JPS6348174Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両緊急時の乗員保護用シートベルト
装置に用いられるバツクル装置に関する。

バツクル装置は乗員拘束用ウエビングへ取付け
られたタングプレートが係合することにより乗員
をウエビングによる装着状態とするようになつて
いる。これによつて車両緊急時に乗員の慣性力で
ウエビングへ生ずる大きな張力はバツクル装置を
介して車体へ確実に伝達され乗員の拘束が確保で
きる。

乗員がウエビングの装置を解除する場合にはバ
ツクル装置のレリーズボタンを押圧してバツクル
ボデイ内のロツクレバーとタングプレートの係合
を解除しタングプレートをバツクル装置から抜出
し可能としている。

ところがバツクルボデイ内へは砂塵、埃等が侵
入してロツクレバー係合面へ付着することがあ
る。これによつてロツクレバー係合面はウエビン
グ装着解除時にタングプレートと摺動して係合を
解除する場合に、この係合を解除させるための
力、すなわち乗員がレリーズボタンを押圧する解
離力を変化させる原因となる。

本考案は上記事実を考慮し、ロツクレバーの係
合面を常に清浄化することができるバツクル装置
を得ることが目的である。

本考案に係るバツクル装置では、払拭部材を設
けてタングプレートがバツクルボデイから抜出さ
れた場合にロツクレバーの係合面へ接触して係合
面を清浄するようになつている。

以下本考案の実施例を図面に従い説明する。

第１図乃至第３図には本考案の第１実施例が示
されており、この実施例のバツクル装置１０では
バツクルボデイ１２内へロツク機構部が収容され
ている。

このバツクルボデイ１２は第３図に示されるご
とく薄肉鋼板から形成されており、両側部にはコ
字状のガイド突起１４が夫々延長されてタングプ
レート１６の挿入ガイド用となつている。

このバツクルボデイ１２の一端にはＵ字突起１
８が設けられており、ロツクレバー２０の一端を
収容している。ロツクレバー２０は平板状でＵ字
突起１８へ収容される端部２０Ａが回動中心とな
つてバツクルボデイ１２内で回動可能となつてい
る。

このロツクレバー２０の中間部には肉厚方向に
突出された係止突起２２が設けられており、この
係止突起２２の端面は係合面２４とされている。

この係合面２４は図示しない弾性体の付勢力を
受けており、バツクルボデイ１２内へ挿入される
タングプレート１６の矩形開口２６内へ挿入され
て第１図に示されるごとくタングプレート１６の
抜出しを阻止するようになつている。

ロツクレバー２０の一部から互いに平行に延長
されたレバー２８にはレリーズボタン３０が対応
している。このレリーズボタン３０はバツクルボ
デイ１２へ取付けられるバツクルカバー３２の開
口３４と対応している。レリーズボタン３０の外
径は開口３４よりも若干大とされてバツクルカバ
ー３２からの抜出しが阻止されており乗員はこの
レリーズボタン３０を第２図に示されるごとくバ
ツクルボデイ１２内へ押込んで端部２０Ａ回りに
回転させ係合面２４をタングプレート矩形開口２
６から抜出すことができるようになつている。

バツクルボデイ１２には第３図に示されるごと
く一対の窓３６が形成されてバツクルボデイ内で
回転するロツクレバー２０とバツクルボデイとが
干渉しないようになつている。

バツクルボデイ１２の中央部へ形成される開口
３８へはホルダ４０のピン４２が挿入された後に
先端部が拡径されてホルダ４０をバツクルボデイ
１２へ固着している。このホルダ４０からは払拭
部材としてのブラシ４４がロツクレバー２０の係
合面２４に向けて突出している。このブラシ４４
は第１図に示されるごとくロツクレバー２０がタ
ングプレート１６と係合した場合にはロツクレバ
ー係合面２４と離間しているが、ロツクレバー２
０がリレーズボタン３０の押圧により回動してタ
ングプレート１６を抜出し可能とすると第２図に
示されるごとくロツクレバー係合面２４と接触し
て係合面を清浄するようになつている。

