JPS6145365Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、アウタケーシングにインナケーブル
を摺動自在に挿通して、押し引き両方向若しくは
何れか一方の操作力を伝達するようにしたコント
ロールケーブルの端末装置に使用されるダストカ
バーに関する。

従来のコントロールケーブルの端末装置を第
１，２図に基づいて説明すると、アウタケーシン
グａの端末は、筒形固定具ｃの中心孔ｄの後部に
連成された拡径孔ｅに嵌入されてかしめ付けによ
り固着されており、この筒形固定具ｃは取付板ｆ
に透設された取付孔ｇに挿通されて、外周に形成
された雄ねじｈにナツトｉ，ｉを締め付けること
によつて、筒形固定具ｃが取付板ｆに対して取付
位置調節可能に固定されるようになつており、そ
の先端部の外周には雄ねじｈを削り取つた係止溝
ｊが形成されている。アウタケーシングａに摺動
自由に挿通されたインナケーブルｂは、筒形固定
具ｃの中心孔ｄを通つてその先端から突出してお
り、その突出部にはリング形のストツパｋと合成
ゴムから成る筒形のダストカバーｍが相対的移動
自由に嵌装されており、筒形固定具ｃをナツト
ｉ，ｉによつて取付板ｆに固定し、かつインナケ
ーブルｂの端末を図示しない従動部材若しくは駆
動部材である可動部材に固定した後、第２図に示
すようにインナケーブルｂが図の右方に最も突き
出した状態において、筒形固定具ｃとストツパｋ
との距離Ａが所定の寸法となる位置でストツパｋ
をかしめ付けてインナケーブルｂに移動不能に固
着し、インナケーブルｂが図の左方に移動する場
合にストツパｋが筒形固定具ｃの端面に突き当つ
てインナケーブルｂの図の左方への移動を阻止す
るようになつており、又筒形のダストカバーｍ
は、図の左端部の内側に形成された係止環ｎを筒
形固定具ｃの先端部外周に形成された係止溝ｊに
嵌合して取付けられ、インナケーブルｂの筒形固
定具ｃから突出する部分を覆つて水や粉塵等が筒
形固定具ｃの中心孔ｄから侵入するのを防止する
ようになつている。尚、インナケーブルｂの先端
には、従動部材若しくは駆動部材である可動部材
に連結するための図示しない端末金具が固着され
るようになつていて、ストツパｋとダストカバー
ｍをインナケーブルｂに遊嵌して端末金具を固着
した状態で組付け位置に運ばれるのであるが、ダ
ストカバーｍの係止環ｎの内径は、筒形固定具ｃ
の係止溝ｊの谷の直径にほぼ等しく、ストツパｋ
の外径よりはるかに大きいため、運搬中や、組付
け作業の途中において、ストツパｋがインナケー
ブルｂ上を自由に摺動してダストカバーｍの中に
潜り込んでしまうことがあるが、このような場合
ダストカバーｍの中からストツパｋを取り出すの
に手間取つて、組付けの作業能率が低下する欠点
がある。

本考案はかかる欠点を除去するために完成され
たものであつて、筒形固定具の係止溝に嵌合する
係止環の前面にストツパに嵌合して仮止めする保
持部を形成して、組付け前にストツパをダストカ
バーに仮止めして組付け作業を容易にすることを
目的とするものである。

以下、本考案の一実施例を第３，４図に基づい
て説明する。

本実施例のダストカバー１は、筒部２の一端に
拡径部３が形成され、この拡径部３の端部内周に
筒形固定具ｃの係止溝ｊに嵌合する係止環４が形
成され、その内周面に内径ストツパｋの外径より
小さい易屈曲部５が形成され、さらに、その前面
に、弾拡によりストツパｋに嵌合して保持する筒
形の保持部６が形成されているとともに、係止環
４の内側には逃げ溝７が形成されている。

