JPS6342592B2

JPS6342592B2 -

Info

Publication number: JPS6342592B2
Application number: JP56022175A
Authority: JP
Inventors: Hiroyo Ooshima; Yutaka Kojima; Yukio Kobayashi; Koichi Nagai
Original assignee: Jujo Paper Co Ltd
Current assignee: Jujo Paper Co Ltd
Priority date: 1981-02-19
Filing date: 1981-02-19
Publication date: 1988-08-24
Also published as: JPS57137191A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は熱記録用紙に関するもので、さらに詳
しくは色材を塗布した基材を使用し、該色材層と
記録用紙とを接触せしめ、サーマルヘツド等によ
る加熱により色材を記録用紙に転移させる熱記録
方式における記録用紙に関するものである。一般に熱記録方式としては、加熱により物理的
又は化学的変化を起して発色する記録層を設けた
感熱記録紙にサーマルヘツドを接触させ、この感
熱記録紙に所要の発色記録を得る方式が普及して
いる。しかし、この記録方式は使用する感熱記録
紙が保存時や取扱時の不可避の圧力や熱などによ
つて発色汚染が起り易く、又製造コストが高いと
いう欠点があつた。従つて、上記の熱記録方式に代るものとして例
えべ特開昭51−15446号公報に記載されている如
く、常温では固体又は半固体状の色材を紙、樹脂
フイルム等の基材上に塗布しておき、該基材上の
色材と記録用紙とを接触せしめ、サーマルヘツド
により前記基材上の色材を加熱して選択的に前記
記録用紙に転移させて記録を行なう方式が提案さ
れている。この記録方式に於て基材に塗布した色
材が記録用紙へ転移するのは、色材又は色材を含
有するバインダーが熱によつて熔融、蒸発、又は
昇華し、これに伴つて記録用紙への粘着、染着等
が起るためである。ここで使用する色材は一般の
染料、顔料をワツクス類等のバインダーに分散し
たもので、このうち例えば転移が昇華による方式
の場合、染料としては昇華温度が60〜300℃の昇
華性染料、即ちニトロ系、アゾ系、キノリン系、
アントラキノン系の分散染料が用いられる。それ
故、熔融などの転移方式の場合も普通の状態では
色材を録用紙と接触させても色材の転移は起らな
いが、例えば60〜300℃の加熱により初めて色材
の転移が起るものである。従つて、この記録方式
は記録用紙として普通紙を使用できる点を特長と
している。しかしながら、普通紙を使用した場合、特に染
着による場合には記録の色濃度が低く、又経時的
な退色現象も著しいためにこの記録方式に適合す
る熱記録用紙の開発が要望されている。本発明者らは、先に特願昭55−182894号に於て
飽和ポリエステルの塗布層を設けることによつ
て、良好な日光堅牢性と高い色濃度の記録が得ら
れることを指摘し、更にこの飽和ポリエステルと
ポリビニルピロリドンとの併用を提案したが、尚
一層の研究を進めた結果、飽和ポリエステルとヒ
ドロキシエチルセルロースとを含む塗布層を設け
ることによつて、記録物の色濃度が更に向上する
ことを見出し、本発明を完成するに至つた。本発明で塗布用バインダーとして使用するヒド
ロキシエチルセルロースは水溶性のセルロース誘
導体で、重合度を変化させることによつて希望す
る粘度の水溶液とすることができる。一方飽和ポ
リエステルはその代表的なものとしてテレフタル
酸とエチレングリコールの重縮合で得られるポリ
エチレンテレフタレート（PET、融点260℃）が
知られており、この他にもポリブチレンテレフタ
レート（PBT、融点224℃）、ポリ１、４−シク
ロヘキサンジメチレンテレフタート（PCHT、
融点290℃）、ポリエチレンテレフタレート（融点
107℃）等がある。これらのフタル酸系ポリエス
テルは通常たいていの溶剤には溶解しないが、最
近、粒状で通常の溶剤に可溶なものや水分散状の
ものが飽和ポリエステル系バインダーとして開発
