JPS6339711B2 - - Google Patents

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JPS6339711B2
JPS6339711B2 JP7686581A JP7686581A JPS6339711B2 JP S6339711 B2 JPS6339711 B2 JP S6339711B2 JP 7686581 A JP7686581 A JP 7686581A JP 7686581 A JP7686581 A JP 7686581A JP S6339711 B2 JPS6339711 B2 JP S6339711B2
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JP
Japan
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silk fibroin
producing
silk
fibroin
methacrylate
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JP7686581A
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JPS57191315A (en
Inventor
Kyoshi Otoi
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Publication date
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Publication of JPS6339711B2 publication Critical patent/JPS6339711B2/ja
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は改質絹フイブロイン及びその製造法に
係わり、更に詳細には、絹フイブロイン又は再生
絹フイブロインをN,N−ジアルキルアミノエチ
ルメタクリレートにて増量改質加工し、色素吸着
性、保湿性、保香性等の吸着活性を著しく改善し
た特に微粉末状として塗料、化粧料及び食品の添
加物として好適な絹フイブロイン及びその製造法
に関する。 絹フイブロイン微粉末、殊に再生絹フイブロイ
ン微粉末は、その適度の吸湿性及び保湿性、皮膚
に対する優れた親和性、良好な親水性−親油性バ
ランス、更には紫外線吸収性等の特性を有し、従
来から主としてメーキヤツプ化粧料基剤に白粉の
状態で添加使用されている。そして、これを着色
して、顔料としても使用出来る様になれば、適用
した製品の付加価値も一段と増大し、被適用対象
も増、拡大されるのであるが、既存の微粉末状絹
フイブロインは、染着量、着色堅牢度等の面で、
問題があり、顔料として使用することは不能であ
つた。 一般に蛋白質繊維は、染料、就中酸性染料及び
反応性染料に易染性である。事実、現在に於いて
も、絹や羊毛の染色には酸性染料及び反応性染料
が多用されており、美麗にして充分に実用性のあ
る染色堅牢度を具えた染色物が得られている。し
かしこの場合染料の繊維への染着量は染料純分に
換算して0.5〜1%高々1〜2%が限度であり、
それ以上の濃色染めは著しく困難である。このこ
とは既存の微粉末状絹フイブロインの染着につい
ても同様であつて、その低染着性、堅牢性に起因
して着色顔料として使用し得る程濃色なものは得
られ難く、可使染料の選択に比較的制限を受けな
い染料用着色顔料用としてすら実用性の無いもの
であつた。特に化粧品及び食品分野において着色
顔料として適用する場合、使用可能な着色料は着
色性に劣る化粧品用法定色素及び食用色素に限定
される。ところで化粧品用法定色素及び食用色素
は酸性染料、反応性染料に比して、一般に蛋白へ
の染着乃至着色力が極めて弱く、これらの色素に
よつて、既存の微粉末状絹フイブロインを着色し
ても、堅牢性に乏しく、水洗によつてすら一時的
に着色した染顔料が漸次溶出し、殆んど無色にな
る迄脱色されてしまう。従つて、微粉末状絹フイ
ブロイン着色物を着色顔料として、化粧品又は食
品中に添加使用する場合は、他の分野において添
加使用するときに比し、一段と困難さを伴ない、
これらの要求を満足するに足る着色性に優れた微
