JP4881155B2 - 絹フィブロインフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、可塑剤を含有する絹フィブロインフィルム及び絹フィブロイン糸、並びにその製造方法に関するものである。また、本発明は、非晶形及びα型結晶の絹フィブロインフィルム及び絹フィブロイン糸の製造方法に関するものである。
蚕が作る繭糸はフィブロインとセリシンの2種のタンパク質から構成される。繭糸中のセリシンを高温水洗浄等により除去して得られる絹フィブロインは、塩化カルシウムの高濃度水溶液等に溶解することが知られており(例えば、特許文献1参照。)、この絹フィブロイン溶液から絹フィブロインフィルムや絹フィブロイン糸が製造される。
天然由来の絹フィブロインは、既に人体に対する安全性が確認されており、また、絹フィブロインフィルムは、結晶化させることにより強度を増すため、例えば、コンタクトレンズ、人工皮膚、かつら、発汗用衣料等に利用されている(例えば、特許文献2〜4参照。)。
フィブロインには、非晶形(ランダムコイル型ともいう。以下同様。)、並びにα型及びβ型の結晶形が知られている。非晶形のフィブロインは、一般に、結晶に相当する規則構造が形成されておらず、X線解析によって結晶ピークが観測されない状態のものと考えられている。α型及びβ型の結晶形については、蚕体内より絹糸の原料となるフィブロインを貯蔵している絹糸腺を取り出し、絹糸腺内の液状絹を乾燥固化させるときの条件によって、フィブロインには2つの結晶型が存在することが知られている(例えば、非特許文献5参照)。α型結晶は、a=4.59Å、b=7.20Å、c=9.08Å(繊維軸)の斜方晶系に属し、分子鎖は4回のゆるいラセン構造をとり、分子内水素結合によって安定化している(例えば、非特許文献6参照)。またβ型結晶は、a=9.3Å、b=9.44Å、c=6.95Å(繊維軸)の斜方晶系に属し、隣接する分子鎖間に水素結合が生じてシート状構造をとり安定化している(例えば、非特許文献7参照)。
β型結晶は通常の絹繊維に見られる構造であり、α型結晶に比べて安定である。また、α型結晶は、アルコールなどの極性溶媒に浸漬することで容易にβ型結晶へ転移するが、β型結晶からα型結晶への転移については報告されていない。
絹フィブロインのα型結晶の製造方法としては、カイコの絹糸腺を解体分離して腺内の液状絹を取り出し、濃度約25%の液状絹フィブロイン水溶液を調製し、20℃で濃度20%未満のメタノール水溶液に該水溶液を投入・凝固して凍結乾燥させることによって製造することができる(非特許文献1)。しかしながら、再生絹からα型結晶を製造する方法は今までのところ知られていない。
絹フィブロインフィルムをβ型に結晶化させる方法としては、例えば、(I)エタノール処理する方法(例えば、非特許文献1参照。)、(II)熱処理する方法(例えば、非特許文献2参照。)が知られている。
しかしながら、上記(I)の方法では、結晶化が急激に進行するため、該フィルムの結晶化度の調節は不可能である。また、該フィルムの歪みに伴う変形が生じ、均質な該フィルムの大量供給が困難である。上記(II)の方法は、該フィルムをガラス転移点(約175℃)まで加熱する必要があるため、絹フィブロインの分解、及び、該フィルムの劣化が同時に進行するという欠点を有している。
また、β型に結晶化させた絹フィブロインフィルムは、柔軟性を失って、硬く脆いという欠点を有している。かかる欠点を解消する方法として、(i)エタノールや水を該フィルムに添加して、柔軟性を得る方法、(ii)絹フィブロイン溶液にグリセリンを添加した後に製膜、結晶化して、柔軟性を得る方法(例えば、非特許文献3参照。)が知られている。
しかしながら、上記(i)の方法で得られるフィルムは、添加したエタノールや水が容易に揮発し、かえって柔軟性を失って脆性なものとなってしまい、長期間柔軟性を確保することが困難となる。上記(ii)の方法で得られるフィルムは、グリセリンが絹フィブロインの結晶化を阻害するため(例えば、非特許文献4参照。)、絹フィブロインフィルムを20%以上結晶化させることが困難であり、十分な強度が得られない。また、絹フィブロイン溶液に添加したグリセリンは、相分離して液滴状となり、光を散乱させるため、かかる溶液から製造したフィルムは白濁し透明感を失ってしまう。さらに、グリセリンの添加量を10%以上に増やすとシート状のβ型結晶に加え、コイル状のα型結晶が生成するため(例えば、非特許文献4参照)、該溶液から製造された絹フィブロインフィルムの力学特性は低下すると考えられる。
特開平7−173192号公報 特開昭63−246169号公報 特開平1−118545号公報 特開平11−70160号公報 馬越淳,「絹フィブロインの転移機構」,高分子論文集,Vol.31,765−770,1974 J.Magoshi and Y.Magoshi,"Physical properties and structure of silk",J.Polym.Sci.,Vol.15,1675−1682,1977 平出真一郎,「絹フィブロインフィルムの柔軟化」,日本蚕糸学雑誌,Vol.66,138−140,1997 陸旋ら,「積層絹シートの柔軟性」,日本蚕糸学雑誌,Vol.65,81−85,1996 清水正徳,蚕糸試報,10,475,1941 小西 孝,続絹糸の構造(北條舒正編),信州大学繊維学部,269,1980 J.O.Warwicker,J.Mol.Biol.,2,350,1960 河原豊,「乾繭条件の異なる家蚕生糸の乾熱及び湿熱処理による構造変化」,日本蚕糸学雑誌,Vol.66,355−356,1997 河原豊,田村英利,「高温高圧水精練した天蚕絹糸の物性」,日本蚕糸学雑誌,Vol.69,377−379,2000
本発明の目的は、主として、柔軟性と十分な強度を併せ持つ、新規な絹フィブロインフィルム及び絹フィブロイン糸を提供することにある。また、本発明の目的は、このような絹フィブロインフィルム及び絹フィブロイン糸を製造するための新規な製法を提供することにある。さらに、本発明の目的は、非晶形及びα型結晶の絹フィブロインフィルム及び絹フィブロイン糸の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を非晶形又はα型に結晶化させた後に、グリセリン等の可塑剤を浸透させることにより、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成した。
本発明としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)結晶化度が25〜50%である、可塑剤を2〜30重量%含む絹フィブロインフィルム(以下「本発明フィブロインフィルム」という)又は絹フィブロイン糸(以下「本発明フィブロイン糸」という)、
(2)可塑剤を含有する水溶液中に、非晶形又はα型結晶の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を浸漬させることを特徴とする、可塑剤を含有する絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法、
(3)非晶形の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸に、水又は結晶化促進剤を含有する水溶液から生じる蒸気を接触させることを特徴とする、α型結晶の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法、