されている。本発明では塗工用バインダーとして
これらの飽和ポリエステルを溶剤溶液の形で使用
しても良いが、水分散系のものを使用するのが取
扱いも容易で望ましい。本発明の熱記録用紙は前記の飽和ポリエステル
の水分散状のもの又は溶剤溶液にヒドロキシエチ
ルセルロースを混合し、さらに炭酸カルシウム等
の一般顔料を混合した塗料を支持体に７〜15ｇ／
m²塗工して調製する。熱記録用紙は、飽和ポリエステルとヒドロキシ
エチルセルロースとの混合物だけの塗工によつて
も得られ、これらの塗工紙は心電図計のような加
熱面積の微小な記録条件では使用可能であるが、
サーマルプレートの様に加熱面積が大きい場合に
は、熱記録直後に該記録用紙と色材を塗布した基
材との間に粘着が起り、この両者の剥離が困難と
なる傾向がある。従つて、多用途向けとしては剥
離を容易にするために顔料を添加することが望ま
しい。顔料としては重質又は軽質炭酸カルシウ
ム、タルク、カオリン、天然又は合成珪酸塩、水
酸化アルミニウム、酸化亜鉛又は酸化チタン等の
一般顔料を適宜使用することができるが、このう
ち炭酸カルシウムは極めて良好な色濃度と剥離効
果が得られる。顔料の混合割合は、飽和ポリエス
テルとヒドロキシエチルセルロースとの混合物
100重量部に対し、50〜900重量部とするのが適当
である。また飽和ポリエステルとヒドロキシエチ
ルセルロースの混合物の色濃度向上効果は顕著で
あり、さらに飽和ポリエステルは記録物の退色防
止作用が優秀であるので、目的によつては変形澱
粉、スチレンブタジエン共重合体ラテツクス
（SBRラテツクス）、アクリル重合体ラテツクス、
ポリビニルアルコール又はその誘導体、カゼイン
等通常の紙塗工用に用いられる他のバインダーを
併用することも可能である。尚、飽和ポリエステルとヒドロキシエチルセル
ロースとの配合比率は、飽和ポリエステル20〜90
重量％に対してヒドロキシエチルセルロース80〜
10重量％の範囲で、特に高い色濃度の熱記録用紙
が得られる。本発明に係る熱記録用紙の支持体としては、上
質紙等の普通紙、即ちNBKP、NBSP、LBKP、
LBSP等の晒化学パルプに、必要に応じてGP、
TMPの機械パルプ、CGP等の半機械パルプ、澱
粉、ポリアクリルアミド樹脂およびこれらの誘導
体、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルム
アルデヒド樹脂等の紙力増強剤、強化ロジン合成
ポリマー系又はアルキルケテンダイマー等のサイ
ズ剤及び硫酸バンドその他の定着剤、タルク、ク
レー、重質又は軽質炭酸カルシウム、水酸化アル
ミニウム、天然又は合成珪酸塩、酸化チタン等の
無機填料、又は粉末状の尿素ホルムアルデヒド樹
脂等の有機填料を添加して普通に抄造したもの、
或は更に酸化澱粉、その他の紙力増強剤を外添し
たもの等が使用できる。この他、用途によつては
樹脂フイルムを支持体とすることも可能である。以下、本発明を実施例に従つて詳細に説明す
る。実施例１飽和ポリエステルの水分散液（東洋紡製バイロ
ナールMD−1200）40％液、ヒドロキシエチルセ
ルロース30％水溶液、ポリビニルピロリドン40％
水溶液、および酸化澱粉、スチレン−ブタジエン
共重合体ラテツクス（SBRラテツクス）、ポリビ
ニルアルコール、カルボキシメチルセルロースの
５〜20％水溶液又は水分散液各30重量部（固型
分）のそれぞれに、重質炭酸カルシウム（丸尾カ
ルシウム製スーパー1500）のスラリー70重量部
（固型分）を混合して塗料７種類を調整した。ま
た同上ポリエステル40％液10重量部（固型分）
に、同上ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドン、酸化澱粉、SBRラテツクス、ポ
リビニルアルコール、およびカルボキシメチルセ
ルロースの水溶液又は水分散液をそれぞれ10重量
部（固型分）と重質炭酸カルシウムのスラリー80
重量部（固型分）を配合した塗料６種類を調整し
た。これら13種類の塗料をステキヒトサイズ度12
秒、米坪66ｇ／m²、厚さ97μｍの上質紙上に、塗
布量が10〜14ｇ／m²になるように塗布して熱記録
用紙No.１〜７及び９〜14を得た。一方、昇華性分散染料としてデイスパースブル
ー24（商品名Duranol Blue2G）、デイスパースイ
