JPS637140Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は化粧に使用するコンパクトに関す
る。

従来女性用のコンパクトには、数種類の色のア
イシヤドーを一つのコンパクトにセツトしたもの
や、またアイシヤドー、口紅、フアンデーシヨ
ン、ほお紅等を一つのコンパクトに任意に組合せ
てセツトしたものがあつた。しかしこの種のコン
パクトは、セツトされた化粧材の組合せが最初か
ら決められているために、必要な化粧材がセツト
されていないために不便であつたり、またあまり
使わないものが含まれていたりして不経済であつ
た。

この考案は上記従来の欠点を解消し、コンパク
トにセツトされる化粧材を取り換え可能とするこ
とにより、使用者の必要に応じて任意に組み合せ
て使用することができ、しかも各化粧材のり換え
が非常に容易で構造が簡易なコンパクトを提供す
ることを目的とするものである。

以下この考案を、図面に示す実施例に基づいて
説明を行う。

第１および第２図において、下蓋１には上蓋２
がその後端部を枢支されて開閉自在に取り付けら
れており、上蓋２を閉蓋した際、それぞれ前端部
に形成された係止突起１ａ，２ａが互いに係合し
て、上蓋２が閉蓋状態で係止されるようになつて
いる。３は上蓋２の裏面に装着された鏡である。

下蓋１には、上方開口の方形の中皿嵌合用凹部
１ｂが形成されており、さらに後端部の左右内側
壁間に、後端部内壁上端縁から中皿嵌合用凹部１
ｂ内に前端方向に向つて水平に延びる中皿後端部
押え突条１ｃが形成されて、この突条１ｃと中皿
嵌合用凹部１ｂの底面との間で、凹部１ｂ内に挿
入された中皿の後端部を支持するようになつてい
る。

下蓋１の中皿嵌合用凹部１ｂ内には、凹部１ｂ
の前部側位置において、下蓋１の後端内壁と平行
に複数（第１図においては４個）の係合突片１ｄ
が立設されており、この各係合突片１ｄの上端部
前縁にはそれぞれ係止突起１ｅが形成されてい
る。そして、中皿嵌合用凹部１ｂ内の係合突片１
ｄと後端内壁間の空所には、第３ないし５図で示
すような中皿１１または１２が挿入装着されるよ
うになつている。

第３および４図の中皿１１は、中央に上部開口
の化粧材充填用凹部１１ａが形成され、また両端
部に、それぞれ外側に水平に延びる庇部１１ｂが
形成されている。この庇部１１ｂの中央部には、
下蓋１の係合突片１ｄの平面形状よりも僅かに大
きく、上下に貫通した嵌合穴１１ｃが形成され、
また庇部１１ｂの嵌合穴１１ｃの外端部分に円柱
状の係合部１１ｄが形成されている。

第５図の中皿１２は、幅が第３図の中皿１１の
幅の２倍となつており、中皿１１と同様に化粧材
充填用凹部１２ａおよび庇部１２ｂが形成されて
いる。そして庇部１２ｂには中皿１１のものと同
一形状の嵌合穴１２ｃが各係合突片１ｄの相互間
隔と同一間隔でそれぞれ２箇所に形成され、その
外端庇部に円柱状の係合部１２ｄ形成されてい
る。

そして上記実施例においては、第１図から分る
ように、中皿１１が２個と中皿１２が１個装着さ
れるようになつており、また中皿１１のみの場合
は４個、中皿１２のみの場合は２個装着されるよ
うになつているものである。

なお中皿嵌合用凹部１ｂ内の係合突片１ｄと下
蓋１の前端部内壁との間の空所４には、化粧用具
収納部として口紅用の筆やその他化粧用の刷毛、
ブラシ等を収容するようになつている。

次に上記コンパクトの使用方法を説明すると、
それぞれ色の異なるアイシヤドーや口紅、フアン
デーシヨン、ほお紅等をそれぞれ充填された中皿
１１，１２を数種類用意しておき、使用者はそれ
らの用意された中皿１１，１２のうちから使用す
る化粧材の中皿１１または１２を必要に応じて選
択する。

