JPS6342728Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電波到来方向が異なる２種類のアン
テナ、例えばVHF用とUHF用の両アンテナにお
いて、一方のアンテナ例えばVHFアンテナに対
してUHFアンテナを所望局方向にセツトできる
ようにしたアンテナ用局方向調整金具に関する。

従来のアンテナ用局方向調整金具は、例えば第
１図に示す如く、支軸１を中心とした円周上に多
数の凹部２と円弧溝３を形成した一対の扇形金具
４（図は上側扇形金具を除いた状態を示す）の基
部に、例えばVHFアンテナのアンテナアーム５
の基部を２本のボルト６及びナツト（図示せず）
で連結し、UHFアンテナのアンテナアーム７は、
その基端をアンテナアーム５の基端より若干離し
た位置で支軸１により回転可能に取付けるもの
で、回転して所望の向きにとつたアンテナアーム
７は、その突起８で扇形金具４の凹部２に嵌め、
一対の扇形金具４の円弧溝３及びアンテナアーム
７に挿通したボルト９及びナツト（図示せず）で
一対の扇形金具４に固定していた。

即ち、従来品は、固定用ボルト６，６及びナツ
ト、アンテナアーム７の旋回用支軸１、固定用ボ
ルト９及びナツト等数多くの連結部品を必要とし
たので組立て、分解に時間を要する。又、アンテ
ナアーム５は一対の扇形金具４に挟着固定するの
で、アンテナアーム７を旋回させる際、扇形金具
４の凹部２とアンテナアーム７の突起８とのかみ
合いが残り、円滑に旋回させることができない。
しかも、アンテナアーム旋回角度を360゜にとるこ
とは円弧溝３から外側が欠落するため不可能であ
り、360゜より小さい旋回角度をとつても、両アン
テナアーム５，７は同一平面上で旋回するため、
アンテナ素子の干渉による旋回角度制限をうける
欠点があつた。

本考案は前記の点に鑑みてなされたもので、組
立て分解が簡単・迅速に行え、しかもアンテナア
ームを所望の向きにセツトできるようにアンテナ
アームが360゜旋回可能となるアンテナ用局方向調
整金具を提供することを目的としている。

この目的を達成するために本考案に係るアンテ
ナ用局方向調整金具においては、筒体部の一端部
にアンテナアームを挿脱自在に取付ける筒体形連
結金具、平板部及び平板部に折曲げ形成された一
対のアンテナアーム受け部を有する平板形連結金
具及び前記一対のアンテナアーム受け部に嵌めた
アンテナアームに挿通しこのアンテナアームを平
板形連結金具を介して筒体形連結金具に回転可能
に連結する１組の係止ボルト，ナツトからなり、
筒体形連結金具には係止ボルト挿通穴の両側に突
起又は係止穴を設け、平板形連結金具の平板部に
は係止ボルト挿通穴を中心とした円周上に筒体形
連結金具の突起又は係止穴と係合する係止穴又は
突起を複数個形成する。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第２図において、１１は筒体形連結金具で、
アンテナアーム１２の挿脱が可能な筒体部１３
に、アンテナアーム１２に取付ける素子受け台１
４のボルト１５の挿通穴１６と、Ｌ状をなす係止
ボルト１７の長短二つの平行軸部１８，１９を挿
通する係止ボルト挿通穴２０と係止用穴２１を穿
設すると共に、係止用穴２１のない側の係止ボル
ト挿通穴２０から両側へ所定間隔Ｒだけ離れた位
置に突起２２，２２を突設する。尚、この筒体形
連結金具１１は平板を円筒状に形成しているが、
パイプを用いてもよい。

筒体形連結金具１１と対向する平板形連結金具
２３は、平板部、本実施例では円板部２４の中央
にコイルばね２５を収納する凹部２６と係止ボル
ト挿通穴２７を設け、、さらに、係止ボルト挿通
穴２７軸線を中心に半径が前記所定間隔Ｒの円周
上に筒体形連結金具１１の両突起２２，２２と係
合し得る多数の係止穴２８を穿設する。又、円板
部２４には一対のアンテナアーム受け部、本実施
例ではアンテナアーム２９を嵌め込むためのＵ溝
（丸孔でもよい）を形成した一対の二股部３０，
３０を凹部２６突出方向と平行に折曲げ形成して
いる。尚、アンテナアーム２９には係止ボルト７
挿通用の穴３８を穿設する。

本実施例のアンテナ用局方向調整金具は、平板
形連結金具２３、コイルばね２５、筒体形連結金
具１１及び係止ボルト１７とナツト３１で構成し
ている。係止ボルト１７は、Ｌ状に形成してその
長短平行軸部１８，１９を筒体形連結金具１１の
穴２０，２１に挿入することにより回り止めを得
ている。しかし、本考案でいう係止ボルトはこの
実施例に限定されるものではない。例えば、角頭
その他の非円形断面のボルト頭部を連結金具１１
に設ける係止部で形成するようにしてもよい。

