JP2854687B2 - 染色絹フィブロイン粉末の製造法 - Google Patents

染色絹フィブロイン粉末の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は金コロイドで染色されていることを特徴とす
る染色絹フィブロイン粉末の製造方法に関する。
更に詳しくは発色性,耐光層,耐熱性に優れた顔料と
して用いることのできる染料絹フィブロイン粉末の製造
方法に関する。
(従来の技術と発明が解決しようとする課題) 顔料は、化粧料,塗料などに使用されているが、従来
は本発明で得られるようなワインカラー(赤紫色)を単
独で出せる顔料は知られていない。ワインカラーを作る
ためには、いくつかの顔料を混合して用いていた。従来
の顔料の中では本発明で得られる染料絹フィブロイン粉
末の色であるワインカラーに比較的近い赤紫系統の顔料
として、無機顔料ではウルトラマリンバイオレット(群
青),マンガンバイオレットが知られているが、酸・ア
ルカリに対する化学的安定性が悪いという欠点を有する
ものであった。また、有機顔料としては、天然系の紫根
やコチニールが知られているが、いずれも光や熱に対す
る安定性が悪いという欠点を有するものであった。
一方、特開昭62−299587号公報には金ヒドロゾルを用
いて繊維成形物を紫色に染色する技術が開示されている
が、織物,編物,不織布,紙および糸の染色方法に限定
されており、金ヒドロゾルを用いて粉体を染色し、ワイ
ンカラーの顔料を得る技術は確立されていなかった。
粉体染色の場合、粉体の粒度が1〜30μの範囲にある
微粉体の場合が特に好ましく、一方粗粉体の場合金コロ
イドの吸着性,発色性が劣る。その為に微粉体で染色す
る必要があるが、1〜30μの微粉体を金コロイドで染色
する場合、工業的な生産スケールでは、染色パウダーの
洗滌,脱水が布の目づまりで困難であったり、逆に
布の目が粗い場合パウダーが洩出して洗滌収率が極端に
低い等の問題がある。
本発明の目的は、発足がよく、耐熱性,耐光性等に優
れた化学的安定性の良い染色絹フィブロイン粉末を工業
的有利に製造する方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、前述の問題点に鑑み、鋭意研究を重ね
た結果、絹フィブロイン水溶液に、撹拌下カチオン界面
活性剤を含有する金ヒドロゾル水溶液を混合し、引続い
て絹フィブロインを凝固析出せしめ、次いで脱水乾燥後
粉砕する方法で得られた金コロイド染色絹フィブロイン
粉末が、鮮やかな赤紫色(ワインレッド)を呈すると同
時に前述問題点を解決することを見出し本発明を完成す
るに至った。
本発明は銅−エチレンジアミン水溶液,臭化リチウム
水溶液,カルシウム或いはマグネシウム又は亜鉛の塩酸
塩或いは硝酸塩の水溶液よりなる群から選ばれた少なく
とも1種の溶媒に精練絹原料を溶解後透析して得た3〜
20重量%の絹フィブロイン水溶液に、撹拌下カチオン界
面活性剤を含有する金ヒドロゾル水溶液を混合し、引き
続いて凝固性塩の混合,空気吹込み,等電点凝固,超音
波処理及び速いずり変形速度での撹拌の少なくとも1種
により染色絹フィブロインを凝固析出せしめ、次いで脱
水乾燥後粉砕することを特徴とする染色絹フィブロイン
粉末の製造法である。
本発明の絹フィブロイン水溶液は銅−エチレンジアミ
ン水溶液,臭化リチウム水溶液,カルシウム或いはマグ
ネシウム又は亜鉛の塩酸塩あるいは硝酸塩の水溶液より
なる群から選択された少なくとも一種の溶媒に絹繊維
(フィブロイン)を溶解後、透析して得た3〜30重量%
のフィブロイン水溶液である(参考、特公昭58−38449
号公報)。又これらの溶媒の濃度は使用する溶媒の種
類,温度等により異なるが金属塩等の濃度は通常10〜80
重量%、好ましくは20〜70重量%、特に好ましくは25〜
60重量%である。
本発明に使用する精練絹原料は、まゆ,生糸,まゆ
