JPH0527086Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、シートクツシヨンに対しシートバツ
クの傾動角度を調整自在に連結して支持するリク
ライニング装置の改良に関する。

〔従来の技術〕 例えば車両用シートにおいてシートクツシヨン
とシートバツクとの間にリクライニング装置を設
け、シートバツクの傾動角度をシートクツシヨン
に対し着座者の体格や好みに応じて自由に調整し
得る構成とすることが、従来から一般に行なわれ
ている。

ところで、この種のリクライニング装置におい
て要求されることは、構成が簡単で、各部の加工
性や組立性の面で優れ、コスト的にも安価である
ばかりでなく、シートバツクを自由にしかも適切
な角度にて傾動調整することができ、またその調
整操作もきわめて容易に行なえ、更に着座者によ
る荷重に抗してシートクツシヨンとシートバツク
との位置関係をロツクしその状態を確実に維持し
得ることである。

そして、このような点を考慮して従来から種々
の構成を有するものが提案されており、その中で
最も簡単には、複数のラチエツト歯を有するロツ
クプレートと、これに選択的に噛合するロツク爪
を有するロツクレバーとを、シートバツク側のア
ーム及びシートクツシヨン側のベースに設け、且
つ前記ロツクレバーを常時はロツクプレート側に
ロツクさせ得ると共に解除操作によりロツク解除
方向に回動させるロツク解除用操作レバーを、前
記ベース側に設けてなる構成によるものが知られ
ていた。ここで、このロツク解除用操作レバーに
は、常時ロツク方向に付勢するロツクスプリング
による付勢力が与えられると共に、前記ロツクレ
バーをロツク方向に回動させる係合子としてカム
突起部またはローラカム等が設けられ、これによ
り前記ロツクレバーとロツクプレートとのロツク
状態が確保されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

然し乍ら、上述した構成による従来のリクライ
ニング装置によれば、ロツク解除用操作レバー
は、カム突起部等の係合子によるロツク保持機能
と、ロツク、ロツク解除状態を操作する機能とい
う二つの機能を行つており、この場合に実用面か
ら問題を生じている。すなわち、上述した係合子
によるロツク保持機能が、該係合子等の摩耗や破
損などで損なわれると、操作レバーのロツクまた
はロツク解除状態の如何にかかわらず、ロツク状
態を維持することが困難となり、リクライニング
装置としての動作上での信頼性の面で問題で、安
全性の観点から何らかの対策を講じることが望ま
れている。

〔課題を解決するための手段〕

このような要請に応えるために本考案に係るリ
クライニング装置は、シートバツク側のアームに
設けられ歯部を有するロツクプレートと、アーム
が軸支されるシートクツシヨン側のベース上に回
動自在に軸支され前記歯部に噛合するロツク爪を
有するロツクレバーと、このロツクレバーに係合
し該ロツクレバーをロツク状態、非ロツク状態と
する係合部を一端側に有しベース上に回動自在に
軸支されると共に他端側に操作端を有する操作レ
バーと、この操作レバーを前記係合部でロツクレ
バーをロツク状態とする方向に付勢するロツクス
プリングを備えてなり、前記ロツクレバーの軸支
部と同軸上で一端部が軸支される第１のリンクレ
バーと、前記操作レバーの一部に一端部が軸支さ
れる第２のリンクレバーとを設け、且つこれら第
１及び第２のリンクレバーの他端部同士を揺動可
能に軸支して連結すると共に、第１のリンクレバ
ーによりロツクレバーの歯部がロツクプレート側
の歯部に噛合した状態で、該ロツクレバーの回動
を拘束するように構成したものである。

〔作用〕

本考案に依れば、操作レバーをロツク方向に回
動操作することにより、その係合部にてロツクレ
バーを、ロツクプレートとの噛合い状態が得られ
るように回動させると共に、第１及び第２のリン
クレバーを連動して回動させ、その第１のリンク
レバーにてロツクレバーを、ロツクプレートとの
噛合い状態を維持するように拘束保持することが
可能であり、一方前記操作レバーをロツク解除方
向に回動操作することで、第１のリンクレバーに
よるロツクレバーの拘束状態が解除されるように
第１及び第２のリンクレバーを連動して回動させ
ると共に、該操作レバーの係合部との係合状態に
よつてロツクレバーを、ロツク解除方向に回動さ
せてロツクプレートとの噛合いが解除されるよう
に動作させ得るものである。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に示した実施例を用いて詳
細に説明する。

