JPS6340163Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は化粧に使用するコンパクトに関す
る。

従来女性用のコンパクトには、数種類の色のア
イシヤドーを一つのコンパクトにセツトしたもの
や、またアイシヤドー、口紅、フアンデーシヨ
ン、ほほ紅等を一つのコンパクトに任意に組合せ
てセツトしたものがあつた。しかしこの種のコン
パクトは、セツトされた化粧材の組合せが最初か
ら決められているために、必要な化粧材がセツト
されていないために不便であつたり、またあまり
使わないものが含まれていたりして不経済であつ
た。

この考案は上記従来の欠点を解消し、コンパク
トにセツトされる化粧材を取り換え可能とするこ
とにより、使用者の必要に応じて任意に組み合せ
て使用することのでき、しかも各化粧材の取り換
えが非常に容易であるコンパクトを提供すること
を目的とするものである。

以下この考案を、図面に示す実施例に基づいて
説明する。

第１ないし３図において、下蓋１には上蓋２が
その後端部をピン３によつて開閉自在に枢支され
ている。この下蓋１と上蓋２の前端部にはそれぞ
れ係止突起１ａ，２ａが形成されており、上蓋２
が閉蓋された際互いに係合されるようになつてい
る。４は上蓋２の裏面に装着された鏡である。

下蓋１には、第４図に特に示すように、その上
面に方形の中枠嵌合用凹部１ｂが形成され、この
中枠嵌合用凹部１ｂに、第５および６図で示すよ
うな、空所５ａを有する中枠５が嵌合されて、接
着剤その他適宜手段により下蓋１に固定されてい
る。また中枠５には、その内側壁の中央部よりや
や前寄りの上縁側に一対の押え板係止突起５ｂ
が、下縁側に押え板嵌合穴５ｃがそれぞれ形成さ
れており、さらに後端部上縁に、前方向に水平に
延びる中皿後端部押え突条５ｄが形成されてい
る。そして中枠５の空所５ａ内には、第７および
８図で示すような中皿押え板６が、その両端下部
にそれぞれ突設された一対の嵌合突起６ａがそれ
ぞれ中枠５の押え板嵌合穴５ｃに嵌合されること
により、下蓋１の後端内壁と平行に、かつ両端の
嵌合突起６ａを結ぶ軸線を中心として揺動自在に
取り付けられている。この中皿押え板６の上端縁
には、中皿押え板６が下蓋１の上面上にほぼ垂直
に起立した状態で、後方向に水平に延びる中皿前
端部押え突条６ｂが形成されている。

さらに中皿押え板６の下端縁には、中皿前端部
押え突条６ｂと同一向きに、所定間隔を開けて、
複数枚（第８図においては４枚）の中皿起し突片
６ｃが形成されており、この中皿起し突片６ｃ
は、中皿押え板６が空所５ａ内に取り付けられ、
垂直に起立されている状態で、下蓋１の中枠嵌合
用凹部１ｂの底面にそれぞれ対応するように穿設
された突片収容穴１ｃ（第４図）内に完全に収容
されるようになつている（第２図の状態）。

下蓋１の後端内壁と中皿押え板６間の空所内に
は、第９または１０図で示すような、内側に化粧
材充填用凹部１１ａ，１２ａを有する小中皿１１
又は大中皿１２が、その後端部が下蓋１の中枠嵌
合用凹部１ｂ底面と中皿後端部押え突条５ｄの下
面との間に嵌合され、その前端部が中枠嵌合用凹
部１ｂ底面と起立状態にある中皿押え板６の中皿
前端部押え突状６ｂとの間に嵌合されて、下蓋１
の後端部内壁と中皿押え板６との間に形成される
中皿嵌合用凹部内に収容されて固定されるように
なつている。

第９図と第１０図で示す中皿は、第１０図の大
中皿１２の幅が第９図の小中皿１１の幅の２倍と
なつているものであり、第１図に示すコンパクト
においては、小中皿１１が２個と大中皿１２が１
個収容されており、この他小中皿１１のみの場合
には４個、大中皿１２のみの場合は２個収容され
るようになつているものである。

