JPS6344829B2 - - Google Patents

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JPS6344829B2
JPS6344829B2 JP55018535A JP1853580A JPS6344829B2 JP S6344829 B2 JPS6344829 B2 JP S6344829B2 JP 55018535 A JP55018535 A JP 55018535A JP 1853580 A JP1853580 A JP 1853580A JP S6344829 B2 JPS6344829 B2 JP S6344829B2
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exchange membrane
cation exchange
membrane
microns
roughness
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Yoshinori Masuda
Mitsuo Yoshida
Akio Kashiwada
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、イオン交換膜法による経済的な塩化
アルカリ電解方法に関するものである。 更に、詳しくは、陽イオン交換膜により陽極室
と陰極室に分割された電解槽で塩化アルカリを電
解して水酸化アルカリを製造するに際して、該陽
イオン交換膜として少なくとも片面がイオン交換
樹脂で形成された粗面である均質陽イオン交換膜
を用い、且つ該陽イオン交換膜の粗面が陰極側に
なるように電解槽に組込むことを特徴とする、電
解電圧の低い塩化アルカリの電解方法に関するも
のである。 本発明で言う均質陽イオン交換膜とは、イオン
交換基を有しない熱可塑性樹脂をブレンドするこ
となく、イオン交換樹脂のみから製膜した陽イオ
ン交換膜である。勿論、膜強度を増すために、繊
維、多孔質膜等で裏打ちしてもよい。又、イオン
交換基の種類や交換容量が異なつた膜をラミネー
トしてもよい。 従来より、イオン交換樹脂と熱可塑性樹脂を混
合してなる不均質イオン交換膜では、膜抵抗を低
下させるために、膜表面をブラツシング処理また
は、フレーム処理して粗面化し、膜表面にイオン
交換樹脂を露出させることが提案されている(例
えば、特開昭52―47590号参照)。 しかし、イオン交換樹脂のみからなる均質イオ
ン交換膜では、もともと、膜表面にイオン交換樹
脂が露出しているのでこのような粗面化処理を行
つても膜抵抗は低下しない。 更に、均質陽イオン交換膜では、膜の陰極面が
平滑でないと電解により陰極で発生した水素ガス
の気泡が膜面に付着して電解電圧が上昇すること
が知られており、従来は、膜の平滑面が陰極側に
なるように電解槽に組込むことが常識化されてい
た(例えば特開昭51―131489号参照)。 通常、イオン交換膜法塩化アルカリ電解に使用
される陽イオン交換膜の厚さは、膜抵抗を小さく
するため1000ミクロン以下、好ましくは、200ミ
クロン以下であり、膜強度が不充分なので支持繊
維による膜強度の付加が行われている。陽イオン
交換膜に支持繊維を埋込む方法としては、例えば
押出成型して製造した熱溶融性のイオン交換膜中
間体と支持繊維を重ねて熱プレスし、支持繊維を
腰に埋込む方法(熱プレス積層法)、押出成型し
て製造した熱溶融性のイオン交換膜中間体の一方
の面だけを加水分解して熱不溶性とした後、反対
の熱溶融性の面に支持繊維を接触し、全体を加熱
しながら支持繊維に接触した側を減圧にして支持
繊維を膜に埋込む方法(真空積層法、特公昭52―
14670号)等が挙げられる。熱プレス積層法では、
両面が平滑になり、また、真空積層法では、前も
つて加水分解した面が平滑になり、従来は、この
平滑な面が陰極側となるように電解槽に組込んで
いた。 然るに、本発明者等は、電解状態を詳細に観察