第１図乃至第３図は本考案に係るリクライニン
グ装置の一実施例を示すものであり、この実施例
では車両用シートに適用した場合を説明する。

これらの図において符号１は周知のシートクツ
シヨン及びシートバツクからなる図示を省略した
車両用シートにおいてシートクツシヨンの後端側
に付設されるベース、２はこのベース１に枢支軸
３により相対的に回動可能に軸支されると共にシ
ートバツクの下端側に付設されるアームで、これ
らのベース１及びアーム２とこれに付設される部
材等によつて、本考案を特徴づけるリクライニン
グ装置１０が構成される。

そして、本考案に係るリクライニング装置１０
は、シートバツク側のアーム２に対しねじ等で一
体的に設けられ且つ一例として複数のラチエツト
歯１１ａを有するロツクプレート１１と、シート
クツシヨン側のベース１上に支軸１２を介して回
動自在に軸支され且つ前記ラチエツト歯１１ａに
噛合するロツク爪１３ａを一体的に有するロツク
レバー１３とを備えている。ここで、本実施例で
は、上述したロツクプレート１１のラチエツト歯
１１ａとロツクレバー１３のロツク爪１３ａを、
薄板材からなるロツクプレート１１、ロツクレバ
ー１３に対し冷間鍛造などで厚肉部として形成さ
れている折曲げ側縁部分１１ｂ，１３ｂに形成し
ており、強度的に充分で確実な噛合い状態を得ら
れるように構成した場合を示している。

尚、この実施例では、ロツク爪１３ａとしての
こぎり歯構造を採用し、ラチエツト歯１１ａとの
噛合い状態が確実に行なえると共に、着座者から
の荷重によるロツクプレート１１側の回動力を受
け難い構造としているが、これに限定されないこ
とは言うまでもない。更に、この実施例では、ロ
ツクプレート１１をアーム２とは別体構成とした
場合を示したが、これに限定されず、ラチエツト
歯１１ａをアーム２に一体に形成したりしてもよ
いことは言うまでもない。

また、図中１４は前記ロツクレバー１３の自由
端側に形成されたカム部１５に係合するカム係合
部１６を有し且つ一端がシート前方に延設されて
操作端１４ａとなる操作レバーで、この操作レバ
ー１４はその他端側が前記ベース１上の支軸１７
により揺動操作可能に軸支されている。尚、本実
施例では、操作レバー１４の他端側に前記ロツク
レバー１３のカム部１５に係合するカム係合部と
して、別体に形成されている係合片１６ａを支軸
１７に軸支される部分で一体的に連結して設けた
場合を示しているが、これに限定されず、レバー
１４に一体に形成した係合部であつてもよいこと
は言うまでもない。

更に、上述した操作レバー１４には、周知の通
り、ベース１などとの間に掛け渡されたロツクス
プリング１８により、常時は前記ロツクレバー１
３のロツク爪１３ａがロツクプレート１１側のラ
チエツト歯１１ａに噛合う方向への付勢力が与え
られている。

さて、このような構成によるリクライニング装
置１０において本考案に依れば、ロツクレバー１
３の軸支部となる支軸１２と同軸上で一端部が軸
支される第１のリンクレバー２０と、操作レバー
１４の支軸１７に軸支される部分とは異なる一部
に一端部がピン２２により軸支される第２のリン
クレバー２１とを設け、且つこれら第１及び第２
のリンクレバー２０，２１の他端部同士を揺動可
能に軸支して連結すると共に、第１のリンクレバ
ー２０を前記ロツク歯１３ａを形成した厚肉な折
曲げ側縁部分１３ｂに対し下側から係合させるこ
とで、前記ロツクレバー１３のロツク爪１３ａが
ロツクプレート１１側のラチエツト歯１１ａに噛
合したロツク状態で、該ロツクレバー１３の回動
を拘束し得るように構成したところに特徴を有し
ている。

このような構成において、操作レバー１４をロ
ツク方向つまり第２図に示すように下方に回動操
作することで、その係合部１６にてロツクレバー
１３を、ロツクプレート１１との噛合い状態が得
られるように回動させ得ると共に、このときには
操作レバー１４の動きに伴つて第１及び第２のリ
ンクレバー２０，２１を連動して回動させ、これ
によりその第１のリンクレバー２０をロツク爪１
３ａを形成する厚肉な折曲げ側縁部分１３ｂに係
合させてロツクレバー１３を、ロツクプレート１
１との噛合い状態を維持するように拘束保持する
ことが可能であり、確実なロツク状態を簡単且つ
確実に得ることができる。一方、操作レバー１４
をロツク解除方向つまり第３図において図中上方
に回動操作することで、第１のリンクレバー２０
によるロツクレバー１３の拘束状態が解除される
ように第１及び第２のリンクレバー２０，２１を
連動して回動させると共に、該操作レバー１４の
係合部１６との係合状態によつてロツクレバー１
３を、ロツク解除方向に回動させてロツクプレー
ト１１との噛合いが解除されるように動作させ得
るもので、これによりシートバツクの任意の傾斜
角度位置での調整が行える。

