JPS633952B2 - - Google Patents
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- JPS633952B2 JPS633952B2 JP10316681A JP10316681A JPS633952B2 JP S633952 B2 JPS633952 B2 JP S633952B2 JP 10316681 A JP10316681 A JP 10316681A JP 10316681 A JP10316681 A JP 10316681A JP S633952 B2 JPS633952 B2 JP S633952B2
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- chromate
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- steel sheet
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Landscapes
- Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
- Coating With Molten Metal (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Description
本発明はアルミめつき鋼板の表面処理方法に関
するもので、溶融アルミめつき鋼板の有する美麗
な銀白色光沢を損なうことなく、苛酷な環境下に
おいても、また加工部においても優れた耐食性を
有することを目的とした処理方法に関するもので
ある。 一般に溶融アルミめつき鋼板の特徴は銀白色の
光沢を有する美しい表面と優れた耐食性の点とに
ある。しかし、この耐食性は高塩分水が結露する
様な環境下やNO3イオンなどが蓄積して行く自
動車マフラー材の底部などにおいては必ずしも満
足すべき状態ではない。 そこで従来からクロム系或はりん酸クロム系の
クロメート処理が施されているが、之等の処理条
件では前記の様な苛酷な環境下では充分な耐食性
が得られない。特に曲げ部などの加工部における
耐食性に問題が存している。そこで通常の処理条
件によつて得られるクロメート皮膜よりも多量の
クロメート皮膜を付与すると耐食性は良好となる
がクロメート皮膜のためその銀白色表面の美麗さ
が損なわれ、クロム酸系であれば黄色系、りん酸
クロム系であれば緑色系、の干渉色を呈し銀白色
の美しい表面が損なわれるのみならず光沢も低下
する。 またクロメート処理時間も非常に長い時間を要
するなどの問題点がある。 そこで先に掲げたアルミめつき鋼板の特徴の一
つである美麗な銀白色を損なうことなく、優れた
耐食性を有する表面処理について検討を行なつ
た。その結果、クロメート処理を実施した後、有
機珪素撥水剤を塗布乾燥すれば目的に適うことが
判明した。本発明による処理方法によると、クロ
メート処理を施すことによつてその後の有機珪素
撥水剤の塗布を均一にムラ無く行なわせることが
出来る。このクロメート皮膜の存在が無いと、有
機珪素撥水剤の塗布ムラが生じ、塗布されない部
分の腐食を促進することとなるので好ましくな
い。さらに有機珪素撥水剤にも僅かながら透水透
湿性があるため、クロメート皮膜がない場合には
アルミが腐食され、耐食性の点で問題となる。 有機珪素撥水剤の塗布は耐食性の上から好まし
いだけではなく、柔らかいアルミを保護し、その
滑り性を向上するため加工部の応力が緩和され、
加工部の耐食性をも向上する。クロメート皮膜の
みではクロメート皮膜自身にも、アルミめつき層
にも、この様な滑り性を期待出来ないため、加工
部ではクロメート皮膜の剥離、脱落を惹き起こ
し、アルミ素地が露出して加工部の耐食性が著し
く低下する。 本発明は溶融アルミめつき鋼板の表面にクロム
量として5〜40mg/m2のクロメート皮膜を形成さ
せた後、更にその上面にスプレー法、浸漬法、ロ
