JP3192523B2 - メークアップ化粧料 - Google Patents

メークアップ化粧料

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JP3192523B2
JP3192523B2 JP12011293A JP12011293A JP3192523B2 JP 3192523 B2 JP3192523 B2 JP 3192523B2 JP 12011293 A JP12011293 A JP 12011293A JP 12011293 A JP12011293 A JP 12011293A JP 3192523 B2 JP3192523 B2 JP 3192523B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メークアップ化粧料に
関し、詳しくは、特定のコア−シェル構造の樹脂を配合
した、耐水性、耐油性が良好で、特に耐摩擦性、対物付
着性に優れたメークアップ化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】メークアップ化粧料は、一般に、皮膚上
に塗布し化粧膜を形成するというかたちで使用される
が、この化粧膜は皮膚内部からの発汗や皮脂の分泌作
用、外部からの雨、雪、海水等の水分、手や衣服との摩
擦力などに影響されやすく、これによって起こる化粧く
ずれが大きな問題となっている。特に、近年において
は、テニスやゴルフなどのスポーツ活動が盛んになり、
普段の動作で化粧くずれしないだけでなく、スポーツ時
の使用にも十分耐え得る、つまり多くの発汗や皮脂の分
泌に耐え、且つ大きな摩擦力にも耐えて、化粧くずれを
せず、対物付着のないメークアップ化粧料が望まれてい
る。
【0003】例えば、メークアップ化粧料の剤型は、水
中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、非水系、
水系、粉体系と種々あるが、皮膚上で化粧膜を形成する
主な成分は、水溶性高分子、オイル、ワックス、界面活
性剤等の油剤、粉体、多価アルコール等であり、これら
の成分で構成される化粧膜の耐水性、耐油性を向上さ
せ、物理的な耐摩擦性に優れるメークアップ化粧料を提
供するという様々な試みがされてきた。このような試み
として、系を油中水型エマルジョンあるいは非水系に
することにより親水性成分を減少させる、界面活性剤
を用いない、粉体表面を改質し撥水性を持たせるなど
の手段が挙げられる。
【0004】一方、アイライナー、マスカラなどのアイ
メークアップ化粧料を中心として、耐摩擦性向上のため
に樹脂エマルジョンを配合した化粧料がいくつか開示さ
れている。当初の眉墨(特開昭48−36347号)、
マスカラ(特開昭50−125043号)等に樹脂エマ
ルジョンを配合するものでは、樹脂エマルジョンの種類
は特に限定されておらず、ポリ塩化ビニル系、ポリアク
リル酸系、ポリ酢酸ビニル系の種々の樹脂エマルジョン
が取り上げられている。。
【0005】また、最近では、より研究が進み、広くメ
ークアップ化粧料を対象として、樹脂エマルジョンの種
類を限定して、例えばアクリル系ポリマーエマルジョン
(特開昭62−106006号)、スチレン−アクリル
酸エステル共重合樹脂エマルジョン(特開平1−203
313号)、アクリル系化合物の共重合物又はアクリル
系化合物を主体とするその他の重合性化合物である水系
無乳化剤重合樹脂エマルジョン(特公昭60−9692
号)、ポリマー粒子が組成が異なる少なくとも二層から
なる多層構造を有する水性複合ポリマーエマルジョン
(特開平4−103510号)等をメークアップ化粧料
に配合して耐摩擦性の向上を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
系を油中水型エマルジョンあるいは非水系にしたもので
は、耐水性は良いものの耐皮脂性が劣る、界面活性剤を
用いないものでは、皮膚へのなじみが悪いため使用性が