次に、第３図及び第４図に示すように、アンテ
ナマスト３２に取付けられたVHFアンテナ３３
のアンテナアーム１２にUHFアンテナ３５のア
ンテナアーム２９を取付ける方法につき説明す
る。第２図において、固定側となるアンテナアー
ム１２の一端部に筒体形連結金具１１の筒体部１
３を挿入して、予め取外しておいた素子受け台１
４の取付ボルト１５を筒体部１３の挿通孔１６と
アンテナアーム１２のボルト穴３６に挿通してナ
ツト３７で筒体形連結金具１１を素子受け台１４
ごとアンテナアーム１２に取付ける。次に、筒体
形連結金具１１の穴２０，２１に係止ボルト１７
の長短二つの平行軸部１８，１９を挿入し、この
係止ボルト１７に、ばね室２６のコイルばね２
５、平板形連結金具２３及び一対の二股部３０，
３０に嵌めたアンテナアーム２９を順次挿入し
て、下端にナツト３１を取付ける。そして、平板
形連結金具２３の二つの係止穴２８，２８を筒体
形連結金具１１の二つの突起２２，２２に合わせ
てナツト３１を緊締すれば、アンテナアーム２９
は平板形連結金具２３、筒体形連結金具１１を介
してアンテナアーム１２に一体的に連結される。

ここで、アンテナアーム２９を電波到来方向に
セツトするには、まず、ナツト３１を少し緩めて
平板形連結金具２３の係止穴２８を筒体形連結金
具１１の突起２２から外す。本実施例では連結金
具１１と２３との間にコイルばね２５を介装して
いるので、ナツト３１を緩めていくとコイルばね
２５の付勢力で自動的に離間する。もつとも、連
結金具１１と２３が上下配置では連結金具２３は
自重で離れるので、コイルばね２５はなくてもよ
い。次に、この離間状態の下で平板形連結金具２
３に嵌まつたアンテナアーム２９を電波到来方向
と正向する位置まで旋回し、そして筒体形連結金
具１１の突起２２，２２直下に係止穴２８，２８
を位置せしめてナツト３１を緊締すれば、アンテ
ナアーム１２，２９は突起２２と係止穴２８の係
合を得て一体的に連結され、アンテナアーム２９
の局方向のセツトが完了する。しかして、アンテ
ナアーム２９の局方向の回転においてはアンテナ
アーム２９と１９は異なる平面上での旋回となる
から、両アンテナアームの素子等の干渉を回避で
きて、360゜旋回が可能となる。

尚、第３図及び第４図において、UHFアンテ
ナ３５とVHFアンテナ３３の両方を調整する場
合には、まず、VHFアンテナ３３をアンテナマ
スト３２の周りで旋回させて調整をして、アンテ
ナマスト３２にセツトすると、UHFアンテナ３
５を前述の調整方法で調整する。

本考案は、以上説明したように構成されている
ので、下記するような効果を奏する。

(1) 一方のアンテナアームを挿脱自在に取付ける
筒体形連結金具、平板形連結金具及び平板形連
結金具の一対のアンテナアーム受け部に嵌まる
アンテナアームを１組の係止ボルト，ナツトで
着脱可能に連結してなるので、アンテナ用局方
向調整金具の組立て分解が簡単・迅速に行え
る。

(2) 平板形連結金具は、筒体形連結金具の複数の
突起又は係止穴と係合する係止穴又は突起を平
板部の円周上に多数形成しており、又、筒体形
連結金具に取付けるアンテナアームと平板形連
結金具に取付けるアンテナアームの旋回平面が
異なるので、両アンテナアームの素子等の干渉
がなく、一方のアンテナアームに対して他方の
アンテナアームを360゜旋回させることができる
結果、アンテナを所望の向きにセツトすること
ができる。

(3) 筒体形連結金具は一端部にボルト及びナツト
でアンテナアームを取付けるようにしているの
で、このボルト及びナツトにアンテナアームの
素子受け台のボルト及びナツトを用いることに
よつて、アンテナアームの長さを変えることな
しに連結金具に取付けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来品の一部切欠き平面図、第２図は
本考案の実施例の組立説明図、第３図は本考案に
係るアンテナ用局方向調整金具を取付けた
VHF・UHF共用アンテナの平面図、第４図は同
側面図である。 １１……筒体形連結金具、１２，２９……アン
テナアーム、１３……筒体部、１７……係止ボル
ト、２０，２７……係止ボルト挿通穴、２２……
突起、２３……平板形連結金具、２４……平板
部、２８……係止穴、３０……アンテナアーム受
け部、３１……ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒体部１３の一端部にアンテナアーム１２を挿
   脱自在に取付ける筒体形連結金具１１、平板部２
   ４及び平板部２４に折曲げ形成された一対のアン
   テナアーム受け部３０，３０を有する平板形連結
   金具２３及び前記一対のアンテナアーム受け部３
   ０，３０に嵌めたアンテナアーム２９に挿通しこ
   のアンテナアーム２９を平板形連結金具２３を介
   して筒体形連結金具１１に回転可能に連結する１
   組の係止ボルト１７，ナツト３１からなり、筒体
   形連結金具１１には係止ボルト挿通穴２０の両側
   に突起２２又は係止穴を設け、平板形連結金具２
   ３の平板部２４には係止ボルト挿通穴２７を中心
   とした円周上に筒体形連結金具１１の突起２２又
   は係止穴と係合する係止穴２８又は突起を複数個
   形成したことを特徴とするアンテナ局方向調整金
   具。