JP2606639Y2 - 難着雪化した低騒音ヒレ付電線 - Google Patents

難着雪化した低騒音ヒレ付電線

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JP2606639Y2
JP2606639Y2 JP1993007383U JP738393U JP2606639Y2 JP 2606639 Y2 JP2606639 Y2 JP 2606639Y2 JP 1993007383 U JP1993007383 U JP 1993007383U JP 738393 U JP738393 U JP 738393U JP 2606639 Y2 JP2606639 Y2 JP 2606639Y2
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隆志 助川
秀樹 神山
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THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
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THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、難着雪化した低騒音ヒ
レ付電線に関する。
【0002】
【従来の技術】低騒音ヒレ付電線は、図3イ,ロにその
断面図を例示したように、アルミ被覆鋼線1とアルミ素
線2,12とから構成された架空送電線(図イ)や全体が
断面扇形のアルミ被覆鋼線11から構成されたOPGW架空地
線(図ロ)の最外層にヒレ付アルミ素線5又はヒレ付ア
ルミ被覆鋼線9をそれぞれ、そのヒレ部分4を外方に向
けて撚合わせた電線で、低風音、低騒音を実現した電線
である。前記ヒレ部分4とは、長手方向に連続的に形成
された騒音低減に有効な形状をした突起である。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】このような低騒音ヒレ
付電線では、降雪時に、ヒレ部分の着雪がヒレ部分4に
沿って回転しながら大きく成長して所謂筒雪となり、こ
の筒雪が一度に落下して電線の異常振動や相間短絡等の
種々の送電障害を惹起してきた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本考案は、このような状
況に鑑み鋭意研究を行なった結果なされたもので、その
目的とするところは、着雪し難い低騒音ヒレ付電線を提
供することにある。即ち、本考案は、最外層に撚合わさ
れた多数本の素線のうち所要数の素線に他の素線より突
出するヒレ部が形成されたヒレ付素線を設けてなる低騒
音ヒレ付電線の、前記ヒレ付素線にポリマー樹脂層が被
覆されており、前記ポリマー樹脂の被覆厚さは、ポリマ
ー樹脂を被覆したヒレ付素線のポリマー樹脂層を含む全
断面積の20%以下であることを特徴とするものであ
る。
【0005】本考案において、ヒレ付素線にポリマー樹
脂を被覆するのは、ポリマー樹脂は摩擦係数が小さく、
積雪がその上を滑り落ちて着雪し難いためである。この
ポリマー樹脂は、摩擦係数が0.1以下のものが、特に
落雪効果が大きく好ましい。ポリマー樹脂の被覆厚さ
は、ポリマー樹脂を被覆したヒレ付素線のポリマー樹脂
層を含む全断面積の20%以下にする。このようにする
、ヒレ付電線の強度及び導電率の低下を抑えることが
できる。ヒレ付素線のサイズは、ポリマー樹脂を被覆す
る分、他の最外層素線より小さめに形成する。ポリマー
樹脂層は通常の押出被覆又は吹付法等により容易に被覆
できる。ポリマー樹脂層はヒレ付素線のヒレ部分にのみ
被覆しても相応の落雪効果が得られる。ポリマー樹脂層
を被覆したヒレ付素線の撚合わせには、通常の撚線方法
が適用できる。
【0006】
【作用】本考案の低騒音ヒレ付電線は、摩擦係数の小さ
いポリマー樹脂層を被覆したヒレ付素線を最外層に所要
数撚合わせものなので、ヒレ付素線上の積雪は滑り落ち
易く、筒雪等に成長することがない。 また、ポリマー樹
脂の被覆厚さは、ポリマー樹脂を被覆したヒレ付素線の
ポリマー樹脂層を含む全断面積の20%以下であるた
め、ヒレ付電線の強度及び導電率の低下を抑えることが
できる。
【0007】
【実施例】以下に本考案を実施例により詳細に説明す
る。 実施例1 図1は本考案のヒレ付電線の実施例を示す断面図であ
る。このヒレ付電線は、アルミ被覆鋼線1の周囲に24本
の断面円型のアルミ素線2を2層に撚合わせ、その上に
18本の断面扇型のアルミ素線12と4本のポリマー樹脂被
覆ヒレ付アルミ素線3を、前記ヒレ部分4を外方に向け
て撚合わせた難着雪低騒音ヒレ付架空送電線である。上
記のポリマー樹脂被覆ヒレ付アルミ素線3は、ヒレ付ア
ルミ素線5の上にポリマー樹脂層6を被覆したもので、
ポリマー樹脂には、摩擦係数が異なる種々のポリマー樹
脂を用い、その被覆厚さを種々に変化させて製造した。