(4)絹フィブロイン溶液から、絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を製造する方法であって、減圧下室温以下で乾燥することを特徴とする、非晶形又はα型結晶の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法、
本発明において「絹フィブロイン」とは、家蚕であるか、野蚕であるかを問わず、繭糸からセリシンを除去したものをいう。セリシンを含有しない絹フィブロインが好ましいが、セリシンを完全に除去するのは困難であるため、5重量%以下のセリシンを含有するものであっても本発明に使用することができる。
本発明において「絹フィブロインフィルム」とは、絹フィブロインをフィルム状に加工したものをいう。なお、絹フィブロインフィルムには、該フィルムの片面又は両面に接着剤等を付したテープも含まれる。
本発明において「絹フィブロイン糸」とは、絹フィブロインを糸状に加工したものをいう。
本発明において「可塑剤」とは、絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸に柔軟性を付与することができるものをいう。該フィルム又は該糸に柔軟性を付与することができるものであれば特に限定されないが、例えば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ベタイン、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライド、ポリグリセリンを挙げることができる。この中で、グリセリンがより好ましい。
可塑剤の含有量は、次のように測定することができる。可塑剤を浸透させる前の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を真空オーブン(例えば、VOS−200SD、EYELA製)を用いて50 ℃で6時間、減圧乾燥を行い、乾燥重量(A)を測定する。次に同様に可塑剤を浸透させた後の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を同様に乾燥させ乾燥重量(B)を測定する。それぞれの測定結果から、可塑剤の含有量(%)[{(B−A)/B}×100]を求めることができる。
本発明において「結晶化度」は、非特許文献4記載の方法により測定することができる。かかる方法の概要は以下の通りである。
作製した絹フィブロインフィルムを数枚積層して、フィルム面に垂直方向からX線(線源はCuKα線)を入射させ、回折強度分布曲線を2θ=5〜35度の範囲で測定する。ピーク分離法により、結晶部分と非晶部分のピークに分離した後、その面積比から結晶化度を測定する。
本発明において「含水量」とは、絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の非晶領域に分散している水分量をいう。
本発明において「含水量を調節する」とは、絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の非晶領域に所定量の水分子を分散させることをいう。
含水量は次のように測定することができる。真空オーブン(例えば、VOS−200SD、EYELA製)を用いて50℃で6時間,絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の減圧乾燥を行い、重量(X)を測定する。次に、乾燥させた絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を温度25℃、湿度50%の雰囲気に放置し、24時間後の重量(Y)を測定する。それぞれの測定結果から、水分量(%)[{(Y−X)/Y}×100]を求めることができる。
本発明において「結晶化促進剤」とは、絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の結晶化を促進させるものをいう。該フィルム又は該糸の結晶化を促進させるものであれば特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類、ベンゼンなどの芳香族炭化水素類、四塩化炭素、塩酸を挙げることができる。その中で、アルコール類が好ましく、エタノールがより好ましい。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明フィブロインフィルム及び本発明フィブロイン糸は、以下の工程により製造することができる。
第一工程:絹フィブロイン溶液を調製する工程
第二工程:絹フィブロイン溶液から、絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を製造する工程
第三工程:絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を結晶化させる工程
第四工程:結晶化させた絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の含水量を調節する工程
第五工程:含水量を調節した絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸に柔軟性を付与する工程
第一工程:絹フィブロイン溶液を調製する工程
本工程は、絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造に必要な絹フィブロイン溶液を調製する工程であり、常法により絹フィブロイン溶液を容易に製造することができる。例えば、家蚕フィブロインの場合は、該フィブロインを塩化カルシウム等の中性塩の水溶液中に溶解した後、中性塩を透析除去することにより製造することができる。塩化カルシウム等の中性塩が十分に除去されたか否かは、透析処理後の溶液の一部に硝酸銀を加え、白濁が生じないことを観察するなどの方法で確認することができる。また、野蚕フィブロインの場合は、該フィブロインを三フッ化酢酸中で容易に溶解することにより製造することができる。なお、絹フィブロインは絹を原料として常法により得ることができるが、上市品を用いてもよい。
第二工程:絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を製造する工程
本工程は、第一工程で得られた絹フィブロイン溶液を用いて、絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を製造する工程であり、常法により行うことができる。例えば、絹フィブロイン溶液を、ガラス、金属、プラスチックなどの平板上に広げて、水分を乾燥させることで絹フィブロインフィルムを製造することができる。また、絹フィブロイン溶液から紡糸装置を用いて紡糸、乾燥させることにより、絹フィブロイン糸を製造することができる。
第三工程:絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸をα型に結晶化させる工程
本工程は、第二工程で得られた非晶形の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸中の絹フィブロインをα型に結晶化させる工程であり、第2工程でα型の結晶のフィルムを製造した場合や、非晶形の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸をそのまま第5工程の原料に用いる場合は、本工程は特に要しない。