した結果、驚くべきことに均質陽イオン交換膜の
陰極面が適度に粗面化されている時、電解により
陰極で発生した水素ガス気泡の膜面付着量が最も
少なくて電解電圧が最も低いことを見出した。 即ち、本発明は、陽イオン交換膜により陽極室
と陰極室に分割された電解槽で塩化アルカリを電
解して水酸化アルカリを製造するに際して、該陽
イオン交換膜として少なくとも片面が粗面化即
ち、イオン交換樹脂から成る凹凸面に形成された
均質陽イオン交換膜を用い、且つ該陽イオン交換
膜の粗面が陰極側になるように電解槽に組込むこ
とを骨子とし、その効果は、電流効率は、低下さ
せずに、電解電圧を著しく低下させることであ
る。 イオン交換膜法塩化アルカリ電解では、陽極室
と陰極室を1枚の陽イオン交換膜で分割する2室
法が有利であり、該陽イオン交換膜として通常耐
熱性、耐薬品性、機械的強度等に優れた弗素系均
質陽イオン交換膜が使用される。 そこで、水酸化アルカリ製造電流効率の上昇お
よび、電解電圧の低下を目的として、従来より、
弗素系陽イオン交換膜の各種改良が検討されて来
た。 しかし、一般に、弗素系陽イオン交換膜では架
橋構造の導入が困難なために、電流効率を上昇さ
せると、電解電圧も上昇し、電解電圧を低下させ
ると電流効率も低下する場合が多い。これは、イ
オン交換膜の含水率の変化に影響されるためであ
る。 ところが、本発明によれば、均質陽イオン交換
膜の電流効率を高く維持したまま電解電圧を低下
し得る。 陽イオン交換膜の粗面が陰極側になるように電
解槽に組込むと電解電圧が低下する理由は、電解
により陰極で発生した水素ガスの気泡が膜の陰極
面に付着し難いためであり、水素ガスの気泡が膜
の陰極面に付着することによる電圧上昇は、付
着気泡による電気的遮蔽、膜―液界面の高濃度
水酸化アルカリの拡散速度の低下等によつている
からである。 一方、電解により陽極に発生した塩素ガスは、
気泡径が水素ガスと比較してかなり大きいため、
均質陽イオン交換膜の陽極面には付着し難い。こ
のため、均質陽イオン交換膜の陽極面の粗面化
は、電解電圧の低下のためには、必ずしも必要で
はない。 本発明における粗面とは、鏡面に対する概念で
あつて、具体的には膜表面に最大高さが0.05ミク
ロン以上で、且つあらさ0.05ミクロン以上の凹凸
が1mmあたり20個以上存在していればよい。更に
好ましくは、最大高さが0.05乃至5ミクロンで且
つあらさ0.05ミクロン以上の凹凸が1mmあたり30
個以上存在していれば膜面へのガス付着は極めて
少ない。粗面の最大高さが0.05ミクロン以下の場
合には、膜面へのガス付着防止効果が少ない。ま
たあらさ0.05ミクロンの凹凸が1mmあたり20個以
下の場合にも、膜面へのガス付着防止効果が不充
分である。従つて、本発明の陽イオン交換膜は上
記範囲の粗面を有することが好ましい。 膜面へのガス付着の程度を確認するには、例え
ばアクリル樹脂等で製作した透明な電解セルに膜
を組込み電解し、膜面を観察すればよい。 陽イオン交換膜の表面粗さは、万能表面形状測
定機(タイプサーフコム60B東京精密KK)を用
いて触針法により測定することが出来る。すなわ
ち、触針を膜表面にのせて移動すると膜表面の凹
凸に従つて触針が上下する。この上下運動を電気
信号に変換して記録紙に記録する。通常陽イオン
交換膜は柔軟なために触針による変形を受け易い
ので、表面粗さの測定に際しては触針の先端形状
が10μmR以上で測定力が0.1g以下のピツクアツ
プを使用することが望ましい。本発明では触針先
端形状が13μmRで測定力が0.07gのピツクアツプ
を使用して測定した。また陽イオン交換膜は支持
繊維による強度の付加が行われることが多く、こ
の場合には膜面に支持繊維に起因する大きな凹凸
(表面うねり)がある。該表面うねりと表面粗さ
を区別するために上下運動の電気信号を電気フイ
ルターに通して、特定波長より長い波長をカツト
オフすることが望ましい。本発明ではカツトオフ
値は0.032mmに設定して測定した。 本発明にいう最大高さは、粗面から或る基準長