なお、中枠５の前端内壁と中皿押え板６との間
に形成される空所７は、化粧用具収容部として口
紅用の筆８やその他化粧用の刷毛、ブラシ等を収
容するようになつている。

次に上記コンパクトの使用方法を説明すると、
それぞれ色の異なるアイシヤドーや口紅、フアン
デーシヨン、ほぼ紅等をそれぞれ充填された小中
皿１１または大中皿１２を数種類用意しておき、
使用者はそれらの用意された小中皿１１、大中皿
１２のうちから使用する化粧材の中皿を必要に応
じて選択する。

そして中皿押え板６をコンパクトの前方向（第
２図の矢印Ｂの方向）に傾倒した状態で、小中皿
１１または大中皿１２をその後端部がそれぞれ中
皿後端部押え突条５ｄの下方部へ下蓋１の後端部
内壁に突き当るまで挿入し、任意に選択された複
数個の小中皿１１または大中皿１２を中皿嵌合用
凹部内に並列に載置する。次に中皿押え板６をコ
ンパクトの後方向に回動して起立の状態にする
と、第２図から分るように、小中皿１１または大
中皿１２の前端部上面が、中皿押え板６の中皿前
端部押え突条６ｂの下面と係合して係止され、こ
のようにして小中皿１１または大中皿１２がコン
パクト内に固定される。このとき中皿押え板６
は、その前面両側部が中枠５の押え板係止突起５
ｂと係合して、前方向に回動するのを阻止されて
いる。

次に中皿の交換の際には、指で中皿押え板６を
前方向に強く引いて押え板係止突起５ｂとの係合
を外し、前方向に傾倒して前記と逆の順序で小中
皿１１または大中皿１２を中皿嵌合用凹部５ａ内
から取り出すものである。

なお上記実施例においては、中皿押え板６を前
方向に傾倒した際、中皿起し突片６ｃが突片収容
穴１ｃ内から中皿嵌合用凹部５ａ内に突出され、
小中皿１１または大中皿１２の底部を上方向に押
圧して、小中皿１１または大中皿１２の前端部を
上方向に持ち上げることになる。この結果、中皿
の交換が非常に容易となるものであるが、中皿起
し突片６ｃを形成しなくても、中皿の交換を容易
に行えることは言うまでもない。

ここでコンパクト内に収容可能な中皿の数およ
び中皿のサイズは、上記実施例に限定されるもの
ではないことは言うまでもない。また上記実施例
においては、下蓋１と中枠５を別体として形成し
た例を示したが、一体として成形するようにして
もよい。

なお上記実施例において、第９または１０図に
示した小中皿１１および大中皿１２には、それぞ
れ第１１ないし１４図で示すような小蓋１３，１
４が用意されており、小中皿１１、大中皿１２の
前端両側部および後端両側部にそれぞれ穿設され
た嵌合穴１１ｂ，１２ｂに、小蓋１３，１４の前
端両側部および後端両側部にそれぞれ水平内側向
きに突設された嵌合突起１３ａ，１４ａを嵌合す
ることにより、小中皿１１、大中皿１２の上面に
装着されるようになつている。

この小蓋１３，１４により、コンパクトにセツ
トされていない状態での各中皿の保管、携帯等の
取扱いが非常に容易となるものである。またこの
小蓋１３，１４を透明な材質で成形すれば、内容
物の確認が容易となつて便利である。

第１５図はこの考案の他の実施例を示すもので
あつて、中枠５′の両側内側壁の上端部に互いに
対向するように対となつた押え板係止突起５′ｂ
が複数対（第１５図においては４対）形成されて
いる。そして中枠５′の内側壁の各押え板係止突
起５′ｂの下方位置には、それぞれ対向するよう
に対となつた押え板嵌合穴５′ｃが押え板係止突
起５′ｂと同数対形成されており、さらに同じ側
の内側壁に形成された各押え板嵌合穴５′ｃはそ
れぞれ中皿押え板６の嵌合突起６ａが摺動可能な
摺動溝５′ｅで連結されている。

