JPS6342025Y2

JPS6342025Y2 -

Info

Publication number: JPS6342025Y2
Application number: JP1983186212U
Authority: JP
Priority date: 1983-11-30
Filing date: 1983-11-30
Publication date: 1988-11-04
Also published as: JPS6092620U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、油圧式無段変速装置を設けた前後進
可能な移動農機の走行装置に関する。

上記移動農機において、従来、平滑な路上を高
速走行する時のように走行装置の駆動負荷が比較
的低く、かつ、駆動速度が比較的速い場合に、無
段変速装置を構成するポンプの圧油吐出に油リー
ク等に起因して脈動が生じると、この脈動吐出に
起因するモータ回動速度変化が著しく大となり、
駆動騒音が大きくなると共に、機体にしやくり振
動が生じて乗り心地が悪くなるトラブルの発生す
ることがあつた。

そして、これを従来のアキユムレータでもつて
解消するには、油圧モータの入口側油路と出口側
油路の両側に、計２個装着しなければならず、こ
のアキユムレータを配設するスペースが多く必要
であるとともにコストUPの要因となつていた。

本考案の目的は、アキユムレータを改造するこ
とにより、１個のアキユムレータでもつて両方向
可変容量形の油圧ポンプに圧油脈動吐出が生じて
も油圧モータに速度変化が生じにくいようにする
ことにより、スペースの削減、コストダウンを図
るものである。

本考案の特徴構成は、冒記した移動農機の走行
装置において、前記アキユムレータは、吐出圧の
作用方向が逆向きに働いて背反的に開閉される二
つの吐出圧入力用のポートを備え、かつ、それら
の両ポートのうちの一方を前記油圧モータの入口
側油路に、他方を出口側油路に夫々連通接続して
あることにあり、その作用及び効果は次の通りで
ある。

すなわち、アキユムレータを前記した状態で設
けることによつて、このアキユムレータの作用に
より、ポンプ吐出圧が設定値より大になつた時に
は、過剰圧を吸収してモータに作用する油圧がポ
ンプ吐出圧よりも低い設定値に減少調節され、そ
して、ポンプ吐出圧が設定値より小である時に
は、蓄積圧力を放出してモータに作用する油圧が
ポンプ吐出圧よりも高く増大調節されるのが、前
後進の両方において発揮されるのである。従つ
て、両方向可変容量形の油圧ポンプと油圧モータ
で構成される前後進可能な油圧式無段変速装置の
油圧回路に１個のアキユムレータを設けるだけ
で、ポンプの圧油吐出に脈動が生じても、モータ
に作用する油圧を極力設定値に維持して、モータ
回動速度を極力一定にでき、ポンプの脈動吐出に
起因する騒音や機体しやくり振動の発生を極力防
止して運転が快適にできるようにし乍らも、アキ
ユムレータ用スペースの削減、およびコストダウ
ンができた。

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図に示すように、車輪式走行装置を有した
自走機体の後部に、ロータリー耕耘装置（図外）
等の各種作業装置を昇降操作自在に連結する上下
に駆動揺動自在なリフトアーム１、及び、連結作
業装置に伝動するための動力取出し軸２を設け
て、農用トラクターを構成してある。

エンジン３から前車輪４及び後車輪５への伝動
系に中立状態を挾んで前進側と後進側に切換え自
在な油圧式無段変速装置６を設け、そして、第２
図に示すように、前記変速装置６の軸芯P₁周り
で揺動自在な操作アーム７に押引きロツド１１、
揺動連動具１２及び回転軸１３を介して連動させ
た変速操作ペダル１４を、前記回転軸１３を介し
て、機体フレームを形成する筒状伝動ケース１６
に揺動自在に取付け、変速装置６に揺動支持アー
ム８を介して軸芯P₂周りでの揺動が自在に取付
けてあるローラ９を、スプリング１０により前記
操作アーム７の下端Ｖ字形カム面７ａに当付け付
勢して、操作アーム７及び変速ペダル１４を中立
位置Ｎに復元付勢すると共に、ペダル１４を機体
の前方側にあるいは後方側に踏込み操作すること
により、操作アーム７が前進側Ｆにあるいは後進
側Ｒに揺動し、かつ、ペダル１４を踏込むほど操
作アーム７が高速側になるように構成してある。
つまり、ペダル１４により変速装置６を操作して
機体の前後進切換え、走行変速及び停止操作の
夫々を行うようにしてある。