ールコート法の何れかの方法で有機珪素撥水剤処
理を施し、水洗することなく乾燥することを特徴
とする表面処理方法である。 本発明を構成するクロメート処理は亜鉛、アル
ミまたはそれ等の金属めつき製品に従来から広く
行なわれているクロメート処理であつて、特に限
定するものではなく、クロメート皮膜中のクロム
量として5〜40mg/m2を含むクロメート皮膜を形
成させるものであれば本発明のクロメート処理と
して適用出来る。例えば基本的にはクロム酸、ク
ロム酸―フツ化物、クロム酸―鉱酸、クロム酸―
有機酸などの組成物の反応型クロメート処理液が
挙げられる。また市販処理液である商品名「アロ
ジン#1000」(日本ペイント社製)、商品名「アロ
ジン407―47(日本ペイント社製)」なども挙げら
れる。更に最近、アルミ板、冷延板、亜鉛めつき
鋼板を対象とし、前述の反応型クロメート処理或
いはリン酸塩処理に代わり得る新しい無公害の
「ノーリンスクロメート処理」として普及してい
る所謂塗り切り方式のクロメート処理、即ち塗布
型クロメート処理も本発明を構成するものであつ
て代表的な例として市販処理剤である商品名「ア
コメツトC」(関西ペイント(株)製)、商品名「アロ
ジンNR―3」(日本ペイント(株)製)などを挙げ
ることが出来る。本発明で最も重要なことはクロ
メート皮膜中のクロム量を5〜40mg/m2に限定す
ることであり、5mg/m2未満では耐食性が不充分
であり、特に有機珪素撥水剤との相乗効果は左程
期待出来ない。 一方40mg/m2を超えても、耐食性の点ではそれ
程大きな問題はないが黄緑色に着色し、アルミ固
有の銀白色の外観が損なわれ且つクロメート処理
質の増大にもつながり経済的でない。 本発明を構成する有機系撥水剤としてシリコン
オイルエマルジヨン型、シリコンワニスエマルジ
ヨン型、水溶性シリコンワニス型、有機溶剤溶解
型シリコンワニスがよく、シリコンオイルエマル
ジヨン型として、商品名FZ315(日本ユニカ(株))
製)、商品名FZ343(同)、商品名FZ350(同)、商
品名SM8702(東レ・シリコーン(株)製)、シリコン
ワニスエマルジヨン型として商品名MF40(信越
化学工業(株)製)、SM8701(東レ・シリコーン(株)
製)、水溶性シリコンワニス型として商品名
PolonC(同);有機溶媒溶解型シリコンワニスと
して商品名PolonA、KC88、KF99(何れも信越化
学工業(株)製)、商品名FZ903、FZ904(何れも日本
ユニカ(株)製)などが挙げられる。 本発明における有機系撥水剤は均一な皮膜形成
をさせる必要があり、処理乾燥皮膜の実質厚みが
0.01〜20μであれば本発明の目的を達成すること
が出来る。0.01μ未満では効果が乏しくなり、均
一な皮膜形成が難かしくスポツト的な皮膜となる
ので好ましくない。20μを超えた場合でも耐食性
の向上、光沢保持性及び加工性の向上など本発明
の目的を達成することは出来るが必要以上の過剰
品質でもあり、コスト的にメリツトが無くなる。
本発明の目的とする溶融アルミめつき鋼板の後処
理として工業的規模で最も効果のあるのは有機珪
素皮膜の厚みが0.01〜20μの範囲内にある場合で
ある。有機系撥水剤による有機皮膜形成方法とし
てはロールコート、浸漬法、スプレー法など従来
公知の方法で形成させることが出来る。 本発明はZn―Al合金めつき鋼板、アルミダイ
キヤスト製品、アルミ板、アルミ製品にも応用す
ることが出来る。 以下本発明を実施例により詳細に説明する。板
厚0.8mm、めつき付着量120g/m2の溶融アルミめつ
き鋼板に第1表の条件でクロメート皮膜を形成さ
せた後、リン酸クロム系の場合は水洗を行なうが
その他の場合は水洗することなく、風乾または熱
風による強制乾燥をさせた後、有機系撥水剤で処
理して皮膜を形成させてから自然乾燥後、耐食性
を評価するため肉眼による外観観察、光沢測定、
塩水噴霧試験(JISZ―2371に準拠)及びハツト
曲げ加工試験を行なつた。この試験の主要条件は
