JPS6346886B2

JPS6346886B2 -

Info

Publication number: JPS6346886B2
Application number: JP55165473A
Authority: JP
Inventors: Masashi Somezawa
Original assignee: Sony Corp
Current assignee: Sony Corp
Priority date: 1980-11-25
Filing date: 1980-11-25
Publication date: 1988-09-19
Also published as: JPS5792422A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、非磁性支持体上に強磁性粉末（以
下、「磁性粉」という）とバインダとを主体とす
る磁性層を有する磁気テープ等の磁気記録媒体に
関するものである。従来、磁気記録媒体用のバインダとして、磁性
層の耐摩耗性や耐久性が良好な点から、ポリウレ
タン樹脂又はポリエステル樹脂が広く利用されて
いる。ところが、従来のポリウレタン樹脂やポリ
エステル樹脂は、磁性粉との親和性、分散性の点
で不充分であつた。又、分子中に−OH基を含有
するポリウレタンやポリエステルでは、上述の親
和性や分散性が若干改善されるものの、やはり充
分なものではなかつた。本発明はこのような問題点に鑑みてなされたも
のであつて、非磁性支持体上に強磁性粉末とバイ
ンダとを主体とする磁性層を有する磁気記録媒体
に於いて、前記磁性層が、側鎖に、(a)−
OSO₃M、(b)−COOM及び(C)

【式】（但しＭ：Ｈ、Li、Na又はＫ、M′：Ｈ、Li、
Na、Ｋ又は炭化水素基、好ましくは炭素原子数
が23以下の脂肪族炭化水素基）からなる群より選
ばれた少なくとも１個の親水基を有しかつ前記親
水基１個当りの分子量が200〜50000であるポレウ
レタン樹脂又はポリエステル樹脂を前記バインダ
として含有する磁気記録媒体に係るものである。本発明によれば、ポリウレタン樹脂又はポリエ
ステル樹脂が上記(a)〜(c)の少なくとも１個の親水
基を有している。従つて、これらの親水基によつ
て磁性粉の分散性が向上し、磁気特性、電磁変換
特性（周波数特性、Ｓ／Ｎ、Ｃ／Ｎ）が向上する
と共に、磁性粉がバインダと上記親水基により強
固に結合するために磁性粉の脱離が少なくなり、
レベル変動、出力減衰、クロツキング等の粉落ち
に起因する媒体の耐久性が著しく改善される。本発明において、上記各親水基の当量、即ち、
親水基１個当りのポリウレタン樹脂又はポリエス
テル樹脂の分子量は200〜50000であるのが良い。
その理由は、上記当量が200より小さいと親水性
が強すぎて、溶剤への溶解性、他のバインダとの
相溶性及び磁性塗膜の耐湿性が悪くなり、一方、
50000より大きいと磁性粉の分散性に対する効果
が不充分になるからである。ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂に上記
親水基を導入する方法としては、例えば次のよう
な方法が挙げられる。 (1) ポリウレタン又はポリエステルの原料である
２塩基酸、ポリオール等に上記各親水基を予め
導入しておく方法。 (2) ２管能若しくは３管能以上の−OH基を有す
るポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂を変
性する方法。例えば、 (A) Cl−CH₂CH₂OSO₃M、Cl−CH₂COOM、

【式】

【式】等の如く、分子中に上記各親水基及び塩素を含有する化合物
と、多管能−OHを有するポリウレタン樹脂
又はポリエステル樹脂とを、両成分が溶解性
のあるジメチルホルムアミド（DMF）、ジメ
チルスルホキシド（DMSO）等の溶剤に溶
解し、ピリジン、ピコリン、トリエチルアミ
ンなどのアミン類；エチレンオキサイド、プ
ロピレンオキサイドなどのエポキシ化合物等
の脱塩酸剤の存在下での−OH基と塩素との
脱塩酸反応により上記親水基を導入する方
法。 (A‐1) Ｒ−OH＋ClCH₂CH₂OSO₃M
→Ｒ−OCH₂CH₂OSO₃M＋HCl （但し、Ｒ：ポリウレタン樹脂又はポリエ
ステル樹脂、以下同じ） (A‐2) Ｒ−OH＋ClCH₂COOM
→Ｒ−OCH₂COOM＋HCl (A‐3) (A‐4) 若干の副生成物を生じるが、次の方法でも合
成可能である。即ち、 (B) HOCH₂CH₂OSO₃M、HOCH₂COOM、
HOCH₂