粉末状絹フイブロインは未だ現出していないのが
実状である。 本発明者らは、上記問題点に鑑み鋭意研究を続
けた結果、既存の又は法定の染顔料にて充分な堅
牢性をもつて濃色に着色し、塗料用はもとより化
粧品、食品用着色顔料としても適用可能な新規絹
フイブロインを見い出し、本発明を完成したもの
であつて、その目的とするところは、適度の吸湿
性及び保湿性、皮膚に対する優れた親和性、良好
な親水性−親油性バランス、紫外線吸収性等絹フ
イブロイン本来の特性を何ら損なうことなく、塗
料、化粧品、食品等の添加物として充分な染着乃
至着色性と堅牢性とを具えた新規絹フイブロイン
及びその製造法を提供するにある。他の目的は上
記の性質を悉く具えた微粉末状絹フイブロイン及
びその製造法を提供するにある。更に他の目的及
び効果は以下の説明から明らかにされよう。 上述の目的は、絹フイブロイン又は再生絹フイ
ブロインに下記式 (たゞし、R1及びR2は前記に同じ) で示されるN,N−ジアルキルアミノエチルメタ
クリレート又はそれを主成分とする共重合体を固
着せしめた絹フイブロイン、微粉末状の絹フイブ
ロイン又は再生絹フイブロインの懸濁液にフイブ
ロインに対して0.5〜100%のN,N−ジアルキル
アミノエチルメタクリレートを添加混合し、N,
N−ジアルキルアミノエチルメタクリレートに対
して0.1〜10%のラジカル重合触媒の存在下30〜
100℃で反応せしめること並びに絹繊維を溶解し
た絹フイブロイン水溶液に絹フイブロインに対し
て0.5〜100%のN,N−ジアルキルアミノエチル
メタクリレートを添加混合し、N,N−ジアルキ
ルアミノエチルメタクリレートに対して0.1〜10
%のラジカル重合触媒の存在下30〜100℃で反応
せしめた後、凝固析出せしめ、引き続いて脱水乾
燥、微粉末化することにより達成される。 本発明の改質絹フイブロインは、実質的にジア
ルキルアミノエチルメタクリレートを固着し、増
量加工したものであればよく、その本質を損なわ
ない限度において、N,N−ジアルキルアミノエ
チルメタクリレートと、他のアクリルモノマー、
ビニル化合物等のエチレン性不飽和化合物との共
重合系で増量加工する等、N,N−ジアルキルア
ミノエチルメタクリレートと他のエチレン性不飽
和化合物とを併用してもよい。 本発明に係わる絹フイブロインは塗料、化粧品
添加物、食品添加物の他前記特長を利用して広汎
な用途に適用可能であるが、化粧品添加物、食品
添加物として適用する際には微粉末状で使用する
のが好適である。この場合、微粉末状絹フイブロ
インの粒径は好ましくは0.1〜100μ、更に好まし
くは1〜50μである。粒径が100μを超えて大きく
なり過ぎると皮膚に対する付着性、親和性、伸展
性が低下する傾向があり、化粧料基剤等に配合
し、人体に直接塗布、付着して使用する等その用
途によつては支障を来たすことがある。 N,N−ジアルキルアミノエチルメタクリレー
トの絹フイブロイン又は再生絹フイブロインに対
する固着量はその使用目的とも関連して一概に規
定出来ないが、化粧料基剤に配合して使用するに
は、0.5〜100%好ましくは1〜50%の場合が好ま
しい結果が得られる。0.5%以下の場合、化粧品
用法定色素及び食用色素の吸着力が着色顔料とし
て不充分であり、水系で染料が溶出する危険があ
る。一方固着量(増量率)が100%以上の場合、
絹フイブロインの化粧料基剤としての好ましい性
能、即ち吸湿性、保湿性、皮膚に対する親和性や
平滑性、良好な親水性と親油性のバランスが損な
われる。しかし他の用途、目的によつてはこの範
囲外でも充分有効に適用できる。 本発明の前記一般式にて示されるN,N−ジア
ルキルアミノエチルメタクリレートのアルキル基
R1及びR2はメチル、エチル、n−プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチ
ル及びシクロヘキシル基が適しているが、特にメ
チル及びエチル基が増量改質の容易さ及び得られ
た微粉体の化粧料基剤としての性能の面で好まし
い。 本発明の絹フイブロインとしては、ほとんど全
ての絹フイブロインが適用できる。即ち、単に絹
繊維を機械的に粉砕した微粉体、弱アルカリ又は
弱酸で絹繊維を脆化させた後機械的に粉砕した微
粉体等が適用できるが、再生絹フイブロインの微
粉体を具体にした場合、より好ましい性能の微粉
末状改質絹フイブロインを製造できる。これら再