次の通りである。 ハツト曲げ成形条件 ダイス径 42.2φ、ダイス肩3R ポンチ径 42.0φ、ポンチ肩3R 皺押え力 300Kg 潤滑油 なし 加工前のサンプル形状:0.8×20×100mmの溶融ア
ルミニウムめつき鋼板
するもので、溶融アルミめつき鋼板の有する美麗
な銀白色光沢を損なうことなく、苛酷な環境下に
おいても、また加工部においても優れた耐食性を
有することを目的とした処理方法に関するもので
ある。 一般に溶融アルミめつき鋼板の特徴は銀白色の
光沢を有する美しい表面と優れた耐食性の点とに
ある。しかし、この耐食性は高塩分水が結露する
様な環境下やNO3イオンなどが蓄積して行く自
動車マフラー材の底部などにおいては必ずしも満
足すべき状態ではない。 そこで従来からクロム系或はりん酸クロム系の
クロメート処理が施されているが、之等の処理条
件では前記の様な苛酷な環境下では充分な耐食性
が得られない。特に曲げ部などの加工部における
耐食性に問題が存している。そこで通常の処理条
件によつて得られるクロメート皮膜よりも多量の
クロメート皮膜を付与すると耐食性は良好となる
がクロメート皮膜のためその銀白色表面の美麗さ
が損なわれ、クロム酸系であれば黄色系、りん酸
クロム系であれば緑色系、の干渉色を呈し銀白色
の美しい表面が損なわれるのみならず光沢も低下
する。 またクロメート処理時間も非常に長い時間を要
するなどの問題点がある。 そこで先に掲げたアルミめつき鋼板の特徴の一
つである美麗な銀白色を損なうことなく、優れた
耐食性を有する表面処理について検討を行なつ
た。その結果、クロメート処理を実施した後、有
機珪素撥水剤を塗布乾燥すれば目的に適うことが
判明した。本発明による処理方法によると、クロ
メート処理を施すことによつてその後の有機珪素
撥水剤の塗布を均一にムラ無く行なわせることが
出来る。このクロメート皮膜の存在が無いと、有
機珪素撥水剤の塗布ムラが生じ、塗布されない部
分の腐食を促進することとなるので好ましくな
い。さらに有機珪素撥水剤にも僅かながら透水透
湿性があるため、クロメート皮膜がない場合には
アルミが腐食され、耐食性の点で問題となる。 有機珪素撥水剤の塗布は耐食性の上から好まし
いだけではなく、柔らかいアルミを保護し、その
滑り性を向上するため加工部の応力が緩和され、
加工部の耐食性をも向上する。クロメート皮膜の
みではクロメート皮膜自身にも、アルミめつき層
にも、この様な滑り性を期待出来ないため、加工
部ではクロメート皮膜の剥離、脱落を惹き起こ
し、アルミ素地が露出して加工部の耐食性が著し
く低下する。 本発明は溶融アルミめつき鋼板の表面にクロム
量として5〜40mg/m2のクロメート皮膜を形成さ
せた後、更にその上面にスプレー法、浸漬法、ロ
ールコート法の何れかの方法で有機珪素撥水剤処
理を施し、水洗することなく乾燥することを特徴
とする表面処理方法である。 本発明を構成するクロメート処理は亜鉛、アル
ミまたはそれ等の金属めつき製品に従来から広く
行なわれているクロメート処理であつて、特に限
定するものではなく、クロメート皮膜中のクロム
量として5〜40mg/m2を含むクロメート皮膜を形
成させるものであれば本発明のクロメート処理と
して適用出来る。例えば基本的にはクロム酸、ク
ロム酸―フツ化物、クロム酸―鉱酸、クロム酸―
有機酸などの組成物の反応型クロメート処理液が
挙げられる。また市販処理液である商品名「アロ
ジン#1000」(日本ペイント社製)、商品名「アロ
ジン407―47(日本ペイント社製)」なども挙げら
れる。更に最近、アルミ板、冷延板、亜鉛めつき
鋼板を対象とし、前述の反応型クロメート処理或
いはリン酸塩処理に代わり得る新しい無公害の
「ノーリンスクロメート処理」として普及してい
る所謂塗り切り方式のクロメート処理、即ち塗布
型クロメート処理も本発明を構成するものであつ
て代表的な例として市販処理剤である商品名「ア
コメツトC」(関西ペイント(株)製)、商品名「アロ
ジンNR―3」(日本ペイント(株)製)などを挙げ
ることが出来る。本発明で最も重要なことはクロ