なおバツクルボデイ１２の一端へはリベツト４
６で支持板４８が固着されており、この支持板４
８が車体床部から立設されることによりバツクル
装置１０がシートへ着座した乗員の腰付近へ配置
されるようになつている。またタングプレート１
６には乗員拘束用ウエビング５０が取付けられて
おり、このウエビング５０の図示しない他端はア
ンカープレート等を介して車体へ固着されてい
る。

このように構成される本実施例のバツクル装置
１０では、シートへ着座した乗員がタングプレー
ト１６をバツクルボデイ１２内へ所定長さ挿入す
ると、タングプレート１６の矩形開口２６へはロ
ツクレバー２０の係合突起２２が挿入されるため
第１図に示されるごとくタングプレート１６はバ
ツクル装置１０へ係合される。

これによつて乗員はウエビング５０を装着する
ことができ、車両緊急時には乗員の慣性力でウエ
ビング５０へ生ずる張力がタングプレート１６、
バツクル装置１０を介して確実に車体へ支持さ
れ、乗員の拘束状態が維持され安全が確保でき
る。

乗員がウエビングの装着を解除する場合にはレ
リーズボタン３０を押圧すると、ロツクレバー２
０は第２図に示されるごとく端部２０Ａを中心と
して時計方向に回転するので係合面２４はタング
プレート１６の矩形開口２６から脱出し、タング
プレート１６はバツクルボデイ１２から抜出し可
能となる。

これによつて乗員はウエビング５０の装着を解
除することができる。これと同時に端部２０Ａを
中心に回転したロツクレバー２０の係合面２４は
ブラシ４４と接触し、ブラシ４４が係合面２４を
払拭清浄する。

このようにリレーズボタン３０が押圧されるご
とにロツクレバー２０の係合面２４が清浄される
ので、係合面２４は常に塵埃等が除却されタング
プレート係合開口２６との係合条件が面一的とな
る。従つて乗員のウエビング装着解除操作時に係
合面２４と矩形開口２６の内周面との間の摩擦力
は大きな変化がなく、乗員は常に画一的な解離力
でウエビング装置解除操作を行うことができる。

次に第４，５図に本考案の第２実施例が示され
ている。この実施例ではブラシ４４がバツクルカ
バー３２の内側へ植設されて先端が係合面２４方
向へ延長されている。

従つてこの実施例のブラシ４４は第４図に示さ
れるごとくタングプレート１６がバツクルボデイ
１２へ挿入されると、タングプレート１６の先端
部によつて屈曲されてロツクレバー係合面２４と
離間し、タングプレート１６が抜出された状態で
再び伸長して先端部がロツクレバー係合面２４と
接触する。このようにブラシ４４がタングプレー
トの抜差しによつてロツクレバー係合面２４との
接触離間をくり返し、係合面の払拭清浄を行うこ
とができる。

以上説明したごとく本考案に係るバツクル装置
で、バツクルボデイからタングプレートが抜出さ
れた状態でロツクレバー係合面へ接触する払拭部
材を設けたので、常にロツクレバーの係合面を清
浄な状態とし、解離力を画一的に保持することが
できる優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るバツクル装置の第１実施
例を示す断面図、第２図は第１図の作動状態を示
す断面図、第３図は第１実施例の分解斜視図、第
４図は本考案の第２実施例を示す断面図、第５図
は第４図の作動状態を示す断面図である。 １０……バツクル装置、１２……バツクルボデ
イ、１６……タングプレート、２０……ロツクレ
バー、２４……係合面、３０……レリーズボタ
ン、４４……ブラシ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バツクルボデイ内へ挿入されるタングプレート
   ヘロツクレバーの係合面が係合してタングプレー
   トの抜出しを阻止するバツクル装置において、タ
   ングプレートがバツクルボデイから抜出された状
   態で前記ロツクレバーの係合面へ接触して係合面
   を清浄する払拭部材を設けたことを特徴とするバ
   ツクル装置。