JPS6345957Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、必要に応じてシートバツクをシート
クツシヨン上に折り重ねうるようにしたシートの
リクライニング装置の改良に関するものである。

従来より、リクライニング装置を備え、シート
クツシヨンに対し、シートバツクの傾斜角度を調
整しうるようにしたシートにおいて、リクライニ
ング装置による傾斜角度調整域では、シートバツ
クに設けたロツクピンをリクライニング装置のア
ーム（アツパーブラケツト）にロツクしておくフ
ツクを設けるとともに、シートバツクがリクライ
ニング機構による最前ロツク位置より前方に傾け
られたときには、このシートバツクの傾斜角度を
検知してロツクピンのフツクを解除するロツク解
除手段を設け、シートバツクを必要に応じてシー
トクツシヨン上に折り重ね、長尺の荷物の積載の
便等に供しうるようにしたものが提案されている
（実公昭56−4507号公報参照）。

ところで、この種のリクライニング装置におい
ては、シートバツクをその最前ロツク位置付近に
調整する際、シートバツクを少し大きく前傾させ
ると、自動的にシートバツクのロツクが解除され
てしまい、シートバツクが前方に倒れてしまうと
いつた問題があつた。

本考案は、かかる問題点を解消すべくなされた
ものであつて、リクライニング機構によるシート
バツクの角度調整とシートバツクのロツク解除と
を一つの操作手段で行なえ、しかも、両方の操作
を明確に識別することができるシートのリクライ
ニング装置を提供することを目的としている。

このため、本考案においては、シートクツシヨ
ンに取付けられたロアブラケツトに、シートバツ
クに取付けられたアツパブラケツトが枢支され、
かつリクライニング機構を介してシートバツクが
回動可能に支持されており、このシートバツクに
は該シートバツクの回動軸よりも上方にロツク部
材が設けられ、該ロツク部材に係脱するフツクが
アツパブラケツトに取付けられていて、 このアツパブラケツトにはリクライニング機構
に設けられたピン部材が係合してリクライニング
機構の操作レバーの操作ストロークを所定距離に
制限するストローク規制機構を構成するガイド溝
が形成されるとともに、シートバツクが最前ロツ
ク位置にあるときにのみ操作レバーの所定距離の
ストロークをオーバーさせるオーバーストローク
部が形成されており、上記リクライニング機構と
フツクとは操作レバーのオーバーストロークにの
み操作レバーに連動して上記フツクとロツク部材
との係合を解除するロツク解除機構で連結されて
いることを特徴としている。ことを基本的な特徴
としている。

以下、より具体的に図示の実施例について本考
案を説明する。

第１図において、１はシートクツシヨン、２は
シートバツク、３はシートクツシヨン１に対して
シートバツク２の傾斜角度調整を可能に支持する
リクライニング装置である。

このリクライニング装置３において、４はシー
トクツシヨン１の側壁後部に固定されたロアブラ
ケツト、５は下部がロアブラケツト４にヒンジ軸
６により回動自在に枢支され、上部においてシー
トバツク３の側壁下部を支持軸７で回動自在に枢
支するアツパブラケツト、８はアツパブラケツト
５の下部においてロアブラケツト４とアツパブラ
ケツト５の間に介在させて固定したセクタギア、
９はセクタギア８に係脱自在でロアブラケツト４
に枢支するロツクギア、１０はリクライニング装
置３の操作レバーで、この操作レバー１０の後端
はヒンジ軸６に枢着されており、操作レバー１０
をリターンスプリング１１のバネ力に抗して矢印
Ａ方向に持上げることにより、操作レバー１０に
固着したロツク解除レバー１２のロツク溝１３の
溝側面でロツクギア９に突設したロツクピン１４
をロツクギア９のロツク解除方向に押し、ロツク
ギア９をその下部のヒンジ軸９ａの廻りで反時計
方向に回動させ、セクタギア８のロツクギア９に
よるロツクを解除する基本構成を有する。

一方、１６はシートバツク２の側壁の下部から
アツパブラケツト５の中間部に向けて突設したロ
ツクピン、１７は常時はこのロツクピン１６をフ
ツクしてシートバツク２を前倒れ不可能にロツク
するフツクで、このフツク１７はロツクピン１６
に係合するようにヒンジ軸１７ａの廻りにスプリ
ング（図示せず）で付勢されており、フツク１７
の自由端は、可撓性材料よりなる連結部材１８に
よつて操作レバー１０に連動するロツク解除レバ
ー１２の後端に連結されている。