第２図に示すように、アキユムレータ１５を、
伝動ケース１６に内装取付けすると共に、第３図
に示すように、パイプ製流路１７ａ及び１７ｂを
介して、前記変速装置６を構成する油圧ポンプ１
８と油圧モータ１９の一対の接続油路２０ａ，２
０ｂに接続して、ポンプ１８の圧油吐出に脈動が
生じても、この脈動吐出に起因するモータ１９の
回動速度変化が抑制されるように構成してある。
つまり、前記アキユムレータ１５を、ポンプ１８
の吐出圧力が設定値より大である時には、ポンプ
吐出圧力の設定値よりも過剰の分を吸収蓄積し、
モータ１９に作用する油圧をポンプ吐出圧よりも
低い設定値に減少調節するように、かつ、ポンプ
１８の吐出圧力が設定値よりも小である時には、
蓄積している圧力を放出し、モータ１９に作用す
る油圧をポンプ吐出圧よりも高く増大調節するよ
うに構成してあるのである。

前記アキユムレータ１５は、第４図あるいは第
５図に示す如く構成してある。

すなわち、第４図に示すものは、２個のピスト
ン２１ａ，２１ｂをケース２２に摺動自在に内装
し、一方のピストン２１ａの一端側に、前進時用
の圧油室２３ａを吸排ポート２４ａに連通する状
態で形成し、他方のピストン２１ｂの一端側に、
後進時用の圧油室２３ｂを吸排ポート２４ｂに連
通する状態で形成すると共に、両ピストン２１
ａ，２１ｂの間に蓄圧用スプリング２５を設けて
ある。そして、２個の前記ピストン２１ａ，２１
ｂの夫々に、スプリング収納空間２６と圧油室２
３ａ又は２３ｂの連通路２７を形成し、この連通
路２７に対する開閉弁２８を、ピストン２１ａ，
２１ｂに摺動自在に内装すると共に、蓄圧側のピ
ストン２１ａ又は２１ｂの開閉弁２８は、圧油室
２３ａ又は２３ｂの油圧によつて弁座２９に接当
した閉じ状態に維持操作されて、ピストン２１ａ
又は２１ｂのスプリング圧縮作動を可能にするよ
うに、放圧側のピストン２１ｂ又は２１ａの開閉
弁２８は、圧油室２３ａ又は２３ｂからピストン
２１ａ又は２１ｂとケース２２の間を通つてスプ
リング収納空間２６に洩れ流入し、この収納空間
２６に滞留している油を介して加えられるピスト
ン２１ｂ又は２１ａの押圧作用によつて弁座２９
から離間した開放状態に操作され、スプリング収
納空間２６に在る洩れ油を前記接続油路２０ａ，
２０ｂの低圧側の方に戻すべく連通路２７を介し
て圧油室２３ｂ又は２３ａに流入させるように構
成してある。つまり、圧油室２３ａ又は２３ｂか
らの洩れ油を蓄圧作動、及び、アキユムレータ１
５と変送装置６の接続油路であるところの前記流
路１７ａ，１７ｂを利用して変速装置６に戻すよ
うにしてある。

そして、第５図に示すものは、１個のピストン
３０をケース３１に摺動自在に内装し、４個の蓄
圧用スプリング３２ａ，３２ａ，３２ｂ，３２ｂ
の２個ずつを、ピストン３０の両側に振り分け配
置すると共に、ピストン３０に対してこれを中立
位置に復元付勢するように作用させ、ピストン３
０の一端側に、前進時用の圧油室３３ａを吸排ポ
ート３４ａに連通する状態で形成し、ピストン３
０の他端側に、後進時用の圧油室３３ｂを吸排ポ
ート３４ｂに連通する状態で形成してある。

本考案は、コンバインや田植機等各種の移動農
機の走行装置にも適用できる。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る移動農機の走行装置の実施
例を示し、第１図は農用トラクターの側面図、第
２図は変速装置配設部の側面図、第３図は油圧回
路図、第４図及び第５図はアキユムレータの断面
図である。６……油圧式無段変速装置、１５……アキユム
レータ、１８……油圧ポンプ、１９……油圧モー
タ、２０ａ，２０ｂ……油路、２４ａ，２４ｂ…
…ポート。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

油圧式無段変速装置６を構成する両方向可変容
量形の油圧ポンプ１８と油圧モータ１９との接続
油路に、前記油圧ポンプ１８の吐出圧力が設定値
より大であると過剰ポンプ吐出圧力を蓄積し、か
つ、前記油圧ポンプ１８の吐出圧力が前記設定値
より小であると蓄積圧力を放出するアキユムレー
タ１５を設けてある移動農機の走行装置におい
て、前記アキユムレータ１５は、吐出圧の作用方
向が逆向きに働いて背反的に開閉される二つの吐
出圧入力用のポート２４ａ，２４ｂを備え、か
つ、それらの両ポート２４ａ，２４ｂのうちの一
方を前記油圧モータ１９の入口側油路に、他方を
出口側油路に夫々連通接続してあることを特徴と
する移動農機の走行装置。