上記実施例は前後方向の長さ（第１５図の長さ
ｌ）が異なる中皿１１′，１２′を装着するための
ものであつて、例えば第１５図の中皿１１′，１
２′よりも長さｌの長い中皿を装着しようとする
場合には、一番後方の押え板嵌合穴５′ｃに嵌装
された中皿押え板６を傾倒し、押え板係止突起
５′ｂとの係合を外した状態で下蓋１′の後端内壁
との平行状態を保ちつつ前方向に引張る。そうす
ると中皿押え板６の嵌合突起６ａが一番後方の押
え板嵌合穴５′から離脱し、摺動溝５′ｅ内を摺動
して次の押え板嵌合穴５′ｅに嵌合される。この
ようにして中皿押え板６と下蓋１′の後端壁間の
間隔を中皿１１′，１２′の長さｌに合せて、その
後中皿１１′，１２′を前記実施例と同様の手順で
下蓋１′に装着する。

なお、上記実施例においては下蓋１′に穿設さ
れた中皿押え板６の中皿起し突片６ｃを収容する
突片収容穴１′ｃは、中皿押え板６の移動を許容
するため、前記実施例の場合よりも下蓋１′の前
後方向に延長して形成されている。

上記実施例においては、幅方向のみならず前後
方向の長さの異なる中皿の装着が可能となるもの
であつて、コンパクトの使用におけるヴアリエー
シヨンが非常に広くなるという効果を有するもの
である。

第１６ないし２４図はこの考案のさらに他の実
施例を示すものであつて、第１６および１７図に
おいて、下蓋２１には上蓋２２がその後端部をピ
ン２３によつて開閉自在に枢支されている。この
下蓋２１と上蓋２２の前端部にはそれぞれ係止突
起２１ａ，２２ａが形成されており、上蓋２２が
閉蓋された際互いに係合されるようになつてい
る。２４は上蓋２２の裏面に装着された鏡であ
る。

下蓋２１には、第１８および１９図に特に示す
ように、その上面に方形の中枠嵌合用凹部２１ｂ
が形成されており、この中枠嵌合用凹部２１ｂの
底面の前部側左側方位置に中皿押え板取付用嵌合
下穴２１ｃが穿設され、またこの嵌合下穴２１ｃ
と対応する凹部２１ｂの右内側壁に、水平横向き
の中皿押え板係止軸２１ｄが突設されている。

下蓋２１には、第２０ないし２２図で示すよう
な空所２５ａを有する中枠２５が嵌合されて、接
着剤その他の適宜手段によつて固定されている。
このとき、中枠嵌合用凹部２１ｂ内に形成された
中皿押え板係止軸２１ｄは、中枠２５の右側壁に
形成された貫通溝２５ｂを貫通して空所２５ａ内
に突出されている。

中枠２５には右内壁および左内壁のそれぞれ上
端部から内側に向つて水平に延びる庇部２５ｃ，
２５ｄが形成されており、さらに左側の庇部２５
ｃの下蓋２１に形成された中皿押え板取付用嵌合
下穴２１ｃと対向する位置には、庇部２５ｃを上
下に貫通する中皿押え板取付用嵌合上穴２５ｅが
穿設されている。さらに中枠２５の後内壁の上端
部には内側に向つて水平に延びる中皿後端部押え
突条２５ｆが形成されており、この突条２５ｆと
下蓋２１の上面との間で中皿の後端部を支持する
ようになつている。