生絹フイブロインは公知の方法で製造される。 本発明の再生絹フイブロインは少くとも50重量
%、さらに好ましくは80%が熱水不溶性のフイブ
ロイン(β型)により構成されている場合、特に
好ましい性能が得られる。50%未満では絹フイブ
ロインの親水性が極度に強くなり、化粧料基剤と
した場合、水や汗で粘着、粘結を起して顔料粒子
が二次粒子化(粒子が凝集して巨大粒子となる)
したり、皮膚上での平滑性の点で劣る。 本発明において熱水不溶性の絹フイブロインと
は、100℃の熱水中で15分間煮沸しても溶解しな
い絹フイブロインを謂う。 前記熱水不溶性絹フイブロインは分子間水素結
合が実質的にβ構造のものである。 再生絹フイブロインの結晶化度は前記製造過程
の諸条件により若干異なるが通常10%以上、好ま
しくは20%以上で43%を超えることはなく、これ
は絹繊維(生糸)の結晶化度(50%以上)よりも
可成り低く、又分子の配向度も再生原料絹糸の1/
2以下と低い。この点が単なる改質絹フイブロイ
ンよりも再生改質絹フイブロインの方が化粧料基
剤としてより好ましい効果を与える原因と考えら
れる。基体絹フイブロインの平均分子量は5万以
上が好ましく、特に8万以上がより好ましい。平
均分子量が低くなり過ぎると、親水性が必要以上
に強くなるからである。 本発明に係る絹フイブロインは、N,N−ジア
ルキルアミノエチルメタクリレートで増量改質さ
れていて、アミノ基の数が飛躍的に増加している
ため吸着活性が著しく強化されている。従つて蛋
白繊維用の色素はもとより、化粧品用の法定色素
及び食用色素でも堅牢性良く染着され、特に耐水
堅牢度の面で顕著にその効果が認められる。絹フ
イブロイン特に再生絹フイブロインの微粉末はそ
れ自体皮膚に対する付着性、伸び、感触、保湿
性、PH緩衡性、被覆力、親水性と親油性とのバラ
ンス、紫外線吸収性、皮膚保護性に著しく優れて
いる。これの色素吸着力を改善強化したことで、
微粉末状絹フイブロインの化粧料基剤としての添
加量、使用範囲が増拡大され、化粧料の機能面へ
の効果は顕著なものがある。 本発明に係る微粉末状絹フイブロインの出発原
料である絹フイブロインとしては化粧品基材に配
合して使用する場合、再生絹フイブロインが特に
優れているが、これは該絹フイブロインが50%以
上の熱水不溶性フイブロイン(β型構造)により
構成されていてβ化構造率が比較的高く、しかも
分子配向が絹繊維(生糸)の1/2以下と比較的に
低く化粧料基剤として適度なものであるためであ
る。このため、水や油の分散媒中での均一分散
性、被膜安定性、無機粉体との混和性、皮膚の調
湿効果にも著しく優れており、前記のごとき水、
汗による粘着、粘結二次粒子化の現象を起すこと
がない。 本発明の絹フイブロインは前記の性能を備えて
いるため、化粧料以外に塗料、プラスチツク用の
一般顔料、食品用の着色料としても有用であつ
て、絹特有の美麗な発色効果を発現付与すること
ができる。 本発明の改質絹フイブロインは、前述の二つの
方法によつて製造することができる。即ち、基体
となる微粉末状絹フイブロインの水懸濁液とN,
N−ジアルキルアミノエチルメタクリレートと
を、反応させる方法(固一液反応)及び基体絹フ
イブロインの水溶液と該メタクリレートとを反応
させる方法(液−液反応)である。いずれの場合
も前記のジアルキルアミノエチルメタクリレート
が使用できるが、ジメチルアミノエチルメタクリ
レート以外は水難溶性であるため、必要に応じて
乳化剤(特にノニオン系)を使用しても良い。絹
フイブロインの固着率(増量改質率)及び得られ
た微粉末状絹フイブロインの性能はジアルキルア
ミノエチルメタクリレート量の絹フイブロイン量
に対する割合、反応温度、反応時間、基体となる
微粉末状絹フイブロインの粒子径(固体反応の場
合)、触媒量、水量の絹フイブロイン量に対する
割合(浴比)に依存する。 本発明のジアルキルアミノエチルメタクリレー
ト量の絹フイブロイン量に対する割合は0.5〜100
%が好ましく、1〜50%が更に好ましい。少なす
ぎると絹フイブロインの改質率が低く、又多すぎ
ると絹フイブロインの改質に関係のないモノマー
単独の重合体(ホモポリマー)が多量に生起し不
経済であるからである。 本発明の反応温度は30〜100℃が好ましく、特
に40〜80℃が好ましい。反応温度が低すぎると反
応に長時間を要し経済的でないし、高すぎるとホ