さだけあらさ曲線を抜取り、該あらさ曲線の平均
線に平行な直線のうち最も高い山頂P1を通る直
線と最も深い谷底V1を通る直線との間隔を求
め、該粗面の数箇所のあらさ曲線についての該間
隔を平均して得られたものを意味し、JIS B0601
に準じて求めることができる。具体的には、カツ
トオフ値0.032mmで測定したあらさ曲線から基準
長さ0.1mmだけ抜取つた部分の平均線に平行な2
直線で抜取部分をはさんだ時、この2直線の間隔
をあらさ曲線の縦倍率の方向に測定する。例えば
第1図において基準長さ0.1mm抜取つた部分の平
均線に平行な直線のうち最も高い山頂P1を通る
直線と、最も深い谷底V1を通る直線の間隔
Rmaxを最大高さと呼ぶ。測定は同じ試料の中で
場所を変えて10回測定し、得られた値を平均す
る。なお最大高さをもとめる場合、きずとみなさ
れるような並はずれて高い山や深い谷のない部分
から、基準長さだけ抜取る。 また本発明にいうあらさ0.05ミクロン以上の凹
凸とは、粗面から或る基準長さだけあらさ曲線を
抜取り、該あらさ曲線の平均線に対して(+)
0.025ミクロン及び(−)0.025ミクロンのレベル
の2本の直線を引き(夫々P線及びV線)、該あ
らさ曲線の一端から他端に向つて、V線以下に位
置する或る谷底Vnと該谷底Vnの直後にP線以上
に位置する山頂Pnとを直線で結び、更に該山頂
Pnとこれの直後にV線以下に位置する谷底Vmと
を直線で結び、順次これを繰り返すことによつて
形成される凹凸をいう。 本発明にいうあらさ0.05ミクロン以上の凹凸の
1mmあたりの数は、粗面の数箇所のあらさ曲線に
ついて上記の方法で求めた凹凸の数を平均して1
mmあたりの数に換算したものであり、米国SAE
規格J911に準じて求めることができる。具体的に
は、カツトオフ値0.032mmで測定したあらさ曲線
から基準長さ0.1mm抜取つた部分の平均線に対し
て(+)0.025ミクロン及び(−)0.025ミクロン
のレベルの2本の直線を引き(夫々P線及びV
線)、V線を通つた後P線を通つた山を1山と数
え、0.1mmあたりの数をもとめる。例えば、第2
図にてV線を通つた後P線を通つた山の数は、
a,b及びcの3個である。測定は同じ試料の中
で場所を変えて10回測定し、得られた値を平均し
て1mm当りの数をもとめる。 次に、最大高さ及びあらさ0.05ミクロン以上の
凹凸の1mmあたりの個数の求め方を例示に基いて
更に具体的に説明する。例えば、同一試料におい
て基準長さを0.1mmとし、場所を変えて10カ所の
あらさ曲線を抜取り、第1図のようなチヤートを
10個とる。各チヤートについて、Rmax値及びあ
らさ0.05ミクロン以上の凹凸の数をそれぞれ第1
図、第2図のようにして読み取る。それらの結果
が、例えば下記のようであつたとする。
【表】 あらさ0.05ミクロン以上の凹凸の数を1mmあた
りに換算するには、10倍すればよいから、この場
合は34個となる。 つまり、この例では、最大高さ(Rmaxの平均
値)が0.065ミクロンで且つあらさ0.05ミクロン
以上の凹凸が1mm当り34個存在しているというこ
とになる。 本発明において、少なくとも片面を粗面化して
使用される均質陽イオン交換膜は、水圧流による
陽極液または、陰極液の膜の通過を実質的に妨げ
る弗素系均質陽イオン交換膜が好ましい。水圧流
により陽極液または陰極液が膜を通過すると塩水
電解により製造した製品品質が低下するので好ま
しくない。該弗素系均質陽イオン交換膜として
は、例えば、スルホン酸型陽イオン交換膜、
スルホンアミド型陽イオン交換膜、カルボン酸
型陽イオン交換膜等を挙げることが出来る。然
し、本発明は、これらだけに限定されるものでは
なく、すべての均質陽イオン交換膜に適用出来
る。 これらの弗素系均質陽イオン交換膜の具体的な
製造方法の例を以下に挙げる。スルホン酸型陽
イオン交換膜としては、 CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2Fと4フ