屑,生糸屑,ビス,揚り綿,絹布屑,ブーレット等を常
法に従い必要に応じ活性剤の存在下、温水中で又は酵素
の存在下温水中でセリシンを除去し乾燥したものを使用
する。
精練後の絹原料を前記水溶液よりなる溶媒に添加し、
温度60〜95℃、好ましくは70〜85℃でニーダーの如き装
置内で均一に溶解するが、液比は通常2〜50、好ましく
は3〜30である。
透析はセロファン膜に代表される透析膜や中空繊維を
使用した透析器を用い、前記の塩類等をほぼ完全に除去
する。ここでフィブロインのゲル体を安定に且つ迅速に
作成する為に、透析量と透析膜面積を調整する。即ち下
記式 を満足する多層膜構造物又は中空糸集束構造物を使用し
て脱塩を行なう(ここでプライミング容量とは透析チュ
ーブ又は膜間の内容積を示す)。上記数値が10未満の場
合、膜分離が行なわれないのみでなく続いて行う染色絹
フィブロインのゲル化工程で、安定なゲル体を生じず、
単に粘稠な沈澱物を作るにすぎない。特に本発明を円滑
に且つ経済的に行うために上記数値は、30以上が好まし
く、50以上が特に好ましい。該条件を満足させる為に
は、例えば多層膜構造物の場合、膜間隔を2mm以下に保
持する必要がある。又中空糸集束構造物(いわゆるホロ
ーファイバー型透析器)は、上記数値を満足するのによ
り好ましい透析膜であるが、この場合は中空糸の径を4m
m以下にする必要がある。
本発明方法に於いて得られた透析液は、残留塩濃度
が、0.003〜0.06重量%と極めて少なく、フィブロイン
の純度を極めて高く保持することが可能となる。
凝固染色工程に移される絹フィブロイン水溶液と金ヒ
ドロゾルの混合水溶液は、絹フィブロイン濃度にして3
〜20重量%、好ましくは4〜15重量%、特に好ましくは
5〜10重量%である。絹フィブロイン濃度が3重量%未
満では均一な染色ゲル体を作成せず又凝固時間が長くな
り非経済的となり、一方20重量%を越えると染色ゲル体
が固く続いて行なう脱水工程に於ける染色ゲル体よりの
脱水が非常に困難となる。
絹フィブロイン濃度を調整した絹フィブロイン水溶液
に撹拌下カチオン界面活性剤を含有する金ヒドロゾル水
溶液を混合した水溶液は引続いて凝固工程で染色ゲル化
される。
凝固析出の方法としては、混合水溶液に凝固性塩の混
合,空気吹込み,等電点凝固,超音波処理及び速いずり
変形速度での撹拌の少なくとも一種の方法により実施さ
れる。
凝固性塩を使用する場合は、例えば塩化ナトリウム,
塩化カリウム,硫酸ナトリウム、硫酸カリウム,硫酸ア
ンモニウム,硝酸ナトリウム及び硝酸カリウム等の濃厚
水溶液を混合撹拌して染色絹フィブロインゲルを析出さ
せる。濃厚水溶液の凝固性塩の濃度は混合水溶液との混
合液の濃度が通常5〜10重量%となるよう調整する。
空気吹込みは通常混合水溶液1に対し、通常0.1/
min以上の空気を吹込み、吹込時間は単位時間当りの空
気量により異なるが通常10分以上行なう。
等電点凝固は混合水溶液を撹拌しながら塩酸及び硫酸
等の無機酸、又は酢酸及びクエン酸等の有機酸を添加し
てPHを4.0〜4.5に調整し、通常室温で10分間以上行な
う。
超音波処理は超音波発生装置に混合水溶液を入れて、
撹拌しながら通常30KHz以上の超音波を通し、室温下1
時間以上行ない染色絹フィブロインゲルを凝固せしめ
る。
撹拌のみでも染色絹フィブロインゲルは析出するがこ
の場合速いずり変形速度で行わねばならず通常50/sec以
上、好ましくは100/sec以上のずり変形速度で実施す
る。撹拌時間は水溶液の濃度又はずり変形速度等により
異なるが通常1時間以上で染色ゲル化が行なわれる。
本発明に用いられる金ヒドロゾルは、濃厚なワインレ
ッド色を呈している塩化金酸などを原料とし、この水溶
液を水素化ホウ素ナトリウム,クエン酸ナトリウムなど
の水溶性還元剤で処理する従来方法で得られ、カチオン
界面活性剤は、この還元処理の前または後に添加され
る。
金ヒドロゾル中の金濃度は0.001〜0.1重量%の範囲が
