JPS6245670Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は外箱の上部を水受室とし、外箱の下部
に駆動部を弾性吊持機構を介して支持した脱水兼
用洗濯機に関する。

この種、脱水兼用洗濯機においては、弾性吊持
機構が外箱の下部に設けられているために駆動部
が揺動した時に駆動部が取付けられた支持板や弾
性吊持機構の吊棒等が排水ホースに当つて擦れ合
い、該排水ホースが損傷されて水漏れを起す問題
がある。そこで、従来は排水ホースに保護チユー
ブを巻回したり或いはクツシヨン部材を貼着する
ことが行われているが、排水ホースの保護に関し
ては不充分であるばかりでなく部品点数が増加し
てコストが高い欠点がある。

本考案は上記事情に鑑みてなされたものであ
り、外箱の下部構成体に吊持機構を支持すべく支
柱部を一体成形により立設するとともに該支柱部
を吊持機構及び駆動部等からなる駆動装置と排水
ホースとの間に位置させて排水ホースのための保
護壁とすることにより、排水ホースの損傷を確実
に防止できるとともに部品点数を減少して安価に
製作できる脱水兼用洗濯機を提供することを目的
とする。

以下本考案の一実施例について第１図乃至第３
図を参照して説明する。１は合成樹脂製の外箱
で、これは下部外箱２の上面に上部外箱３を載置
連結したものであり、上部外箱３の上面部に洗濯
物出入口４を有するカバー５を固着する。６は洗
濯物出入口４を開閉する蓋、７はカバー５の後方
上部に立設した操作箱である。さて、上部外箱３
は底板部８を一体成形することによつて上部を水
受室９として、その水受室９内に洗濯槽兼脱水槽
としての回転槽１０を配設している。１１は底板
部８に陥没形成された凹部で、この凹部１１に下
部外箱２の前面板２ａ方向に指向する排水口１２
を形成する。１３は一端部に略Ｌ字形のエルボ部
１４を接着等によつて固着した排水ホースで、こ
れのエルボ部１４を上部外箱３と下部外箱２の組
立前に予め排水口１２に嵌合連結させている。１
５は下部外箱２の下端内周部に一体成形された下
部構成体としての基板部で、これの内周部の各隅
角部に合成樹脂の一体成形によつて上端部に舌片
部１６を有する支柱部１７を立設する。この支柱
部１７は水平断面が第３図に示すように中間が円
弧状をなした略Ｌ字形に形成されており、前面板
２ａ付近に設けられた２個の支柱部１７，１７は
前面板２ａとの間隔を排水ホース１３の外径寸法
より若干大に設定して、保護壁を兼用するように
なつており、前面板２ａと支柱部１７，１７との
間に排水ホース１３を設置し得るようにしてい
る。従つて、排水ホース１３を左方向に導出する
場合には、排水ホース１３を基板１５上に沿わせ
て前面板２ａと前方左側の支柱部１７との間を通
過させるようにして左側板２ｂに形成したホース
導出口１８から外部に導出する（第３図参照）。
１９は支持板２０に軸受筒２１及びモータ２２等
を装着してなる駆動部、２３は支持板２０を介し
て駆動部１９を下部外箱２内に弾性吊持する吊持
機構で、これら駆動部１９及び吊持機構２１によ
つて駆動装置２４を構成する。そして、吊持機構
２３の吊棒２５は上端部を滑動体２６を介して舌
片部１６に支持させるとともに下端部に図示しな
いコイルばねを内設した緩衝部材２７を設けてい
る。２８は軸受筒２１に支持された中空な脱水軸
で、これを上部外箱３の底面部に設けたベローズ
２９を介して水受室９内に突出させて回転槽１０
に連結する。３０は回転槽１０の内底部に配設し
た撹拌翼、３１は撹拌翼３０を駆動する洗い軸、
３２は洗い軸３１と脱水軸２８との間の動力伝達
を接離するクラツチ、３３は脱水軸２８を制動す
るブレーキ装置、３４は洗い軸３１とモータ２２
とを連結するベルト伝達機構であり、３５は操作
箱７内に配設したタイマ装置である。