中枠２５の空所２５ａ内には、第２３および２
４図で示すような中皿押え板２６が、その左端
（第２３図においては右端）上下に突設された一
対の嵌合突起２６ａが、それぞれ中皿押え板取付
用嵌合上穴２５ｅおよび嵌合下穴２１ｃに嵌合さ
れて下蓋２１の上面と平行な平面内において、嵌
合突起２６ａを中心として、揺動自在に取り付け
られている。そして中皿押え板２６が中枠２５の
後壁面と平行となつた状態において、中皿押え板
係止軸２１ｄが中皿押え板２６の前面に係合し
て、中皿押え板２６が前方に回動するのを阻止す
るようになつている。

中皿押え板２６の上端部には、後方向（第２３
図においては前方向）に水平に延びる中皿前端部
押え突条２６ｂが形成されており、中皿押え板２
６が係止軸２１ｄと係合している状態において、
下蓋２１の上面との間で中皿の前端部を支持する
ようになつている。

中枠２５の後端内壁と中皿押え板２６間の空所
内には、前記実施例と同様に、第９または１０図
で示すような、内側に化粧材充填用凹部１１ａま
たは１２ａを有する小中皿１１又は大中皿１２
が、その後端部が下蓋２１の中枠嵌合用凹部２１
ｂ底面と中皿後端部押え突条２５ｆの下面との間
に嵌合され、その前端部が中枠嵌合用凹部２１ｂ
の底面と平面状態にある中皿押え板２６の中皿前
端部押え突状２６ｂとの間に嵌合されて、中枠２
５の後端部内壁と中皿押え板２６との間に形成さ
れる中皿嵌合用凹部内に収容されて固定されるよ
うになつている。

なお、中枠２５の前端内壁と中皿押え板２６と
の間に形成される空所２７は、化粧用具収納部と
して口紅用の筆８やその他化粧用の刷毛、ブラシ
等を収容するようになつている。

次に上記コンパクトの使用方法を説明すると、
それぞれ色の異なるアイシヤドーや口紅、フアン
デーシヨン、ほほ紅等をそれぞれ充填された小中
皿１１または大中皿１２を数種類用意しておき、
使用者はそれらの用意された小中皿１１、大中皿
１２のうちから使用する化粧材の中皿を必要に応
じて選択する。

そして中皿押え板２６の右端部をコンパクトの
前方向（第１６図の矢印ｃの方向）に回動した状
態で、小中皿１１または大中皿１２をその後端部
がそれぞれ中皿後端部押え突条２５ｆの下方部へ
中枠２５の後端部内壁に突き当るまで挿入し、任
意に選択された複数個の小中皿１１または大中皿
１２を中皿嵌合用凹部２１ｂ内に並列に載置す
る。

次に中皿押え板２６の右端部をコンパクトの後
方向（第１６図の矢印ｃと反対方向）に中皿押え
板係止軸２１ｄと係合するまで回動して平行状態
にすると、第１７図から分るように、小中皿１１
または大中皿１２の前端部上面が、中皿押え板２
６の中皿前端部押え突条２６ｂの下面と係合して
係止され、このようにして小中皿１１または大中
皿１２がコンパクト内に固定される。なお、この
とき中皿押え板は中皿押え板係止軸２１ｄと係合
して、前方向に回動はされない。

次に中皿の交換の際には、指で中皿押え板２６
の右端部を前方向に強く引いて、矢印ｃの方向に
回動させ、前記と逆の順序で小中皿１１または大
中皿１２を中皿嵌合用凹部２１ｂ内から取り出す
ものである。

ここでコンパクト内に収容可能な中皿の数およ
び中皿のサイズは、上記実施例に限定されるもの
ではないことは言うまでもない。また上記実施例
においては、下蓋２１と中枠２５を別体として形
成した例を示したが、一体として成形するように
してもよい。

なお上記実施例について、前記第１５図に示し
た実施例と同様な方法により、中皿押え板取付用
嵌合下穴２１ｃ、中皿押え板取付用嵌合上穴２５
ｅおよび中皿押え板係止軸２１ｄを、それぞれ下
蓋２１の前後方向に直列に複数個配設し、また嵌
合下穴２１ｃおよび嵌合上穴２５ｅを第１５図の
摺動溝５′ｅと同様な摺動溝で連結するようにし
ておけば、前記実施例と同様に、長さの異なる数
種類の中皿の装着が可能となるものである。

