JPH07110087A - フレキシブル管用継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フレキシブル管を押し込んだ後ピンを押すだ
けで接続が完了するフレキシブル管用継手を提供する。 【構成】 パッキン収納部を有する本体と、このパッキ
ン収納部にフレキシブル管の先端が当たることによって
奥側に移動するパッキンを装着し、受け口部に向かって
縮径するテーパ内周面を有し本体にねじ込んだナット
と、 パッキンと一体的になっており、先端に複数の係
止爪を有する略筒状のスリーブと、奥側への移動を阻止
されると共に切り割りを拡げた状態でスリーブの一端外
周に装着されたリテーナと、受け口側に向かって縮径す
るテーパ外周面を有し、スリーブの係止爪の間にそれぞ
れ装着された止め輪部材と、リテーナと止め輪の間に圧
縮状態で装着された圧縮ばねとからなるフレキシブル管
用継手。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、蛇腹状のフレキシブル
管を継手に差し込むだけで接続ができるワンタッチ式の
フレキシブル管用継手に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ワンタッチ式のフレキシブル管用
継手としては、図４に示す特開平5-164280号公報に開示
されたものがある。この継手の接続手順は次の通りであ
る。継手本体ａの一端側からフレキシブル管ｆを挿入す
ると、フレキシブル管ｆの端部はパッキンｂを通過した
後支持部材ｃを押圧する。すると支持部材ｃはばねｄの
付勢力に抗してフレキシブル管ｆの挿入方向へ移動する
が、支持部材ｃの外周面に拡径した状態で装着されてい
るコイルばねｅは継手本体ａに動きを阻止されているの
で支持部材ｃのみが移動することになる。支持部材ｃが
移動を続けるとついにはコイルばねｅは支持部材ｃの装
着から外れ、フレキシブル管ｆの谷部に縮径した状態で
嵌合する。その後、コイルばねｅは継手本体内で係止さ
れフレキシブル管ｆの抜け出しを阻止するというもので
ある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来のフレキ
シブル管用継手では、第１に、上記コイルばねは、ばね
線材をコイルしながら輪にしたものであるので、自身の
剛性が低く柔軟な部材である。従ってフレキシブル管の
引き抜きを阻止力を高く設定することができず、また引
き抜き阻止の効果が不安定であるという問題点がある。
第２に、パッキンが引き抜き阻止の働きをするコイルば
ねよりも入口側にあるので、挿入時フレキシブル管の先
端でパッキンが傷つき易い。また、シール面圧を保持す
る手段がないので、引き抜き力がかかると通常フレキシ
ブル管の山は伸びて縮径するものであるから、たちまち
シール面圧が下がり漏れが発生するという問題点があ
る。第３に、フレキシブル管が正しく挿入されて接続が
完了したかどうかを判断する手段がないという問題点が
ある。

【０００４】従って本発明は、フレキシブル管を押し込
むだけで接続が完了する継手であって、引き抜き阻止力
とパッキンのシール面圧が長期にわたって十分かつ安定
して得られるフレキシブル管用継手を提供することを目
的とする。また、フレキシブル管が正常に挿入されて接
続が完了したか否か確認できる機構も提供する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、一端に大径孔
を、他端に小径孔を有し、該大径孔と小径孔との間でパ
ッキン収納部を形成した本体と、本体のパッキン収納部
に装着し、フレキシブル管先端部が当接しその外周をシ
ールすると共に奥側に移動するパッキンと、前記本体の
一端に螺着され、フレキシブル管が挿入される受け口部
と、この受け口部に向かって縮径するテーパ内周面を形
成したナットと、前記パッキンに一体的に固着され、一
端は前記大径孔まで延び、他端は前記受け口部まで延び
て先端に複数の係止爪を有する略筒状のスリーブと、奥
側への移動が阻止されていると共に軸方向の切り割りを
拡げた状態で前記スリーブの一端外周に装着したリテー
ナと、受け口側に向かって縮径するテーパ外周面を有
し、前記スリーブの係止爪の間にそれぞれ装着した止め
輪部材と、前記リテーナと止め輪部材の間に圧縮状態で
装着され、自由状態において伸長して、一端が前記パッ
キンを押圧すると共に他端が前記止め輪部材をフレキシ
ブル管の谷部に嵌合させるように押圧する圧縮ばねと、
からなるフレキシブル管用継手である。

