JPS6345958Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、シートクツシヨンに対してシートバ
ツクの傾斜角度を所定の角度範囲内で調整可能と
するリクライニング機構に加えて、リクライニン
グ機構とシートバツクとの間に、いま一つの枢着
機構を設け、所望により、シートバツクをシート
クツシヨン上に折り重ねうるようにしたシートの
リクライニング装置の改良に関する。

上記の如く、通常のリクライニング機構に相当
する第１枢着手段と、シートバツクの完全前倒れ
のための第２枢着手段とを有し、第１、第２枢着
手段の夫々に独立操作可能な操作手段を設け、第
２枢着手段のみを操作してシートバツクを前倒さ
せるようにしたシートが提案されている（実公昭
55−47408号公報）。

ところで、かかるシートにおいて、シートバツ
クをベツド態様に近い状態に第１枢着手段によつ
て保持したまま、第２枢着手段の操作手段を操作
してシートバツクを前倒させた場合には、第１枢
着手段が後傾状態にあることから、シートバツク
が完全には前倒せず、操作を再度行なわねばなら
ないといつた問題があつた。

本考案は、かかる問題を解消すべくなされたも
のであつて、シートバツクを前倒させるべく第２
枢着手段の第２レバーを操作したときには、シー
トバツクの傾斜角度に無関係に第１枢着手段の第
１レバーを解除操作し、よつてシートバツクを常
に完全前倒させることができるシートのリクライ
ニング装置を提供せんとするものである。

以下、図示の実施例に基づいて本考案をより具
体的に説明する。

第１図において、１はシートクツシヨン、２は
シートバツク、３は第１枢着手段としてのリクラ
イニング機構、４は第２枢着手段としてのシート
バツクロツク機構である。

上記リクライニング機構３は、シートクツシヨ
ン１の側壁後部に固定されたロアブラケツト５
と、下部が枢軸６により回動自在に枢支され、上
部においてヒンジ軸７によりシートバツク２の側
壁下部を回動自在に支持したアツパブラケツト８
と、ロアブラケツト５の上部においてアツパブラ
ケツト８との間に介在させて固定したセクタギア
９と、揺動によりセクタギア９と係脱可能にヒン
ジ軸１０ａによりアツパブラケツト８の下部に枢
着されたロツクギア１０と、下端部が枢軸６に枢
支され、リターンスプリング１１のばね力に抗し
て矢印ａ方向に操作することによりロツクギア１
０をロツク解除方向に揺動させてロツクを解除す
る第１操作レバー１２とによつて基本的に構成さ
れている。

上記第１操作レバー１２には、第２図にも示す
ように、ロツクギア１０を間に介在させた状態で
連動レバー１３を固定し、ロツク時には両レバー
１２，１３間に支持した押えローラ１４でロツク
ギア１０を揺動不可に保持する一方、ロツク解除
時には、ロツクギア１０の中間部に植設したロツ
ク解除ピン１５を連動レバー１３に設けたロツク
溝１６の側縁で押してロツクギア１０をロツク解
除方向に揺動させる。

一方、第２枢着手段としてのシートバツクロツ
ク機構４は、第２操作レバー１８のフツク部１８
ａによつて常時はシートバツク２の側壁に突設し
たロツクピン１９をロツクして、シートバツク２
をアツパブラケツト８に対して相対回動不可にロ
ツクするようにした基本構成を有し、第２操作レ
バー１８は、そのヒンジ軸１８ｂを巻回してアツ
パブラケツト８との間に掛合せたワイヤバネ２０
により、ロツクピン１９をロツクする方向に付勢
されている。

この第２操作レバー１８は、ヒンジ軸１８ｂか
ら、ロツク位置にある第１操作レバー１２に沿つ
て若干伸びた解除レバー部１８ｃを有し、その先
端には、ロツク位置にある第１操作レバー１２に
固定した連動レバー１３の側縁に当接するロツク
解除ピン２１を植設している（第２図参照）。な
お、アツパブラケツト８はロアブラケツト５に対
し、図示しないリターンスプリングによつて前傾
方向に付勢されている。

したがつて、いまシートバツク２を前倒操作す
るため、第３図に示すように、ワイヤバネ２０の
バネ力に抗して第２操作レバー１８を押下げる
と、解除レバー部１８ｃに設けたロツク解除ピン
２１はヒンジ軸１８ｂを中心にして図の時針方向
に回動し、その回動に伴なつて連動レバー１３を
枢軸６を中心に反時針方向に押し、その結果とし
てロツクギア１０は自動的にセクタギア９から外
され、第１枢着手段としてのリクライニング機構
３のロツクが自動解除される。