メート皮膜中のクロム量を5〜40mg/m2に限定す
ることであり、5mg/m2未満では耐食性が不充分
であり、特に有機珪素撥水剤との相乗効果は左程
期待出来ない。 一方40mg/m2を超えても、耐食性の点ではそれ
程大きな問題はないが黄緑色に着色し、アルミ固
有の銀白色の外観が損なわれ且つクロメート処理
質の増大にもつながり経済的でない。 本発明を構成する有機系撥水剤としてシリコン
オイルエマルジヨン型、シリコンワニスエマルジ
ヨン型、水溶性シリコンワニス型、有機溶剤溶解
型シリコンワニスがよく、シリコンオイルエマル
ジヨン型として、商品名FZ315(日本ユニカ(株))
製)、商品名FZ343(同)、商品名FZ350(同)、商
品名SM8702(東レ・シリコーン(株)製)、シリコン
ワニスエマルジヨン型として商品名MF40(信越
化学工業(株)製)、SM8701(東レ・シリコーン(株)
製)、水溶性シリコンワニス型として商品名
PolonC(同);有機溶媒溶解型シリコンワニスと
して商品名PolonA、KC88、KF99(何れも信越化
学工業(株)製)、商品名FZ903、FZ904(何れも日本
ユニカ(株)製)などが挙げられる。 本発明における有機系撥水剤は均一な皮膜形成
をさせる必要があり、処理乾燥皮膜の実質厚みが
0.01〜20μであれば本発明の目的を達成すること
が出来る。0.01μ未満では効果が乏しくなり、均
一な皮膜形成が難かしくスポツト的な皮膜となる
ので好ましくない。20μを超えた場合でも耐食性
の向上、光沢保持性及び加工性の向上など本発明
の目的を達成することは出来るが必要以上の過剰
品質でもあり、コスト的にメリツトが無くなる。
本発明の目的とする溶融アルミめつき鋼板の後処
理として工業的規模で最も効果のあるのは有機珪
素皮膜の厚みが0.01〜20μの範囲内にある場合で
ある。有機系撥水剤による有機皮膜形成方法とし
てはロールコート、浸漬法、スプレー法など従来
公知の方法で形成させることが出来る。 本発明はZn―Al合金めつき鋼板、アルミダイ
キヤスト製品、アルミ板、アルミ製品にも応用す
ることが出来る。 以下本発明を実施例により詳細に説明する。板
厚0.8mm、めつき付着量120g/m2の溶融アルミめつ
き鋼板に第1表の条件でクロメート皮膜を形成さ
せた後、リン酸クロム系の場合は水洗を行なうが
その他の場合は水洗することなく、風乾または熱
風による強制乾燥をさせた後、有機系撥水剤で処
理して皮膜を形成させてから自然乾燥後、耐食性
を評価するため肉眼による外観観察、光沢測定、
塩水噴霧試験(JISZ―2371に準拠)及びハツト
曲げ加工試験を行なつた。この試験の主要条件は
次の通りである。 ハツト曲げ成形条件 ダイス径 42.2φ、ダイス肩3R ポンチ径 42.0φ、ポンチ肩3R 皺押え力 300Kg 潤滑油 なし 加工前のサンプル形状:0.8×20×100mmの溶融ア
ルミニウムめつき鋼板
【表】
【表】
本発明の実施例の試験結果を第2表にまとめて
示す。
示す。
【表】
実施例の仕上がり外観について観ると、本発明
は何れも良好であつたのに対し、比較例No.3′や
5′の様にクロム付着量が多いとその外観は不良と
なる。なおクロメート皮膜による色調変化の1例
を第1図に示すが、クロム・クロメート系の場合
その皮膜厚が厚くなるとその色調変化が大となる
のは避けられない。 第1図に示した中でΔbが8.0を超えると銀白色
というよりは寧ろ黄緑系の干渉色を呈す様にな
り、美麗な表面とは言い難い。また、之程多量の
皮膜を付与してもその加工部の耐食性は比較例
3′から判る様に必ずしも向上するとは言い難い。 比較例のうちNo.1′、2′、3′、の有機珪素撥水剤
塗布を実施しないものはその加工部の耐食性が劣
つている。特にその加工率が高くなればなる程そ
の変化の程度が顕著となる。また先きに述べた様
に色調が著しく変化する程多大なクロメート皮膜
を付与してもその加工部の耐食性に及ぼす寄与は
それ程大とはならない。それに対して比較例No.