悪い、粉体表面を改質し撥水性を持たせたものでは耐摩
擦性が弱い等、各々に問題点を抱えている。
【0007】また、耐摩擦性向上のために樹脂エマルジ
ョンを配合した化粧料でも、各々耐摩擦性に対してある
程度の効果は示すものの、多量の皮脂の存在下で十分な
耐摩擦性を有するものはいまだ得られていない。それば
かりかこれら樹脂エマルジョンを配合した化粧料では、
つっぱり感や厚みなどの被膜感があるというように化粧
料で重視される使用感に劣る、さらに化粧膜を落とすと
きには、溶剤系の専用のクレンジングやコットン、ティ
ッシュで拭き取る等の物理的な力が必要になり、面倒
で、皮膚に対する刺激も大きいという問題もある。
【0008】本発明は、上記問題点を克服するために、
耐水性、耐油性が良好で、特に耐摩擦性に優れ、化粧も
ちがよく、対物付着性が少ないこと、使用性、使用感が
良好であること、更に溶剤などの特殊クレンジング料を
用いないで、アニオン性洗浄料、例えば一般的なアルカ
リ石鹸などでも簡単に洗い流せ、皮膚に負担をかけずに
すむメークアップ化粧料を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、特定の共重合体
成分からなるコア−シェル構造の樹脂をメークアップ化
粧料に配合することにより、耐水性、耐油性が良好で、
特に耐摩擦性に優れ、化粧もちが良く、対物付着性が少
なく、かつ使用性、使用感が良好であり、さらに簡単に
洗い流せ、皮膚に対する負担の少ないメークアップ化粧
料が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】すなわち本発明は、アクリル酸エステル及
び/又はメタアクリル酸エステルを主成分モノマーとす
る共重合体からなるコア部と、このコア部を被覆し、ス
チレン及び/又はα−メチルスチレンと、アクリル酸、
メタアクリル酸及びこれらのエステルから選ばれる1種
又は2種以上とを主成分モノマーとする共重合体からな
り、且つコア部よりガラス転移点が高いシェル部とを有
する樹脂を配合したメークアップ化粧料である。以下、
本発明を詳細に説明する。
【0011】<1>本発明に用いる樹脂 本発明に用いる樹脂は、アクリル酸エステル及び/又は
メタアクリル酸エステルを主成分モノマーとする共重合
体からなるコア部と、このコア部を被覆し、スチレン及
び/又はα−メチルスチレンと、アクリル酸、メタアク
リル酸及びこれらのエステルから選ばれる1種又は2種
以上とを主成分モノマーとする共重合体からなり、且つ
コア部より高いガラス転移点を有するシェル部からなる
コア−シェル構造を有する樹脂である。
【0012】本発明の樹脂のコア部における主成分モノ
マーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソ
ブチルアクリレート、ターシャリーブチルアクリレー
ト、ベンジルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オ
クチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、メトキシアクリレ
ート、エトキシアクリレート、ブトキシアクリレート、
オクチルアクリレート等のアクリル酸エステル、メチル
メタアクリレート、エチルメタアクリレート、プロピル
メタアクリレート、ブチルメタアクリレート、イソブチ
ルメタアクリレート、ターシャリーブチルメタアクリレ
ート、ベンジルメタアクリレート、ヘキシルメタアクリ
レート、オクチルメタアクリレート、2−エチルヘキシ
ルメタアクリレート、ラウリルメタアクリレート、ステ
アリルメタアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタア
クリレート、メトキシメタアクリレート、エトキシメタ
アクリレート、ブトキシメタアクリレート、オクチルメ
タアクリレート等のメタアクリル酸エステルの1種又は
2種以上が挙げられる。