【０００６】

【作用】当初、止め輪とリテーナの間には圧縮状態にし
た圧縮ばねが収容されており、止め輪はスリーブの係止
爪を間に挟むようにして拡径した状態でナットのテーパ
内面に当接し係止されている。一方、リテーナは弾性的
に切り割りを拡げた状態で、かつ奥側への移動を阻止さ
れてスリーブに装着されている。即ち、止め輪とリテー
ナは圧縮ばねの弾性力を保持しつつ、共にスリーブに係
止している。この状態からナットの受け口部より蛇腹状
のフレキシブル管を挿入すると、フレキシブル管はパッ
キンまで到達し、さらに押し込むとパッキンの内径側を
押圧してシール性を保ちながらパッキンは奥側に移動す
る。このときパッキンとスリーブは一体的になっている
ので同時にスリーブも奥側に移動する。しかるに、リテ
ーナと止め輪の奥側への移動は阻止されているので、結
果スリーブのみが移動しリテーナと止め輪は取り残さ
れ、ついにはスリーブによるリテーナと止め輪の保持は
解除され、リテーナは一気に縮径し、これとともに圧縮
ばねが伸長して、圧縮ばねの弾発力によって、リテーナ
とスリーブはパッキンを押圧しシール面圧をアップさせ
る。一方止め輪側はナットのテーパ面と自身の背面テー
パ面に沿ってフレキシブル管方向へ縮径を伴って移動し
その谷部に嵌入する。圧縮ばねの力は止め輪を谷部に強
く嵌合させるように働くので高い引き抜き阻止力が達成
される。

【０００７】次に、ナットに開口窓を設け、スリーブに
はこの窓から突出する指示部を設ければ、スリーブの移
動と共に窓から突出した指示部も移動するので、正しく
フレキシブル管が挿入されているか、また接続が完了し
たかどうか外部から目視で確認することができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
１は本発明の一実施例を示す断面図で、上半分はフレキ
シブル管を挿入している段階を示し、下半分がフレキシ
ブル管を接続した後を示している。このフレキシブル管
用継手は本体１と、ナット２と、パッキン３と、スリー
ブ４と、リテーナ５と、止め輪６と、圧縮ばね７とから
なる。本体１とナット２と止め輪６はそれぞれ銅合金等
の金属製、スリーブ４とリテーナ５はポリアセタール等
の合成樹脂製である。他方接続しようとするフレキシブ
ル管８はステンレス製で、図に示すように先端より後方
（図面右方）に向って切断部、第１山部、第１谷部、第
２山部、第２谷部、………と蛇腹が形成されており、ま
た外面は合成樹脂製の保護管９によって被覆されてい
る。

【０００９】先ず本体１の内部には、入口側（図面右
側）より奥側（図面左側）に向って大径孔１１と小径孔
１２とを形成し、こうして大径孔１１と小径孔１２との
間で段差部１３が形成される。ここで大径孔１１はパッ
キンの摺動孔となり、スリーブ４と一体的に形成した、
あるいは組付けたパッキン３が軸線方向に密封かつ摺動
自在に装着されている。大径孔１１の外周側はおねじ１
４が形成され、また奥側は徐々にせばまるテーパ内周面
としてシール性を高めている。またパッキン３の奥端
は、フレキシブル管の先端が当たり易いように突出して
いるが、内面は内径をフレキシブル管８の山外径よりも
若干小径に形成して山の外周をシールするようにもなっ
ている。

【００１０】ナット２の一端にはめねじ２４が形成され
本体のおねじ１４と螺号して、はじめから両者は一体化
されている。入口側にはフレキシブル管が挿入される受
け口２１があり、その内面は受け口側に縮径するテーパ
内周面２２に形成されている。尚、本体１とナットの螺
合部先端にＯリングを入れたり、受け口部分にフレキシ
ブル管との間を密封する水密パッキンを組み入れてもよ
い。スリーブ４は図２に示すように、入口側の先端に係
止爪４１が複数個、本例の場合３個突出して設けられて
いる。一方奥側は若干大径の部分があり、ここに軸方向
に切り割りの入ったリテーナ５を拡径した状態で係止し
ている。同時にリテーナ５の端部は本体１の先端部分に
当接して奥側への移動を阻止されている。ここでリテー
ナ５は樹脂製で拡径状態から縮径しようとする弾性復元
力を保有している。止め輪６は、止め輪６ａ、６ｂ、６
ｃ（図示せず）をそれぞれ各係止爪４１の間に拡径した
状態で挟み、その上で自身の背面テーパ面６１をナット
のテーパ内周面２２に当接させて軸方向の移動を阻止し
ている。そして、リテーナ５と止め輪６との間には圧縮
ばね７が圧縮された状態で収容されている。本実施例の
継手は以上のように組み立てられている。