ツ化エチレンの共重合体フイルムを加水分解する
方法(商品名ナフイオン、E.I.デユポン社製)
等、スルホンアミド型陽イオン交換膜として
は、上記の共重合体フイルムとアンモニア、アル
キルモノアミンまたはジアミンを反応する方法
(特開昭48―44360号、50―66488号、51―64495
号、51―64496号等)、カルボン酸型陽イオン交
換膜としては、フツ素化オレフインとCF2=CFO
(CF2)nAまたは、 CF2=CFOCF2(―CFXOCF2)―(―CFX′)
n(―CF2OCFX″)―nA (Aは、CN、COF、COOH、COOM、COOR、
CONR2R3;X、X′、X″はFまたはCF3)の共重
合体に必要なイオン交換基を導入する方法(特開
昭51―130495号、52―36486号等)、フツ素化オ
レフインと CF2=CF(OCF2CFX)nOCF2CF2SO2Y(Yは、
ハロゲン、OH基、アルキル基等)の共重合体を
還元処理する方法(特開昭52―24175号、52―
24176号、52―24177号等)を挙げることが出来
る。 均質陽イオン交換膜を粗面化する方法としては
イオン交換膜を押出成型する際に成型用ダイス
として所定の凹凸部分を有するものを使用する方
法、イオン交換膜を加熱しながら所定の凹凸部
分を有する梨地回転ロールの間を通過させる方
法、イオン交換膜と布、紙、有機物または無機
物の微粉体等を重ねて熱プレスする方法、イオ
ン交換膜の表面を研磨材で研磨する方法、イオ
ン交換膜を表面にサンドペーパーを巻付けた回転
ロールの間を通過させる方法、イオン交換膜の
表面に研磨材を吹付ける方法、金属ブラシによ
りイオン交換膜の表面を研磨する方法、アーク
放電、グロー放電等の放電処理による方法、紫
外線、X線、電子線、放射線等を膜面に照射する
方法、ガス炎や加熱空気等で処理する方法、
イオン交換膜を溶剤で処理する方法、イオン交
換樹脂で製作したメツシユ、不織布等を膜面に張
り付ける方法等を挙げることができるが、これ等
の方法だけに限定されるものではない。 粗面化処理は、イオン交換膜の両面に実施して
もよいが、電解槽に組込んだ時に陰極側になる面
だけ実施すれば、所望の電解電圧の低下を達成出
来る。当量重量の異なる2層からなる膜、スルホ
ン酸基層と弱酸基層から成る膜等においては当量
重量の高い層又は、弱酸基層に実施することが望
ましい。又、本発明の粗面化処理は、イオン交換
膜中間体にも適用され、イオン交換膜中間体は粗
面化処理後、加水分解、イオン交換基の導入等の
処理を受けて、陽イオン交換膜として使われる。 本発明の塩化アルカリとしては、塩化リチウ
ム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等を挙げるこ
とが出来る。また、水酸化アルカリとしては、水
酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等を挙げることが出来る。 本発明の電解方法を実施するに際して最も重要
なことは、均質陽イオン交換膜の粗面が陰極側に
なるように電解槽に組込むことである。粗面が陽
極側になるように電解槽に組込んだ場合には、電
解電圧の低下は、達成出来ない。 本発明に好ましい電解槽および電解条件につい
て述べる。陽極室には、塩水を供給し、陰極室に
は水、または希薄水酸化アルカリ溶液を供給しな
がら電解を行い、陰極室出口の水酸化アルカリの
濃度を調節する。 陽極室に供給される塩水は、従来の塩化アルカ
リ電解法と同様に精製される。すなわち、陽極室
から循環して戻つて来る返送塩水は、脱塩素、塩
化アルカリの飽和溶解、マグネシウム、カルシウ
ム、鉄などの沈降分離および中和作業が行われる
が、これらの諸工程は、従来法と同様に行われ
る。しかし、必要により、更に供給塩水を粒状イ
オン交換樹脂、特にキレート樹脂で精製して、カ
ルシウムを許容される限度、好ましくは、1ppm
以下にすることが望ましい。塩水の濃度は、濃厚
で飽和に近いことが好ましい。 陽極室に供給される塩化アルカリの利用率は5