【0013】一方、本発明の樹脂のシェル部は、スチレ
ン及び/又はα−メチルスチレン(以下、「スチレン系
モノマー」という)からなる第1の必須成分と、アクリ
ル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル及びメタア
クリル酸エステルから選ばれる1種又は2種以上(以
下、「アクリル系モノマー及び/又はメタアクリル系モ
ノマー」という)からなる第2の必須成分とを主成分モ
ノマーとする共重合体である。更に、このシェル部を構
成する共重合体は、ガラス転移点がコア部を形成する共
重合体のガラス転移点より高いことが望ましく、これ
は、コア部或いはシェル部の主成分モノマーの種類、配
合比等を変えることで調整することができる。
【0014】また、本発明の樹脂において、コア部、シ
ェル部ともに上記主成分モノマー以外に配合される、あ
るいは一部置換可能な副成分モノマーとしては、アクリ
ルアミド、メタアクリルアミド、スチレンスルフォン
酸、カルボキシ含有エチレン性不飽和酸−無水マレイン
酸、クロトン酸、イタコン酸、けい皮酸等の1種又は2
種以上が挙げられる。さらにコア部には、アクリル酸及
び/又はメタアクリル酸を配合あるいは副成分モノマー
として用いてもよい。
【0015】本発明の樹脂においては、コア部を構成
する共重合体とシェル部を構成する共重合体のガラス転
移点の関係、シェル部を構成するスチレン系モノマー
と、アクリル系モノマー及び/又はメタアクリル系モノ
マーとの重量比、シェル部を構成するモノマーとコア
部を構成するモノマーの重量比率、及び樹脂の酸価
が、化粧料に配合したときの被膜の耐水性、耐摩擦性に
大きく影響する。
【0016】上記樹脂を化粧料に配合した場合の被膜特
性は、樹脂のコア部とシェル部を合わせた樹脂全体の平
均分子量と、コア部、シェル部及び樹脂全体のガラス転
移点と、シェル部のモノマー組成との相互作用により左
右される。適度な被膜特性を有し、使用感の良い化粧被
膜を得るためには、コア部とシェル部を合わせた樹脂全
体の平均分子量は、1万〜100万であることが好まし
く、またシェル部のガラス転移点がコア部より高く、且
つ樹脂全体のガラス転移点は−10〜100℃であるこ
とが好ましく、更に好ましくは−10〜50℃であり、
一方、シェル部のスチレン系モノマーの重量と、アクリ
ル系モノマー及び/又はメタアクリル系モノマーの重量
の比は、30:70〜80:20の範囲にあることが好
ましい。
【0017】樹脂全体の平均分子量が1万未満、あるい
はガラス転移点が−10℃未満では、化粧料が柔らかく
なりすぎ、被膜強度が弱く、耐摩擦性が悪くなる、また
使用感においてべたつきを生じ、好ましくない。また、
樹脂全体の平均分子量が100万を越え、かつ、ガラス
転移点が100℃越えると化粧被膜はポロポロにな
り、皮膚に密着し難く、又密着しても被膜が固く、使用
感においてつっぱりや被膜感を生じ、かつ耐摩擦性も悪
くなる。更に、コア部のガラス転移点がシェル部のそれ
より高くなると、耐摩擦性が悪くなり、対物付着性が増
し、化粧もちも低下する。
【0018】一方、シェル部のスチレン系モノマーと、
アクリル系モノマー及び/又はメタアクリル系モノマー
との重量比が30/70より小さくなると、適度な被膜
強度を有しながら使用感も良い化粧被膜を作るという作
用が低下し、反対に重量比が80/20を越えると、化
粧被膜はポロポロとなり、皮膚に密着し難く、また密着
しても被膜が固く、使用感においてつっぱり感を生じや
すくなる。
【0019】次に、シェル部の樹脂とコア部の樹脂との
重量比は、好ましくは99:1〜1:99、さらに好ま
しくは10:90〜50:50である。また、シェル部
の樹脂の酸価は60〜350であることが好ましく、且
つコア部とシェル部を合わせた樹脂の総酸価は、好まし
くは10〜350、さらに好ましくは10〜150であ
る。シェル部の樹脂の酸価が60未満、あるいは樹脂の
総酸化が10未満であると、この樹脂を含む化粧料を石
鹸で洗い落とすことが困難になる。また、シェル部の酸