【００１１】次にこの継手の接続作業について説明す
る。上記した図１の上半分に示す状態に組み立てた後、
ナット２の受け口部２１からフレキシブル管８を挿入す
ると、フレキシブル管の第１山部はパッキン３の奥端に
衝突し外周のシールを保ちながら奥側に移動する。この
時パッキン３とスリーブ４は一体であるのでスリーブ４
も一緒に奥側に移動する。しかるに、リテーナ５と止め
輪６の奥側への移動は阻止されているから取り残され、
ついには両者共スリーブ４との係止が解除される。する
と、リテーナ５は縮径してスリーブ４の小径側の外周に
嵌着し、圧縮ばねに押されて大径孔１１内に嵌入しパッ
キン３を押圧する。一方各止め輪部材６も圧縮ばねに押
されて、テーパ面に沿って入口側へ縮径を伴って移動
し、フレキシブル管の谷部に嵌合する。その後は圧縮ば
ねの弾性力で止め輪６はテーパ面に食い込み強い引き抜
き阻止力を発揮する。さらに引き抜き力がかかった場合
でも止め輪よりパッキンが奥側に位置しているのでフレ
キシブル管が縮径しても問題ない。またパッキンはばね
力によって高いシール面圧を長期にわたって保持する。
以上によって接続作業を完了する。

【００１２】次に図３を参照して第２の実施例を説明す
る。図はフレキシブル管の挿入状態を確認できる機能を
持つ例であるが、図の上半分は管を差し込む途中のも
の、下半分は接続後の状態を示すそれぞれ断面図であ
る。ナット２の入口側には外面まで開口する窓２５を形
成し、スリーブ４にこの窓から突出する指示部４５を形
成したものである。このように、窓と指示部を設けたの
で、フレキシブル管の挿入と共に、この指示部は奥側に
移動するので、指示部の位置を外部から確認すれば接続
状態も確認ができるというものである。他の構成は上記
の実施例と同様なので符号及び説明は省略する。

【００１３】

【発明の効果】本発明のフレキシブル管用継手によれ
ば、フレキシブル管を押し込むだけで接続が完了し、引
き抜き阻止力とパッキンのシール面圧が長期にわたって
十分かつ安定して得られるフレキシブル管用継手となっ
た。また、フレキシブル管が正常に挿入されて接続が完
了したか否か確認できるようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の第１の実施例を示す継手の断面図。

【図２】 スリーブの例を示す図。

【図３】 本発明の第２の実施例を示す継手の断面図。

【図４】 従来例を示す継手の断面図。

【符号の説明】

１…継手本体 ２…ナット ３…パッキン ４…スリーブ ５…リテーナ ６…止め輪 ７…圧縮ばね ８…フレキシブル管

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端に大径孔を、他端に小径孔を有し、
   該大径孔と小径孔との間でパッキン収納部を形成した本
   体と、 該本体のパッキン収納部に装着し、フレキシブル管先端
   部が当接しその外周をシールすると共に奥側に移動する
   パッキンと、 前記本体の一端に螺着され、フレキシブル管が挿入され
   る受け口部と、該受け口部に向かって縮径するテーパ内
   周面を形成したナットと、 前記パッキンに一体的に固着され、一端は前記大径孔ま
   で延び、他端は前記受け口部まで延びて先端に複数の係
   止爪を有する略筒状のスリーブと、 奥側への移動が阻止されていると共に軸方向の切り割り
   を拡げた状態で前記スリーブの一端外周に装着したリテ
   ーナと、 受け口側に向かって縮径するテーパ外周面を有し、前記
   スリーブの係止爪の間にそれぞれ装着した止め輪部材
   と、 前記リテーナと止め輪部材の間に圧縮状態で装着され、
   自由状態において伸長して、一端が前記パッキンを押圧
   すると共に他端が前記止め輪部材をフレキシブル管の谷
   部に嵌合させるように押圧する圧縮ばねと、 からなることを特徴とするフレキシブル管用継手。
2. 【請求項２】 一端に大径孔を、他端に小径孔を有し、
   該大径孔と小径孔との間でパッキン収納部を形成した本
   体と、 該本体のパッキン収納部に装着し、フレキシブル管先端
   部が当接してその外周をシールすると共に奥側に移動す
   るパッキンと、 前記本体の一端に螺着され、フレキシブル管が挿入され
   る受け口部と、該受け口部に向かって縮径するテーパ内
   周面と、外面に開口する窓とを形成したナットと、 前記パッキンに一体的に固着され、一端は前記大径孔ま
   で延び、他端は前記受け口部まで延びて先端に複数の係
   止爪と、前記ナットの窓から突出する指示部とを有する
   スリーブと、 奥側への移動が阻止されていると共に軸方向の切り割り
   を拡げた状態で前記スリーブの一端外周に装着したリテ
   ーナと、 受け口側に向かって縮径するテーパ外周面を有し、前記
   スリーブの係止爪と指示部との間にそれぞれ装着した止
   め輪部材と、 前記リテーナと止め輪部材の間に圧縮状態で装着され、
   自由状態において伸長して、一端が前記パッキンを押圧
   すると共に他端が前記止め輪部材をフレキシブル管の谷
   部に嵌合させるように押圧する圧縮ばねと、 からなることを特徴とするフレキシブル管用継手。