JPS6345471Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、建築物の外壁に用いられる外壁板に
関するものである。

従来、第１図に示すように外壁板の端面に溝が
形成され、この溝に断面Ｔ字状の係合部を有する
ジヨイナーが係合すると共に、このジヨイナーを
介して外壁板が胴縁等に固定されている。

石綿板、石膏板等の表面板と発泡性断熱材が積
層された外壁板に断面Ｔ字状の係合部を有するジ
ヨイナーを適用する場合、ジヨイナーが係合する
溝は表面板の厚さが薄いため発泡性断熱材部分に
設けられる。発泡性断熱材は表面板に比べて軟ら
かいため、ジヨイナーが係合した状態で外壁板に
外力が加つたとき発泡性断熱材がジヨイナーとの
係合部分で破損してしまうことがある。

本考案は表面板と発泡性断熱材が積層された外
壁板において、ジヨイナー係合用溝の強度が増
し、外壁板をジヨイナーに安定的に係止し得るこ
とを目的とするものである。

上記目的を達成するため、本考案の構成は、矩
形状の表面板と該表面板の裏面に積層された発泡
性断熱材からなり、表面板の裏面には表面板の長
手方向に沿う補強リブが突設されるとともに、該
補強リブ及び発泡性断熱材の長手方向端面には、
表面板の幅方向に沿うジヨイナー嵌合用の溝が前
記リブおよび断熱材の両者にわたつて連続して形
成されたことである。

以下本考案の一実施例を図面にもとづいて説明
する。

第２図、第３図において、矩形状の外壁板１０
は発泡性断熱材１１が表面板１２の裏面に積層さ
れてなる。発泡性断熱材１１は例えばポリプロピ
レン、ポリスチレン、ポリウレタン等の合成樹
脂、天然ゴム又は合成ゴムを発泡させたものであ
り、表面板１２は石綿板、石膏板等からなる。矩
形状の表面板１２の本体１２ａの幅方向（水平方
向）一端に一方端嵌合部１２ｂが、他端に他方端
嵌合部１２ｃが形成され、本体１２ａの外表面に
は長手方向（高さ方向）に沿う釘着溝１２ｄが設
けられる。また、本体の裏面には幅方向に間隔を
おいて複数の補強リブ１２ｅが表面板１２の長さ
方向に沿つて突設される。

しかして、前記一方端嵌合部１２ｂは、本体１
２ａより目地幅相当の幅Ｂで、かつ、表面板厚み
の相当の深さに断熱材側へ屈曲され、更にその先
端が前記断熱材１１の端面から幅方向へ延長突設
されて雄凸部１２１となつている。また、他方端
嵌合部１２ｃは、前記一方端嵌合部１２ｂの雄凸
部１２１が嵌入できるよう他方端端面に、外壁板
長さ方向に沿う雌凹部１２２が形成されている。

補強リブ１２ｅ及び断熱材１１の長手方向上端
面および下端面には、夫々、断熱材１１および補
強リブ１２ｅを通して表面板１２幅方向に沿う上
溝１０ａ、下溝１０ｂが設けられている。

外壁板１０の裏面には防水性のバツカー紙１３
が貼着される。

以上のような外壁板１０は使用に当りその長手
方向端部を上下方向に向けて張設される。幅方向
端部は前記一方端嵌合部１２ｂと他方端嵌合部１
２ｃとを組み合せて接合されるが、長手方向端部
の接合には、長い金属製のジヨイナ２０が使用さ
れる。即ち、ジヨイナ２０は断面形状において鉛
直に向く胴縁取付部２１と、該胴縁取付部２１の
下端から水平方向に曲折されて上下外壁板間に挾
持される水平部２２と該水平部２２に対してＴ字
状に形成された係止部２３とからなる。ジヨイナ
２０は係止部２３を下方の外壁板１０の上溝１０
ａに係合させ、胴縁（図示省略）に胴縁取付部２
１を介して釘止する。そして上方の外壁板１１の
下溝１０ｂが係止部２３に係合されて上方の外壁
板１１がジヨイナーに係止される。

また、釘着溝１２ｄに釘３０を打つて外壁板１
０を固定した後、コーキング材４０を充填して釘
頭を埋める。更に、一方端側に形成される目地に
おいて隣接外壁板との境界部分にもコーキング材
４０を塗布して施工完了する。なお、一方端嵌合
部１２ｂの雄凸部１２１と他方端嵌合部１２ｃの
雌凹部１２２との隙間には発泡防水シール５０が
施され水密性が付与されている。

ここで、前記両嵌合部１２ｂ，１２ｃにおいて
幅Ｂなる台形断面の目地溝Ａが形成され、この溝
Ａは前記釘着溝１２ｄと略同一の形状、大きさに
定められている。そして、溝１２ｄの底に座ぐり
状下孔１２d′が設けられ、その中に釘３０の頭が
没入した状態でコーキング材４０が溝底と面一と
なるまで充填される。

このように、溝Ａと１２ｄとが同一の形状、大
きさに定められたときはこれらはあたかも模様溝
の如く認識される利点がある。

なお、前記実施例は目地溝Ａ及び釘着溝１２ｄ
が上下方向に沿つた、いわゆる縦張り壁に適用さ
れた例であるが、これらの溝が水平方向に沿つた
横張り壁にも適用される。

なお座ぐり状下孔１２d′は必ずしも設ける必要
はなく溝１２ｄの座を平坦とし、この部分に釘を
打ち込むようにしてもよい。また、コーキング材
４０は必要に要じて充填され必ず必要とされるも
のではない。また、補強リブ１２ｅは上記実施例
では表面板１２の長手方向に沿つて連続している
が、長手方向複数個所でとぎれた断続する形状で
あつてもよい。

以上の如く本考案の外壁板は表面板の裏面に補
強リブが突設されているので、表面板の強度が向
上するとともに、表面板に積層される発泡性断熱
材との結合が強固になる。そして、補強リブ及び
発泡性断熱材の長手方向端面に表面板の幅方向に
沿うジヨイナー係合用の溝が前記リブおよび断熱
材の両者にわたつて連続して形成されているので
溝の強度が増し、外壁板をジヨイナーに強固、か
つ、安定的に係止し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す断面図、第２図は本考案
の一実施例を示す平面図、第３図は第２図の−
断面図、第４図は第２図の要部拡大断面図であ
る。 １０……外壁板、１１……断熱材、１２……表
面板、１２ａ……本体、１２ｂ……一方端嵌合
部、１２ｃ……他方端嵌合部、１２ｄ……釘着
溝、１２ｅ……補強リブ、１０ａ……上溝、１０
ｂ……下溝、２０……ジヨイナ、３０……釘。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 矩形状の表面板と該表面板の裏面に積層された
   発泡性断熱材からなり、表面板の裏面には表面板
   の長手方向に沿う補強リブが突設されるととも
   に、該補強リブ及び発泡性断熱材の長手方向端面
   には、表面板の幅方向に沿うジヨイナー嵌合用の
   溝が前記リブおよび断熱材の両者にわたつて連続
   して形成されたことを特徴とする外壁板。