好ましい。0.1重量%より多いと安定な金コロイドがで
きず沈澱が生じるため発色が好ましくないし、0.001重
量%より少ないと、染色時にはさらに希釈されるため染
め上がりの色が淡く実用的でない。
本発明に用いられるカチオン界面活性剤は、塩化ステ
アリルトリメチルアンモニウム等のアルキル四級アンモ
ニウム塩や塩化セチルピリジニウム等の環式四級アンモ
ニウム塩のような四級アンモニウム塩型で水溶性の界面
活性剤が適し、金ヒドロゾル中の濃度が0.001〜1重量
%の範囲で用いられる。
カチオン活性剤の金ヒドロゾル中の濃度が0.001重量
%未満の場合、凝固析出した絹フィブロインはほとんど
染色されていない。又1重量%を上回ってカチオン活性
剤が存在しても染色絹フィブロインの性能に有意差がな
く、かえって洗浄に時間に掛かるだけで経済的でない。
染色絹フィブロインの金吸着量は絹フィブロインに対
して0.05〜5.0重量%の範囲が実用的である。0.05%よ
り少ないとほとんど白色に近い顔料であるし、5.0%よ
り多いと暗紫色の染色絹フィブロイン粉末が得られ着色
顔料として評価が低い。
かくして得られた染色絹フィブロインゲルは濃厚で鮮
やかなワインレッドに染色されている0.5〜5mm径程度の
粗い粒状で析出し、微粉体染色の場合と違って続く洗
滌,脱水,乾燥工程を非常に容易にするものである。し
かも、染色液の金ヒドロゾルは絹フィブロインゲルに完
全に吸着されていて反応母液は完全に無色透明に変化し
ている。
得られた染色絹フィブロインゲル体は、固形分に対し
通常100〜500重量%程度にまで遠心脱水され、続いて行
なわれる乾燥により容易に乾燥状態にすることが出来
る。乾燥は、常圧又は減圧下で温度60〜120℃で行う。
斯くして得られた染色絹フィブロイン粉末は、引き続
きハンマーミルとかジェットミル等の粉砕機を使用する
ことにより微粉末化され、粒子径を1〜100μ、好まし
くは4〜80μ、特に好ましくは5〜30μに調整する。本
発明方法による微粉末状フィブロインは、ゲル化後脱水
乾燥して作成するものであり、それが為極めて微細な小
孔を有していると考えられる吸湿性並びに保水性が大き
い。ただこれが為、フィブロイン微粉末が使用に際し強
度に膨潤する欠点を有する場合がある。従って本発明に
於いては、得られた染色絹フィブロインを飽和蒸気下温
度50℃以上、特に80〜120℃で湿熱処理することが好ま
しい。該処理は、脱水乾燥後の粉末の段階で、又は粉砕
後の微粉末の段階で行うことが出来る。又、乾燥前に塩
化ナトリウム,塩化カリウム,硫酸ナトリウム,硫酸カ
リウム,硫酸アンモニウム,硝酸ナトリウム等の中性塩
の例えば50℃以上の熱水溶液或いはアセトン,アルコー
ル等の有機溶媒中で加熱することにより絹フィブロイン
の熱水不溶化を更に促進することができる。
本発明の微粉末状絹フィブロインは少なくとも50重量
%が熱水不溶性フィブロイン(β構造)であるが、50重
量%未満では親水性が極度に強く、又腐敗し易くなる。
更に、化粧品基剤として使用する場合にも粘着性が強
く、肌の感触も悪くなる。
尚、熱水不溶性フィブロイン(β構造)の測定は得ら
れた微粉末10g(絶乾量)を100℃の熱水1中で15分間
煮沸し、溶解せずに残った絹フィブロインを絶乾後秤量
し(Wgとする)次式により算出した。
(実施例) 以下、本発明の実施例を説明する。
実施例に示す部とは重量部を、結晶化度以外の%とは
重量%を意味する。
又、発色性(染まり具合)試験は染色終了後、染色絹
フィブロイン粉末を濾過した後の濾液が無色透明で、金
コロイドがすべて絹フィブロイン粉末に吸着し、かつ得
られた染色絹フィブロイン粉末の色相に色ムラのない場
合を○とした。濾液中に金コロイドが残って赤色を呈
し、得られた染色絹フィブロイン粉末に色ムラがあって
十分に染色することができなかった場合を×とした。
実施例1 絹フィブロイン原料として絹紡績屑を用いて、これの
