JPS6345270Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 本考案は、２槽式洗濯機における洗濯用モータ
の取付構造の改良に関するものである。

〈従来技術〉 第１図に２槽式洗濯機の構造図を示し、１は外
枠、２は樹脂で成形された底台、３は洗濯槽、４
は脱水槽、５は操作パネル、６は洗濯用モータ、
７は脱水モータ、８はパルセータ、９はフアンプ
ーリ、１０はＶベルト、１１はパルセータプー
リ、１２は軸受ホルダ、１３は脱水篭、１４は排
水ホースである。

洗濯は、洗濯用モータ６の回転力をフアンプー
リ９よりＶベルト１０を介してパルセータプーリ
１１に伝達し、パルセータ８を回転させて生じた
水流により、洗濯槽３内の洗濯物を回して洗う方
法になつている。第２図は底台２に洗濯用モータ
６と脱水モータ７を取り付けた状態の平面図で、
１５はモータ取付ねじ、１６は平ワツシヤであ
る。

前記の動力伝達機構よる水流の派生伝達構造部
は洗濯機の水流型式、例えば洗濯物を均一且つよ
り効率良く洗濯するため、パルセータ８の取付位
置を洗濯槽３の底面中心から偏心させ、或は傾斜
させて取り付けている。一方、洗濯物のよじれを
防止するためには、パルセータ８を大径とし、且
つ洗濯槽３に水平状に取り付けていた。即ち、パ
ルセータ８を傾斜させたり、傾斜をなくして水平
状に取り付ける等型式毎に洗濯用モータ６、フア
ンプーリ９、Ｖベルト１０、パルセータプーリ１
１等の伝達構造部を傾斜状及び水平状に設ける２
種類の底台２の成形用金型をおこして対応してい
たので、金型製作、組立ラインも洗濯機の型式毎
に必要となる欠点を有していた。

〈目的〉 本考案は、上記の欠点の考慮し、これを改良し
て同一構造の底台で、前記各別の特徴を発揮する
洗濯機の型式に対応して利用し得るようにしたも
ので、洗濯用モータの取付角度を自由に変更し得
る洗濯モータ取付構造を提供することを目的とす
る。

〈実施例〉 以下、添付図面に基づき、本考案の実施例を詳
細に説明する。

第３図は、洗濯用モータ６の取付状態を上部よ
り見た平面図で、第４図及び第５図は同取付部の
１部欠切き側面図である。第４図と第５図は、取
付部品の僅かな形状の相違による洗濯用モータ６
の取付角度の違いを示している。

第３図において、洗濯用モータ６の外周に突設
した略Ｔ字形のフランジ１７は、外枠寄りの１対
の小突片１７′，１７′と、内方の大突片１７″で
底台に固定され、小突片１７′，１７′を固定する
取付突部１８，１８及び大突片１７″を固定する
取付突部１９を夫々底台２の所定箇所に上向き膨
出成形し、該取付突部１８，１８の上面を型に
曲げ起して防振台２０，２０保持用の鍔片２１，
２１を水平状に設けると共に他の取付突部１９の
下面に固定ねじ２２取付用のボス２３を形成して
いる。２４は平ワツシヤである。

前記大突片側において、２５は洗濯用モータ６
固定用の防振台で、上内方へ階段状に屈曲した断
面形状であり、しかも内方下りに傾斜し、該防振
台の上端のボス２６は、前記フランジの大突片１
７″の透孔内に嵌着した円筒形の防振用ゴム部品
２７内に嵌着されると傾斜し、固定ねじ１５、平
ワツシヤ１６によりフランジ１７に結合される。
該防振台はその下端外縁から内向きの長い切欠溝
２８が形成され、前記固定ねじ２２を該切欠溝か
らボス２３に螺着することにより、洗濯用モータ
６の底台の取付突部１９に防振台２５を介して前
後位置調整可能に固定される。

他方小突片側において、２０は、第６図に示す
ように、丸棒状の基部２９の軸方向に定設した環
状のフランジ３０に円錘台形のボス３１を突設し
て成る防振台で、該防振台のボス３１は、前記フ
ランジの小突片１７′の透孔内に嵌着した円筒形
の防振用ゴム部品２７内に嵌着され、固定ねじ１
５、平ワツシヤ１６によりフランジ１７に固定さ
れ、且つ、該防振台２０の基部２９は、取付突部
１８の上面と前記防振台２５の立上り片２５′よ
り低い高さに抜き起された鍔片２１の間に挟持さ
れ、且つ、回転可能である。従つて、第４図のよ
うに洗濯用モータが傾斜して取り付けられる場合
は丸棒基部を図示のように図において右方下りに
傾斜回転させる。