そして選択された各中皿１１，１２を、第１お
よび２図で示すように、後端部が中皿後端部押え
突条１ｃの下方へ下蓋１の後端部内壁に突き当る
まで挿入して、中皿嵌合用凹部１ｂ内に並列に載
置する。このとき、中皿嵌合用凹部１ｂ内の係合
突片１ｄが各中皿１１，１２の前端部側の嵌合穴
１１ｃ，１２ｃに嵌合し、中皿１１，１２の係合
部１１ｄ，１２ｄが係止突起１ｅに係合して、中
皿１１，１２がそれぞれ中皿嵌合用凹部１ｂ内に
固定される。

次に中皿を交換する場合には、交換しようとす
る中皿１１または１２の前端部を指で上方向に強
く引いて、係合部１１ｄまたは１２ｄと係止突起
１ｅとの係合を外し、中皿１１または１２を前記
と逆の順序で中皿嵌合用凹部１ｂ内から取り出
し、新しい中皿１１または１２と交換する。

なお上記実施例において、中皿１１には、第６
および７図で示すような小蓋１３が用意されてお
り、この小蓋１３の裏面には、両端部中央にそれ
ぞれ、小蓋１３の長手方向において互いに対向さ
れ、先端部に内側向きに形成された係止突起１３
ｂを有する２片の挾圧板からなる挾持部１３ａ
が、この両端の挾持部１３ａ間の距離が中皿１１
の両端の係合部１１ｄ間の距離と同一となるよう
に立設されている。この小蓋１３は、第８図で示
すように、中皿１１上に載置して強く押し下げる
と、それぞれ挾持部１３の２片の挾圧板が中皿１
１の係合部１１ｄを挾圧するとともに係止突起１
３ｂが係合部１１ｄと係合して中皿１１に固定さ
れ、化粧材充填用凹部１１ａの上面を閉蓋する。
中皿１２についても同様に、裏面のそれぞれ中皿
１２の係合部１２ｄに対応する位置に挾持部が形
成された小蓋が用意されている。

これら中皿１１用の小蓋１３または中皿１２用
の小蓋により、コンパクトにセツトされていない
状態での各中皿の保管、携帯等の取扱いが非常に
容易となるものである。またこれらの小蓋を透明
な材質で成形すれば、内容物の確認が容易となつ
て便利である。

第９ないし１６図はこの考案の他の実施例を示
すものであつて、前記実施例とは、係合部１１
d′または１２d′が、それぞれ中皿１１′または１
２′の両端部のそれぞれ両外側に形成された中皿
１１′または１２′が装着されるようになつている
点が異なつている。すなわち下蓋１′の係合突片
１′ｄは、中皿嵌合用凹部１b′内に挿入された中
皿１１′または１２′の前端両外側に対応する位置
に立設されており、中皿１１′または１２′の前端
側の係合部１１′ｄまたは１２′ｄに外側から係合
して、中皿１１′または１２′が中皿嵌合用凹部
１′ｂ内に装着固定されるようになつているもの
であり、他の部分については前記実施例とほぼ同
様である。

また上記実施例における中皿１１′，１２′につ
いても前記実施例と同様に小蓋がそれぞれ用意さ
れており、例えば第１４および１５図に示す中皿
１１′用の小蓋１３′には、その裏面の両端部両外
側位置に挾持部１３′ａが形成されていて、この
挾持部１３′ａが、第１７図に示すように、それ
ぞれ中皿１１′の各係合部１１′ｄを挾持して、中
皿１１′に固定され、その上面を閉蓋するように
なつている。中皿１２′についても同様である。

