JPS6342048Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、バン・ハツチバツクタイプの自動車
において、荷室部分を覆うレザー等のカバーシー
トを巻取り自在に構成し、荷室中心に設置するこ
とにより、カバーシートの使用範囲を拡大してな
る自動車用荷室カバー装置に関するものである。

一般に自動車用荷室内に積み込まれた荷物が窓
越しに見えると、美観を損ねたり、直射日光が当
ると熱による影きようを受けたりするだけでな
く、盗難の危険がある等の難点があるため、その
対策として荷室を覆うカバーシートが考えられて
いる。

しかしながら、従来の荷室カバー装置は、カバ
ーシートの引き出し、巻き戻し自在な巻取り装置
を、後席のシートバツク直後に固定し、使用時に
はカバーシートを引き出して車体後方の係止部に
引つ掛けるようにした構造であり、カバーシート
の引き出し、巻き戻し、及び荷物の取扱いが後方
のリヤゲート側で操作しなければならない等、そ
の都度車輛より降りなければならないという煩わ
しさがあり、取扱いに難点があつた。

本考案は、上述した従来の問題点を解決するた
めになされたもので、巻取り装置内に巻きこまれ
たカバーシートを二枚一組とし、同時に引き出
し、巻き戻し可能に構成するとともに、荷室の前
後方向中央部に設置し、上記二枚のカバーシート
を同時に引き出して、それぞれ所望の方向をカバ
ーリングするようにしてなる自動車用荷室カバー
装置を提供するものである。

以下、本考案による実施例を添付した図面にも
とづいて詳細に説明する。

第１図は本考案による荷室カバー装置の取付状
態を示す斜視図であり、自動車の後部シートバツ
ク１の後方で、荷室の中央部両側壁には巻取り装
置２が着脱自在に装着されている。上記巻取り装
置２内に二枚一組にして同時に巻きこまれたカバ
ーシート３ａ，３ｂは、例えば一方を前方に、他
方を後方に引き出されて車体の係止部に係止され
るようになつている。

第２図は、上記カバーシート３ａ，３ｂの巻取
り装置２を示す断面図であり、図において二枚一
組のカバーシート３ａ，３ｂは、所定の幅を有す
る巻取りドラム４に一端が固定されて所定の長さ
巻きつけられている。

上記巻取りドラム４の両端部にキヤツプ５，５
が固着されるとともに、このキヤツプ５，５には
両側よりロツド６，６、が回転自在に挿入されて
いる。

上記ロツド６，６のそれぞれは、巻取りドラム
４内に圧入されたロツド受７，７により中心が保
持され、外側端部にはカバーシート３ａ，３ｂの
引出し口を有する有底円筒状に成形されたエンド
キヤツプ８，８が固定されている。

また、上記巻取りドラム４の一側端に挿入され
たロツド６には、キヤツプ５とロツド受７の間に
引張りねじりコイルばは１０が嵌挿され、この引
張りねじりコイルバネ１０の一方のフツクはロツ
ド受７側に係止され、他方のフツクはキヤツプ５
に係止されて、巻取りドラム４の回転をねじりコ
イルバネ１０により戻すようになつている。

また、上記エンドキヤツプ８，８の端面には、
車体側に設けたソケツト（図示せず）に嵌着され
るボス部８ａ，８ｂが一体に形成されており、該
ボス部８ａ，８ａを介して車体に取付けることが
できるようになつている。

一方、エンドキヤツプ８，８には、第２図乃至
第４図に示すように、カバーシート３ａ，３ｂの
引き出し口８ｂが形成され、この引出し口８ｂの
開口部止縁又は下縁部にはカバーシート３ａ，３
ｂの円滑な引き出しを保持するガイドローラ１１
が設けられている。尚、第３図における符号９は
ガイドローラ１１の抜止め用ピンである。

また、上記カバーシート３ａ，３ｂは二枚一組
になつて巻取りドラム４に巻きこまれるものであ
り、引き出し先端部には、カバーシート３ａ，３
ｂがバラバラにならないように、一方には係合凸
部１２ａ、他方には係合凹部１２ｂが固着され、
先端部には把持部１３が設けられている。

つぎに、上述したように構成された巻取り装置
２の車体への取付け及び使用状態について説明す
る。

まず、巻取り装置２の両端部のエンドキヤツプ
８，８のボス部８ａ，８ｂを介して車体側のソケ
ツトに嵌着して取付ける。

この場合、車体側のソケツトは、第５図ａに示
すように、荷室の前後方向中央部に位置して設置
されており、標準使用状態では、二枚一組のカバ
ーシート３ａ，３ｂがそれぞれシートバツク１の
後部及びリヤゲート部の係止部に引き出して係止
される。

第５図ｂは例えば、背の高い荷物を載せた場合
に使用されるものであり、カバーシート３ａ，３
ｂの両方を前方に引き出してシートバツク１の後
部に係止される。

第５図ｃはカバーシート３ａ，３ｂの両方を後
方のリヤゲート部に係止したもので、第５図ｂ同
様に例えば背の高い荷物を載せる場合はもちろ
ん、リヤシートに着座した状態で荷物の取り出し
が容易に行なわれるので、バスケツト等の小物を
収納する場合に好適である。

第５図ｄの使用状態はカバーシート３ａ，３ｂ
の材質を選定することによりブラインド状に使用
することが可能であり、第５図ｃに示す使用と同
様にも使用できるものである。

第５図ｅの使用状態は、カバーシート３ａ，３
ｂにて、特定な荷物を部分的に遮蔽する場合に使
用されるものであり、カバーシート３ａ，３ｂの
一方を荷室の床面に係止し、他方をリヤゲート又
はリヤシートバツク部分に係止することによつて
適宜覆われるようになつている。

以上詳細に説明したように、本考案による自動
車用荷室カバー装置によれば、巻取り装置に二枚
一組のカバーシートを一体に巻きつけ、引き出
し、巻き戻しが同時に行なわれるように構成され
たものであり、しかも荷室の前後方向中央部に設
置されて使用されるものであるから、カバーシー
トは従来の半分の回転数で引き出し及び巻き戻し
が可能である。

従つて、本考案によれば構造が簡単で組立容易
という利点を有するばかりではなく、使用するば
ねは小さなばね力のものでも適用できるととも
に、部品材質も高剛性のものを必要としないので
安価に製造できかつ小型化が可能であるという利
点をも有するものである。

また、二枚一組になつたカバーシートを同時に
引き出し、先端部を所望の係止部に係止させるこ
とにより、多様な使用状態が得られるので、積み
こむ荷物によつて適宜選定可能である等実用上の
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による荷室カバー装置の取付状
態を示す斜視図、第２図は本考案によるカバーシ
ートの巻取り装置を示す断面図、第３図は第２図
の要部を示す分解斜視図、第４図は本考案による
巻取り装置の使用時を示す要部の断面図、第５図
ａ〜ｅは本考案による荷室カバーの使用状態を示
す説明図である。 ２……巻取り装置、３ａ，３ｂ……カバーシー
ト、４……巻取りドラム、６……ロツド、８……
エンドキヤツプ、１０……引張りねじりコイルバ
ネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カバーシートの巻取り装置を自動車後部の荷室
   内に着脱自在に取付けてなる荷室カバー装置にお
   いて、上記巻取り装置内に巻きこまれているカバ
   ーシートを二枚一組として同時に引き出し、巻き
   戻し可能に構成し、上記巻取り装置を荷室の前後
   方向の中央部に設置し、上記二枚のカバーシート
   を同時に引き出してそれぞれ所望の方向をカバー
   リングするようにしてなる自動車用荷室カバー装
   置。