JPS6347205Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンクリートで壁、塀等を形成する際
に使用する型枠に関する。

従来コンクリート壁を施工する軽便な方法とし
て、コンクリートブロツクを用いるものが知られ
ている。しかしながら、このブロツクは重量が大
で、組積には目地合わせ等の専門技術が必要であ
るから何人でも容易に施工できるものではなく、
また施工に多くの時間と手数を要する。

本考案はこのような不都合を改善し、コンクリ
ート壁を容易迅速に施工することを可能とするた
めのものである。

すなわち本考案は、両側面が多数の孔を有する
板で形成された箱状体と、この箱状体の端面から
突出し、他の箱状体と嵌合する脚部とからなるコ
ンクリート壁用型枠であつて、この型枠多数を、
その脚部を用いて組積し、内部にコンクリートを
流し込むことにより壁を形成するものである。

次に図示する実施例により本考案を具体的に説
明する。１０は本考案の型枠であり、２枚の板１
２，１２を、先端が折返されたコ字状の棒１４，
１４に取付けたものであり、全体は箱状体となつ
ている。この板１２は鉄板、ステンレス板等の板
体に多数の孔１６を形成したものである。なおこ
の孔１６は錐状の工具を用いて形成し、バリ１８
を有するものとするとよい。コ字状の棒１４は鉄
棒等を曲折したものであり、板１２とは孔１６に
通した針金２０等により接続されている。この棒
１４の一部は板１２よりなる箱状体から下方へ突
出して脚部２２となり、この脚部２２は他の型枠
の箱状体内に嵌合することができる。

この型枠１０は以上の構成であるから次のよう
にして使用する。はじめにこの型枠１０を、その
脚部２２を他の型枠の箱状体内に嵌合させ、１乃
至数段組積する（第２図参照）。次に、板１２の
間にコンクリート２４を流し込む。こうすると板
の孔１６からモルタル分２６が流出するので、こ
れをコテ等を用いて板１２表面に均一に塗る（第
３図参照）。次にこの上にさらに型枠を上記と同
様にして組積し、コンクリートを打設する。この
作業を繰り返して壁を完成する。

なお特に高い強度を必要とする場合は、この型
枠内に鉄筋を挿通しておくとよい。

また壁表面をモルタルではなく、石材、タイル
等で仕上げる場合は、この石材等を組積した型枠
の表面に針金、ボルトナツト等を用いて取付け、
この後コンクリートを打設すると、この石材等は
板の孔から流れ出すモルタル分により固定され
る。

したがつて本考案型枠を用いると、軽量であり
脚部を箱状体に差込むだけで組積ができるので、
施工はきわめて容易であり、誰でも短時間で行う
ことができる。しかもこの型枠の板および脚部
は、コンクリート打設後は補強材として作用する
ので、完成した壁はすぐれた強度を有する。また
鉄筋を内蔵させることによりさらに高い強度を得
ることができ、この場合、コンクリートブロツク
と異なり箱状体内に自由に鉄筋を配置することが
できるので、設計および施工は容易である。さら
に石材等で表面仕上げを行う場合、上述のように
して施工することにより、石材等を貼付する作業
を省略することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の斜視図、第２図は組
積を示す斜視図、第３図はコンクリート打設後の
状態を示す断面図である。 １０……型枠、１２……板、１６……孔、２２
……脚部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両側面が多数の孔を有する板で形成された箱状
   体と、この箱状体の端面から突出し、他の箱状体
   と嵌合する脚部とからなるコンクリート壁用型
   枠。