３２は、洗濯用モータ６を水平状に取り付ける
のに用いる防振台で、前記防振台２５に比べ、短
寸であり、その立上り片３２′は相対する抜起し
鍔片２１高さと同高である。

以上の構成に係る本考案の２槽式洗濯機におけ
る洗濯用モータ取付装置の作用は次の通りであ
る。

パルセータ、洗濯用モータ６を傾斜状に取り付
ける場合、フランジ１７の小突片１７′，１７′に
防振用ゴム部品２７を介して取り付けられた防振
台２０，２０の基部２９を鍔片２１と取付突部１
８との間に挟持し、他方の大突片１７″には前記
背高く傾斜した防振台２５を防振用部品を介して
貫通固定し、背の低い該防振台２０の基部２９を
該両者の高さの差だけ傾斜させるべく取付突部１
８の上面と鍔片の間において傾斜回転すると共に
前記の防振台２５の切欠溝２８と取付突部２３と
の位置合せをし、固定ねじ２２、平ワツシヤ２４
にて防振台２５を取付突部１９に固定することに
より、洗濯用モータ６の傾斜状の取り付けは完了
する。

又、第５図に示すように、洗濯用モータ６を水
平状に取り付ける場合は、背高の防振台２５を立
上り片３２′の背の低い防振台３２に取替えるの
みでよく、取付突部１８上の防振台２０は、円柱
形の基部２９において取付突部１８上を水平状態
に復元回転するので、傾斜状及び水平状の両方に
兼用できる。

尚、Ｖベルト１０の寸法誤差及び組立によりフ
アンプーリ９とパルセータプーリ１１との間に寸
法誤差が生じた場合、防振台２５又は３２の切欠
溝２８を介して、及び抜起し孔２１′の長手方向
への洗濯用モータの取付位置移動により、該寸法
誤差を解消する。

〈効果〉 以上の通り本考案の２槽式洗濯機の洗濯用モー
タ取付構造では、一対の防振台が基台に対し摺動
且つ回動可能に挟持されるので、固定用に用いる
他の防振台を取り替えることにより、洗濯用モー
タの取付角度をパルセータの取付角度に応じて変
更でき、パルセータの取付位置が異なる他の機種
にも適合し得る。従つて、従来、機種に応じ必要
とされた異なる形状の底台が不必要となつた。
又、防振用部品や取付ボスも互換性のある或いは
成形容易な垂直構造ですむ。従つて、パルセー
タ、洗濯用モータの取付角度が異なる場合でも、
共通の底台や取付部品等を使用できるようになつ
たので、底台の成形金型を余分に製作する必要が
なくなり、金型製作費が安価となり、取付部品も
共用できるという実用的効果を奏し、又、同一の
成形金型で底台を生産するため、生産効率も向上
するという実用的効果も併せて奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、２槽式洗濯機の構造を示す簡略図、
第２図は、同上洗濯用モータと脱水モータの配置
及び取付要部を示す簡略平面図。第３図は、本考
案の２槽式洗濯機の要部を示す拡大平面図。第４
図は、同上洗濯用モータを傾斜状に取り付けた状
態の１部欠切拡大側面図。第５図は、同上洗濯用
モータを水平状に取り付けた状態の１部欠切拡大
側面図。第６図は、同上防振台の拡大斜視図であ
る。 ２……底台、６……洗濯用モータ、２０，２
５，３２……防振台。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗濯用モータの外周に略Ｔ字形のフランジを突
   設し、該フランジの対向する一対の突片には丸棒
   状の基部を外方に突出した防振台を夫々取り付
   け、該基部を底台に形成した取付突部と該取付突
   部上面を抜き起こした鍔片との間で摺動且つ回動
   可能に挟持し、上記フランジの他の突片には取付
   位置調整用の切欠溝を有する所定形状の防振台を
   取り付け、該防振台を底台に形成した取付突部に
   固定したことを特徴とする２槽式洗濯機における
   洗濯用モータ取付装置。