本工程は、後述する実施例に示す通り、水又は結晶化促進剤を含有する水溶液から生ずる蒸気に接触させて結晶化を行うことにより、日単位で、結晶化度合の調整が可能となり、使用目的に応じた強度を有する絹フィブロインフィルム及び絹フィブロイン糸を得ることができる。
この結晶化方法によれば、結晶化が日単位で徐々に進行するため、結晶化度合の調整が可能となる。また、結晶化後の絹フィブロインフィルム及び絹フィブロイン糸の変形を最小限に抑えることができるため、均質なものを提供することができ、結晶化度が50%以下の該フィルム又は該糸を製造することが可能である。
具体的には、例えば、水又は結晶化促進剤を含有する水溶液を密閉容器に注ぎ、前工程で製造した非晶形の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸が直接液に接触しないように金網等に載せるか、吊すことによってその蒸気に接触させる。このとき前記水や前記水溶液の温度や処理時間を調節することで結晶化度を制御(〜50%)することができる。該水溶液における結晶化促進剤の濃度、水又は該水溶液の温度、処理時間は、どの程度の結晶化度のものを得るかにより異なるが、一般には、β型結晶を生成させないようにするため結晶化促進剤を用いない方が好ましく、水の温度は20〜30℃が好ましく、処理時間は12〜36時間が好ましい。結晶化促進剤を用いる場合、結晶化促進剤の濃度は10〜90重量%が好ましく、該水溶液の温度は20〜30℃が好ましく、処理時間は12〜36時間が好ましい。
第四工程:絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の含水量を調節する工程
絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸に可塑剤を浸透させるためには、絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸中に水が存在することが必要である。即ち、絹フィブロインフィルム及び絹フィブロイン糸の柔軟化は、該フィルム又は該糸中に可塑剤を浸透させることにより行われるが、かかる可塑剤の浸透は、該フィルム又は該糸中の水分子と置換することにより達成される。従って、該フィルム又は該糸中の非晶領域に水分子を分散させる工程が必要となる。但し、本工程を行わずとも、通常の条件で乾燥した該フィルム又は該糸中には、約5〜20重量%の水分が含まれているため、浸透させる可塑剤の量が多く必要ではない場合には、本工程を省略することもできる。
具体的には、水蒸気に該フィルム又は該糸を接触させることによって、水分子を該フィルム又は該糸の非晶領域に分散させることにより行うことができる。含水量の調節度合は、使用する該フィルム又は該糸の結晶化度や、どの程度の柔軟性を獲得するかにより異なるが、一般に、該フィルム又は該糸に対し5〜50重量%の水分を付与することが好ましく、10〜45重量%の水分を付与することがより好ましい。詳細には、例えば、水を密閉容器に注ぎ、前工程で調製した絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸が直接水に接触しないように金網等に載せるか、吊すことによって、水蒸気に接触させる。このとき水の温度や処理時間を調節することで含水量の調節度合を制御することができる。水の温度や処理時間は、含水量をどの程度調節するかにより異なるが、一般には、水の温度は20〜30℃が好ましく、処理時間は12〜36時間が好ましい。
一方、用いる絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の結晶化を、前工程で発明者が新たに見出した結晶化方法で行った場合には、該フィルム又は該糸の結晶化と同時に含水量の調節も併せて行うことができるため、本工程は基本的に不要である。
また、本工程は、第二工程の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を製造する工程において、その乾燥の度合を調節することによって、第二工程と同時に行うこともできる。かかる含水量は、用いる絹フィブロイン溶液の濃度、及びかかる溶液から調製した該フィルム又は該糸の重量を測定することにより、容易に調節することができる。
第五工程:含水量を調節した絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸に柔軟性を付与する工程
本工程は、非晶形又はα型結晶の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸に可塑剤を浸漬することにより、該フィルム又は該糸に柔軟性を付与する工程である。第二工程〜第四工程で得られた絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を、可塑剤を溶解した水溶液中で煮沸浸漬処理して、フィルム又は糸中の水分子と可塑剤との置換を行うことにより行うことができる。十分に可塑剤を該フィルム又は該糸中に置換、浸透させるためには、絹フィブロインを変性させない範囲で出来るだけ高温で処理することが望ましい。これは、高温高圧水処理により(1)強度の弱いα型の結晶が強度の強いβ型の結晶に転移すると同時に、可塑剤が該結晶に取り込まれるような形で浸透し、(2)水や可塑剤の分子運動が活発になり、置換、浸透が容易になり、(3)絹フィブロイン中の微結晶が消失し、可塑剤の浸透が助長されるためである(例えば、非特許文献8〜9参照。)。
一方、微結晶の消失は結晶化度の低下を招くことにもなるが、その低下率は数%であると考えられるため、該フィルム又は該糸の強度低下は僅かであると考えられる(例えば、非特許文献8参照。)。
具体的には、可塑剤を含有する水溶液中に、第二工程〜第四工程で得られた絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を浸漬させることにより行う。該水溶液中に含まれる可塑剤の量は特に問わないが、一般に、5重量%以上であることが好ましく、10重量%以上であることがより好ましい。前記水溶液の温度は特に問わないが、一般に、30℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましい。該フィルム又は該糸を浸漬させる時間は特に問わないが、2分間以上であることが好ましく、10分間以上であることがより好ましい。
上述の方法により製造される本発明フィブロインフィルム又は本発明フィブロイン糸は、使用目的に応じ、可塑剤の含有率や、該フィルム又は該糸の結晶化度を調節等することができる。例えば、強度を高めに設定したい場合には、結晶化度を30%以上、好ましくは35%以上に調節することができる。逆に、脆さを極力軽減させたい場合には、結晶化度を45%以下、好ましくは40%以下に調節することができる。
一方、柔軟性を付与するためには、該フィルム又は該糸中の可塑剤の含有率を2〜30重量%に調節すればよいが、場合によっては、これ以下でも足りるし、これ以上であってもよい。柔軟性を高めに設定したい場合には、可塑剤の含有率を5%以上、好ましくは10%以上に調節することができる。逆に、柔軟性を低めに設定したい場合には、可塑剤の含有率を20%以下、好ましくは15%以下に調節することができる。
後述する試験例に示す通り、強度と柔軟性を併せ持っており、従来品に比べ優れた材料になり得る。具体的な応用例としては、コンタクトレンズ、人工皮膚、かつら、発汗用衣料などを挙げることができる他、絆創膏や創傷被覆剤などにも応用が可能である。