〜95%であり、これは、電流密度および除熱の方
法によつても異なるが、一般に高い方が望まし
い。 電解温度は、0〜150℃で行うことが出来る。 電解により熱が発生するので陽極液または、陰
極液の一部を冷却して除熱する。 陽極室及び陰極室では、それぞれ塩素および水
素が発生する。特に発生ガスを電極の裏側に導い
て上昇させる工夫をした電解槽は、電解電圧を小
とし電力消費を小とする効果がある。 各室における流速は、外部から供給される流量
の他に陰極室および陽極室で発生するガスにより
室内の液が撹拌されることが望ましく、この目的
のためにも、金属メツシユ電極の如く空隙の多い
電極を用いてガスの上昇流に伴つて各室の液を動
かし循環撹拌することが望ましい。 電極は、陰極として鉄または鉄にニツケルまた
はニツケル化合物をメツキしたものが過電圧の点
から望ましい。陽極は、一般にルテニウム等の貴
金属の酸化物を塗布した金属メツシユの電極が望
ましい。 以下に実施例を挙げて具体的に説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。 実施例 1 テトラフロロエチレンとパーフロロ―3,6―
ジオキサ―4―メチル―7―オクテンスルホニル
フロライドを1,1,2―トリクロル―1,2,
2―トリフロロエタン中で、パーフロロプロピオ
ニルパーオキサイドを重合開始剤とし、重合温度
45℃、テトラフロロエチレンの圧力を3Kg/cm2
Gに保持しながら共重合させた。得られた重合体
を水洗、ケン化後、滴定法により当量重量(イオ
ン交換基1当量を含む乾燥樹脂重量)を測定した
ところ1090であつた。この重合物を加熱成型して
250ミクロンの均一な厚さの膜にした後、液体ホ
ーニング法により粗面化処理した。 液体ホーニング法とは、水に懸濁した研磨材を
圧縮空気により被研削物に吹付けて研磨する方法
であり、本実施例では平均粒径10ミクロンのアル
ミナ(商品名WA#1500、不二見研磨材工業KK
製)を懸濁した水溶液を、3.5Kg/cm2の圧縮空気
で膜の片面に吹付けて粗面化した。吹付時間は膜
1dm2あたり2分間とした。 該処理により、膜の片面に最大高さが0.25ミク
ロンで、あらさ0.05ミクロン以上の凹凸が1mmあ
たり約55個存在する粗面化膜を得た。 該粗面化処理膜を2.5N苛性ソーダ150%メタノ
ール中60℃で16時間ケン化した。ケン化後の膜の
粗面化面には凹凸部分が、ほとんど変わらず残つ
ていた。 このようにして得た膜を、粗面化面が陰極側に
なるようにアクリル樹脂で製作した透明な電解槽
に組込み、電流密度50A/dm2、電解温度90℃で
食塩電解を行つた。陽極は、チタン基材に酸化ル
テニウムを被覆した寸法安定性電極、陰極は、鉄
製金網である。陽極室には、PH2の3N食塩水を
供給し、陰極室には、5N苛性ソーダを供給した。 電解電圧は、2.97Vであり、電流効率は60%で
あつた。陽イオン交換膜の陰極面には、水素ガス
気泡の付着はなかつた。 該膜を交流法により0.1N苛性ソーダ中で抵抗
を測定したところ、2.2Ω・cm2であつた。 比較例 1 実施例1と同様の重合体を粗面化処理を与え
ず、実施例1と同様の方法で電解した。 電解電圧は、3.20Vであり、電流効率は59.5%
であつた。粗面化処理していない膜の陰極面に
は、水素ガス気泡の付着が激しかつた。尚、粗面
化処理していない膜の抵抗は、2.2Ω・cm2であつ
た。 実施例 2 テトラフロロエチレンとパーフロロ―3,6―
ジオキシ―4―メチル―7―オクテンスルホニル
フロライドを1,1,2―トリクロル―1,2,
2―トリフロロエタン中で、パーフロロプロピオ
ニルパーオキサイドを重合開始剤とし、重合温度
45℃、テトラフロロエチレン圧力を5Kg/cm2―G
に保持しながら共重合させた。これを重合体1と
する。同じ操作で、テトラフロロエチレンの圧力
を3Kg/cm2―Gに保持しながら共重合させた。こ
れを重合体2とする。 これ等の重合体の一部を水洗、ケン化後、滴定