モポリマーの生起や絹フイブロインの熱劣化で化
粧料基剤としての性能が低下する。反応時間は一
般的に云つて、誘導期間があるため最低2時間は
必要だが、適正な触媒量の場合、反応完結までに
24時間を越えることはない。 本発明の基体となる微粉末状絹フイブロインの
粒子径は0.1〜100μが好ましく、特に1〜50μが好
ましい。小さすぎると過、水洗が困難であり、
大きすぎると粒子の内部まで反応が及ばないた
め、得られた微粉末状絹フイブロインを化粧料基
剤に適用した場合性能が劣る。 本発明の触媒量はジアルキルアミノエチルメタ
クリレートの0.1〜10%が好ましく、特に0.5〜5
%が好ましい。少なすぎると反応が長時間にな
り、一方多量にすぎると、前記したホモポリマー
が生起し、不経済である。 本発明による微粉末状改質絹フイブロインの製
造は絹フイブロインの水懸濁液又は水溶液の形で
行なわれるが、水量と絹フイブロイン量の割合
(浴比)は5〜50が好ましく、更に好ましくは8
〜20である。浴比が小さすぎると撹拌が困難であ
り、又大きすぎるとメタクリレートモノマーの改
質反応への収率が低く経済的でない。 本発明による微粉末状改質絹フイブロインの製
造は反応系を窒素置換して又はしないで実施され
る。窒素置換した場合、反応時間及び触媒量を短
縮及び低減することができるが、発明の本質に係
わるものではない。 本発明を基体絹フイブロインの水溶液とジアル
キルアミノエチルメタクリレートとを反応させる
場合、基体絹フイブロインの溶媒水溶液として
は、銅−エチレンジアミン水溶液、水酸化銅−ア
ンモニア水溶液(シユワイサー試薬)、水酸化銅
−アルカリ−グリセリン水溶液(ロ−試薬)・
臭化リチウム水溶液、カルシウム、マグネシウム
もしくは亜鉛の塩酸塩又は硝酸塩水溶液はチオシ
アン酸塩水溶液又はチオシアン酸ナトリウム水溶
液等が挙げられる。又、溶媒水溶液にアルコール
類を混合することで、フイブロインの溶解を促進
することもできる。 以上のようにして得られたフイブロインの水溶
液は淡褐色を呈していて、原料が繊維屑の場合夾
雑していた不溶物が浮遊した粘稠な液体となる。
溶液の絹フイブロイン濃度は好ましくは2〜20重
量%、更に好ましくは3〜15重量%、特に好まし
くは4〜10重量%である絹フイブロイン濃度が低
すぎる場合、ジアルキルアミノエチルメタクリレ
ートモノマーの改質反応への収率が低く非経済的
であるし、絹フイブロイン微粉末自体も化粧料基
剤としての性能が低い。一方、高すぎると同様の
現象及び絹フイブロインが改質されないまま、反
応の初期に凝固析出しやすい。 本発明による方法において、改質絹フイブロイ
ンを凝固性塩の混合で析出させる場合、凝固性塩
としては塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナ
トリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム等が
好ましいが、特に塩化ナトリウム、硫酸ナトリウ
ム、硫酸アンモニウムが好ましい。 本発明による方法において、撹拌のみでも化粧
料基剤として適した、改質絹フイブロイン(β構
造率50%以上、結晶化度10%以上)を析出させる
ことができる。この場合、速いずり変形速度で撹
拌を行わねばならず、通常50/sec以上、好まし
くは100/sec以上のずり変形速度で実施するのが
好適である。この際、撹拌時にメタノール又はエ
タノール或はイソプロピルアルコール或は又アセ
トンを混合することでβ構造率を70%程度まで向
上させることができる。アルコール或はアセトン
の混合率は該水溶液に対して1〜100重量%が適
当である。 本発明により改質反応を受けた絹フイブロイン
パウダー及び改質反応後凝固析出せしめた絹フイ
ブロインは水洗、脱水後常圧又は減圧下で温度60
〜100℃で乾燥する。 斯くして得られた絹フイブロイン粉末は、引き
続きハンマーミル、ジエツトミル等の粉砕機で必
要に応じて粉砕される。化粧料基剤配合用として
は、好ましくは粒子径を0.1〜100μ、更に好まし
くは1〜50μに調整するのがよい。 本発明に於て、絹フイブロインが再生絹フイブ
ロインの場合、飽和蒸気下温度50℃以上、特に80
〜120℃での湿熱処理、又は塩化ナトリウム、塩
化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム
等の中性塩の例えば50℃以上の熱水溶液或いはア
セトン、アルコール等の有機溶剤中で処理するこ
とで絹フイブロインのβ構造率を80%以上、特に
好ましくは90%以上に向上することができ、化粧
料基剤配合用として、さらに好ましいものとする
ことができる。この処理で絹フイブロインの結晶
化度も向上させることができ、好ましくは20%以
上、最も好ましくは30%以上とする。 本発明の改質絹フイブロイン、特に微粉末状絹
フイブロインは色素吸着性、吸保湿性、保香性に
優れているため塗料やプラスチツクスの着色顔料
用基剤、食品添加剤として有用な物であり、特に
皮膚に対する親和性や平滑性、親水性と親油性の
バランス、感触、PH緩衡性、被覆力さらには紫外
線吸収性等に優れている。 以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。 なお、実施例に於て「%」は「重量%」を意味
し、又モノマーはジアルキルアミノエチルメタク
リレートのことであり、増量率(固着率)は出発
絹フイブロイン量に対する割合である。改質反応
へのモノマー収率は、反応後パウダーをベンゼン
でホモポリマーと溶解洗浄した後の増量(gr)の
全使用モノマー量(gr)に対する割合である。未
反応モノマーは反応後に液中のモノマー量を不
飽和結合の化学分析で測定して計算した。選択率
は、改質反応へのモノマー収率の反応モノマー
〔100−未反応モノマー(%)〕に対する割合であ
る。得られた改質絹フイブロイン微粉末の化粧料
基剤としての総合評価は付着しているホモポリマ
ーをベンゼンで溶解洗浄したものについての評価
である。食用色素での染色はすべて浴比30PH1.5
(塩酸酸性)染色温度95℃、染色時間1時間で実
施した。 実施例 1 市販の再生絹フイブロイン微粉末(カネボウシ
ルクパウダー、粒子径1〜12μ、β化率98%、結
晶化度35%、分子量5万以上を出発原料とし、
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートを
用いて、第1表に示す反応条件で改質を行つた。 触媒として過硫酸アンモニウムを使用し、浴比
10で反応系を窒素置換し撹拌反応せしめた。反応
後水洗、乾燥し、次いでアトマイザーを用いて再
度粉砕し、粒径0.8〜10μの微粉末状とした。結果
を第1表に示す。 同表中化粧料基剤としての総合評価は、上記に
より得られた粒径0.8〜10μの微粉末状絹フイブロ
インをタルクに対して3%配合したものについて
皮膚感触(付着性、伸び)吸保湿性等化粧料とし
ての性能及び実用テストを専門検査員10人により
行い判定したものである。判定基準は◎は極めて
良好、〇は良好、△はやゝ不良、×は不良を意味
する。(以下の実施例についても同じ)
【表】
【表】 上表から、本発明に係る微粉末状絹フイブロイ
ンは、色素吸着性に優れ、皮膚に対する親和性や
平滑性、吸保湿性、親水性と親油性のバランス等
を有し化粧品基剤添加物として好ましい特性を有
していることがわかる。 実施例 2 下記方法にて製造した第2表に示す種々の絹フ
イブロイン粉末を出発原料とし、ジエチルアミノ
エチルメタクリレートを用い増量改質を行つた。
反応は系を窒素置換し反応温度60℃、反応時間4
時間、触媒として重亜硫酸ソーダ5%/モノマ
ー、過酸化水素2.5%/モノマーのレドツクス系、
モノマー/絹フイブロインは20重量%、浴比10で
行つた。又乳化剤としてポリオキシエチレンアル
キルエーテルをモノマー量の2%使用した。 反応後水洗乾燥し、再度アトマイザーで粉砕し
た。第2表に各絹フイブロインの増量結果及び得
られた微粉末状絹フイブロインの化粧料としての
総合評価及び食用色素の染着量(%)を第2表に
示す。 再生絹フイブロインA〜Cの調製:− 「絹紡績屑100部をマルセル石けん30部、水
3000部の溶液中で95〜98℃において3時間撹拌精
練し、残渣を0.1%以下にまで減少させ、水洗後
80℃で熱風乾燥した。無水塩化亜鉛Zncl2を水に
溶解した水溶液を調製し70℃に加熱した。該水溶
液100部に前記紡績屑をニーダに用いて撹拌溶解
し絹フイブロイン溶液を製造した。次に得られた
絹フイブロイン溶液に、使用した塩化亜鉛と同量
の硫酸アンモニウムを濃厚水溶液にして混合し、
絹フイブロインのゲル状物を析出させ、そのまま
析出物を硫酸アンモニウムの濃厚水溶液中で70℃