一方、本発明フィブロインフィルム又は本発明フィブロイン糸の製造に必要不可欠な非晶形又はα型結晶の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸は、前記第一工程における乾燥時の温度、圧力を制御することにより、非晶形とα型結晶とを制御して製造することができる。このように、単に乾燥条件を調節するだけで、フィブロインの結晶形を制御できることは、今回新たに見出された知見であり、本発明フィブロインフィルム又は本発明フィブロイン糸の原料としてだけではなく、フィブロイン及びフィブロインを含有する再生絹への応用が期待される。
非晶形とα型結晶とを制御して製造する場合の主要なファクターは、後述する実施例に示す通り、乾燥時の温度と圧力である。具体的には、圧力を0.02MPaで温度が26℃以下(特に4℃以下が適当)に調節するか、又は、4℃で0.06MPa以下(特に0.02MPa以下が適当)に調節することによって、非晶形の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を製造することができる。一方、圧力を0.04MPa以上で温度が20℃以上に調節することによって、α型結晶の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を製造することができる。
以下に参考例、実施例及び試験例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
本明細書中、広角X線回折は、管球式X線回折装置(RINT−2100FSL、理学電機製)を用い、管電圧40kV、管電流30mAで、NiフィルターしたCuKα線(λ=0.1542nm)により測定した。
本明細書中、広角X線回折パターンは、広角X線回折装置(RAD2C、理学電機製)を用い、管電圧40kV、管電流18mAで、NiフィルターしたCuKα線(λ=0.1542nm)を2時間照射し、平板フィルムに撮影した。なお、カメラ間距離を補正するためにα−Alを用いた。
α型結晶及びβ型結晶の絹フィブロインについての広角X線回折及び広角X線回折パターンは、既に報告されている(清水正徳,蚕業試験場報告,10,475,1941)。かかる報告と比較することにより、実施例中の絹フィブロインの結晶形を特定した。
参考例1 従来のエタノール含有絹フィブロインフィルムの製造
塩化カルシウムとエタノールと水とを、モル比で、塩化カルシウム:エタノール:水=1:2:8となるように混合した溶液を調製して約80℃に加熱し、そこに絹(フィブロインの他に5重量%以下のセリシンを含む)を入れて、撹拌し溶解した。次に、この絹フィブロイン溶液から透析チューブ(分画分子量12,000〜14,000)を用いて塩化カルシウムの除去を3日間行い、ガラスフィルターにより不溶物を除き、5重量%絹フィブロイン水溶液を得た。該溶液をガラス板上に広げて、送風下で速やかに水分を除去することでフィルムとした。次に、該フィルムを10重量%エタノール水溶液に室温で3日間浸し、目的の絹フィブロインフィルムを得た。このフィルムの広角X線回折測定を行ったところ、2θ=9゜,19゜,21゜,25゜付近に絹フィブロインの結晶回折ピークが観測され(β型結晶)、その結晶化度は34.8%であった。
なお、本参考例を複数回行った結果、フィルムの結晶化度は、30〜40%であった。また、空気中にしばらく放置すると、エタノールが容易に蒸発してしまうため、柔軟性を維持することができなかった。
参考例2 従来の可塑剤含有絹フィブロインフィルムの製造
塩化カルシウムとエタノールと水とを、モル比で、塩化カルシウム:エタノール:水=1:2:8となるように混合した溶液を調製して約80℃に加熱し、そこに絹(フィブロインの他に5重量%以下のセリシンを含む)を入れて、撹拌し溶解させた。次に、この絹フィブロイン溶液から透析チューブ(分画分子量12,000〜14,000)を用いて塩化カルシウムの除去を3日間行い、ガラスフィルターにより不溶物を除き、5重量%絹フィブロイン水溶液を得た。さらに、可塑剤としてグリセリンを該溶液に対して1%(w/v)添加・混合してガラス板上に広げて、送風下で速やかに水分を除去することでフィルムとした。次に、該フィルムを水に室温で3日間浸し、目的の絹フィブロインフィルムを得た。このフィルムの広角X線回折測定を行ったところ、2θ=9゜,19゜,21゜,25゜付近に絹フィブロインの結晶回折ピークが観測され(β型結晶)、その結晶化度は14.4%であった。
なお、本参考例を複数回行った結果、フィルムの結晶化度は、10〜15%であった。また、得られたフィルムは白濁していた。
参考例3 β型結晶の絹フィブロインフィルムの製造
工程1 絹フィブロイン溶液の作成
フィブロインをCaCl・蒸留水・エタノールを1:8:2のモル比で混合した溶媒を用いて加熱溶解した。溶液に対する繊維の量は10重量%とした。加熱溶解後、セルロース製の透析チューブ(分画分子量約14,000:UC36−32−100,Viskase社製)に入れ、蒸留水に3日間浸漬させ脱塩を行った。脱塩中の温度は25℃に調整した。得られた水溶液をガラスフィルターでろ過した。その後、真空ポンプを用いて減圧雰囲気を作り、フィブロイン水溶液の入ったビーカーを1時間放置し、脱気して絹フィブロイン溶液を作成した。
工程2 非晶形の絹フィブロインフィルムの作成
工程1で得られた溶液を、ポリテトラフルオロエチレン製のシャーレにキャストし、乾燥剤にCaClを用いたデシケーター内で、26℃、0.02MPaの条件で乾燥し、非晶形の絹フィブロインフィルムを作成した。
工程3 非晶形の絹フィブロインフィルムのβ結晶化
工程1で得られた非晶形絹フィブロインフィルムを、20℃の60重量%メタノール水溶液に10分間浸漬させた。処理後はポリテトラフルオロエチレン板に載せ25℃、相対湿度50%の雰囲気で乾燥し、目的とするβ型結晶の絹フィブロインフィルムを得た。
実施例1 本発明絹フィブロインフィルムの製法
塩化カルシウムとエチルアルコールと水とを、モル比で、塩化カルシウム:エチルアルコール:水=1:2:8となるように混合した溶液を調製して約80℃に加熱し、そこに絹(フィブロインの他に5重量%以下のセリシンを含む)を入れて、撹拌し溶解した。次に、この絹溶液から透析チューブ(分画分子量12,000〜14,000)を用いて塩化カルシウムの除去を3日間行い、ガラスフィルターにより不溶物を除き、5重量%絹フィブロイン水溶液を得た。そして、該フィブロイン水溶液をガラス板上に広げて、送風下で速やかに水分を除去することでフィルムとした。
次に、底に50%エタノール水溶液(v/v)を張った密閉容器に、該フィルムが水溶液に直接接触しないように吊して、該フィルムを室温で3日間、飽和水蒸気に曝した。
このフィルムの広角X線回折測定を行ったところ、2θ=12゜,20゜,28゜付近に絹フィブロインの結晶回折ピークが観測され(α型結晶)、その結晶化度は42.0%であった。
更に、該フィルムを沸騰状態の10重量%グリセリン水溶液に入れ、10分間処理することによってフィルム中の水分子をグリセリンに置換し、本発明絹フィブロインフィルムを得た。
このフィルムの広角X線回折測定を行ったところ、2θ=10゜,19゜,21゜付近に絹フィブロインの結晶回折ピークが観測された(β型結晶)。
なお、本実施例を複数回行った結果、グリセリン浸漬後のフィルムの結晶化度は、25〜50%であった。また、得られたフィルムは半透明で日常環境下に放置しておいても柔軟性を喪失することはなかった。