100部をマルセル石けん30部,水3000部の溶液で95〜98
℃において3時間撹拌精練し、残膠を0.1%以下にまで
減少させ、水洗後80℃で熱風乾燥した。
塩化カルシウム(CaCl2・2H2O)100部に水100部を混
合して38重量%塩化カルシウム水溶液200部を調製して1
10℃に加熱した。これに精練ずみの絹紡屑40部をニーダ
を用いて5分間で撹拌しながら投入後、さらに30分間撹
拌し完全に溶解させた。
次に、内径200μ,膜厚20μ,長さ500mmの再生セルロ
ース系中空糸を2000本束ね、これの両端を中空穴を閉塞
することなく集束固定(シール)したホローファイバー
型の透析装置を用いて、前記溶解液を0.1/時間の割
合で流入させて脱イオン水を用いて透析し、絹フィブロ
イン水溶液を得た。該水溶液のフィブロイン濃度は6.5
重量%で、残留塩化カルシウムは0.001重量%であっ
た。
一方塩化金酸8.43部を第1表に示す金ヒドロゾルの金
イオン濃度に調整すべく100〜10000部の純水に溶解す
る。この塩化金酸水溶液250部に純水9150部を加え、撹
拌下に塩化ステアリルトリメチルアンモニウムの1%水
溶液100部を注入する。続いて水素化ホウ素ナトリウム
0.766部/500部水溶液500部を注入して10分間撹拌後放置
する。
こうして得られた金ヒドロゾルの金イオン濃度は0.00
1〜0.1重量%,界面活性剤濃度は0.01重量%となる。引
続き、先に調製した絹フィブロイン水溶液154部に金ヒ
ドロゾルを500部混合し、混合水溶液に100/sec以上のず
り変形速度を与えるように高速で撹拌した。
いずれの場合も撹拌を2〜3時間続けると、次第に金
ヒドロゾルから金コロイドを吸着した染色絹フィブロイ
ンゲルが析出し、ついに全体が小さなゲル粒子(結晶化
度13%,β構造率50%)の集合体として固まり水と分離
する。この際、離漿した母液(水)に金コロイドの存在
は全く見られず無色透明であった。この事から金ヒドロ
ゾル中の金コロイドは完全に絹フィブロインゲルに吸着
することが分る。
さらに高速撹拌を続け、次いで30%の濃厚硫安水溶液
を約40cc混合し、さらに1時間撹拌し蛋白のβ処理を行
なった結果、ゲル体は小さな粒子状に解砕された。次い
で、ゲル体を別し、水洗後105℃で2時間乾燥した結
果染色絹フィブロインの粗粉体が得られた。
得られた粗粒子を次いでジェットミルで粉砕し微粉末
を得た。該粗粉体及び微粉末の発色性(染まり具合),
結晶化度,熱水不溶性フィブロインの割合(β構造
率),染色絹フィブロイン粗粉体の量を第1表に示す。
得られた染色絹フィブロイン微粉末は第1表から明ら
かな如く、発色性に優れたものであった。又皮膚上での
付着性,伸展性,感触の極めて良好な粉末で、化粧料顔
料として好適であった。
比較例1 塩化金酸を溶解する純水の量を調節して、第2表に示
す金ヒドロゾルの金イオン濃度で染色した以外は実施例
1に準じて実施した。その結果を第2表に示す。
以上のように金ヒドロゾルが0.0005重量%の場合、金
イオンの対シルク量は0.05未満のため得られた微粉体は
全んど白色で染色絹フィブロインとは云えず、又0.20重
量%の場合金イオンの対シルク量は5.0%より多いため
得られた微粉体は暗紫色でいずれも着色顔料としては評
価の低いものであった。
実施例2 実施例1に準じて絹紡屑の精練を行ない絹フィブロイ
ン原料とした。
エチレンジアミン8%,水酸化銅6%の水溶液(銅−
エチレンジアミン溶液)100部に、乾燥した精練ずみの
前記紡績屑10部を室温で5分間で撹拌溶解し、溶解後直
ちに10%酢酸溶液でPH6.8に調整し、さらに水を加えて
絹フィブロインの10%溶液を製造した。
これを実施例1に準じて透析及び濃縮を行って30.0%
の絹フィブロイン水溶液を得た。
この絹フィブロイン水溶液の100部に実施例1に準じ
て製造した0.05重量%の金ヒドロゾルを第3表に示す混
