボール逃し穴を形成してなる流体接続具。