価、あるいは樹脂の総酸価が350を越えると耐水性が
悪くなる。
【0020】この酸価決定が、石鹸による化粧被膜の落
としやすさを左右する。上記範囲を満足する樹脂を用い
れば、従来、化粧もちを良くするために用いられている
樹脂を用いた場合に比べ、耐水性、耐摩擦性に優れ、特
殊なクレンジング料を用いなくても容易にアニオン性洗
浄料、例えば一般的なアルカリ石鹸で洗い落とせるメー
クアップ化粧料が得られる。
【0021】次に本発明に用いる樹脂の製造方法の一例
を説明する。本発明に用いる樹脂は、コア−シェル構造
を有する樹脂であり、シェル部の製造及びコア部の製造
の2段階により、前記樹脂を分散相とする樹脂エマルジ
ョンとして得られる。
【0022】まず第1工程として、スチレン系モノマー
と、アクリル系モノマー及び/又はメタアクリル系モノ
マーとを主成分モノマーとして、必要に応じて副成分モ
ノマー、溶媒、重合開始剤を加え、通常の方法で反応さ
せ、熟成、冷却させた後、濾過して共重合体のみを取り
出し、それをアンモニア水溶液等で中和することにより
シェル部の水溶液を得る。
【0023】溶媒としては、イソプロピルアルコール等
が、重合開始剤としてはベンゾイルパーオキサイド等が
挙げられる。また反応は、例えば80℃で3時間程度混
合すればよい。
【0024】次に、第2工程として、アクリル酸エステ
ル及び/又はメタアクリル酸エステルを主成分モノマー
として、必要に応じて副成分モノマーを加え、さらにシ
ェル部の樹脂水溶液と重合開始剤を加え、通常の乳化重
合を行い、熟成、冷却することにより本発明の樹脂が得
られる。こうして生成される樹脂は、これを分散相とす
るエマルジョンとして得られるので、そのまま、あるい
は濾過後他の溶媒のエマルジョンとしてメークアップ化
粧料に配合することができる。
【0025】<2>本発明のメークアップ化粧料 本発明のメークアップ化粧料は、上記樹脂を、好ましく
は化粧料全量に対し1〜60重量%配合したものであ
る。樹脂エマルジョンとして用いる場合は、有効樹脂量
が1〜60重量%となるように配合することが好まし
い。配合量がこの範囲よりも少ないと、所期の耐水性、
耐油性、耐摩擦性等が期待できず、この範囲よりも多す
ぎると化粧料として経日安定性が保てないことがある。
【0026】本発明のメークアップ化粧料としては、例
えば、乳液状、クリーム状、水性ゲル状等の下地料の他
に、ファンデーション、コントロールカラー等の仕上げ
料を挙げることができる。これらの化粧料は、上記樹脂
を配合する以外は、通常の化粧料と同様の方法で製造す
ることができる。
【0027】また、本発明のメークアップ化粧料には、
被膜の柔軟性を調節するためあるいは皮膚との密着性を
高める目的で、多価アルコールを、多価アルコールと樹
脂との比率が1:99〜70:30となるように配合す
ることが好ましい。この比率が1:99未満であると皮
膚との密着性を高める作用が期待できない。また、この
比率が70:30を越えると被膜が柔らかくなりすぎ、
被膜強度が低下し耐摩擦性が悪くなる。
【0028】さらに、本発明のメークアップ化粧料は、
上記多価アルコールと同様な目的で、非イオン性界面活
性剤を、前記樹脂エマルジョンの有効樹脂成分量に対
し、1〜30重量%で配合することが好ましく、更に好
ましくは5〜20重量%で配合することが望ましい。こ
の配合量が1%未満であると皮膚への密着性を高める作
用が期待できない。また配合量が30%を越えると被膜
強度が低下し、耐水性、耐摩擦性が悪くなる。
【0029】上記非イオン性界面活性剤は、HLBが5
以上であり、水に分散するか、あるいは溶解する性質を
持つことが好ましい。このような非イオン性界面活性剤
には、例えば、ポリオキシエチレン(4.2)ラウリル
エーテル、ポリオキシエチレン(7)オレイルエーテ
ル、ポリオキシエチレン(5)ノニルフェニルエーテ
ル、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(10E.