エロー42（商品名Resolin Yellow GRL）および
デイスパースレツド−１（商品名Celliton
ScarletB）を使用して、それぞれにつき染料10
重量部、ポリビニルブチラール３重量部、イソプ
ロピルアルコール45重量部の割合で３本ロールミ
ルにより練り合わせて、青、黄、および赤の昇華
性熱転写用インキを調製した。さらにこれらのイ
ンキを米坪30ｇ／m²の薄葉紙にグラビアベタ印刷
して作つた転写用基紙を使用して、この基紙の印
刷面との上記熱記録用紙の塗布面とを接触させ、
転写用基紙の裏面から300℃にセツトした３cm×
３cmのサーマルプレートを５秒間押し付け熱記録
用紙に熱転写した。この様にして熱記録用紙に熱
転写された青、黄、赤の記録面の反射濃度を転写
24時間後にマクベス濃度計により測定した。なお
反射濃度は青はビジユアル（ラツテン＃106）、黄
はブルー（ラツテン＃47）、赤はグリーン（ラツ
テン＃58）の各フイルターを使用した数値であ
る。記録用紙No.１〜７及び９〜14についての試験結
果をそれぞれ表１及び表２に示す。これらの表か
ら明らかなように、本発明に係る飽和ポリエステ
ルとヒドロキシエチルセルロースとの混合物をバ
インダーとする熱記録用紙No.９は、それぞれを単
独バインダーとする熱記録用紙No.１および２、並
びに普通の紙塗工用バインダーを単独で使用した
熱記録用紙No.３〜７、並びに前記のNo.３〜７と同
じバインダーをそれぞれ飽和ポリエステルと混合
して使用した熱記録用紙No.10〜14と比較して、そ
の何れよりも反射濃度が著しく高い。なお、塗布
層を設けない原紙No.８についても同様に熱転写試
験をしたが、低い反射濃度しか得られなかつた。実施例２飽和ポリエステルペレツト（東洋紡製バイロナ
ールME1530）の20％水分散液とヒドロキシエチ
ルセルロース30％水溶液の等量（固型分）混合液
と、重質炭酸カルシウム（丸尾カルシウム製スー
パー1500）とを各種配合比で混合し、実施例１と
同様にして熱記録用紙No.15〜17を得た。これらの
熱記録用紙を使用して実施例１と同様にして熱転
写した記録面の反射濃度を表３に示す。この表３から明らかなように、塗料中の顔料の
添加量を多くするに従つて記録面の反射濃度は僅
かに低下する傾向があるが、何れも良好な結果を
示している。又、炭酸カルシウムの添加量を多く
すると転写後の熱記録用紙と転写用基紙との剥離
作業が容易になる傾向が認められた。実施例３飽和ポリエステルの水分散液（東洋紡製バイロ
ナールMD−1200）40％液とヒドロキシエチルセ
ルロース30％水溶液を各種比率で配合した混合バ
インダー液に、それぞれ重質炭酸カルシウム（丸
尾カルシウム製スーパー1500）のスラリー70重量
部（固型分）を混合し、実施例１と同様にして熱
記録用紙No.18〜21を得た。これらの熱記録用紙を
使用して実施例１と同様に熱転写した記録面の反
射濃度を表４に示す。尚、飽和ポリエステルとヒ
ドロキシエチルセルロースの配合比率と反射濃度
との関係を明らかにするために第１図にグラフを
以て示した。表４および第１図から、20〜90％の範囲にある
飽和ポリエステルと、80〜10％の範囲にあるヒド
ロキシルエチルセルロースとの混合バインダーを
使用した熱記録用紙No.18〜21は何れも優れた反射
濃度を示し、とくに40〜80％の範囲にある飽和ポ
リエステルと、60〜20％の範囲にあるヒドロキシ
エチルセルロースとを併用した熱記録用紙No.19〜
21は際立つて高い反射濃度を示すことが認められ
る。

【表】

【表】【図面の簡単な説明】

第１図は実施例３における飽和ポリエステルと
ヒドロキシエチルセルロースの配合比率と得られ
た反射濃度（３色合計値）との関係を示すグラフ
である。

Claims

【特許請求の範囲】１基材上に設けられた常温では固体又は半固体
の色材層と接触し加熱により選択的に該色材の転
移を受ける熱記録用紙において、飽和ポリエステ
ルとヒドロキシエチルセルロースとの混合物を含
む塗布層を設けたことを特徴とする熱記録用紙。２ 20〜90重量％の飽和ポリエステルと80〜10重
量％のヒドロキシエチルセルロースとの混合物を
含む塗布層を設けたことを特徴とする特許請求の
範囲第１項記載の熱記録用紙。