【式】

【式】と、ジメチルホルムアミド（DMF）、ジメチルスルホキシド
（DMSO）等の溶剤中で２官能イソシアネー
ト化合物、例えば、４，4′−ジフエニルメタ
ンジイソシアネート（MDI）、トリレンジイ
ソシアネート（TDI）、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート（HMDI）とを等モル反応さ
せ、ジイソシアネートの一方のイソシアネー
ト基と上記分子中の−OH基との反応による
反応生成物を得る。次に、ポリウレタン樹脂
又はポリエステル樹脂の−OH基と残留して
いる−NCO基とを反応させれば、本発明で
使用可能なバインダが得られる。 (B‐1) （但し、Ｒはポリウレタン樹脂又はポリエ
ステル樹脂、R′は炭化水素基、以下同じ） (B‐2) OCN−R′−NCO＋HOCH₂COOM
→OCN−R′−NHCOOCH₂COOM Ｒ−OH＋OCN−R′−
NHCOOCH₂COOM
→Ｒ−OCONH−R′−
NHCOOCH₂COOM (B‐3) (B‐4) 又、ポリウレタン樹脂の場合には次のような
方法でも良い。 (C) 両末端−NCOのウレタンプレポリマーと、
HOCH₂CH₂OSO₃M、HOCH₂COOM、

【式】

【式】とを反応させる方法。本発明において、磁性層に使用可能な磁性粉
は、γ−Fe₂O₃、γ−Fe₂O₃及びFe₃O₄の混晶、
コバルトをドープしたγ−Fe₂O₃又はFe₃O₄、
CrO₂、バリウムフエライト、他の強磁性合金粉
末（例えばFe−Co、Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe
−Co−Ｂ、Fe−Co−Cr−Ｂ、Mn−Bi、Mn−
Al、Fe−Co−Ｖ）、窒化鉄等が挙げられる。磁
性層には又、酸化アルミニウム、酸化クロム、シ
リコン酸化物を強化剤として添加したり、滑剤と
してのスクワラン、帯電防止剤としてのカーボン
ブラツクや分散剤としてのレシチンも添加可能で
ある。又磁性層の構成材料は有機溶剤に溶かして
磁性塗料を調製し、これをベース上に塗布する
が、その磁性塗料の溶剤としてはケトン（例えば
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン）、アルコール（例
えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール）、エステル（例えばメチルアセテート、
エチルアセテート、ブチルアセテート、エチルラ
クテート、グリコールアセテート、モノエチルエ
ーテル）、グリコールエーテル（例えばエチレン
グリコールジメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジオキサン）、芳香族炭
化水素（例えばベンゼン、トルエン、キシレン）、
脂肪族炭化水素（例えばヘキサン、ヘプタン）、
ニトロプロパン等が挙げられる。この磁性塗料を
塗布するベースは非磁性であつて、ポリエステル
（例えばポリエチレンテレフタレート）、ポリオレ
フイン（例えばポリプロピレン）、セルロース誘
導体（例えばセルローストリアセテート、セルロ
ースジアセテート）、ポリカーボネート、ポリ塩
化ビニル、ポリイミド、ポリアミド、ポリヒドラ
ジド類、金属（例えばアルミニウム、銅）、紙等
から成つていて良い。以下、本発明を実施例につき説明する。実施例１両末端に−OH基を有するポリウレタン（日本
ポリウレタン社製：ニツポラン5033）を用い、上
記（Ａ−１）の方法により、両末端に−
OCH₂CH₂−OSO₃Naを有するポリウレタンＡを
合成し、下記の組成でテープを試作した。 γ−Fe₂O₃ 100部ポリウレタンＡ 10部塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重
合体（ユニオンカーバイド社製：VAGH） 15部メチルエチルケトン（MEK） 100部メチルイソブチルケトン（MIBK） 50部トルエン 50部ジメチルシリコーン１部上記組成物をボールミルで48時間混合し、3μ
フイルターでろ過した後、デスモジユールＬを３
部添加し、撹拌した後、12μ厚のポリエステルフ
イルムに6μの厚さに塗布した。その後、スーパ
ーカレンダーにて表面処理し、3.81mm幅に裁断し
た。実施例２上記化学式で示される旭電化工業社製の３管能
トリオールYT101（分子量Mw＝1000）とトリレ
ンジイソシアネート（TDI）とをモル比１：１で
酢酸エチル中で反応させ、管能基当量ｗ＝
3000、OH値51の多管能ポリウレタンＢを合成し
た。次に、上記（Ａ−２）の方法で、−OH基の
半分を−OCH₂COONa基で置換させたOH値25の
ポリウレタンＣを合成した。このポリウレタンＣをポリウレタンＡの代わり
に用い、実施例１と同様の組成でテープを試作し
た。実施例３実施例１のニツポラン5033を使用し、上記（Ａ
−３）の方法で、両末端に

