JPS6343167Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車体にシートを介して取付けられた
ミラー取付装置本体にボルトおよびナツトにより
ミラーを支持するミラーアームが取付けられてい
るミラー取付装置の改良に関する。

従来、自動車においてミラーを車体に取付ける
には、大略第１図ないし第３図の方法によつてい
るのは周知である。

第１図は、図示しないミラーを支持するミラー
アーム１を、車体にボルト２により固設されたミ
ラー取付装置本体である板金製のブラケツト３
に、ボルト４とナツト５により取付けた例であ
る。これはボルト４とナツト５がブラケツト３の
下方に露出し、突起となり物が引掛かるおそれが
あつて危険であり、また美観上好ましくなく、さ
らにボルト４のねじ部に錆が発生して、耐久性を
損ねるという問題がある。

第２図は、第１図の対策として、ブラケツト６
をダイカスト製品にして、ナツト５をブラケツト
６に大部分を埋設するように形成した例である。
しかし、この例では、まだボルト４とナツト５が
露出し美観上好ましくなく、また錆びるという問
題がある。

第３図は、ダイカスト製品のブラケツト７に、
直接ねじ孔を形成して、ナツト５を廃止した例で
あるが、ボルト４のゆるみ止めができず、また加
工費がかかるという問題がある。

また例えば本出願人によつて考案された実開昭
57−92555号公報にはボルト・ナツトには取付装
置が示されている。

従つて本考案の目的は、突起部分をなくして美
観を向上する加工費の安いミラー取付装置を提供
するにある。

本考案によれば、車体にシートを介して取付け
られたミラーアーム取付装置本体の一面に、ボル
トおよびナツトによりミラーを支持するミラーア
ームが取付けられているミラー取付装置におい
て、前記ミラーアーム取付装置本体に前記シート
側に開口する凹部を形成し、該凹部を前記ミラー
アーム側に穿設した透孔により外部に連通すると
ともに、前記シートに前記凹部に突出する突部を
形成し、該突部と前記凹部に形成した少なくとも
二面の平行壁面とによりナツト収納空隙を形成
し、該ナツト収納空隙にナツトをルーズに収納し
ている。

以下、第４図および第５図を参照して本考案の
実施例について詳細な説明する。これらの図面に
おいて、第１図ないし第３図に対応する部分はす
べて同じ符号で示している。

第４図において、ミラーアーム取付装置本体で
あるブラケツト８はダイカスト製で、車体のパネ
ル９にシート１０を介してボルト２により固設さ
れている。

そのブラケツト８は、内部にシート１０側に開
口し、ミラーアーム１側に穿設したボルト孔１１
により外部に連通する凹部１２が形成されてい
る。この凹部１２の相い対する壁面１２ａ，１２
ｂは平行であり、ナツト５の回転を規制してい
る。シート１０には、ブラケツト８に前記凹部１
２内に突出する突部であるナツト抑え部１３が形
成されている。このナツト抑え部１３と前記凹部
１２とにより、ナツト収納空隙である中空六角柱
のレンチ形状空隙１４が形成され、そのレンチ形
状部１４には、ナツト５がルーズに収納されてい
る。

上記シート１０は、パネル９とブラケツト８と
の直接金属接触による電食を防止するように、プ
ラスチツクあるいは硬質ゴム等の不電導体の材料
が使用されている。

次に作用について説明する。

ブラケツト８の凹部１２とシート１０のナツト
抑え部１３とにより形成されたレンチ形状空隙１
４にナツト５を収装し、ボルト２により、ブラケ
ツト８とシート１０をパネル９に共締め固定す
る。

次にブラケツト８の上面にミラーアーム１の端
部をのせ、端部に設けられたボルト孔１５とブラ
ケツト８のボルト孔１１を合せて、ボルト４を挿
入し、ナツト５に螺合させ締上げる。ナツト５
は、前記レンチ形状空隙１４に係止されているの
で、ボルト４とナツト５は、固く締結される。そ
の際ナツト５の回転は壁面１２ａ，１２ｂで規制
され、軸方向以外の動きは抑え部１３で規制され
ているので、ナツト５は後述のボルト４と容易に
螺合し、また抑え部１３の抑え力はナツト５が締
付けによる移動は規制しない程度のものであるか
ら、ナツト５は容易に締付けられる。なお図示の
実施例では空隙１４は６角形であるが、少くとも
壁面１２ａ，１２ｂがあれば、ナツトの回転は規
制されるので、必ずしも６角形の必要はない。

このミラーアーム１がブラケツト８に取付けら
れた状態において、ナツト５は、そのステムがブ
ラケツト８の内部に納まり、外部に突出していな
い。従つて美観を損うこともなく、また物が引掛
かるおそれもなく安全である。さらにボルト４と
ナツト５はレンチ形状空隙１４のために固く締結
されていてゆるむおそれもなく、一方ブラケツト
８はダイカスト、シート１０はモウルドにより成
形されるので、加工費は極めて低減される。さら
にシート１０は不電導体の材料を用いているの
で、ブラケツト８とパネル９との間の電食が防止
される。

以上説明したように、本考案では、ブラケツト
の内部に形成した凹部と、その凹部に突出するシ
ートのナツト抑え部とによつてレンチ形状空隙を
形成し、そこにナツトを収納するようにしたの
で、ミラーアームをブラケツトに取付けたボルト
のステムが外部に突出することなく、美観が向上
するとともに加工費が低減するという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは従来装置を示す斜視図、第１図ｂは
同第１図ａのＡ−Ａ線矢視断面図、第２図ａは別
の従来装置を示す斜視図、第２図ｂは同第２図ａ
のＢ−Ｂ線矢視断面図、第３図ａは別の従来装置
を示す斜視図、第３図ｂは同第３図ａのＣ−Ｃ線
矢視断面図、第４図は本考案の一実施例を示す側
断面図、第５図は第４図Ｄ−Ｄ線矢視断面図であ
る。 １……ミラーアーム、４……ボルト、５……ナ
ツト、８……ブラケツト、１０……シート、１１
……ボルト孔、１２……凹部、１３……ナツト抑
え部、１４……レンチ形状部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体にシートを介して取付けられたミラーアー
   ム取付装置本体の一面に、ボルトおよびナツトに
   よりミラーを支持するミラーアームが取付けられ
   ているミラー取付装置において、前記ミラーアー
   ム取付装置本体に前記シート側に開口する凹部を
   形成し、該凹部を前記ミラーアーム側に穿設した
   透孔により外部に連通するとともに、前記シート
   に前記凹部に突出する突部を形成し、該突部と前
   記凹部に形成した少なくとも二面の平行壁面とに
   よりナツト収納空隙を形成し、該ナツト収納空隙
   にナツトをルーズに収納したことを特徴とするミ
   ラー取付装置。