実施例2 非晶形の絹フィブロインフィルムの製造
工程1 絹フィブロイン溶液の作成
フィブロインをCaCl・蒸留水・エタノールを1:8:2のモル比で混合した溶媒を用いて加熱溶解した。溶液に対する繊維の量は10重量%とした。加熱溶解後、セルロース製の透析チューブ(分画分子量約14,000:UC36−32−100,Viskase社製)に入れ、蒸留水に3日間浸漬させ脱塩を行った。脱塩中の温度は25℃に調整した。得られた水溶液をガラスフィルターでろ過した。その後、真空ポンプを用いて減圧雰囲気を作り、フィブロイン水溶液の入ったビーカーを1時間放置し、脱気して絹フィブロイン溶液を作成した。
工程2 絹フィブロインフィルムの作成
工程1で得られた溶液を、ポリテトラフルオロエチレン製のシャーレにキャストし、乾燥剤にCaClを用いたデシケーター内で、26℃、0.005MPaの条件で乾燥し、目的とする非晶形の絹フィブロインフィルムを得た。

実施例3 非晶形の絹フィブロインフィルムの製造
実施例2の工程1で得られた溶液をポリテトラフルオロエチレン製のシャーレにキャストし、乾燥剤にCaClを用いたデシケーター内で、26℃、0.02MPaの条件で乾燥し、目的とする非晶形の絹フィブロインフィルムを得た。