で20分処理した。続いて過、水洗後遠心脱水し
た。」 「得られた脱水ゲル体を90〜100℃で熱風乾燥
した後、ジエツトミルにて粉砕した。
【表】 実施例 3 絹紡績屑100部をマルセル石けん30部、水3000
部の溶液中で95〜98℃において3時間撹拌精練
し、残膠を0.1%以下にまで減少させ、水洗後80
℃で熱風乾燥した。塩化カルシウム
(Cacl24H2O)を水に溶解し、95℃に加熱した水
溶液100部に前記精練ずみの絹紡屑10部をニーダ
を用いて撹拌溶解し絹フイブロイン溶液を製造し
た。次に、内径200μ、膜厚20μ、長さ500mmの再
生セルロース系中空糸を2000本束ね、これの両端
を中空穴を閉塞することなく集束固定(シール)
したホローフアイバー型の透析装置を用いて、前
記各溶解液を1/時間の割合で流入させて脱塩
し、フイブロイン水溶液を得た。この場合透析膜
表面積(cm2)/プライミング溶液(cm3)は100で
あつた。得られた各種フイブロイン水溶液の濃度
を5%に調整した。この溶液を出発原料にして第
3表に示す反応条件で改質を行つた。触媒として
過酸化水素を使用し、反応系は窒素置換しないで
撹拌反応せしめた。次いで該液を室温で100/sec
程度のずり変形速度を与えるように高速で撹拌し
た。2〜3時間撹拌を続けると次第に改質絹フイ
ブロインが析出し、ついには全体が小さなゲルの
集合体として固まつた。得られたゲルを水洗脱水
し、105℃で乾燥後ジエツトミルで5〜40μに粉
砕した。次いでこれを120℃の飽和蒸気で15分間
湿熱処理した。 本発明で得られた微粉末状絹フイブロインの熱
水不溶性フイブロインの割合(β構造率)は、い
ずれも50%以上であつた。又、X線回析での分析
で結晶化度はいずれも10%以上であつた。 結果を第3表に示す。
【表】 実施例 4 実施例1と同じ再生絹フイブロインを用い、第
4表に示す種々のジアルキルアミノエチルメタク
リレートを原料にして、実施例2と同様にして増
量改質を行つた。この場合、アルキル基がメチル
以外は水難溶性であるため、乳化剤としてポリオ
キシエチレンアルキルエーテルをモノマー量の2
%使用した。又、触媒は硫酸第2セリウムアンモ
ニウムをモノマーの5%使用した。結果を第4表
に示す。 同表から何れのジアルキルアミノエチルメタア
クリレートも良好な増量率、選択率及び色素吸着
量を示すことがわかる。たゞし、アルキル基が大
きくなるにつれて、次第に化粧品基剤としての性
能は低下する傾向にある。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 絹フイブロイン又は再生絹フイブロインに下
    記式 〔たゞしR1及びR2はアルキル基を表わし、R1
    びR2は同一でも異なる基でもよい。〕 で示されるN,N−ジアルキルアミノエチルメタ
    クリレート又はそれを主成分とする共重合体を固
    着せしめた絹フイブロイン。 2 絹フイブロインが粒子径0.1〜100μの微粉末
    状のものである特許請求の範囲第1項記載の絹フ
    イブロイン。 3 ジアルキルアミノエチルメタクリレートが絹
    フイブロイン又は再生絹フイブロインに対して
    0.5〜100%固着したものである特許請求の範囲第
    1項記載の絹フイブロイン。 4 ジアルキルアミノエチルメタクリレートが
    N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、
    又はN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレー
    トである特許請求の範囲第1項又は第3項記載の
    絹フイブロイン。 5 再生絹フイブロインが、その少なくとも50重
    量%が熱水不溶性のフイブロイン(β−型)によ
    り構成されているものである特許請求の範囲第1
    項記載の絹フイブロイン。 6 再生絹フイブロインが5万以上の平均分子量
    を有するものである特許請求の範囲第1項又は第
    5項記載の絹フイブロイン。 7 再生絹フイブロインが分子の配向が絹繊維の
    1/2以下で非繊維状である特許請求の範囲第1項、
    第5項又は第6項記載の絹フイブロイン。 8 再生絹フイブロインが少なくとも10%の結晶
    化度のものである特許請求の範囲第1項又は第5