この考案は前記のようであつて、中皿の交換が
容易であつて、必要な化粧材を使用者が任意に選
択してセツトすることができるので、種々のヴア
リエーシヨンで利用することができ非常に便利で
あり、また使用頻度の多い化粧材は無くなれば、
その中皿だけを外して新しいのと交換することが
できるので、非常に経済的であり、さらに、中皿
を交換するための構造が簡単で部品数が少なく、
コンパクトの製造コストの低廉化を図ることがで
きるのに加え、中皿押え板はその下端部または一
方の側端部に設けた枢支部が下蓋に設けた枢支部
に枢支された揺動するようになつているため、長
期にわたり繰り返し中皿押え板が揺動されても、
枢支部に無理な負荷がかかることがなく、円滑で
確実な中皿押え板の揺動が期待できるという効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を上蓋を180度開
蓋した状態で示す平面図、第２図は同実施例を上
蓋を閉蓋した状態で示す側断面図、第３図は同実
施例を右半分を断面して示す正面図、第４図は同
実施例の下蓋を示す平面図、第５図は同実施例の
中枠を示す平面図、第６図は第５図の−線に
おける断面図、第７図は同実施例における中皿押
え板を示す側面図、第８図は同中皿押え板の正面
図、第９および１０図は中皿の一実施例を示す平
面図、第１１図は小蓋の一実施例を示す平面図、
第１２図は第１１図のXII−XII線における断面図、
第１３図は小蓋の一実施例を示す平面図、第１４
図は第１３図の−線における断面図、第
１５図はこの考案の他の実施例を示す側断面図、
第１６図はこの考案のさらに他の実施例を上蓋を
150度開蓋した状態で示す平面図、第１７図は同
実施例を上蓋を閉蓋した状態で示す側断面図、第
１８図は同実施例における下蓋を示す平面図、第
１９図は同下蓋を上蓋付きで示す斜視図、第２０
図は同実施例における中枠を示す平面図、第２１
図は同中枠の右側面図、第２２図は同中枠の斜視
図、第２３図は同実施例における中皿押え部材を
示す背面図、第２４図は同中皿押え部材の斜視図
である。 １，２１……下蓋、５，５′，２５……中枠、
５ｃ，５′ｃ……押え板嵌合穴、５ｄ……中皿後
端部押え突条、６……中皿押え板、６ａ……嵌合
突起、６ｂ……中皿前端部押え突条、１１，１
１′，１２，１２′……中皿、２１ｃ……中皿押え
板取付用嵌合下穴、２５ｅ……中皿押え板取付用
嵌合上穴、２５ｆ……中皿後端部押え突条、２６
……中皿押え板、２６ａ……嵌合突起、２６ｂ…
…中皿前端部押え突条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下蓋が複数個の中皿を並列に収納するようにな
   つている中皿嵌合用凹部を具え、この中皿嵌合用
   凹部の後端部に、この凹部内に挿入された中皿の
   後端部上面に当接して、中皿の後端部を凹部の底
   面との間で支持するようになつている中皿後端部
   押え部材を有し、さらに中皿嵌合用凹部内には、
   該凹部の後端部内壁と平行な状態で、前記中皿後
   端部押え部材に後端部を支持された中皿の前端部
   上面に上端部が当接して、中皿嵌合用凹部の底面
   との間で中皿の前端部を支持するようになつてい
   る中皿押え板が設置されており、この中皿押え板
   の下端部または一方の側端部に設けた枢支部が下
   蓋に設けた枢支部に枢支されていて、該中皿押え
   板が、上端部が前記中皿の前端部上面に当接して
   中皿を中皿嵌合用凹部内に保持する位置と、上端
   部が前記中皿の前端部上面から離間する位置との
   間を揺動自在となつていることを特徴とするコン
   パクト。