そして、このような構成に依れば、操作レバー
１４の操作にてロツク状態、非ロツク状態を選択
して得られるばかりでなく、ロツク時にはリンク
レバー機構の第１のリンクレバー２０の働きによ
りロツクレバー１３をロツクプレート１１に対し
ロツク状態を維持するように回動を拘束して保持
することが可能で、従来のように操作レバー１４
のみでロツク、非ロツク状態の切換えとロツク状
態の保持とを行う場合に比べて動作上での信頼性
を向上させることが可能で、また第１のリンクレ
バー２０によるロツク状態の拘束保持が、ロツク
プレート１１へのロツクレバー１３の噛合い歯部
１１ａ，１３ａに近接していることから、例えロ
ツクレバー１３のカム部１５に係合する係合部１
６などに摩耗等が生じたとしても、がたつきなど
を生じたり、ロツク状態が損なわれたりすること
はなく、確実性に優れ、安全性を確保し得るとい
う利点を奏する。

尚、本考案は上述した実施例構造に限定され
ず、各部の形状、構造などを、必要に応じて適宜
変形、変更することは自由であり、ロツクプレー
ト１１とロツクレバー１３との噛み合い構造等を
始めとして各部に構成等について種々の変形例が
考えられよう。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案に係るリクライニ
ング装置に依れば、アームに設けられ歯部を有す
るロツクプレートと、アームが軸支されるベース
上に回動自在に軸支され前記歯部に噛合するロツ
ク爪を有するロツクレバーと、このロツクレバー
に係合し該ロツクレバーをロツク状態、非ロツク
状態とする係合部を一端側に有しベース上に回動
自在に軸支されると共に他端側に操作端を有し常
時はロツク方向に回動付勢されている操作レバー
を備えてなり、ロツクレバーの軸支部と同軸上で
一端部が軸支される第１のリンクレバーと、操作
レバーの一部に一端部が軸支される第２のリンク
レバーとを設け、且つこれら両リンクレバーの他
端部同士を揺動可能に軸支して連結すると共に、
第１のリンクレバーによりロツクレバーの歯部が
ロツクプレート側の歯部に噛合したロツク状態
で、該ロツクレバーの回動を拘束するように構成
したので、簡単な構成にもかかわらず、操作レバ
ーの操作にてロツク状態、非ロツク状態を選択し
て得られるばかりでなく、ロツク時にはリンクレ
バー機構の第１のリンクレバーの働きによりロツ
クレバーをロツクプレートに対しロツク状態を維
持するように回動を拘束して保持することが可能
で、従来のように操作レバーのみでロツク、非ロ
ツク状態の切換えとロツク状態の保持とを行う場
合に比べて動作上での信頼性を向上させることが
可能で、また第１のリンクレバーによるロツク状
態の拘束保持が、ロツクプレートへのロツクレバ
ーの噛合い歯部に近接していることから、確実性
に優れ、安全性を確保し得るという実用上種々優
れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るリクライニング装置の一
実施例を示す要部構成の概略分解斜視図、第２図
及び第３図はその動作状態を説明するための概略
側面図である。 図中、１……ベース、２……アーム、３……枢
軸部、１０……リクライニング装置、１１……ロ
ツクプレート、１１ａ……ラチエツト歯（歯部）、
１２……支軸、１３……ロツクレバー、１３ａ…
…ロツク爪（歯部）、１４……操作レバー、１５
……カム部、１６……係合部、１７……支軸、１
８……ロツクスプリング、２０……第１のリンク
レバー、２１……第２のリンクレバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツク側のアームに設けられ歯部を有す
   るロツクプレートと、前記アームが軸支されるシ
   ートクツシヨン側のベース上に回動自在に軸支さ
   れ前記歯部に噛合するロツク爪を有するロツクレ
   バーと、このロツクレバーに係合し該ロツクレバ
   ーをロツク状態、非ロツク状態とする係合部を一
   端側に有しベース上に回動自在に軸支されると共
   に他端側に操作端を有する操作レバーと、この操
   作レバーを前記係合部でロツクレバーをロツク状
   態とする方向に付勢するロツクスプリングを備え
   てなり、前記ロツクレバーの軸支部と同軸上で一
   端部が軸支される第１のリンクレバーと、前記操
   作レバーの一部に一端部が軸支される第２のリン
   クレバーとを設け、且つこれら第１及び第２のリ
   ンクレバーの他端部同士を揺動可能に軸支して連
   結すると共に、前記第１のリンクレバーにより前
   記ロツクレバーの歯部がロツクプレート側の歯部
   に噛合した状態で、該ロツクレバーの回動を拘束
   するように構成したことを特徴とするリクライニ
   ング装置。