JPS6345802Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は架空裸電線、架空絶縁電線等の電線外
周に螺旋状で巻付けて電線の風騒音を防止する電
線の風騒音防止用巻付け体に関するものである。

電線に風が吹付けると電線後方にカルマン渦が
発生し、これが風騒音を発する。

従来、この種電線の風騒音を防止する手段とし
ては、断面円形の巻付け体を電線外周に螺旋状で
巻付け、これにより電線外形を長手方向に沿つて
変形させ、もつて電線後方に生じるカルマン渦を
乱して風騒音を抑止し防止する方法が知られてい
る。

しかしながら、この巻付け体は断面が円形にな
つているので、該巻付け体と電線表面との間に間
隙が形成され易く、この間隙部分に風が吹付けた
場合には、風が間隙を吹き抜け、音を発する恐れ
があつた。しかも上記巻付け体は金属からなるの
で重量が大きく、従つて電線に加わる荷重が大き
くなるばかりか、電線が裸導体からなる場合に
は、降雨時巻付け体表面に付着した水適からコロ
ナが発生する恐れがあつた。

本考案は、このような欠点を改良し、電線表面
との間に間隙が形成され難く、しかも軽重量で電
線に加わる荷重が少いばかりか裸導体の電線に使
用してもコロナ発生の少い電線の風騒音防止用巻
付け体を提供するものである。

これを第１図に示した一実施例に基づき説明す
る。

図において１は本考案になる巻付け体を示し、
この巻付け体１は耐候性、耐熱性に富むプラスチ
ツクス、例えばポリカーボネートからなる。

この巻付け体１は、図示するように断面略三角
形状となり、その底辺２は凹状に湾曲し、頂部３
は円弧状の面取り形状となつている。また高さｈ
は底辺長Ｌの1/2以上となつている。

更に、この巻付体１は底面２が電線４と接する
ようにして所定長の螺旋状に成形されている。螺
旋方向は左方向、右方向又は左方向と右方向を混
在させる等任意に選定される。

このように構成した巻付体１は、例えば第２図
に示す如く電線４外周に螺旋状で巻付けて使用す
る。この場合、巻付体１は左方向の螺旋状に成形
したものと、右方向の螺旋状に成形したものとを
交互に巻付けてある。

しかして、本考案は電線外周に螺旋状で巻付け
て電線の風騒音を防止する巻付け体において、こ
れを、底辺が凹状に湾曲し、頂部が円弧状の面取
り形状となり、且つ高さが底辺長の1/2以上とな
つた断面略三角形状のプラスチツクスとして構成
したので、次のような作用効果を奏する。

即ち、底辺が凹状に湾曲し、頂部が円弧状の面
取り形状となつた断面略三角形状としたことによ
り、底辺両側部分の可撓性が増大し、これを電線
に巻付け使用した場合には、底辺両側部分は電線
表面に密着し得る。従つて、巻付け体と電線表面
との間には風が吹き抜けるような間隙が形成され
ず、もつて従来のような音を発することがなくな
る。

また、巻付け体は頂部を円弧状の面取り形状と
なつていると共にプラスチツクスからなるから、
降雨時に水滴が巻付け体表面に付着してもこれか
らコロナが発生する恐れがなくなるばかりか、軽
量で電線に加わる荷重が少くなる。

更に、巻付け体の高さを底辺長の1/2以上とし
たので、これを電線に巻付け使用した場合には、
電線の長手方向に沿う形状を大きく変化させ得、
従つて電線に風が吹き付けた場合に生じるカルマ
ン渦を効率よく乱し、風騒音を確実に防止するこ
とができる。これに反し、高さを底辺長の1/2よ
り低くした場合には、全体としての形状が平面的
になり、従つて電線の長手方向に沿う形状変化が
少く、風騒音抑止効果が著しく低くなる。

また本考案は難着雪効果も併せ生じる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になる電線の風騒音防止用巻付
け体の一実施例を示す拡大断面図、第２図はその
使用例を示す正面図である。 １……巻付け体、２……底辺、３……頂部、４
……電線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電線外周に螺旋状で巻付けて電線の風騒音を防
   止する巻付け体において、これを底辺が凹状に湾
   曲し、頂部が円弧状の面取り形状となり、且つ高
   さが底辺長の1/2以上となつた断面略三角形状の
   プラスチツクスとしたことを特徴とする電線の風
   騒音防止用巻付け体。