さらに、本実施例では、上記構成に加えて、操
作レバー１０の操作に連動してセクタギア８に係
脱するロツクギア９にストローク規制ピン２０を
アツパブラケツト５の下端部に向けて突設すると
ともに、このストローク規制ピン２０を嵌合して
ガイドする環状溝２１をアツパブラケツト５の下
部周縁に沿つて周設している。

この環状溝２１は、第２図に示すように、リク
ライニング装置３によるシートバツク２の全調整
範囲、即ち最前ロツク位置イから最後傾位置ロま
での範囲に亘つて、アツパブラケツト５およびこ
れにロツクされたシートバツク２が回動しうるよ
うに、その周長を設定している。

この環状溝２１の溝幅は、ロツクギヤ９に突設
したストローク規制ピン２０のストローク範囲、
即ち、操作レバー１０の操作に伴なうロツクギヤ
９の揺動範囲、さらに換言すれば操作レバー１０
の操作ストロークの範囲を規定するものであつ
て、上記最前ロツク位置イを除き、操作レバー１
０をそのロツク位置ａ（第３図参照）とロツク解
除位置ｂとの間で操作しうるように、一定の基本
溝幅ｗに設定している。この基本溝幅ｗに対し、
環状溝２１の最左端即ち、最前ロツク位置イで
は、溝幅を一段図の下側に拡げて、広幅部２２を
設け、この広幅部２２の広溝幅Ｗによつて、操作
レバー１０をオーバーストローク可能としてい
る。

また、本実施例では、第１図に示すように、上
記最前ロツク位置において、アツパブラケツト５
およびこれにロツクされたシートバツク２をそれ
以上前傾させないように、ロアブラケツト４に突
設したストツパピン２３を、セクタギア８のギア
端部に当接させ、シートバツク２の傾斜角度の調
整に際して、アツパブラケツト５の最前ロツク位
置以上にアツパブラケツト５を回動させない構成
としている。

上記の構成を有するリクライニング装置につい
て、次にその作用を説明する。

いま、第３図にシートバツク２の傾斜角度の調
整中を示すように、操作レバー１０をロツク位置
ａからロツク解除位置ｂまで持上げると、ロツク
ギア９はセクタギア８から外れ、アツパブラケツ
ト５及びこれにロツクされたシートバツク２はヒ
ンジ軸６の廻りで自由に回動しうるようになつて
おり、所望の角度までシートバツク２の角度調整
を行なつたのち、操作レバー１０の持上げを解除
すればリターンスプリングの付勢力によりロツク
位置ａまで戻りロツクギア９がセクタギア８に噛
合つて、所要の角度にシートバツク２を固定す
る。この調整操作に際して、環状溝２１の基本溝
幅ｗ部は、ロツクギア９のストローク規制ピン２
０のストローク範囲を基本溝幅ｗによつて規制
し、操作レバー１０をオーバーストロークさせな
いようにしている。

一方、第３図に示すシートバツク２の調整段階
から、シートバツク２を前側に回動させ、最前ロ
ツク位置にロツクする場合には、第１図に示すよ
うに、シートバツク２がシートクツシヨン１に対
して設けたリターンスプリング（図示ぜず）のバ
ネ力で、最前ロツク位置まで前側に回動してきた
段階で、ストツパピン２３がセクタギア８に当接
してそれ以上の回動を阻止し、操作者はこれを感
知してロツク解除位置に保持した操作レバー１０
を放せば、そのままシートバツク２を最前ロツク
位置にロツクすることができる。

なお、上記の調整に際して、第３図に示すよう
に、操作レバー１０をロツク解除位置ｂまで、ス
トロークl₁で操作したときには、フツク１７とロ
ツク解除レバー１２とを連結する連結部材１８は
撓んだ状態となり、フツク１７自体は図示しない
スプリングのバネ力でロツクピン１６に係合して
フツクした状態を保持し、シートバツク２をアツ
パブラケツト５にロツクした状態を維持する。