このため、シートバツク２の前倒操作では、シ
ートバツク２がいかなる傾斜角度にロツクされて
いたとしても、常にシートバツク２を第３図に仮
想線で示すように完全に前倒させることができ
る。

なお、単なるシートバツク２の傾斜角度調整操
作（リクライニング操作）では、第１操作レバー
１２の操作にも拘らず、第２操作レバー１８はワ
イヤバネ２０のバネ力でロツク位置に保持されて
いるため、シートバツク２のアツパブラケツト８
に対するロツクはそのままに維持され、シートバ
ツク２が前倒れするおそれはない。

上記の実施例では、ロアブラケツト５側にセク
タギア９を固定し、アツパブラケツト８側にロツ
クギア１０を支持した構造としたが、リクライニ
ング機構としては、この例に限定されるものでは
なく、現在使用されている種々のタイプのリクラ
イニング機構を採用することができ、その意味
で、第２操作レバーに連動してリクライニング機
構側のロツクを解除する手段も種々の型式のもの
を採用できることはいうまでもない。

以上の説明から明らかなように、本考案は、シ
ートバツクを第１枢着手段としてのリクライニン
グ機構および第２枢着手段としてのシートバツク
ロツク機構とによつて支持したシートにおいて、
第２枢着手段の第２レバーの解除操作に連動して
第１枢着手段の第１レバーを解除操作し、シート
バツクがいかなる角度にロツクされていたとして
も、シートバツクの前倒操作の際にはシートバツ
クを完全前倒せしめるシートのリクライニング装
置を提供するものである。

本考案によれば、簡単な連係構造を第２レバー
と第１レバーの間にまたがつて設けるだけで、誤
操作のおそれなしに、またシートバツクの傾斜角
度に無関係にシートバツクを完全前倒させること
ができ、従来においては再操作の必要があつたシ
ートバツクの後傾時にも何んらの支障なしに一挙
にシートバツクの完全前倒を可能とすることがで
きるといつた効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係るリクライニング
装置を示すシートの要部側面図、第２図は第１図
のＡ−Ａ線方向断面図、第３図はシートバツクの
前倒操作時を示す第１図に対応したシートの要部
側面図である。 １……シートクツシヨン、２……シートバツ
ク、３……リクライニング機構、４……シートバ
ツクロツク機構、５……ロアブラケツト、６……
枢軸、７……ヒンジ軸、８……アツパブラケツ
ト、９……セクタギア、１０……ロツクギア、１
２……第１操作レバー、１８……第２操作レバ
ー、１９……ロツクピン、２０……ワイヤバネ、
２１……ロツク解除ピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートバツクを支持するアツパブラケツトがシ
   ートクツシヨンに固定されるロアブラケツトに枢
   軸により枢支され、 上記シートバツクは上記枢軸の上方においてヒ
   ンジ軸によりアツパブラケツトに回動可能に支持
   されていて、 上記ロアブラケツトとアツパブラケツトのいず
   れか一方に固定されたセクタギヤと、他方のブラ
   ケツトに枢着されセクタギヤに対して係脱自在に
   設けられたロツクギアと、該ロツクギアをセクタ
   ギヤに対して係脱操作する第１レバーとからなる
   リクライニング機構により、シートバツクのシー
   トクツシヨンに対する傾斜角度を調整することが
   できるようになつており、 上記アツパブラケツトとシートバツクのいずれ
   か一方にはロツク部材が固定され、他方にはロツ
   ク部材に係合するフツク部を有する第２レバーが
   枢着されて、このロツク部材と第２レバーとによ
   り、シートバツクをアツパブラケツトにロツクす
   るためのシートバツクロツク機構が設けられてお
   り、 上記第２レバーには、フツク部を作動させる操
   作部が形成されており、該操作部を操作すること
   によりシートバツクのロツクを解除した状態でシ
   ートバツクは上記ヒンジ軸の廻りでシートクツシ
   ヨン上まで前倒させることができるようになつて
   おり、 上記第２レバーには、第２レバーの操作部によ
   るシートバツクロツク機構のロツク解除操作に連
   動して上記リクライニング機構のセクタギヤとロ
   ツクギアとの係合を解除させて、リクライニング
   機構のロツク状態を解除する連係部材が設けられ
   ているシートのリクライニング装置。