【0008】比較例2 実施例1において、ヒレ付アルミ素線5上にポリマー樹
脂層を被覆しない、図3イに示したのと同じ構造の低騒
音ヒレ付架空送電線を製造した。このようにして得られ
た各々の低騒音ヒレ付架空送電線を、積雪地帯に架線し
て、その着雪状況を調査した。結果を表1に示した。
【0009】
【表1】
【0010】表1から明らかなように、本考案品(No
1〜10)は、いずれも着雪が筒雪に成長する前に落下
し、落雪時の電線の振動は小さかった。また低騒音効果
が損なわれることもなかった。更に断面積比(ポリマー
部/金属部)を20%以下とすれば、引張強さ及び導電
率の減少率は許容値内にあり、実用上問題ないことが明
らかになった。尚、本考案のうち、No10は、ポ
リマー樹脂層の摩擦係数が0.1を超えた為、着雪量が
幾分増大した。他方、比較例品のNo11は、ポリマー
樹脂層の厚さが、断面積の20%を超えた為に引張強さ
と導電率がやや増加した。また比較例品のNo12は、
ヒレ付アルミ素線にポリマー樹脂層を被覆しなかった為
に、着雪が筒雪に大きく成長し、この筒雪が落下した際
に架空送電線が激しく振動して短絡事故が発生した。
【0011】実施例2 図2は、本考案のヒレ付電線の他の実施例を示す断面図
である。このヒレ付電線は、光ファイバ挿入用アルミ管
7の周囲に8本の断面扇型のアルミ被覆鋼線11を撚合わ
せ、更にその上に11本の断面扇型のアルミ被覆鋼線11と
1本のポリマー樹脂被覆ヒレ付きアルミ被覆鋼線8を撚
合わせたOPGW架空地線である。前記ヒレ付アルミ被覆鋼
線10上のポリマー樹脂は断面積の10%の厚さに被覆さ
れ、その摩擦係数が0.07である。
【0012】この難着雪低騒音ヒレ付OPGW架空地線につ
いても、実施例1と同じようにして着雪状況を調査した
ところ、着雪は頻繁に落下して筒雪に成長するようなこ
とはなかった。又引張強さ及び導電率の減少率も許容値
内にあり、騒音の発生も十分抑えられた。以上、ヒレ付
電線がアルミ線又はアルミ被覆鋼線にて構成されたもの
について説明したが、本発明は、銅線を用いたヒレ付電
線に適用しても同様の効果が得られるものである。更
に、本考案の電線に撚合わせるヒレ付アルミ素線やヒレ
付アルミ被覆鋼線の本数は、1本又は4本に限定される
ものではない。
【0013】
【効果】以上に述べたように、本考案の低騒音ヒレ付電
線は、最外層に撚合わされた多数本の素線のうち所要数
の素線に他の素線より突出するヒレ部が形成されたヒレ
付素線を設けてなる低騒音ヒレ付電線の、前記ヒレ付素
線にポリマー樹脂層が被覆されており、前記ポリマー樹
脂の被覆厚さは、ポリマー樹脂を被覆したヒレ付素線の
ポリマー樹脂層を含む全断面積の20%以下であること
を特徴とするものである。したがって着雪し難く、種々
の送電障害が未然に防止され、またヒレ付電線の強度及
び導電率の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の低騒音ヒレ付電線の一実施例を示す断
面図である。
【図2】本考案の低騒音ヒレ付電線の他の実施例を示す
断面図である。
【図3】従来の低騒音ヒレ付電線の断面図である。
【符号の説明】
1,11 アルミ被覆鋼線 2,12 アルミ素線 3 ポリマー樹脂被覆ヒレ付アルミ素線 4 ヒレ部分 5 ヒレ付アルミ素線 6 ポリマー樹脂層 7 アルミ管 8 ポリマー樹脂被覆ヒレ付アルミ被覆鋼線 9 ヒレ付アルミ被覆鋼線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−126306(JP,A) 特開 昭58−102405(JP,A) 実開 昭59−90229(JP,U) 実開 昭57−161806(JP,U) 実開 平3−112823(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最外層に撚合わされた多数本の素線のう
    ち所要数の素線に他の素線より突出するヒレ部が形成さ
    れたヒレ付素線を設けてなる低騒音ヒレ付電線の、前記
    ヒレ付素線にポリマー樹脂層が被覆されており、前記ポ
    リマー樹脂の被覆厚さは、ポリマー樹脂を被覆したヒレ
    付素線のポリマー樹脂層を含む全断面積の20%以下で
    あることを特徴とする難着雪化した低騒音ヒレ付電線。
JP1993007383U 1993-02-01 1993-02-01 難着雪化した低騒音ヒレ付電線 Expired - Fee Related JP2606639Y2 (ja)

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JPS57161806U (ja) * 1981-04-06 1982-10-12
JPH04126306A (ja) * 1990-09-17 1992-04-27 Furukawa Electric Co Ltd:The 低風音多導体送電線およびその延線方法

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