1′と同様のクロメート皮膜を付与せしめた試験材
に有機珪素撥水剤を塗布するとその加工部におけ
る耐食性は著しく改善される。このことは有機珪
素撥水剤の方がクロメート皮膜に比し加工に強い
のみならず加工自体をし易くするため表面に局部
的な大きい荷重が掛からず、表面が均一に伸び、
局部的な欠陥を作らないためと判断される。 加工時における成形荷重が如何に少なくて良い
かの例を参考として第2図に示す。第2図におい
て横軸はストロークを、縦軸はその時要する成形
荷重を表わしているもので、例えば6mmの高さに
ハツト曲げ加工を行なう場合、実施例No.1の試料
であればそれに要する成形荷重は270Kgでよいが、
有機珪素撥水剤を塗布していない比較例No.1′の試
料の場合は900Kgを要し表面に可成りの変形荷重
が掛かることとなる。このことから有機珪素撥水
剤を塗布した場合、局部的な応力の集中が無く、
皮膜の局部欠陥が少なく、耐食性に良い結果をも
たらすことが充分に考えられる。 比較例No.4′を観ると同一の有機珪素撥水剤塗布
を施しても、その下のクロメート皮膜が少ない場
合は相乗的効果が顕著ではない。このことは余り
クロメート皮膜量が少ない場合にはクロメート皮
膜が施されていない部分が生じ、その上に有機皮
膜を付与してもその皮膜は薄く若干の透湿性を有
しているため、水分が極く僅かずつ透過し遂には
下のアルミ表面に達し、クロメート皮膜の無い部
分で腐食が生ずるものと考えられる。そのクロメ
ート皮膜の下限値は全クロム量として5mg/m2で
あることが実施例から判断される。上限値は実用
上から全クロム量で50mg/m2未満が好ましいと言
えるが、前述した様に外観の点を考慮すると40
mg/m2未満にとどめるべきである。
は何れも良好であつたのに対し、比較例No.3′や
5′の様にクロム付着量が多いとその外観は不良と
なる。なおクロメート皮膜による色調変化の1例
を第1図に示すが、クロム・クロメート系の場合
その皮膜厚が厚くなるとその色調変化が大となる
のは避けられない。 第1図に示した中でΔbが8.0を超えると銀白色
というよりは寧ろ黄緑系の干渉色を呈す様にな
り、美麗な表面とは言い難い。また、之程多量の
皮膜を付与してもその加工部の耐食性は比較例
3′から判る様に必ずしも向上するとは言い難い。 比較例のうちNo.1′、2′、3′、の有機珪素撥水剤
塗布を実施しないものはその加工部の耐食性が劣
つている。特にその加工率が高くなればなる程そ
の変化の程度が顕著となる。また先きに述べた様
に色調が著しく変化する程多大なクロメート皮膜
を付与してもその加工部の耐食性に及ぼす寄与は
それ程大とはならない。それに対して比較例No.
1′と同様のクロメート皮膜を付与せしめた試験材
に有機珪素撥水剤を塗布するとその加工部におけ
る耐食性は著しく改善される。このことは有機珪
素撥水剤の方がクロメート皮膜に比し加工に強い
のみならず加工自体をし易くするため表面に局部
的な大きい荷重が掛からず、表面が均一に伸び、
局部的な欠陥を作らないためと判断される。 加工時における成形荷重が如何に少なくて良い
かの例を参考として第2図に示す。第2図におい
て横軸はストロークを、縦軸はその時要する成形
荷重を表わしているもので、例えば6mmの高さに
ハツト曲げ加工を行なう場合、実施例No.1の試料
であればそれに要する成形荷重は270Kgでよいが、
有機珪素撥水剤を塗布していない比較例No.1′の試
料の場合は900Kgを要し表面に可成りの変形荷重
が掛かることとなる。このことから有機珪素撥水
剤を塗布した場合、局部的な応力の集中が無く、
皮膜の局部欠陥が少なく、耐食性に良い結果をも
たらすことが充分に考えられる。 比較例No.4′を観ると同一の有機珪素撥水剤塗布
を施しても、その下のクロメート皮膜が少ない場
合は相乗的効果が顕著ではない。このことは余り
クロメート皮膜量が少ない場合にはクロメート皮
膜が施されていない部分が生じ、その上に有機皮
膜を付与してもその皮膜は薄く若干の透湿性を有
しているため、水分が極く僅かずつ透過し遂には
下のアルミ表面に達し、クロメート皮膜の無い部
分で腐食が生ずるものと考えられる。そのクロメ
ート皮膜の下限値は全クロム量として5mg/m2で
あることが実施例から判断される。上限値は実用
上から全クロム量で50mg/m2未満が好ましいと言
えるが、前述した様に外観の点を考慮すると40
mg/m2未満にとどめるべきである。
第1図はクロメート皮膜量と色調差との関係を
示す図、第2図は成形荷重に及ぼす有機珪素撥水
剤塗布の効果を示す図である。 図中、曲線1…実施例No.3の色調差(Δb)、曲
線2…実施例No.7の色調差(Δb)、曲線3…実施
例No.4(有機珪素撥水剤を塗布したもの)の場合、