そして、インナケーブルｂに端末金具を固着し
て組付け位置に運搬する際には、第３図に示すよ
うに、保持部６をストツパｋの端部に嵌合して仮
止めしておくと、ストツパｋがダストカバー１内
に潜り込むおそれがなく、組付け時に、容易にそ
の位置を確認し得るとともに、ダストカバー１を
握んで移動することによりストツパｋの位置決め
することができて、極く小片であるストツパｋを
直接つまんで位置決めする場合に比べて作業性に
優れ、しかも、ストツパｋのかしめ付けを安全に
行なうことができ、ストツパｋをインナケーブル
ｂにかしめ付けた後は、ダストカバー１を筒形固
定具ｃの端部に強く押し付けると、第４図に示す
ように、保持部６が易屈曲部５とともに内側へ屈
曲して逃げ溝７内に収容され、係止環４とともに
係止溝ｊ内に嵌入して固定される。

前記において、保持部６をストツパを挾持する
ように互いに対応する二片としてもよく、また、
易屈曲部５の前面を窪ませた凹部としてもよい
が、本実施例のように筒形にすると、筒形固定具
ｃの係止溝ｊ内に嵌入したときにその外周に強く
弾性してシール性が向上する利点がある。

上記実施例によつて具体的に説明したように、
本考案のコントロールケーブルのダストカバー
は、アウタケーシングにインナケーブルを摺動自
由に挿通したコントロールケーブルの前記アウタ
ケーシングの端末に筒形固定具を固着し、前記イ
ンナケーブルの前記筒形固定具から突出した部分
に該筒形固定具との衝合によつて前記インナケー
ブルの引き込み方向の移動を阻止するリング形の
ストツパを固着したコントロールケーブルの端末
装置の前記インナケーブルの前記筒形固定具から
突出した部分を覆う弾性材料からなる筒形のダス
トカバーであつて、前記筒形固定具の外周に形成
した係止溝に嵌合する内向きの係止環の前面に前
記ストツパに嵌合して仮止めする保持部を形成し
たことを要旨とするものであつて、運搬中や組付
け作業においては、ストツパが保持部に仮止めさ
れてダストカバーの中に潜り込むのが防止され、
ストツパのかしめ付け作業を容易に行なうことが
できるとともに、ストツパのかしめ付け後におい
ては、ダストカバーを筒形固定具に嵌着すると、
保持部が易屈曲部とともに係止環の内周面側に折
れ曲がつて筒形固定具の係止溝内に収容されて固
着されるから、組付作業に際して何ら支障とはな
らない効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来例を示すもので、第１
図は筒形固定具とダストカバーの組付け前の状態
を示す断面図、第２図は組付後の状態を示す断面
図である。第３，４図は、本考案の一実施例を示
すもので、第３図は筒形固定具とダストカバーの
組付け前の状態を示す断面図、第４図は組付け後
の状態を示す要部の拡大断面図である。 ａ：アウタケーシング、ｂ：インナケーブル、
ｃ：筒形固定具、ｊ：係止溝、ｋ：ストツパ、
１：ダストカバー、２：筒部、３：拡径部、４：
係止環、５：易屈曲部、６：保持部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アウタケーシングにインナケーブルを摺動自由
   に挿通したコントロールケーブルの前記アウタケ
   ーシングの端末に筒形固定具を固着し、前記イン
   ナケーブルの前記筒形固定具から突出した部分に
   該筒形固定具との衝合によつて前記インナケーブ
   ルの引き込み方向の移動を阻止するリング形のス
   トツパを固着したコントロールケーブルの端末装
   置の前記インナケーブルの前記筒形固定具から突
   出した部分を覆う弾性材料からなる筒形のダスト
   カバーであつて、前記筒形固定具の外周に形成し
   た係止溝に嵌合する内向きの係止環の前面に前記
   ストツパに嵌合して仮止めする保持部を形成した
   ことを特徴とするコントロールケーブルの端末装
   置用ダストカバー。