    〜第7項記載の絹フイブロイン。 9 微粉末状の絹フイブロイン又は再生絹フイブ
    ロインの懸濁液にフイブロインに対して0.5〜100
    %のN,N−ジアルキルアミノエチルメタクリレ
    ートを添加混合し、N,N−ジアルキルアミノエ
    チルメタクリレートに対して0.1〜10%のラジカ
    ル重合触媒の存在下30〜100℃で反応せしめるこ
    とを特徴とする絹フイブロインの製造法。 10 再生絹フイブロインが、その少なくとも50
    %(重量)が熱水不溶性のフイブロイン(β−
    型)により構成されているものである特許請求の
    範囲第9項記載の絹フイブロインの製造法。 11 再生絹フイブロインが少なくとも10%の結
    晶化度のものである特許請求の範囲第9項又は第
    10項記載の絹フイブロインの製造法。 12 懸濁液が水懸濁液である特許請求の範囲第
    9項記載の絹フイブロインの製造法。 13 ラジカル重合触媒が過硫酸塩、過酸化水素
    又は過硼酸塩である特許請求の範囲第9項記載の
    絹フイブロインの製造法。 14 ラジカル重合触媒が過硫酸塩、過酸化水素
    又は過硼酸塩と亜硫酸塩とを組合せたレドツクス
    系触媒である特許請求の範囲第9項記載の微粉末
    状絹フイブロインの製造法。 15 ラジカル重合触媒が第2セリウムアンモニ
    ウム塩である特許請求の範囲第9項記載の絹フイ
    ブロインの製造法。 16 N,N−ジアルキルアミノエチルメタクリ
    レートがN,N−ジメチルアミノエチルメタクリ
    レート、又はN,N−ジエチルアミノエチルメタ
    クリレートである特許請求の範囲第9項記載の絹
    フイブロインの製造法。 17 絹繊維を溶解した絹フイブロイン水溶液に
    絹フイブロインに対して0.5〜100%のN,N−ジ
    アルキルアミノエチルメタクリレートを添加混合
    し、N,N−ジアルキルアミノエチルメタクリレ
    ートに対して、0.1〜10%のラジカル重合触媒の
    存在下30〜100℃で反応せしめた後、凝固析出せ
    しめ、引き続いて脱水乾燥、微粉末化することを
    特徴とする絹フイブロインの製造法。 18 水溶液がカルシウムもしくはマグネシウム
    の塩酸塩又は硝酸塩の水溶液である特許請求の範
    囲第17項記載の絹フイブロインの製造法。 19 水溶液が絹繊維をカルシウムもしくはマグ
    ネシウムの塩酸塩又は硝酸塩に溶解した水溶液を
    透析して得た2〜20重量%の絹フイブロイン水溶
    液である特許請求の範囲第17項又は第18項記
    載の絹フイブロインの製造法。 20 N,N−ジアルキルアミノエチルメタクリ
    レートがN,N−ジメチルアミノエチルメタクリ
    レート、又はN,N−ジエチルアミノエチルメタ
    クリレートである特許請求の範囲第17項記載の
    絹フイブロインの製造法。 21 ラジカル重合触媒が過硫酸塩、過酸化水
    素、もしくは過硼酸塩、又はこれらの塩と亜硫酸
    塩とを組合せたレドツクス系触媒又は第2セリウ
    ムアンモニウム塩である特許請求の範囲第17項
    記載の絹フイブロインの製造法。 22 反応後絹フイブロインの凝固性塩を添加混
    合し、絹フイブロインを凝固析出せしめる特許請
    求の範囲第17項記載の絹フイブロインの製造
    法。 23 凝固性塩が硫酸アンモニウム、硫酸ナトリ
    ウム又は塩化ナトリウムである特許請求の範囲第
    22項記載の絹フイブロインの製造法。 24 反応後速いずり変形速度で撹拌し絹フイブ
    ロインを凝固析出せしめる特許請求の範囲第17
    項記載の絹フイブロインの製造法。 25 ずり変形速度が50/sec以上である特許請
    求の範囲第24項記載の絹フイブロインの製造
    法。 26 脱水乾燥後50℃以上の飽和蒸気を施与し、
    引き続いて微粉末化する特許請求の範囲第17項
    記載の絹フイブロインの製造法。 27 乾燥前に50℃以上の硫安水溶液を施与し熱
    処理を行なつた後、乾燥、微粉末化する特許請求
    の範囲第17項記載の絹フイブロインの製造法。
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