O.)、ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油、さ
らにはポリ変成シリコーン等が挙げられる。
【0030】また、本発明の化粧料には、化粧料一般に
使用される各種成分、例えば水性成分、油性成分、粉末
成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、色剤、香料、抗酸
化剤、pH調整剤、キレート剤、防腐剤、あるいは紫外
線防御剤、抗炎症剤、美白剤を配合することができる。
【0031】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。なお、
以下に用いる配合量は、全て重量%である。
【0032】はじめに、本発明の実施例に用いる樹脂エ
マルジョンの製造例を以下に示す。
【0033】
【製造例】シェル部の原料モノマーであるスチレン30
g、α−メチルスチレン10g、メタアクリル酸40
g、メタアクリル酸メチル20gイソプロピルアルコ
ール100g、ベンゾイルパーオキサイド1gを80℃
に保ちながら3時間混合し重合反応させた。これを熟
成、冷却後、濾過し共重合体を取り出した。この共重合
体に、25%アンモニア水溶液16gと水200gを加
え、中和後、更に90℃で2時間撹拌混合した。これを
冷却して、シェル部の水溶液とした。
【0034】上記シェル部の水溶液に、コア部の原料モ
ノマーであるアクリル酸メチル50g、メタアクリル酸
ブチル50gと過硫酸アンモニウム1gと水200gを
加え、90℃で10時間撹拌して重合反応させた。これ
を熟成、冷却後、濾過し、コア−シェル構造の樹脂エマ
ルジョンを得る。
【0035】こうして得られた樹脂は、平均分子量30
万、シェル部酸価262、総酸価130、ガラス転移点
はコア部で7℃、シェル部では20℃であった。これを
以下の評価及び実施例に用いた。
【0036】一方、比較例として、平均分子量40万、
総酸価360、ガラス転移点3℃のエマルジョンを、以
下のようにして製造した。以下、これを比較例エマルジ
ョンという。
【0037】スチレン10g、2−エチルヘキシルアク
リレート44g、アクリル酸46g、アニオン活性剤
1.5g、水100g、過硫酸アンモニウム1.5gを
混合撹拌し、90℃に保ちながら3時間重合反応させ
た。熟成冷却後濾過し、比較例エマルジョンを得た。
【0038】更に、他の比較例として、水性複合ポリマ
ーを特開平4−10351号公報の合成例1に準じて製
造した。以下、これを水性複合ポリマーエマルジョンと
いう。
【0039】<樹脂エマルジョンの評価>上記製造例の
樹脂エマルジョンの被膜特性を、耐水・耐摩擦性、耐皮
脂・耐摩擦性、対物付着性、感触(柔軟性)、使用性
(皮膚への密着性)、化粧の落とし易さの観点から評価
した。評価は、上記樹脂エマルジョンと、顔料として1
0重量%の混合粉体とを含む試料組成物を用いて行っ
た。
【0040】また、一般に使用されている被膜形成剤及
び上記水性複合ポリマーエマルジョンの被膜特性を、上
記製造例の樹脂エマルジョンと同様にして評価した。
【0041】(1)耐水性・耐摩擦性 各試料を皮膚に塗布し、20分後に流水で皮膚をぬらし
た。その直後、白色ティッシュで5回、一定の強さで擦
り、ティッシュへの着色度合いを付着量として官能評価
した。
【0042】(2)耐皮脂・耐摩擦性 各試料を皮膚に塗布し、20分後に人工皮脂を皮膚に塗
布した。その直後、白色ティッシュで5回、一定の強さ
で擦り、ティッシュへの着色度合いを付着量として官能
評価した。
【0043】(3)対物付着性 各試料を皮膚に塗布し、20分後に白色綿布で5回、一
定の強さで擦り、綿布への着色度合いを付着量として官
能評価した。尚、対物付着性がよいとは、対物付着が少
ないことをいう。
【0044】(4)感触(柔軟性) 試料を皮膚に塗布した直後から20分後までのつっぱり
感や被膜感を官能評価した。
【0045】(5)使用性(皮膚への密着性) 試料を皮膚に塗布した時の、乾燥速度や皮膚へのなじみ
を含めた塗布のし易さを官能評価した。
【0046】(6)化粧の落とし易さ 試料を皮膚に塗布し、20分後に石鹸を用いて洗浄した
時の落し易さを官能評価した。
【0047】上記各試験につき、女性パネラー10名が
下記基準による官能評価を行った結果を表1に示す。 ◎ : 極めて良好 ○ : 良好 △ : 普通 × : 不良
【0048】
【表1】 この結果から、本発明に用いる樹脂エマルジョンを用い
た化粧料は、耐水耐摩擦性、耐皮脂耐摩擦性、対物付着
性、感触、使用性に優れ、石鹸により簡単に洗い流せる
ことが明らかである。
【0049】次に、上記製造例で得られた樹脂エマルジ
ョンを使用した本発明のメークアップ化粧料の実施例を
説明する。
【0050】