合水溶液中の絹フィブロイン濃度になる量投入し、これ
を実施例1と同様に高速で撹拌して染色絹フィブロイン
微粉末を得た。その結果を第3表に示す。
比較例2 実施例2に準じて、混合水溶液の絹フィブロイン濃度
が1.0%の場合及び25%の場合で実施した。
絹フィブロイン濃度が1.0%の場合、10時間以上実施
例1と同様に激しく混合したがゲル状物は得られなかっ
た。又25%の場合得られた染色ゲル体は非常に固く大き
いもので撹拌によって解砕されないため洗滌が困難であ
った。
実施例3 実施例1に準じて絹紡屑の精練を行ない、絹フィブロ
イン原料とした。無水塩化亜鉛ZnCl2を水に溶解し、50
重量%水溶液を調製し70℃に加熱した。これの200部に
実施例1に準じて絹紡屑40部を投入溶解させ、さらに透
析及び濃縮を行って絹フィブロイン濃度10.0%の水溶液
を製造した。該水溶液150部に0.01重量%の金ヒドロゾ
ル500部を混合(対シルク金量0.33重量%,混合水溶液
の金イオン濃度0.00765重量%)し、ゆるやかに撹拌し
ながら (1) 0.1N硫酸を少量ずつ滴下しPHを4.5(等電点)
に調整して、室温で10分間処理した。
(2) 容器の内壁に30KHzの超音波発生装置を設置
し、室温下で1時間処理した。
(3) 水溶液中に0.1/minの割合でパイプで空気を
吹込み10分間処理した。
いずれの方法でも全体が小さな染色ゲルの集合体とし
ての1つのゲル状物として固まった。これを遠心脱水機
で除水し105℃で熱風乾燥後ジェットミルで5〜40μに
粉砕し、次いでこれを120℃の飽和蒸気で30分間湿熱処
理した。その結果を第4表に示す。
以上の方法で製造した3種の微粉末状絹フィブロイン
の化粧料用基剤としての物性を検討した。その結果、皮
膚上での付着性,伸展性,感触の極めて良好な粉末で、
化粧料顔料として好適であった。
実施例4 実施例1−(3)に準じ、金ヒドロゾル中の塩化ステ
アリルトリメチルアンモニウムの濃度を第5表のごとく
変化させて実施した。その結果を第5表に示す。
比較例3 実施例4に準じ、金ヒドロゾル中の塩化ステアリルト
リメチルアンモニウムの濃度を第6表のごとく変化させ
て実施した。その結果を第6表に示す。
以上のようにカチオン活性剤濃度が0.001未満の場合
金コロイドは全く再生絹フィブロインに吸着しない。又
1%を越えた場合、染色絹フィブロインの染着性,発色
性にそれ以下の場合と有意差がなく経済的でないことが
分る。
(発明の効果) 本発明の金コロイド染色微粉末状絹フィブロインは、
高純度で鮮明なワインレッド色を呈し且つ吸湿性,保水
性に優れているので化粧品添加剤,医薬品添加剤として
極めて有用な物であり又その製法上微細な小孔を有する
ので、各種吸着剤として医薬,衛生材料等にも好適に使
用することが出来る。
又、本発明の染色絹フィブロイン粉末は、その本質上
耐光性や耐熱性に優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 3/12 - 3/16 C08L 89/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銅−エチレンジアミン水溶液,臭化リチウ
    ム水溶液,カルシウム或いはマグネシウム又は亜鉛の塩
    酸塩或いは硝酸塩の水溶液よりなる群から選ばれた少な
    くとも1種の溶媒に精練原料を溶解後透析して得た絹フ
    ィブロイン水溶液に、撹拌下カチオン界面活性剤を含有
    する金ヒドロゾル水溶液を混合し、引き続いて凝固性塩
    の混合,空気吹込み,等電点凝固,超音波処理及び速い
    ずり変形速度での撹拌の少なくとも1種により染色絹フ
    ィブロインを凝固析出せしめ、次いで脱水乾燥後粉砕す
    ることを特徴とする染色絹フィブロイン粉末の製造法。
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