法により当量重量を測定したところ、重合体1は
1500、重合体2は1110であつた。 重合体1、2を加熱成形し、それぞれ厚さが50
ミクロンと100ミクロンの2層積層物とし、更に
テフロン織布を重合体2の面より真空積層法に
より埋込んだ複合材をケン化処理してスルホン酸
型イオン交換膜とした。 該スルホン酸型イオン交換膜を、次の方法によ
り粗面化した。 厚さ3mmのシリコンゴムシート(上部)、厚さ
1mmの軽質酸化マグネシウム粉末(和光純薬工業
KK製)層、湿潤したスルホン酸型陽イオン交換
膜(重合体1からなる層の表面(A面という)を
上にする)、厚さ3mmのシリコンゴムシート及び
60メツシユの金網(底部)を積層して、280℃に
加熱しながら10Kg/cm2の圧力で10分間熱プレスし
た。次いで膜に付着した酸化マグネシウムを塩酸
で溶解除去した。該粗面化処理した陽イオン交換
膜のA面の粗さを測定したところ、最大高さが
0.6ミクロンで、あらさ0.05ミクロン以上の凹凸
が1mmあたり約45個出来ていた。 このようにして得た膜を、A面が陰極側になる
ようにアクリル樹脂で製作した透明な電解槽に組
込み、実施例1と同様に食塩電解を行つた。電解
電圧は3.75Vであり、電流効率は、80%であつ
た。該膜の陰極面には、水素ガス気泡の付着はな
かつた。 該膜の抵抗は、6.3Ω・cm2であつた。 実施例 3 実施例2のテフロン織布で補強したスルホン
酸型陽イオン交換膜を次の方法により粗面化し
た。厚さ3mmのシリコンゴムシート(上部)、木
綿布、湿潤したスルホン酸型イオン交換膜(重合
体1からなる層の表面(A面という)を上にす
る)、厚さ3mmのシリコンゴムシート、及び60メ
ツシユの金網(底部)を積層して、250℃に加熱
しながら10Kg/cm2の圧力で10分間熱プレスした。
次いで次亜鉛素酸ナトリウムの熱水溶液で処理し
て膜に付着した木綿布を除去した。 該粗面化処理した陽イオン交換膜のA面の表面
粗さを測定したところ、最大高さが2.5ミクロン
で、0.05ミクロン以上の凹凸が1mmあたり約30個
出来ていた。 このようにして得た膜を、A面が陰極側になる
ようにアクリル樹脂で製作した透明な電解槽に組
込み、実施例1と同様に食塩電解を行つた。電解
電圧は、3.80Vであり、電流効率は、80%であつ
た。該膜の陰極面には、水素ガス気泡の付着はほ
とんどなかつた。 該膜の抵抗は、6.3Ω・cm2であつた。 比較例 2 実施例2の熱プレスして粗面化した膜の代り
に、粗面化処理をしていない膜を実施例2と同様
に製造して同様の方法で電解した。 電解電圧は、4.05Vであり、電流効率は、79.5
%であつた。粗面化処理されていない膜の陰極面
には、水素ガス気泡の付着が激しかつた。 尚、粗面化処理されていない膜の抵抗は、6.3
Ω・cm2であつた。 実施例4、5、6 比較例3、4 実施例1と同様な方法でテトラフロロエチレン
とパーフロロ―3,6―ジオキシ―4―メチル―
7―オクテンスルホニルフルオライドを共重合し
て、当量重量1350の重合体(重合体1)及び当量
重量1090の重合体(重合体2)を得た。これ等の
重合体を加熱成形して夫々の厚さが35ミクロン
(重合体1)と100ミクロン(重合体2)の2層積
層物とし、更にテフロン織布を重合体2の面よ
り真空積層法により埋込んだ。該積層物をケン化
して得たスルホン酸型陽イオン交換膜の重合体1
の面だけを還元処理してカルボン酸基に変換し
た。(この面をA面という) 次いで該陽イオン交換膜のA面を液体ホーニン
グ法により粗面化処理した。本実施例では平均粒
径10ミクロンのエメリー粉(商品名FO#1200、
不二見研磨材工業KK製)を懸濁した水溶液を、
3Kg/cm2の圧縮空気で吹付けた。吹付時間は、膜
1dm2あたり10、30、60及び120秒とした。 このようにして得た粗面化膜のA面の表面粗さ
を測定した。結果を第1表に示す。またこれ等の
膜をA面が陰極側になるように電解槽に組込ん
で、実施例1と同様の方法で電解して、膜面への