【実施例1】 水系ファンデーション 表2に示す成分を用いて以下の方法で水系ファンデーシ
ョンを製造した。精製水にモノオレイン酸ポリエチレン
グリコール(10E.O.)を溶解し、これに顔料を分
散混合し、コロイドミルを用いて均一に粉砕、分散させ
た。これに1,3−ブチレングリコール、グリセリン及
び増粘剤を添加し、撹拌混合しながら製造例の樹脂エマ
ルジョン、防腐剤、香料を添加し、均一になるまで混合
した。
【0051】同様にして、製造例樹脂エマルジョンの替
わりに、有効樹脂量30重量%のシリコーン・アクリル
樹脂エマルジョンを用いた比較例1の水系ファンデーシ
ョン、有効樹脂量50重量%の比較例エマルジョンを用
いた比較例3の水系ファンデーション、有効樹脂量35
重量%の水性複合樹脂エマルジョンを用いた比較例4の
水系ファンデーション及び製造例樹脂エマルジョンを好
ましい配合量の範囲外で配合した比較例2の水系ファン
デーションを製造した。
【0052】
【表2】
【0053】
【実施例2】 リキッドアイライナー 次に、本発明のメークアップ化粧料として、リキッドア
イライナーを説明する。
【0054】表3Bの成分を予め加熱、溶解し、それに
加熱、溶解したCの成分を混合した。これに、3本ロー
ルを用いて混合、分散したA成分を均一になるまで混合
し、次いで撹拌混合しながらD成分である樹脂エマルジ
ョンを添加して均一になるまで混合した。
【0055】
【表3】
【0056】<本発明のメークアップ化粧料の評価>上
記で得られた各実施例及び比較例のメークアップ化粧料
について、上記製造例の樹脂エマルジョンの評価方法と
同様の方法で評価した。結果を表2、3の最下欄に示し
た。
【0057】この結果から明らかなように、実施例1の
化粧料は、耐水・耐摩擦性、耐皮脂・耐摩擦性、対物付
着性に優れており、感触も非常に良く、使用性にも優
れ、さらに石鹸による落し易さも非常に良いものであっ
た。また、実施例2の化粧料についても、全ての試験に
おいて良好な評価が得られた。
【0058】
【発明の効果】本発明のメークアップ化粧料は、耐水
性、耐油性、耐摩擦性、対物付着性に優れ、化粧持ちが
よく、使用性、使用感が良好である。また、溶剤などの
特殊クレンジング料を用いなくても、アニオン性洗浄
料、例えば一般的なアルカリ石鹸などでも簡単に洗い流
すことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI(DIALOG)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル酸エステル及び/又はメタアク
    リル酸エステルを主成分モノマーとする共重合体からな
    るコア部と、このコア部を被覆し、スチレン及び/又は
    α−メチルスチレンと、アクリル酸、メタアクリル酸及
    びこれらのエステルから選ばれる1種又は2種以上とを
    主成分モノマーとする共重合体からなり、且つコア部よ
    りガラス転移点が高いシェル部とを有する樹脂を配合し
    たメークアップ化粧料。
  2. 【請求項2】 前記樹脂のシェル部において、スチレン
    及び/又はα−メチルスチレンの重量と、アクリル酸、
    メタアクリル酸及びこれらのエステルから選ばれる1種
    又は2種以上の重量の比が30:70〜80:20であ
    ることを特徴とする請求項1記載のメークアップ化粧
    料。
  3. 【請求項3】 前記樹脂のシェル部の酸価が60〜35
    0であり、コア部とシェル部を合わせた樹脂全体の酸価
    が10〜350であることを特徴とする請求項1又は2
    記載のメークアップ化粧料。
  4. 【請求項4】 前記樹脂のガラス転移点が−10〜10
    0℃であり、平均分子量が1万〜100万であることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のメーク
    アップ化粧料。
  5. 【請求項5】 前記樹脂の配合量が、化粧料全量に対し
    て1〜60重量%であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか一項に記載のメークアップ化粧料。
  6. 【請求項6】 多価アルコールを、多価アルコールと前
    記樹脂との比率が1:99〜70:30で配合したこと
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のメー
    クアップ化粧料。
  7. 【請求項7】 前記樹脂に対して1〜30重量%の非イ
    オン性界面活性剤が配合されたことを特徴とする請求項
    1〜6のいずれか一項に記載のメークアップ化粧料。
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