実施例4 α型結晶の絹フィブロインフィルムの製造
実施例2の工程1で得られた溶液を、ポリテトラフルオロエチレン製のシャーレにキャストし、乾燥剤にCaClを用いたデシケーター内で、26℃、0.04MPaの条件で乾燥し、目的とするα型結晶の絹フィブロインフィルムを得た。

実施例5 α型結晶の絹フィブロインフィルムの製造
実施例2の工程1で得られた溶液を、ポリテトラフルオロエチレン製のシャーレにキャストし、乾燥剤にCaClを用いたデシケーター内で、26℃、0.06MPaの条件で乾燥し、目的とするα型結晶の絹フィブロインフィルムを得た。
実施例6 非晶形の絹フィブロインフィルムの製造
実施例2の工程1で得られた溶液を、ポリテトラフルオロエチレン製のシャーレにキャストし、乾燥剤にCaClを用いたデシケーター内で、4℃、0.04MPaの条件で乾燥し、目的とする非晶形の絹フィブロインフィルムを得た。

実施例7 α型結晶の絹フィブロインフィルムの製造
実施例2の工程1で得られた溶液を、ポリテトラフルオロエチレン製のシャーレにキャストし、乾燥剤にCaClを用いたデシケーター内で、20℃、0.04MPaの条件で乾燥し、目的とするα型結晶の絹フィブロインフィルムを得た。

実施例8 α型結晶の絹フィブロインフィルムの製造
実施例2の工程1で得られた溶液を、ポリテトラフルオロエチレン製のシャーレにキャストし、乾燥剤にCaClを用いたデシケーター内で、26℃、0.04MPaの条件で乾燥し、目的とするα型結晶の絹フィブロインフィルムを得た。

実施例9 非晶形の絹フィブロインフィルムの製造
実施例2の工程1で得られた溶液を、ポリテトラフルオロエチレン製のシャーレにキャストし、乾燥剤にCaClを用いたデシケーター内で、26℃、0.02MPaの条件で乾燥し、目的とする非晶形の絹フィブロインフィルムを得た。

実施例10 α型結晶の絹フィブロインフィルムの製造
実施例2の工程1で得られた溶液を、ポリテトラフルオロエチレン製のシャーレにキャストし、乾燥剤にCaClを用いたデシケーター内で、20℃、0.02MPaの条件で乾燥し、目的とするα型結晶の絹フィブロインフィルムを得た。
実施例11 α型結晶の絹フィブロインフィルムの製造
実施例9で得られた非晶形の絹フィブロインフィルムを、蒸留水の入った減圧できる密閉容器に入れ、0.01 MPaまで減圧し24時間その状態を維持した。処理温度は25℃で行った。処理後は25℃、相対湿度50%の雰囲気で乾燥し、目的とするα型結晶の絹フィブロインフィルムを得た。

実施例12 非晶形の絹フィブロインフィルムの製造
実施例2の工程1で得られた溶液を、ポリテトラフルオロエチレン製のシャーレにキャストし、乾燥剤にCaClを用いたデシケーター内で、4℃、0.06MPaの条件で乾燥し、目的とする非晶形の絹フィブロインフィルムを得た。
試験例1 絹フィブロインフィルムの強度試験及び柔軟性試験
参考例1、2及び実施例1で得られた絹フィブロインフィルムの強度試験及び柔軟性試験を以下の方法で行った。
各フィルム(厚さ0.1mm)から、幅5mmの短冊状試験片を切り出し、室温環境下、ゲージ間隔20mm、引張速度2mm/分において引張強度試験を行い、個々の最大応力及び破断点伸度を測定した。最大応力は破断した時点におけるフィルムにかかる力であり、フィルムの強度を示す指標とした。また、破断点伸度は破断した時点におけるフィルムの伸度であり、フィルムの柔軟性を示す指標とした。

表1に示す通り、実施例1のフィルムは、参考例1のフィルムと同程度以上の強度を示すとともに、参考例2のフィルムと同程度以上の柔軟性を有しており、本発明に係るフィルムは強度及び柔軟性ともに優れていることが明らかである。