曲線4…実施例No.1(有機珪素撥水剤を塗布しな
いもの)の場合。
示す図、第2図は成形荷重に及ぼす有機珪素撥水
剤塗布の効果を示す図である。 図中、曲線1…実施例No.3の色調差(Δb)、曲
線2…実施例No.7の色調差(Δb)、曲線3…実施
例No.4(有機珪素撥水剤を塗布したもの)の場合、
曲線4…実施例No.1(有機珪素撥水剤を塗布しな
いもの)の場合。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 溶融アルミめつき鋼板にクロメート皮膜を形
成させた後、有機珪素撥水剤で処理することを特
徴とする溶融アルミめつき鋼板の表面処理方法。 2 クロメート処理によつて形成されたクロメー
ト皮膜中のクロム量が5〜40mg/m2である特許請
求の範囲第1項に記載の溶融アルミめつき鋼板の
表面処理方法。 3 有機珪素撥水剤がシリコンオイルエマルジヨ
ン型である特許請求の範囲第1項または第2項に
記載の溶融アルミめつき鋼板の表面処理方法。 4 有機珪素撥水剤がシリコンワニスエマルジヨ
ン型である特許請求の範囲第1項または第2項に
記載の溶融アルミめつき鋼板の表面処理方法。 5 有機珪素撥水剤が水溶性シリコンワニス型で
ある特許請求の範囲第1項または第2項に記載の
溶融アルミめつき鋼板の表面処理方法。 6 有機珪素撥水剤が有機溶剤溶解型シリコンワ
ニスである特許請求の範囲第1項または第2項に
記載の溶融アルミめつき鋼板の表面処理方法。 7 有機珪素撥水剤処理により形成された有機珪
素皮膜の厚みが0.01〜20μである特許請求の範囲
第1項から第6項までのいずれか1項に記載の溶
融アルミめつき鋼板の表面処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10316681A JPS586976A (ja) | 1981-07-03 | 1981-07-03 | 溶融アルミめつき鋼板の表面処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10316681A JPS586976A (ja) | 1981-07-03 | 1981-07-03 | 溶融アルミめつき鋼板の表面処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS586976A JPS586976A (ja) | 1983-01-14 |
JPS633952B2 true JPS633952B2 (ja) | 1988-01-26 |
Family
ID=14346917
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10316681A Granted JPS586976A (ja) | 1981-07-03 | 1981-07-03 | 溶融アルミめつき鋼板の表面処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS586976A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6013180U (ja) * | 1983-07-05 | 1985-01-29 | 株式会社ピーエフユー | パチンコ・ホ−ル用コンピユ−タの専用モニタ− |
JPS6048771A (ja) * | 1983-08-29 | 1985-03-16 | 株式会社三共 | 遊技場の業務管理装置 |
JPS633885A (ja) * | 1986-06-23 | 1988-01-08 | 株式会社ピーエフユー | 表示・印刷制御方法 |
WO1998004760A1 (fr) | 1996-07-31 | 1998-02-05 | Nippon Steel Corporation | Plaque en acier de protection ayant des caracteristiques de soudage de haute resistance, une resistance elevee a la corrosion et aptitude a la formation a la presse pour des reservoirs de carburant de vehicules automobiles |
-
1981
- 1981-07-03 JP JP10316681A patent/JPS586976A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS586976A (ja) | 1983-01-14 |
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