次に、シートバツク２をシートクツシヨン１上
に折り重ねる必要がある場合には、第４図に示す
ように、操作レバー１０を、シートバツク２の最
前ロツク位置において、ロツク位置ａから、ロツ
ク解除位置ｂを通り越してオーバーストローク位
置ｃまでオーバーストロークさせればよい。

この操作レバー１０のオーバーストロークは、
第１図に示すように、ストローク規制ピン２０
が、環状溝２１の最左端位置イにあるときにのみ
許容され、環状溝２１の広幅部２２の溝幅Ｗに対
応して、操作レバー１０のオーバーストローク量
l₂が設定される。

この操作レバー１０のオーバーストロークに際
して、第４図に示すように、操作レバー１０に連
動するロツク解除レバー１２は回動の最終段で、
連結部材１８を下に引張り、それまでシートバツ
ク２をアツパブラケツト５にロツクしていたフツ
ク１７をヒンジ軸１７ａの廻りで時針廻りに回動
させ、ロツクピン１６に対するロツクを解除す
る。

このため、シートバツク２はアツパブラケツト
５上部の支軸７の廻りで自由に回動しうる状態と
なり、この段階でシートバツク２を前に倒せば、
仮想線で示すように、シートバツク２はシートク
ツシヨン１上に折り重なつた状態まで完全に倒す
ことができる。

なお、上記の実施例では、ストツパピン２３に
よつてシートバツク２の最前ロツク位置を確認し
うるようにしたが、環状溝２１の端部（第１図〜
第４図においては最左端）のロツクギア９のスト
ローク規制ピン２０を当接させることにより、ス
トツパピン２３を用いることなく、最前ロツク位
置を規定するようにしてもよい。

以上の説明から明らかなように、本考案に係る
シートのリクライニング装置では、シートバツク
の通常調整時には操作レバーの操作ストロークを
オーバーストロークしないように規制し、シート
バツクの最前ロツク位置でのみ、操作レバーをオ
ーバーストローク可能とし、操作レバーをオーバ
ーストロークによつて始めてシートバツクのアツ
パブラケツトに対するロツクを解除する構成とし
たから、誤操作のおそれなしに、操作レバーの操
作のみで、シートバツクの通常のリクライニング
操作と、シートバツクのシートクツシヨン上への
前倒操作の両方を、夫々明確かつ容易に識別して
行なうことができ、操作性の向上を図ることがで
きる。

なお、前記実施例では、アツパブラケツトにセ
クタギアを固定し、ロツクギアをロアブラケツト
に枢着した型式のリクライニング機構について説
明したが、本考案は他の公知の型式のリクライニ
ング機構にも適用できることはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るリクライニン
グ装置の側面図でシートバツクの最前ロツク状態
を示し、第２図は第１図に示す環状溝の説明図、
第３図及び第４図は夫々第１図に対応した側面図
で、第３図はリクライニング操作時を、第４図は
操作レバーのオーバーストローク時を示す。 １……シートクツシヨン、２……シートバツ
ク、４……ロアブラケツト、５……アツパブラケ
ツト、６……ヒンジ軸、７……支持軸、８……セ
クタギア、９……ロツクギア、１０……操作レバ
ー、１６……ロツクピン、１７……フツク、２１
……環状溝、２２……広幅部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートクツシヨンに取付けられたロアブラケツ
   トに、シートバツクに取付けられたアツパブラケ
   ツトが枢支され、かつリクライニング機構を介し
   てシートバツクが回動可能に支持されており、こ
   のシートバツクには該シートバツクの回動軸より
   も上方にロツク部材が設けられ、該ロツク部材に
   係脱するフツクがアツパブラケツトに取付けられ
   ていて、 このアツパブラケツトにはリクライニング機構
   に設けられたピン部材が係合してリクライニング
   機構の操作レバーの操作ストロークを所定距離に
   制限するストローク規制機構を構成するガイド溝
   が形成されるとともに、シートバツクが最前ロツ
   ク位置にあるときにのみ操作レバーの所定距離の
   ストロークをオーバーさせるオーバーストローク
   部が形成されており、上記リクライニング機構と
   フツクとは操作レバーのオーバーストロークにの
   み操作レバーに連動して上記フツクとロツク部材
   との係合を解除するロツク解除機構で連結されて
   いることを特徴とするシートのリクライニング装
   置。