試験例2 湿潤時における絹フィブロインフィルムの強度試験
参考例1及び2、並びに、実施例1で得られた絹フィブロインフィルムの湿潤時における強度試験を以下の方法で行った。
各フィルム(厚さ0.1mm)から、幅5mmの短冊状試験片を切り出し、室温で蒸留水中に30分間浸漬して十分に膨潤させた後、試練例2と同様の方法により引張強度試験を行い、個々の最大応力を測定した。その結果を表2に示す。

表2に示す通り、実施例1のフィルムは、参考例1のフィルムや参考例2のフィルムより高い最大応力を示し、より強度の高いフィルムであることが明らかである。

試験例3 絹フィブロインフィルム製造時の乾燥条件と結晶形
実施例2〜8で得られた絹フィブロインフィルムについて、広角X線回折パターンを測定し、結晶形を特定した。その結果の表3に示す。

表3に示す通り、乾燥条件を調節することにより、非晶形のフィブロインフィルム又はα型結晶のフィブロインフィルムの何れか一方を選択的に製造することが可能である。表3からは具体的には、0.02MPaであれば26℃以下、0.06MPaであれば4℃以下で非晶形のフィブロインフィルムを製造して、この乾燥条件よりも高温高圧下であればα型結晶のフィブロインフィルムを製造しうる。
この知見は、α型結晶を製造する方法が知られなかった現在において、唯一、α型結晶の絹フィブロインフィルムを製造する方法であり非常に有用である。かかる方法はフィルムの製法としてだけではなく、絹フィブロイン糸の製法としても容易に応用できる。

試験例4 グリセリン含有絹フィブロインフィルムの柔軟性試験及び延伸性試験
[柔軟性試験]
実施例9〜11で得られた絹フィブロインフィルムを、沸騰状態の10重量%グリセリン水溶液に10分間浸漬させた。該10重量%グリセリン水溶液は、浸漬させる絹フィブロインフィルムに対して100倍(w/w)以上の量を用いた。処理後のフィルムはポリテトラフルオロエチレン板に載せ、25℃、相対湿度50%で乾燥させた。乾燥後のグリセリン含有絹フィブロインフィルムを10mm×5mmの大きさに揃えた後、半分に折り曲げた後の該フィルムの挙動を観察することにより柔軟性を評価した。具体的には、折り曲げて指を離したとき、その折られた部分が密着した状態であったものを[++],折り曲げた部分にすぐに隙間が生じたものを[+]、折られたフィルムがすぐに開いてしまったものを[±]。割れたものを[−]で表した。フィルムの形状が平坦でなくなったものも[−]と表した。

[延伸性試験]
実施例9〜11で得られた絹フィブロインフィルムを10mm×5mmの大きさに揃えた後、沸騰状態の10重量%グリセリン水溶液に10分間浸漬させた。該10重量%グリセリン水溶液は、浸漬させる絹フィブロインフィルムに対して100倍(w/w)以上の量を用いた。処理後のフィルムはポリテトラフルオロエチレン板に載せ、25℃、相対湿度50%で乾燥させた。グリセリンで処理した後の絹フィブロインフィルムの長径を測定し、以下の計算式により自然延伸率を求めた。

自然延伸率(%)={[処理後の長径(mm)−10]/10}×100

上記柔軟性試験及び延伸性試験の結果を表4に示す。

表4に示す通り、非晶形又はα型結晶である本発明フィブロインフィルムをグリセリン処理しβ型結晶に転換させたものは高い柔軟性を示した。これは、非結晶形又はα型結晶の絹フィブロインフィルムは分子鎖間の水素結合が弱く、その中にグリセリンが取り込まれやすいため、グリセリンが取り込まれた結果であると考えられる。
一方、β型結晶であるフィルムをグリセリン処理したものは十分な柔軟性を示さなかった。これは、β型結晶の絹フィブロインフィルムは分子鎖間の水素結合が強く、グリセリンが取り込まれ難いためと考えられる。
また、驚くべきことに、非結晶及びα型結晶の絹フィブロインフィルムをグリセリン処理すると、延伸することが示された。これは、分子鎖内での水素結合が弱い非晶形及びα型結晶の絹フィブロインフィルムが、グリセリン処理を行うことにより分子鎖間が水素結合し、シート状の結晶構造を有するβ型結晶に転移したためと考えられる。
一方、β型結晶の絹フィブロインフィルムをグリセリン処理しても、十分な延伸性を示さなかった。これは、グリセリン処理する前からβ型結晶の絹フィブロインフィルムは、結晶が転移するという現象が生じず、単に膨潤、それに続く乾燥に伴う延伸しか起こらないためと考えられる。
フィブロインフィルムが延伸性を示すという知見は従来技術には全く報告されておらず、非常に興味深いものである。この延伸性により、絹フィブロインフィルムの加工が容易となり、本発明フィブロインフィルムは、今まで知られていた用途のみならず、他の用途への可能性を有するものである。
以上に示したように、本発明フィブロインフィルムは、強度と柔軟性を併せ持ち、従来品と比べ非常に有用な材料となり得る。また、本発明フィブロインフィルムは半透明であり、着色も容易であることから、種々の応用が考えられる。さらに、この技術は絹フィブロイン糸にも同様に適用することが可能であり、布、被服への応用も可能である。

Claims (33)