この考案は前記のようであつて、下蓋の中皿嵌
合用凹部内に複数個の中皿を、その後端側庇部を
押え部と該凹部の底面との間で支持し、かつ前端
側庇部を係合突片の上端部で係合支持して収容す
るものであるから、これら中皿を介してコンパク
トにセツトされる化粧材を使用者の必要に応じて
任意に組み合せ種々のヴアリエーシヨンで利用す
ることができ、非常に便利である。また、前記収
容された中皿の前端側庇部を持ち上げて係合突片
の上端部との係合を解くことによつて中皿を中皿
嵌合用凹部内から取り出し、かつ新しい中皿を収
容して中皿の交換が可能であるから、これら中皿
を介して各化粧材の取り換えが非常に容易であ
る。さらに、中皿が下蓋の中皿嵌合用凹部に収容
されていない状態において、小蓋の前端部および
後端部に設けられた挟持部の２片の挟圧板で、そ
れぞれ中皿の前端部および後端部に設けられた庇
部の係合部を挟圧し、該係合部に前記係止突起を
係合させることにより、中皿の化粧材充填用凹部
の上部開口を小蓋で閉蓋することが可能であるか
ら、中皿での携帯および保管が容易となるととも
に、小蓋の取り外しにより開蓋することも可能で
あるから、中皿単体での使用もできるのに加え、
前記小蓋による中皿の化粧材充填用凹部の上部開
口に対する開閉構造が簡易であるため、閉蓋およ
び開蓋作業が容易であるという優れた効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を上蓋を180度開
蓋した状態で示す平面図、第２図は同実施例を上
蓋を開蓋した状態で示す側断面図、第３図は同実
施例のコンパクトに装着される中皿の一実施例を
示す平面図、第４図は同中皿の側断面図、第５図
は中皿の他の実施例を示す平面図、第６図は第３
図の中皿用の小蓋を示す背面図、第７図は同小蓋
の側面図、第８図は中皿に小蓋が装着された状態
を示す右側断面側面図、第９図はこの考案の他の
実施例の下蓋を示す平面図、第１０図は同実施例
の側断面図、第１１図は同実施例のコンパクトに
装着される中皿の一実施例を示す平面図、第１２
図は同中皿の右側断面側面図、第１３図は中皿の
他の実施例を示す平面図、第１４図は第１１図の
中皿用の小蓋を示す背面図、第１５図は同小蓋の
側面図、第１６図は中皿に小蓋が装着された状態
を示す右側断面側面図である。 １，１′……下蓋、１ｂ，１′ｂ……中皿嵌合用
凹部、１ｃ……中皿後端部押え突条、１ｄ，１′
ｄ……係合突片、１ｅ……係止突起、１１，１２
……中皿、１１ｃ，１２ｃ……嵌合穴、１１ｄ，
１１′ｄ，１２ｄ，１２′ｄ……係合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前端部および後端部に２片の挟圧板からなる挟
   持部が立設され、この挟持部の少くとも一方の挟
   圧板の先端部に内側向きの係止突起が設けられた
   小蓋と、中央部に上部開口の化粧材充填用凹部を
   有し、かつ前端部および後端部に水平に延びる庇
   部が形成され、この庇部に上下に貫通した嵌合穴
   が形成されているとともに、庇部の嵌合穴の外端
   部分に円柱状の係合部が形成され、この係合部が
   前記小蓋の挟持部の２片の挟圧板によつて挟圧さ
   れ、かつ前記係止突起と係合することによつて前
   記化粧材充填用凹部の上面が閉蓋される中皿と、
   化粧材充填用凹部の上面が小蓋によつて閉蓋され
   ていない開蓋状態の前記中皿を複数個並列に収容
   する中皿嵌合用凹部を有する下蓋とを具え、この
   下蓋の中皿嵌合用凹部の後端部に、この凹部内に
   挿入された中皿の後端側庇部の上面に当接して、
   中皿の後端側庇部を凹部の底面との間で支持する
   押え部が設けられ、かつ中皿嵌合用凹部の前端部
   の底面上に、複数の係合突片が該凹部の後端内壁
   と平行となるように並列に立設され、これら係合
   突片の上端部に前記押え部によつて後端側庇部が
   支持された中皿の前端側庇部が係合されて、中皿
   の前端側庇部が支持されるようになつていること
   を特徴とするコンパクト。