【式】基を有するポリウレタンＤを合成した。このポリウレタンＤをポリウレタンＡの代わり
に用い、実施例１と同様の組成でテープを試作し
た。実施例４日本ポリウレタン社製のポリエステル系ウレタ
ンプレポリマー（−NCO含有量：2.6重量％）
に、含有−NCOと等モルの

【式】を反応させ、両末端に

【式】を有するウレタンプレポリマーＥを合成した。次に、下記の組成で実施例１と同様にテープを
試作した。 γ−Fe₂O₃ 100部 VAGH 15部ポリウレタン樹脂（ビー・エフ・グツドリツチ社
製：エスタン5702） 5部ウレタンプレポリマーＥ 5部 MEK 100部 MIBK 50部トルエン 50部ジメチルシリコーン 1部比較例１実施例１のポリウレタンＡの代わりにニツポラ
ン5033を用い、実施例１と同様にしてテープを試
作した。実施例５バイエル社製のデスモフエン1700（直鎖型ポリ
エステル、分子量：約1400、−OH含有量：約1.2
重量％）を、上記（Ａ−１）の方法により、含有
−OHと等モルのClCH₂CH₂OSO₃Naと反応させ、
両末端に−OCH₂CH₂OSO₃Naを有するポリエス
テルＦを合成した。次に、下記の組成でテープを試作した。 γ−Fe₂O₃ 100部ポリエステルＦ 2.5部 VAGH 15部エスタン5702 7.5部ジメチルシリコーン 1部 MEK 100部 MIBK 50部トルエン 50部上記組成物をボールミルで48時間混合し、3μ
フイルターでろ過した後、12μ厚のポリエステル
フイルムに6μの厚さにコーテイングしてから、
スーパーカレンダー処理で表面処理し、次に3.81
mm幅に裁断した。実施例６バイエル社製のデスモフエン1200（少量の側鎖
を有するポリエステル、−OH含有量：５重量％）
を、上記（Ａ−３）の方法により、含有−OHと
等モルの

【式】と反応させ、末端に

【式】基を有するポリエステルＧを合成した。このポリエステルＧをポリエステルＦの代わり
に用い、実施例５と同様にしてテープを試作し
た。実施例７東洋紡績社製のバイロン200（分子量：15000〜
20000、水酸基価：100〜150eq／10⁶ｇ）を使用
し、上記（Ｂ−２）の方法により、両末端に−
OCONH（CH₂）₆NHCOOCH₂COONaを有するポ
リエステルＨを合成した。次に、下記の組成で実施例５と同様にテープを
試作した。 γ−Fe₂O₃ 100部ポリエステルＨ 10部 VAGH 15部ジメチルシリコーン 1部 MEK 100部 MIBK 50部トルエン 50部比較例２実施例７において、ポリエステルＨの代わりに
バイロン200を用い、他は実施例７と同様にして
テープを試作した。以上の各例のテープについて得られた実験デー
タを次表に示したが、本発明の実施例ではすべて
の点で特性良好となることが分る。

【表】表示した。

Claims

【特許請求の範囲】１非磁性支持体上に強磁性粉末とバインダとを
主体とする磁性層を有する磁気記録媒体に於い
て、前記磁性層が、側鎖に−OSO₃M、−COOM及
び【式】（但しＭ：Ｈ、Li、Na又はＫ、M′：Ｈ、Li、Na、Ｋ又は炭化水素基）から
なる群より選ばれた少なくとも１個の親水基を有
しかつ前記親水基１個当りの分子量が200〜50000
であるポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂を
前記バインダとして含有することを特徴とする磁
気記録媒体。