  1. 結晶形がβ型であり、結晶化度が25〜50%の範囲内であり、可塑剤を2〜30重量%の範囲内で含む絹フィブロインフィルム
  2. 結晶形がβ型であり、結晶化度が25〜50%の範囲内であり、可塑剤を2〜30重量%の範囲内で含む絹フィブロイン糸
  3. 結晶化度が30〜45%の範囲内である、請求項1記載の絹フィブロインフィルム
  4. 結晶化度が30〜45%の範囲内である、請求項記載の絹フィブロイン糸
  5. 可塑剤を5〜20重量%の範囲内で含む、請求項1記載の絹フィブロインフィルム
  6. 可塑剤を5〜20重量%の範囲内で含む、請求項記載の絹フィブロイン糸
  7. 可塑剤がグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール又はカルボキシメチルセルロースである、請求項1、3又は5のいずれかに記載の絹フィブロインフィルム
  8. 可塑剤がグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール又はカルボキシメチルセルロースである、請求項2、4又は6のいずれかに記載の絹フィブロイン糸
  9. 可塑剤がグリセリンである、請求項1、3又は5のいずれかに記載の絹フィブロインフィルム
  10. 可塑剤がグリセリンである、請求項2、4又は6のいずれかに記載の絹フィブロイン糸
  11. 可塑剤を含有する水溶液中に、非晶形又はα型結晶の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を浸漬させることを特徴とする、可塑剤を含有する絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  12. 非晶形又はα型結晶の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸が、
    (1)絹フィブロイン水溶液を成形、乾燥することにより製造されたものであり、
    (2)その乾燥工程における乾燥の度合を調節することにより含水量が調節されたものである、
    請求項11記載の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  13. α型結晶の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸が、水又は結晶化促進剤を含有する水溶液から生じる蒸気に接触させることにより含水量を調節したものである、請求項12記載の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  14. α型結晶の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸が、水又は結晶化促進剤を含有する水溶液を密閉容器に注ぎ、該容器内にα型結晶の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を前記水又は前記水溶液に直接接触しないように固定することにより含水量を調節したものである、請求項12記載の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  15. 結晶化促進剤がアルコール、カルボン酸及び塩酸からなる群から選択される1又は2種以上である、請求項13又は14記載の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  16. 含水量を調節した非晶形又はα型結晶の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸が、5〜50重量%の範囲内の水分を含有するものである、請求項13又は14記載の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  17. 非晶形の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸をα型に結晶化させ、含水量を調節した後、可塑剤を含有する水溶液中に浸漬させることを特徴とする、請求項11記載の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  18. 以下の工程を有することを特徴とする、請求項17記載の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
    1)非晶形の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸をα型に結晶化させ、含水量を調節する工程、
    2)α型に結晶化させ、含水量を調節した絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸に柔軟性を付与する工程。
  19. 非晶形の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸をα型に結晶化させ、含水量を調節する工程が、非晶形の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を、水又は結晶化促進剤を含有する水溶液から生じる蒸気に接触させることにより行う工程である、請求項18記載の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  20. 非晶形の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸をα型に結晶化させ、含水量を調節する工程が、水又は結晶化促進剤を含有する水溶液を密閉容器に注ぎ、該容器内に非晶形の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を前記水又は前記水溶液に直接接触しないように固定することにより行う工程である、請求項18記載の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  21. 結晶化促進剤がアルコール、カルボン酸及び塩酸からなる群から選択される1又は2種以上である、請求項19又は20記載の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  22. 非晶形の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸をα型に結晶化させ、含水量を調節する工程において、絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸に5〜50重量%の範囲内の水分を含有せしめる、請求項19又は20記載の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  23. α型に結晶化させ、含水量を調節した絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸に柔軟性を付与する工程において、絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を、可塑剤を含有する水溶液中に浸漬させることを特徴とする、請求項18記載の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  24. 可塑剤がグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール又はカルボキシメチルセルロースである、請求項23記載の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  25. 可塑剤がグリセリンである、請求項23記載の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  26. 結晶形がβ型である、請求項11〜25のいずれかに記載の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  27. 非晶形の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸に、結晶化促進剤を含有する水溶液から生じる蒸気を接触させることを特徴とする、α型結晶の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  28. 結晶化促進剤を含有する水溶液を密閉容器に注ぎ、該容器内に非晶形の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を前記水溶液に直接接触しないように固定することにより、絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の結晶化を促進させることを特徴とする、請求項27記載の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  29. 結晶化促進剤がアルコール、カルボン酸及び塩酸からなる群から選択される1又は2種以上である、請求項27又は28記載の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  30. 絹フィブロイン溶液から、絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸を製造する方法であって、減圧下室温以下で乾燥することを特徴とする、非晶形又はα型結晶の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  31. 圧力が0.02MPa以下で温度が26℃以下で乾燥することを特徴とする、請求項30記載の非晶形の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  32. 圧力が0.06MPa以下で温度が4℃以下で乾燥することを特徴とする、請求項30記載の非晶形の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
  33. 圧力が0.04MPa以上で温度が20℃以上で乾燥することを特徴とする、請求項30記載のα型結晶の絹フィブロインフィルム又は絹フィブロイン糸の製造方法。
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