ガス付着状況、電解電圧及び電流効率を測定し
た。結果を第1表に示す。
【表】 実施例 7 実施例1と同様な方法でテトラフロロエチレン
とパーフロロ―3,6―ジオキシ―4―メチル―
7―オクテンスルホニルフロライドを共重合して
当量重量1200の重合体を得た。該重合体を厚さ
125ミクロンに加熱成型した後、片面だけをアン
モニアガスで処理して20ミクロンのスルホン酸ア
ミド層を生成させた(この面をA面という)。次
いで真空積層法によりテフロン織布をA面の反
対の面より埋込み、ケン化処理してスルホンアミ
ド型陽イオン交換膜を得た。 該陽イオン交換膜を乾式ブラスト法により粗面
化処理した。乾式ブラスト法とは、研磨材を圧縮
空気により被研削物に吹付けて研磨する方法であ
り、本実施例では平均粒径20ミクロンのアルミナ
(商品名WA#800、不二見研磨材工業KK製)を
2Kg/cm2の圧縮空気でA面に吹付けた。吹付時間
は膜1dm2あたり1分間とした。該粗面化処理に
より膜面に最大高さ0.5ミクロンで、あらさ0.05
ミクロン以上の凹凸が1mmあたり約45個出来た。 このようにして得た陽イオン交換膜の粗面(A
面)が陰極側になるように電解槽に組込んで、実
施例1と同様の方法で電解した。尚、本実施例で
は、電流密度は、30A/dm2で実施した。 電解電圧は、3.55Vであり、電流効率は84%で
あつた。陽イオン交換膜の陰極面には、水素ガス
気泡の付着は、ほとんどなかつた。 比較例 5 実施例7の粗面化したスルホンアミド型陽イオ
ン交換膜の代りに、粗面化処理をしていないスル
ホンアミド型陽イオン交換膜を用いて、実施例7
と同様の方法で電解した。 電解電圧は3.85Vであり、電流効率は83.5%で
あつた。陽イオン交換膜の陰極面には、水素ガス
気泡の付着が激しかつた。 実施例 8 4フツ化エチレンと、CF2=CFO
(CF23COOCH3の共重合体で、当量重量が、
650、厚さが250ミクロンのフイルムに、テフロン
織布を熱プレス積層法により埋込んだ。 該積層物の織布を埋込んだ側の反対の面を、実
施例1と同様の方法で片面だけを粗面化処理した
後、加水分解して、カルボン酸型イオン交換膜を
得た。 イオン交換膜の表面粗さを測定したところ、粗
面化処理した面(この面をA面という)には最大
高さ0.25ミクロンで、あらさ0.05ミクロン以上の
凹凸が1mmあたり約55個出来ていた。また粗面化
処理していない面には最大高さが0.04ミクロン
で、あらさ0.05ミクロン以上の凹凸は1mmあたり
3個しかなかつた。 該イオン交換膜を電解槽に組込んで、実施例1
と同様の方法で電解した。尚、本実施例では、電
流密度は、20A/dm2、食塩水のPHは3、また苛
性ソーダ濃度は13Nで実施した。結果は、次の通
りであつた。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、記録したあらさ曲線より最大高さを
もとめる方法であり、第2図は記録したあらさ曲
線よりあらさ0.05ミクロン以上の凹凸の数をもと
める方法である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 陽イオン交換膜により陽極室と陰極室に分割
    された電解槽で、塩化アルカリを電解して水酸化
    アルカリを製造するに際して、該陽イオン交換膜
    として少なくとも片面に、0.05ミクロン以上の最
    大高さを有し且つあらさ0.05ミクロン以上の凹凸
    が1mmあたり20以上存在するイオン交換樹脂で形
    成された粗面を備えてなる均質陽イオン交換膜を
    用い、且つ、該陽イオン交換膜の粗面が、陰極側
    になるように電解槽に組み込むことを特徴とする
    塩化アルカリの電解方法。 2 該陽イオン交換膜が、弗素系均質陽イオン交
    換膜である特許請求の範囲第1項記載の方法。
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