次に以上のように構成した本実施例の作用につ
いて説明する。回転槽１０内に洗濯物を入れてタ
イマ装置３５をセツトすると、給水・洗い・排
水・すすぎ洗い・排水・脱水からなる一連の洗濯
行程が自動的に行われるが、洗い及びすすぎ洗い
時には回転槽１０が制動されて撹拌翼３０が回転
され、排水及び脱水時には回転槽１０が高速回転
される。さて、脱水時に洗濯物が回転槽１０内に
不均一に分布する場合には回転槽１０の振れ回り
によつて駆動装置２４が前後左右に揺動するが、
その駆動装置２４の揺動量が所定量を超えると支
持板２０が支柱部１７に衝接するようになつて過
度の揺動が規制される。尚、排水ホース１３の導
出方向を左から右に変更する場合には、排水ホー
ス１３をホース導出口１８から一旦下部外箱２に
引き入れ、その後、前方右側の支柱部１７と前面
板２ａとの間を通過させて右側板２ｃに形成した
図示しないホース導出口から外部に導出すればよ
い。

このように本実施例によれば、下部外箱２の基
板部１５に保護壁を兼ねる支柱部１７を一体成形
して排水ホース１３と駆動装置２４との間に位置
させたから、駆動装置２４が過度に揺動すること
が規制され、排水ホース１３に駆動装置２４の一
部が衝接することが確実に防止され、排水ホース
１３の損傷による水漏れを完全に防止できる。従
つて、従来構造のように排水ホースに保護チユー
ブ或いはクツシヨン材を設ける必要もなくて部品
点数を減少させることができ、しかも排水ホース
自身も強度の低い安価なものを使用することが可
能となり、総じてコストを安価になし得る。ま
た、駆動装置２４を弾性吊持するための支柱部１
７が保護壁を兼ねるから、別途に保護壁を設ける
必要がなくて新たに構成部品が増加することもな
く、コストへの影響は全くない。

しかも、支柱部１７が保護壁を兼ねることによ
り、該支柱部１７の幅寸法及び肉厚等を増加させ
ても保護壁を別途に設ける場合に比べて少ない材
料で済み、該支柱部１７の補強も低コストで達成
できる。

尚、上記実施例では外箱１が中間部で上下二分
割された構成のものに適用したが、必ずしもこの
ような構成にする必要はなく、要は、保護壁３６
を兼ねる支柱部１７を外箱の下部構成体に設ける
ようにすればよい。

本考案は以上の説明から明らかなように、外箱
の上部を水受室とし、下部に駆動部を弾性吊持機
構を介して支持するようにしたものにおいて、外
箱の下部構成体に吊持機構を支持すべく支柱部を
一体成形により立設するとともに該支柱部を吊持
機構及び駆動部等からなる駆動装置と排水ホース
との間に位置させて排水ホースのための保護壁と
することにより、排水ホースの損傷を確実に防止
できるとともに別途に保護壁等を設ける必要がな
くて最小限の材料で済み、構造が簡単で安価に製
作し得るという実用的に優れた効果を奏する脱水
兼用洗濯機を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示すも
のであり、第１図は縦断側面図、第２図は下面
図、第３図は第１図の−線に沿う断面図であ
る。 図面中、１は外箱、２は下部外箱、３は上部外
箱、９は水受室、１０は回転槽、１３は排水ホー
ス、１５は基板部（下部構成体）、１７は支柱部
（保護壁）、１９は駆動部、２３は吊持機構、２４
は駆動装置である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外箱の上部を水受室とし、外箱の下部に吊持機
   構を介して駆動部を弾性吊持するようにした脱水
   兼用洗濯機において、前記吊持機構を支持すべく
   下部構成体に支柱部を一体成形により立設すると
   ともに該支柱部を前記吊持機構及び駆動部等から
   なる駆動装置と前記水受室に連結された排水ホー
   スとの間に位置させて該排水ホースのための保護
   壁としたことを特徴とする脱水兼用洗濯機。